72 / 134
第二部
63話 幼馴染にさよならをして
しおりを挟む
翌日になり、迎えが来たから出ていいと、私達は丁寧に牢から出された。
身内といえど城主に手をあげたことについては、とりあえず不問になったらしい。一応出す前に侍女のみなさんに丁寧に体を拭かれ、お着替えをさせてもらった。日奈さんもだ。
そして、来てくれたお迎えはもちろん十兵衛だった。
信長様は無理でもワンチャン犬千代くんとか藤吉郎くん来てないかな~と思ったが、そんな期待は儚く散った。
後ろで木格子が閉まる。
目の前にはものすごい顔の明智十兵衛光秀さん。
こわい。
「……帰ろうか」
低く、怒りを滲ませたままの声で、十兵衛はそれだけ呟いて先を歩きはじめる。
「待って、私はまだ帰れない!父上のところへ行かなきゃ」
「駄目だ」
日奈さんと夕凪が、子犬のような目でおろおろとしている。
悪いけど、まだ尾張へ帰って安全な場所から美濃を傍観ってわけにはいかない。
「わかってるだろう?義龍様は父君と……道三様と戦うことを宣言したんだ。もう戦の準備をしている。今から君が道三様のところへ行ったら、信長様は道三様についたと取られて、義龍様から攻撃される」
「そうならないために行くのよ!」
「わかってない!!」
割れるような大きな音がして、思わず後ろの格子に背をついた。
見上げればものすごく近くに十兵衛の顔があって、そうしてようやくさっきの音が、目の前の彼が格子をその手で殴った音だと気づく。
そういえば正面からこんなに近づかれたことはなかったかもしれないと、長いまつ毛を見ながら思い出していた。
最初は目すら合わせてくれないような、人見知りを絵に描いたようなおとなしい子だったのに。
「どうしてわからないんだ!今だって、君はかなり危険な立場なんだ。本来なら、稲葉山城へ来てはいけないのに」
「わかってないのはどっちよ!父上と兄上が戦うことになるのなら、その前に殴って止める!前はわかってくれたじゃない!」
美濃にいた時。この決意を兄上に語った時に、彦太郎にも話した。彼は笑って聞いてくれた。
私を理解してくれたと、思ったのに。
「今はもう、あの頃とは状況が違う」
「そんなことない。まだ止められるわ!十兵衛は兄上が本当に、孫四郎達を殺したと思うの?遺体は見たの!?」
「それは、こんな場所で言えることじゃない……」
「姫様、あの、そろそろ……まずい、です」
夕凪がきょろきょろと目線を左右に向けながら囁き声をかけてきた。私にはわからないが、忍者にしか聞こえない音を察知しているらしい。
十兵衛はそれを聞いて、牢の出口へ声を掛けた。
すると、私達の他はせいぜい牢番さんしかいないと思っていたのに、奥から黄色いひよこみたいな頭が覗いて出た。
藤吉郎くんは申し訳なさそうに頭を掻きつつ、私にまっすぐに向かってくる。
「藤吉郎くんも連れてこられちゃったのね……」
「いや~、痴話喧嘩の最中に割って入るなんて、無粋なことしたくなかったんスけどね」
「痴話ゲンカなんてしてないわよ」
さては、自分ひとりじゃ連れ戻せないと思って、先手で男手を足したってところかしら。
私の我儘には各務野先生を呼ぶのが一番だけど、女性をそんなに急に危険な場所へ連れてけないものね。
「姫《ひぃ》さん、自分達忙しんス。これから清州城のこととか色々、しなきゃならないんで」
「ごめんね、迎えに来てくれてありがとう。父上のところは私一人で行くから、大丈夫よ」
「そういうわけで、これ」
藤吉郎くんはいつものリスみたいな笑顔のまま、私に匂袋?を差し出してきた。
だから油断してしまった。
嗅ぐように鼻の前へ出されたそれを、なんの疑いもなく呼吸と一緒に吸い込む。
ウッ!クロロホルム……!
じゃないとは思うけど、嗅いだ瞬間急に目の前が暗くなって、私は藤吉郎くんの胸に倒れるように体を預けてしまった。
遠くなっていく意識の向こうで、十兵衛が小さくお礼を言う声が聞こえる。
覚醒夢のような波打つ感覚の中、私は米俵のように担がれて運ばれるのを、見えないけど肌で感じとった。
ここはお姫様だっこじゃないのね。
と、悲しき悪役のさだめを、ゆりかごのような揺れにあわせて嘆いた。
********
「十兵衛さん、これだと姫さん苦しそうなんで、ほい」
木下藤吉郎は、攻略対象者の中では一番小柄な少年だ。
まだ帰蝶よりも背が低く、16歳女子のほぼ平均身長の日奈と目線が同程度。本来の戦国時代なら成人男性でも普通の体系だろうが、他の攻略対象者が長身なので、同じく女性にしては長身の帰蝶も抱え辛かったのだろう。
横抱きにしていた彼女を光秀へ渡すと、猫のように伸びをして体をほぐした。
光秀は無言のまま、受け取った帰蝶の体を丁寧に自分の両腕の中へ納めて、軽々と持ち上げた。
所謂、お姫様抱っこである。
あの、日奈の苦手な刺すような眼光が失われているので、抱えれらた少女は「美しい」の一言だ。
一枚の絵画のよう。
少しだけ羨ましく思いながら、日奈はけれどそれを見ないように首を左右に振った。
誰かと恋はしなくていい。
バッドエンドにならない程度の友好度を保って、シナリオが頓挫しないよう史実通りに進めればいいのだから。
********
次に目覚めると那古野城の自室だった。
荷物のように運ばれたことに怒りはないけど、のけ者にされた気がして、悔しい。
最近ずっとこうだ。
各務野先生にお願いしてすぐに身支度をして、十兵衛達がいる部屋へ案内してもらった。
幸いというか藤吉郎くんが薬の分量を調整をしてくれたのか、日付はまだ変わってはいなかった。移動の間だけ、眠っていたらしい。
あの子、こんなことも出来るのね。オリジナルスキルについては、日奈さんにもっと確認をしておく必要がありそう。
着いた部屋には、例の清州城奪取作戦の会議中らしく、主要家臣のみなさんが集まっていた。ちょうどいい。
「明智十兵衛光秀、私の護衛の任を解きます」
みんなの視線が向いている中で、私は高らかに宣言した。
十兵衛は私に一度だけ目線を向けたが、その目を、あわせなかった。
「これよりは、織田信長様についてください。信長様、十兵衛をお願いします。他の方も、どうか力になってあげてください」
私と十兵衛の仲のよさは、城中のみんなが知るところなので、場は動揺で寒いくらいに静まっている。
その中で、信長だけが呑気そうな顔で答えた。
あんなに欲しがっていた明智光秀なのに、さほど興味がなさそう。
「お前たちがそれでいいなら、俺は歓迎だけど、いいのか?」
「構いません。私よりも、彼をうまくつかってくれるでしょうから」
「ミツ、お前は?」
信長の問いに、十兵衛はすると思った反論も、否定も、怒りもなにも返さなかった。
「……仰せのままに」
それだけを聞いて、私は幼馴染に背を向けた。
幼馴染で、護衛で、弟みたいに一緒だった。
けどそれは、全部雛鳥のすり込みみたいなもので、私がするべきことじゃなかった。たまたま、最初に私がしてしまっただけ。
これで、いいのよね。
きっとこれで、あなたは自由になれるから。
身内といえど城主に手をあげたことについては、とりあえず不問になったらしい。一応出す前に侍女のみなさんに丁寧に体を拭かれ、お着替えをさせてもらった。日奈さんもだ。
そして、来てくれたお迎えはもちろん十兵衛だった。
信長様は無理でもワンチャン犬千代くんとか藤吉郎くん来てないかな~と思ったが、そんな期待は儚く散った。
後ろで木格子が閉まる。
目の前にはものすごい顔の明智十兵衛光秀さん。
こわい。
「……帰ろうか」
低く、怒りを滲ませたままの声で、十兵衛はそれだけ呟いて先を歩きはじめる。
「待って、私はまだ帰れない!父上のところへ行かなきゃ」
「駄目だ」
日奈さんと夕凪が、子犬のような目でおろおろとしている。
悪いけど、まだ尾張へ帰って安全な場所から美濃を傍観ってわけにはいかない。
「わかってるだろう?義龍様は父君と……道三様と戦うことを宣言したんだ。もう戦の準備をしている。今から君が道三様のところへ行ったら、信長様は道三様についたと取られて、義龍様から攻撃される」
「そうならないために行くのよ!」
「わかってない!!」
割れるような大きな音がして、思わず後ろの格子に背をついた。
見上げればものすごく近くに十兵衛の顔があって、そうしてようやくさっきの音が、目の前の彼が格子をその手で殴った音だと気づく。
そういえば正面からこんなに近づかれたことはなかったかもしれないと、長いまつ毛を見ながら思い出していた。
最初は目すら合わせてくれないような、人見知りを絵に描いたようなおとなしい子だったのに。
「どうしてわからないんだ!今だって、君はかなり危険な立場なんだ。本来なら、稲葉山城へ来てはいけないのに」
「わかってないのはどっちよ!父上と兄上が戦うことになるのなら、その前に殴って止める!前はわかってくれたじゃない!」
美濃にいた時。この決意を兄上に語った時に、彦太郎にも話した。彼は笑って聞いてくれた。
私を理解してくれたと、思ったのに。
「今はもう、あの頃とは状況が違う」
「そんなことない。まだ止められるわ!十兵衛は兄上が本当に、孫四郎達を殺したと思うの?遺体は見たの!?」
「それは、こんな場所で言えることじゃない……」
「姫様、あの、そろそろ……まずい、です」
夕凪がきょろきょろと目線を左右に向けながら囁き声をかけてきた。私にはわからないが、忍者にしか聞こえない音を察知しているらしい。
十兵衛はそれを聞いて、牢の出口へ声を掛けた。
すると、私達の他はせいぜい牢番さんしかいないと思っていたのに、奥から黄色いひよこみたいな頭が覗いて出た。
藤吉郎くんは申し訳なさそうに頭を掻きつつ、私にまっすぐに向かってくる。
「藤吉郎くんも連れてこられちゃったのね……」
「いや~、痴話喧嘩の最中に割って入るなんて、無粋なことしたくなかったんスけどね」
「痴話ゲンカなんてしてないわよ」
さては、自分ひとりじゃ連れ戻せないと思って、先手で男手を足したってところかしら。
私の我儘には各務野先生を呼ぶのが一番だけど、女性をそんなに急に危険な場所へ連れてけないものね。
「姫《ひぃ》さん、自分達忙しんス。これから清州城のこととか色々、しなきゃならないんで」
「ごめんね、迎えに来てくれてありがとう。父上のところは私一人で行くから、大丈夫よ」
「そういうわけで、これ」
藤吉郎くんはいつものリスみたいな笑顔のまま、私に匂袋?を差し出してきた。
だから油断してしまった。
嗅ぐように鼻の前へ出されたそれを、なんの疑いもなく呼吸と一緒に吸い込む。
ウッ!クロロホルム……!
じゃないとは思うけど、嗅いだ瞬間急に目の前が暗くなって、私は藤吉郎くんの胸に倒れるように体を預けてしまった。
遠くなっていく意識の向こうで、十兵衛が小さくお礼を言う声が聞こえる。
覚醒夢のような波打つ感覚の中、私は米俵のように担がれて運ばれるのを、見えないけど肌で感じとった。
ここはお姫様だっこじゃないのね。
と、悲しき悪役のさだめを、ゆりかごのような揺れにあわせて嘆いた。
********
「十兵衛さん、これだと姫さん苦しそうなんで、ほい」
木下藤吉郎は、攻略対象者の中では一番小柄な少年だ。
まだ帰蝶よりも背が低く、16歳女子のほぼ平均身長の日奈と目線が同程度。本来の戦国時代なら成人男性でも普通の体系だろうが、他の攻略対象者が長身なので、同じく女性にしては長身の帰蝶も抱え辛かったのだろう。
横抱きにしていた彼女を光秀へ渡すと、猫のように伸びをして体をほぐした。
光秀は無言のまま、受け取った帰蝶の体を丁寧に自分の両腕の中へ納めて、軽々と持ち上げた。
所謂、お姫様抱っこである。
あの、日奈の苦手な刺すような眼光が失われているので、抱えれらた少女は「美しい」の一言だ。
一枚の絵画のよう。
少しだけ羨ましく思いながら、日奈はけれどそれを見ないように首を左右に振った。
誰かと恋はしなくていい。
バッドエンドにならない程度の友好度を保って、シナリオが頓挫しないよう史実通りに進めればいいのだから。
********
次に目覚めると那古野城の自室だった。
荷物のように運ばれたことに怒りはないけど、のけ者にされた気がして、悔しい。
最近ずっとこうだ。
各務野先生にお願いしてすぐに身支度をして、十兵衛達がいる部屋へ案内してもらった。
幸いというか藤吉郎くんが薬の分量を調整をしてくれたのか、日付はまだ変わってはいなかった。移動の間だけ、眠っていたらしい。
あの子、こんなことも出来るのね。オリジナルスキルについては、日奈さんにもっと確認をしておく必要がありそう。
着いた部屋には、例の清州城奪取作戦の会議中らしく、主要家臣のみなさんが集まっていた。ちょうどいい。
「明智十兵衛光秀、私の護衛の任を解きます」
みんなの視線が向いている中で、私は高らかに宣言した。
十兵衛は私に一度だけ目線を向けたが、その目を、あわせなかった。
「これよりは、織田信長様についてください。信長様、十兵衛をお願いします。他の方も、どうか力になってあげてください」
私と十兵衛の仲のよさは、城中のみんなが知るところなので、場は動揺で寒いくらいに静まっている。
その中で、信長だけが呑気そうな顔で答えた。
あんなに欲しがっていた明智光秀なのに、さほど興味がなさそう。
「お前たちがそれでいいなら、俺は歓迎だけど、いいのか?」
「構いません。私よりも、彼をうまくつかってくれるでしょうから」
「ミツ、お前は?」
信長の問いに、十兵衛はすると思った反論も、否定も、怒りもなにも返さなかった。
「……仰せのままに」
それだけを聞いて、私は幼馴染に背を向けた。
幼馴染で、護衛で、弟みたいに一緒だった。
けどそれは、全部雛鳥のすり込みみたいなもので、私がするべきことじゃなかった。たまたま、最初に私がしてしまっただけ。
これで、いいのよね。
きっとこれで、あなたは自由になれるから。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
悪役令嬢の独壇場
あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。
彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。
自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。
正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。
ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。
そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。
あら?これは、何かがおかしいですね。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる