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極道の世界

解放の兆し *

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「おい宏斗、電話すんならスピーカーにしろよ。」

「そうだね。そっちの方が庵にも聞かせられるからいいね。了解だよ兄貴。」



電話の主が龍之介だと分かると玲二は宏斗にそう言った。その玲二の言葉に宏斗は頷く。全ては庵を苦しませるために…。



「じゃあ出るよ兄貴。」

「おう。」

「あ、待って兄貴。その前にする事があったんだった…。」

「どうした?」

「庵に声我慢させないようにいじめてあげて。せっかく龍之介と電話するんだ。庵の声をあいつに聞かせないと面白くないからさ。」

「確かにそうだな。」



宏斗に言われないと気づかなかった玲二だが庵は一生懸命声を我慢していた。どうやら庵は龍之介に声を聞かせたくないのだろう。助けを求めれるチャンスなのにきっと声を聞かれたくないのだ。その理由は玲二には分からなかったが宏斗には分かったらしい。それもあって宏斗は庵に声を出させるようにしたのだ。

そしてーーー。



「ふく゛っ、ぅ゛っ、んん゛っ!」



玲二が激しく腰を打ちつけ始めたことで庵は声を抑えることが出来なくなった。先程までは唇を噛めば何とかなった。けれどそれが出来なるなるほど玲二に激しく突かれてしまう。そんな庵をみて宏斗は満足そうに笑った。



「うん。いい感じだ。じゃあ兄貴、俺は電話に出るね。」

「ああ。面白くなりそうだな。」

「そうだね。」



宏斗はそういい玲二に笑みを向けた。そして龍之介からの応答に応える。



 「もしもーし。龍之介元気?」



宏斗はきっと怒り狂っているであろう龍之介に向かって呑気にそう言った。どこまでもクズだ。庵は玲二に泣かされながらもそう思った。



『どういうつもりだお前。庵はどこにいる。』



宏斗がスピーカーにしたことで龍之介の声が庵にも聞こえた。その声を聞いただけで庵は涙が止まらなくなる。そんな庵をみて宏斗は腹を立てたようで庵の乳首を刺激し始めた。



 「んん゛っ、ぅ、う゛っ!」



幸いにも庵のこの声は龍之介には届いていなかったようだ。こんなにも庵が声を我慢している理由はただ一つ。龍之介に嫌われたくないから。こうして穢れた体になってしまったらもしかすると龍之介は庵を嫌うかもしれない。庵はそれを恐れたのだ。そんなふうに頑張って声を我慢する庵の乳首をいたぶりながら宏斗は龍之介の問いかけに適当に答え始めた。



 「庵?何言ってんのさ龍之介。俺は何も知らないよ。庵はお前が家に閉じ込めてんだからさ。俺に聞かれても知るわけないじゃん。」

『とぼけるのも大概にしろ。何かあった時ように監視カメラつけてんだよ。』

 「あはは、そこまでしてんのに庵1人守れないなんて馬鹿だね龍之介。」



宏斗はさぞ面白そうにそう笑った。確かにその通りだ。あれだけセキュリティを強化したのに龍之介は庵を守れなかった。宏斗はその龍之介の痛い所を突いて大笑いした。



『庵はどこだ。答えろ。』

 「さぁ、どこだろうね。知りたいなら自分で探せば?」

『いい加減にしろ。庵を返せ。』

 「返せ?笑わせないでよ。元々庵は俺のものなんだから。なのにお前が奪ってきたんだろ?」



宏斗はそういい携帯を持ち替えた。そしてカメラをオンにした。それが何を意味するのかなんて言わなくても分かるだろう。そう。宏斗はビデオ通話に変えたのだ。そのため庵は大暴れで逃げようとする。



「ん゛っ、ぅ゛っ、うぅ゛っ、ふ゛っ!!」

「はは、逃げられないって庵。ほらみてよ龍之介。兄貴のを美味しそうに咥えながら喜んでるでしょ?」

「うく゛っ、ぅ、あ゛っ、ぁあ゛っ、あぁあ゛っ!」



宏斗は玲二に激しいピストンをされながら泣き続ける庵を映しながら笑った。それも楽しそうに。庵はなんにも楽しくないのに…。



『どこが喜んでるように見えるんだ。お前ら庵に何をした。』

 「何ってみて分からない?愛し合ってるんだよ。」



宏斗がそこまで言うと龍之介がため息をついた。そのため息を聞いて庵に希望の光が見えた。何となくではあるが察したのだ。龍之介が助けに来てくれる…と。そしてその庵の予想は当たることになる。



「龍之介?どうしたのさ。急に黙んないでよ。それとも諦めたのかな?まぁそうだよね。俺には勝てないよね。セキュリティだってあんな簡単に破られたんだから。」

『よく喋る奴だな。違ぇよ。諦めるわけねぇだろ。俺は呆れたんだよ。大人しく庵を返せば大事にはしないつもりでいた。こんなんでも兄貴だからな。けどお前らがそう言うつもりなら俺も容赦しねぇ。』



龍之介がそう言うと玲二は思わず動きをとめた。そして宏斗も何かが起きることを察したようで顔を青白くさせていた。そもそも龍之介が何も行動せずに電話をしてくるなんて考えてみれば可笑しな話だ。少し考えればわかったのに宏斗は盲点になっていた。そのためこんなにも焦っているのだ。きっと龍之介が電話をしたということは庵の居場所に目星が着いているということだから。それを宏斗は今更になって察してしまったのだ。



 「おい龍之介。どういう意味だ。答えろ!」

 「ちょっと兄貴、落ち着いてよ。」



ここでイラついても何の意味も無い。だから宏斗は玲二にそう言った。龍之介が何をする気なのかだけでも探れば対処することが出来るかもしれないから。だから宏斗はそう言ったのだ。しかしそんな時間すら宏斗らにはなかった。



「お、おい宏斗。誰かが来るぞ。」

「…え?」



焦った宏斗には聞こえなかったようだが玲二には聞こえたようだ。ここに近づいてくる誰かの足音が…。

そしてーーー。




ガチャ



その音と共に扉が開かれた。開くはずのないこの部屋の扉が…。そして数人の男たちが入ってくる。その男の顔を見た玲二と宏斗はまるで血色を無くしたように顔が真っ青になった。



「そこまでだ。その少年から離れなさい。」


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