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亡霊と殺人鬼
【5】
しおりを挟む夥しい量の不気味なぬいぐるみたちが笑いながら襲いかかってくる
その鳴き声はまるで泣いているような叫んでいるような
聞いていて気分が悪くなるものだった
城下は大騒ぎとなっている
その油断ならない状況下の中、
ヴァルツは抜き身の剣を手に襲いかかってくるぬいぐるみを切り捨てながら進む
この惨状の中、今できることを成そうとしていた
応戦しながら周囲を窺う
溢れていた民衆は散り散りに逃げ出したようで、恐怖で動けないものや波に飲まれ怪我をした人、ぬいぐるみに襲われた人や誰かを助けようと動くものたちで溢れていた
その中で目立つのは先程の聖歌隊(クワイア)の構成員が襲われた人たちを庇うように戦っていたり治療したりと活躍していた
先ほど騒いでいた人物は中央でぬいぐるみ達に囲まれた
様子で奮闘しているが
確かに囮としての役目は十分果たしていた
軽い身のこなしで戦場を舞い、翻弄させ魔術と体術そして剣術で見事にせめぎ合っていた
動くたびに白い服の姿がまるでウサギのように見え、
青いマントがはためいている様子が踊っているようにも見えた
「光よ道を切り拓け!」
俺は手から光弾を放つ
囮役の少年の後ろに迫っていた敵を吹っ飛ばした
それに気づいた少年が振り返って状況を把握したようで
見える口元に笑みを浮かべて言った
「そこの人ありがとう!助かったよ!」
フェイスベール越しの笑顔でそう言われた
「礼を言うのはこちらの方だ」
互いの背を向きあわせて敵を見据える
即興だが背中を守りあっての共闘だ
「何体倒せる?」
「全てだ!」
「いい答えだ!」
ザシュッ!
同時に行動を開始する
ピンク色の原型がウサギのようなぬいぐるみが崩れ落ちる
後ろの方では青いクマのぬいぐるみが横に真っ二つになった
「炎よ!」
「雷よ!」
同時に魔術を発動させる
不思議と息があっていた
「踊れ!」
「迸れ!」
俺が発動させた雷が前方のぬいぐるみ達を吹き飛ばす
痙攣するような動きの後煙を吐きながら倒れる
少年が同時に放った炎が激しく燃え盛りながら現れ、ぬいぐるみ達を巻き込みながら迫っていき燃やしていた
二十体ほどは倒せたようだ
ザクッ!
グシャッ!
ぬいぐるみを斬っているだけなのに嫌な感触が手に残り
耳に肉を断ち切ったような音までした
見てみてもやはり白い綿が見えるだけだった
これも、主犯の魔術の効果だろうか
そして聴こえてくるアコーディオンの演奏が耳に残り
感覚を狂わされているような錯覚に陥る
俺は精神汚染の耐性があるからなんとか大丈夫だが
逃げ回っている民衆もどこか過剰に恐怖し混乱しているように見受けられた
耳を押さえ目を閉じ叫びながら走っている人が何人かいた
その他にも笑って地べたに座りながら何かを喋っている者もいる
やはり精神攻撃のせいだろう
どこまでの範囲なのか…
国全体がこの魔術の効果に覆われていたらさらに被害が広がるだろう
「ハァッ!」
「ッ!」
思考に囚われていたら死角から迫っていたぬいぐるみを少年が倒してくれた
斬り捨てられたぬいぐるみが倒れる
「すまない。助かったよ」
「なんてことないさ!君も無理しないで!」
この惨状の中励ますような声に
根拠もないのに心が落ち着いた
「ありがとう。フッ!」
「おわっ!」
こちらに向いていた少年の顔の横を剣で貫いた
背後に迫っていたキツネのぬいぐるみが倒れる
「あ、ありがとう」
「フ…なんてことないさ」
互いに息を合わせながら応戦する
「偉大なる光よ!我らを照らしたまえ!」
離れたところから声が聞こえた
すると俺たちの周りが淡い光に包まれる
範囲指定の補助魔術だ
「エンチャント。フレイム」
別の場所から詠唱が聞こえた
「血を流し罪を贖え 灯火をここに 鉄の荊!」
横から炎の鞭のようなものが空間を割くように伸ばされ
敵を両断した後跳ねるように動き巻き込まれるようにぬいぐるみ達の体が引き裂かれて燃える
見ると体格の良い青年がフェイスベールの下の口元を閉じながら下らないと言うように鼻で笑う
「ねぇまだ!?」
焦ったような声で少年が仲間に言った
倒しても倒してもぬいぐるみはどこからかやってくる
このままでは次第に不利になるのは目に見えていた
「もうへばったのか?」
「ちがう!このままじゃ被害が広がるでしょ!そんなこともわからないのかな」
「わかっているに決まっているだろ!だから、こうして被害を抑えているんだろう」
「余裕ぶって高威力の魔術使って後でバテても知らないからね!置いてっちゃうからね!」
「フ…、お前と一緒にするな。魔力配分は考慮している」
少年に迫っていた三体のぬいぐるみを青年は言葉を交わしながら空中に跳ね体を逆さにし同時に三体のぬいぐるみの首を切り落とした
「はぁー。プロフェッサーの真似ですかー。優等生さんは見せつけるのがお好きですねー」
「自慢に見えたのならすまないな。できないものに対する配慮が足りないようだ」
「誰に言ってるのかなー?ねぇ?カッコつけたって夜な夜な練習してるの知っているんだからね」
「なっ……、ただの個人練習だお前に関係ないだろおもらし子ウサギ」
「漏らしてない!!あれは寝ぼけて花瓶を蹴って落としただけだもん!」
「ふん。怪しいものだな」
「なにをぉ!」
「二人ともやめなよ~。喧嘩は良くないよ~」
「「喧嘩なんてしてない!」」
「あははー。仲良しさんだねー」
「「よくない!」」
三人は話しながらも連携して応戦している
俺も合わせるように戦っているが自然とフォローしてくれて戦いやすかった
「怒りすぎると眉間の皺が消えなくなっちゃうよ~あはは」
「余計なお世話だ。それより集中しろよな。効力が不安定になるぞ」
「うん。がんばるよー」
「無理しないでね!俺たちがちゃんとカバーするからさ」
「ありがとうー」
「俺は二人分の負担があるけどな」
「協調性のない堅物君には難しいかなぁ?先生の前だから張り切っているようだし」
「か、関係ないだろ!いつも通りだ。チビのくせに」
「あっ!?関係なくない!?」
しかし戦闘中だと言うのによく喋るな
自分の団でもここまで話はしない
副団長のロイが軽口を挟むくらいだ
「君たち。遠足じゃないんだからさもう少し緊張感を持ちなさい」
中央で静かにしたいた人物が話し出した
それは聖歌隊(クワイア)の主軸となっていた歌手だった
長い髪がふわりと風に揺れる
「だってフォルテがいちいち突っかかってくるからさ」
「俺のせいにするなよ!役目をしっかりとこなしているだけだ」
「二人とも仲良しだからねー。俺もみんなとなら頑張れちゃうよー」
杖を持った青年が柔らかく間延びした声で言った
「はぁ…。遊びじゃないんですから気を引き締めなさい。わかりましたか?」
「「「はい!」」」
「よろしい。こちらも観測と概念固定の定着ができましたので次に移行します」
「やっとかぁ」
「どんな状況下でも焦らず着実に、考えて実行するんですよ。人間は余裕がない時こそ失敗するものですから」
教師が生徒に言い聞かせるように話す
彼らのリーダー的存在なのかもしれない
「そこの、無駄に自己主張が激しい金色の優柔不断そうな君」
!?
「お、俺のことか?」
動揺しながらも俺は答えた
初対面の相手に馬鹿にされたような気がするが問い詰めるような状況ではない
「ええそうです。他にいないでしょう?まったく。これから対侵食結界を発動するのであなたはその暑苦しい光属性の術式解除してください。干渉されて不愉快です」
「そうなのか。わ、わかった」
半分もわかっていないが頷く
何故だか歯向かうことは俺の中の危機管理部分が抵抗せず従えと告げている
俺は体と剣に纏わせていた光属性の魔力を解放した
「よろしい。これで臭わなくなって快適」
!?!?
「に「調律魔法」」
俺の言葉は被せられた
リーダーの女性の言葉を合図に
三人がリーダーを中心に後退した
俺も合わせて敵と距離を離す
「第六律 白灰の世界樹」
女性が前に手を伸ばすと光の樹木が現れた
全てが白く輝く自然界にはないものだった
木が現れると周囲の空気が変わった
狂気と不安に満ちていた空間が浄化されていくのが感じられた
だけどこれは、光魔法ではない
どの属性だ…
俺は大木を見上げながらそう考えていた
「鳥達よ」
綺麗な声で紡がれた声が響き渡った
女性は空に両手を伸ばす
「羽搏きなさい」
その声と共にいつの間にか木の枝に乗っていた白い鳥達が一斉に飛んだ
暗く怪しい狂気じみた空間が変化していく
見上げた際に空は青みがかった赤い空だったが
鳥達が飛ぶと精神を錯乱させる空からの光が消える
混乱していた民衆も落ち着いたのかぽかんとしていた
「……」
「鳥によって空間の範囲拡大と固定。世界樹で侵食効果を相殺しています。長くは消耗が激しいので今は…五時間ほどなら保てます」
女性は上を見据えながら言った
「じゃあはやく解決しないとね」
「それはそうだが、俺たちの任務は情報収集と護衛だ。現地の奴に任せるべきじゃないのか」
「でも連絡つかないんだよねー?俺たちだけで動いていいのかなー」
「いいわけがないだろ。そもそも…」
「ぐちぐちうるさいなぁフォルテ君は~」
「いい加減なお前にはうるさく聞こえるかもな」
「いい加減じゃないだろ!なら困っている人を見殺しにしろって言うのか!」
「そうは言っていないだろ!俺たちだけで一つの国を守れるわけじゃない。そもそも俺たちは後衛でこの任についたんだろ」
「あれー?たまたまそこに居たから連れてきたって教授言ってたような」
「そんなわけが……ないですよね?」
フォルテと呼ばれた生真面目で偉そうな態度の青年が後ろで控えていた女性に問うように振り返る
「へ?…ああ、そうですよ。もちろん」
「ですよね…」
「どうせあなた達はじっとできない子達ですから。なら連れてきて目の届くとこで暴れてもらった方がこちらも楽です」
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「はぁ!?自分だけいい子ぶるなよ!図書室の窓割ったの知ってるんだからな!」
「あれは違う!汗で木剣が滑ったんだ事故だろ。お前だって共用調理室を水浸しにしたろ」
「あれはそもそもケイが僕が止めても『大丈夫大丈夫ー。少しくらい火力あったって焦げないよー?』とか言ったからちょっと火加減強くしたら一瞬で黒焦げになったんだ!あの調理魔道具壊れているんだよきっと」
「あははー。声真似俺とそっくりー。でも俺全力で魔力注ぎ込めなんて、言ってないよー」
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「あれー?埃っぽくて物が溢れていたからさー。お掃除したけど困らせちゃったかぁー。帰ったら謝らないとなー」
「ケイ。君どうせお昼寝場所を確保したかっただけでしょ」
「あははーそうかもー」
一時的に落ち着いた中で
三人がわちゃわちゃと話している
だいぶ本題から離れてしまっているような気がするが…
俺は言葉を挟んでいいか悩んでいると
彼らの間を何かが通り過ぎた
ガシャン…
音をした方を見ると太陽神の銅像が地面に頭から埋まっている
何が起きたんだ
「「「………」」」
三人が静かに振り返ると女性が口元に笑みを浮かべたまま
首を傾げる
「歓談はお済みかな?」
「「「…はい」」」
「そう。君たちは能力はあっても緊張感と協調性が欠けていますね」
「それは…」
「窓」
「ッ!」
「修復しときなさいね。帰ったら反省文です」
「……承知しました」
「ププッ。怒られてやんの」
「君たちもだよ」
「「ひぃ」」
「調理室二人は一月使用禁止」
「「そんなぁ」」
「あと反省文」
「「はぁい」」
「はぁ。精神面のほうが問題ですね」
やれやれといった態度で先生と呼ばれた女性が呟く
彼らは何者なんだ
「通信端末はありますね」
三人が頷く
「一時的にですがある程度の距離なら使えます。斥候達と連絡が取れなかったので心配ですが連絡を試しつつ行動しましょう。君たちはあくまで付き添いですから余計なことはせず、考えて行動してください」
「「「はい」」」
「よろしい。では…」
次の言葉を言おうとした時
凄まじい殺気がまるで重石のような重圧をかけてきた
動いたら殺される
そう本能が告げるほどの殺意だった
「……おい。おいおいおい。誰だよこんな酷いことする奴。…なぁ教えてくれよ」
なんとか動かない体を動かして、首を動かして声の主を見る
「あーーー…。まじ、マジで最悪。どうしてくれんだよ。最低な気分だ最低すぎて買ったばかりのアイスクリームを地面に落としちまったかのような気分だ。あぁクソ!上手くいかねぇ何もかもが、何もかもがだ!!」
ガンッ!と言う音と共にステージの天井から何者が降りてきた
そいつはガシガシと髪を乱雑に掻き乱し
全くサイズの合っていない黒い白衣を引き摺りながら現れた
顔をあげると鋭い赤い瞳がこちらを射殺さんばかりの目で睨んできた
「…お前らが悪い子か?なぁ?どうなんだよ?なんで邪魔するんだよ?そんなに嫌いか?嫌いなのか?俺だけが悪者にしたいんだろ?ふざけるなよ!!騙されてたまるもんか!ヒック…うぅごめん。ごめんなさい、ごめんね。許してよぼ、僕が悪かった、よね?うん、うん。怒らないで、い、痛いのもうるさいのも嫌なんだ。だって、だって、世界はいい子しか愛してくれないんでしょ?」
視線が乱れまくっていて泳いでいた目が止まる
その瞬間だけは、年相応の柔らかい無垢な笑みだった
そう。現れたのは顔色の悪い濃いピンク色の髪と黒のメッシュの髪をかき上げた少年だった
黒いネクタイが風もないのに揺れている
「だからね。殺すの」
頬を染めて言う
「全部」
……………
誰も言葉を発せず固まっていた
こいつが、元凶なのか?それにしてもこいつは…
「……やばくない?」
「…黙れ」
「だって、……例の人でしょ?話よりだいぶブッ飛んでるよね?会話できなさそうじゃない?ぼく嫌だよフォルテがなんとかしてよね」
その言葉に青年があからさまに動揺する
「……俺にこんな時ばかり押し付けるなよ。ケイ。お前その、何というか、お前なら仲良くできるんじゃないか?妖精とかと話せそうじゃないか?雰囲気とかお前に似ているし」
「んー?それって俺のこと馬鹿にしてないー?不思議君って言いたいように聞こえるけどー?ならあの話聞いてくれなさそうな感じ前のフォルテにそっくりだから気持ちとかわかって仲良くできるかもよー?」
「ふ、ふざけるなあんなのと一緒にするな」
「ねぇねぇあの子プルプルしてない?」
視線が集まる
確かに先程まで捲し立てていたのに不気味なくらい大人しかった
これは、嵐の前の静けさだ
「……ス」
「ス?」
「お前ら、全員殺す。皮を剥いで目を抉って耳を削ぎ落として指を全部切り落として舌を切って腹を割いて一つ一つ腹の中の肉を見せながら、殺してやる」
「……………おぅ。猟奇的」
少年はなかなかハートが強いようだ
キィン!
金属同士がぶつかる高い音がした
「わ!」
「油断しない。死にますよ」
黙っていた女性がナイフを投擲したようで瞬時に迫っていた長目の刃物が少年の首の薄皮を切った所で飛んできたナイフを撃ち落としたようだ
「あ、ありがとう。気をつける」
そう言って少年は剣を構えた
「私が前に出ます。あなた達は離れて…」
「できません!俺は近衛騎士として護るべき人を前に出して自分が下がるなど許せません!」
「だが君たちでは」
「僕たちはチームだし無茶はしないよ先生。先生もいるし任せてよ」
「そうですよー。俺たちはバラバラだとそうでもないけど、一緒だと負けないんです」
三人の言葉に先生と呼ばれた女性は黙し、そして言った
「…そうですね。では出来るだけやってみなさい。大丈夫です。君たちは何があっても私が死なせませんから」
「俺も戦う」
空気とかしていたが、これだけは譲れない
俺がそう告げると皆が頷く
「…頼むから足は引っ張らないでくれ。守って欲しかったら俺の後ろにいろ」
腕を組み生意気そうにフォルテと呼ばれた青年に言われる
「大丈夫だ。自分の身は自分で守れる」
こちらを見ずにフンと鼻で返される
「よろしくー。俺はケイっていいます。頑張って怪我しないように魔術使うから安心してね」
「ああ。頼む。俺もケイを守れるように尽力するよ」
笑顔でケイは頷いた
「ねぇこれさとっていい?いいよね?あー邪魔だった」
青いフェイスベールをとった少年
すると猫のように大きい瞳が現れた
「やぁさっきはどうもお兄さん!僕はセウス。よろしくね!」
明るく花が咲いたように微笑まれた
ベールの下には美少年がいたようだ
もちろんスノーが一番美人だ
「よろしく頼む。俺は…ヴァルツ。ヴァルツ・ゼンクォルツだ」
国を共に戦って守ってくれる戦友に俺は名乗った
するとセウスはコテンと可愛く首を傾げた
「ぜんくぉるつ?……え?王子様じゃん」
セウスは驚いた顔のまま俺と握手をした
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