白い花が咲く丘で

黒月禊

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旅の記憶は輝いて

黒山羊は泥を喰む

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景色が一変した
草は枯れ果て水は濁り歌声を奏でてソラを自由に飛んでいた鳥は静かに地に落ちた

辺りは黒霧が霧散し死の汚染が広がっている


「……な、何なんだこいつは」

ヴァルツは目の当たりにしたものに慄く
今まで幾度の死地にて武勇を重ね研鑽し、少なからず経験を重ね異常なことにも耐性ができていたはずだった
動揺はしても積み重ねた自分が冷静に思考し対策を練る
それが戦士としての自分だったのだ

だが現状
唖然とした

人も獣も魔獣や精霊、神獣だって生の気配がある
だが、こいつは、生とは真逆の存在だ
カテゴリーが違う
魔物のアンデットや死霊とも違う
根本から生命体と違うのだ
神眼が否応なく視る
外なる存在を


ハッとして身構える
とりあえず睨みつけるが、どうすればいいのかわからない
剣でどうにかなるものなのか?
奴に通じる魔術なんて、あるのか?
禍々しい念が辺りを蹂躙する

「ヴァルツ!」

「ッ!」

後ろを振り返る
そこには未だ魔術を行使し、結界にて俺たちと盗賊を守っているスノーの姿があった
俺がただ守られてちゃ話にならないよな…
一瞬でも臆した自分は義憤に駆られる

「…スノー負担させてすまないな。後どのくらい耐えられそうだ?」

「……結界だけなら半刻ほど、逃げるならもう少し伸ばせるよ。でも…」

スノーはチラッと盗賊たちをみる
きっと逃げられるのは俺たちだけだ
最悪の場合それを俺は選択するが、
できることはしておきたい
何より己の矜持と、スノーのために




「大丈夫だ。俺に任せてくれ!」
振り返らずにいう
これは俺自身に課した事だ

「…どうか道を征くものに聖なる光で照らしたまえ」

俺の体が白い光のベールに包まれた
神聖魔術の加護か
この黒霧にも有効なようだ

「ありがとう助かる!」

「長くは、保てなさそうだ。すまないねヴァルツ。逃げられるなら、逃げてもいいと思う」
苦しそうに言う
実際身体的に負担が大きそうだ

「最終手段だな。でも、逃げてもあまり意味がないだろうな」

未だに動かないで触手を揺らし悲鳴をあげている奴のだした黒霧は、広がっている
あれがどこまで広がるかはわからないが村や町まで広がったら被害は大きいだろう
一時的に逃げ出せたとしても、どのみち飲み込まれるだろう

「ふふっ」


なぜかスノーが小さく笑った
驚いて見つめていると少し申し訳なさそうな顔で
話した

「ごめんごめん。盗賊退治から、随分問題が大きくなったなって。冒険譚にしてはなかなかだ」

「…そうだな。じゃあ冒険譚にかっこよく載せられるように無事な姿で倒そう」
剣に魔力を込め、神眼をさらに開放する
視える世界が重なる
あまりの情報量に脳が揺れ吐き気を覚える
だが耐え、睨む

赤、青、黄、白、黒
多重に線がぶれる
目の奥が焼けるような感覚を感じる
だけど、これなら!

あらわれた黒い化物を視る
やはり異常だ
こいつには過去も未来もない、そして現在すらもあやふやで
ただ身を燃やすようにしてここに顕現している
その中心部で、この世に留めている何かが見えた
あれは…さっきの花か、あれはやはり媒体だったのか
中心部には黒と赤の光が滞留し、禍々しく光を吐き出しながら存在していてそれを糧に召喚されているようだ
なら……

「スノー!今からこいつを倒す!」

「で、できるの?」

「やるんだ!どうか俺を、信じていてくれ」

「!……わかったよ。俺はヴァルツを信じる」

その言葉、心が糧になる
強く剣を握りしめる

「俺が、時間を稼いでみる。だから頼むよ」

「おう!」

スノーは杖を掲げ、魔力を込めさらに集中する
「いと慈悲深き光の神よ どうかその穢れなき光で悪しきものを払いたまえ どうか救えぬ魂に赦しを与え給え」
杖から神々しい光が溢れ、あたりの黒い霧を押し返す
その光に敵も苦しそうに悲鳴を上げている

ーーーーッ!?!!?

言語にならない音を吐き出し、奴は触手を伸ばして襲い掛かってきた
危険を感じたのかもしれない
「させるか!」
光刃で素早く切り落とす
斬った感触はないのにそこに確かに存在はあって気持ちが悪い
だが斬り落としても直ぐに再生して襲ってくる
これでは核まで近づけない
「灼熱よ焼き払え!エン・テンペスト」
放った炎が渦を巻き一つの嵐となって奴を炎の檻に閉じ込める
熱気で周囲が焼ける
これで少しはダメージを負わせ近づけるはず
高位魔術で詠唱は省略したが威力は十分だろう
こちらに伸びていて切り離されたはずなのに襲い掛かってくる触手を斬り捨てる
そしてすぐさま距離を積める
「疾く走る我が身は大地を駆ける風とならん」
魔術で加速する
効果増幅する防具が発動してさらに素早く動く
炎の嵐が消え、だいぶ触手は減ったようだがまだ数本残っており減った分も直ぐ再生しているようだ
やはり、厄介だな
「光芒一閃」
明暗して暗闇に直ぐに消える斬撃を放つ
範囲は狭いが威力と速さは凄まじく
瞬時に迫ってきた触手を八本を斬る
「……罪あるものよ歩みを止めよ 汝の道は閉ざされた 己が痛みを受け入れよ 許されよ 許されよ」
後方から詠唱が聞こえ
黒霧を荒々しく放つ奴の地面から光の帯が布のように巻きつき動きを封じる
さすがスノーだ!助かる!
今が攻めどきと感じ
全ての力を身体に、そして剣に集中させる
地面に陣が浮かぶ
魂の宣誓により奇跡を起こす御技
選ばれたものにしかできない技である

だが発動する前に奴が激しく暴れ
より黒い霧を纏った触手が迫ってきた
動きを阻んでいた光の帯は黒くなりボロボロになっていた

クッ!?後少しなのに…
眼前に迫る暴力と向こうに見えるいくつもある奴の口が嗤った気がした

ヒュッ!ズシュッ!

空を切る音と共に触手が吹き飛んだ
「へぇ~、やるじゃねぇの…、てかやっぱこいつかよ。しかも完全体だし悪運やべーな」
場にそぐわない軽口と鋭い一撃により迫ってきた攻撃は防いだ
「したかねぇから譲ってるよ。俺様が場を飾ってやんだ一発で決めろよ金髪!」

「…うるさい奴だな。軽口吐けるなら防御は任せたぞスイウン」

「ハッ!誰に言ってんだよ!一騎当千勇往邁進!!空(クウ)に在る無形の武人スイウンとは俺様だ!いざ参る」
木々を抜けてきたのか散った葉が辺りに舞い散る
駆けつけてきたスイウンが青龍偃月刀を振って名乗りを上げた
群青色の武器は刀身は夜に浮かぶ三日月のように白く
動くたびに光の残光を残す
スイウンは迫る触手を見事な動きで斬り落とす
舞のような動きで、あれは大陸のほうの技だな
体術を組み合わせた武術で素早く優美で
隙のない連撃で、触手が押し負ける
今度こそこれなら!
「決めるぞ!」
「やれんならやってみろや!」
「ヴァルツ頑張ってくれ!」
それぞれの言葉が交わる

一際大きな咆哮をだしさらに勢いを増した攻撃が繰り出される
それをスイウンとスノーが抑える
「明鏡止水 天と地 動は静 相克の理に反し回り廻り全ては二律背反にひっくり返る 太極・鵠」
地を回り空に跳ね横に回りそしてまた地に降り踊るように
武器を回し、触手と黒霧を払う
邪気も同時に払っているようで奴の再生がとても遅くなっている
それにスノーの風と光の魔術が残りを吹き飛ばし辺りを光で払う





俺は目を閉じて、己の真に迫る
剣が虹色に光りそして一つの黄金へと色を変える
数分だけでも、限界を超えてみせる!

「光よ!地に墜ちし邪悪を今!我は光天に輝く星となりて全てを果てに還す暁に至る!ゼン・アルステラ!」


辺りを覆っていた黒い霧が光に払われる
俺の体が白と黄金の光に包まれ
剣から放たれた光が残滓を残し
奴へと迫る
大きく開かれた口からは、声は発せられなかった
中心部を縦に切り裂かれて
奴は空に霧散して消えた
闇から赤い光の残滓を散らしながら核は空に消えた



「ふう……」
辺りを警戒し、気配を探って危険がないかを確認して
ないと判断して力を抜く
剣を鞘に戻して
額にかいた汗を拭った
技の反動と神眼の解放で
ひどく体が辛かった
だがなんてことはないような態度で
仲間の元へと戻る

「終わったようだ。二人とも怪我はないか?」

「俺は無傷に決まってますー」

「俺も、大丈夫さ。ヴァルツこそお疲れ様。ほんとにすごかったよ」

「えぇ!?俺の方がすごくねぇ!結構本気見せちゃったのに惚れちゃってないの?この金髪ヤローより俺のほうがかっこよくない?」

「あははっ、スイさんは元気だねー。スイさんもおつかれ。そっちも無事そうで安心したよ。凄いんだね。」

「そう俺様すげぇーの惚れた?」

「あはは」

「こらスノーを困らせるなよ!まったくうるさい奴だな。どっちかというとお、俺の方が凄いしかっこよかった、よな?」
チラッと横目でスノーを見る
くだらない意地の張り合いだと自覚しているが、こいつには負けられない


「うん。すごかった、ほんとにさ。物語に出てくる勇者様みたいだったよ」

「そ、そうか!?勇者様だなんてそんな、そんなふうに見えたのか………」
しみじみと噛み締めていると頭を殴られた

「いったいなぁ!何をするんだ!」

「ニヤついてんじゃねーよアホ!あんな派手な大技サポートなしでぶち込めるかよ!雑なんだよ。火力は十分だが反動もでかいし、運要素がでかかった。あれ一歩間違えば、死んでたぞお前」
冷たい視線でスイウンは言った

確かにそうだ
いや、決めるからには倒すつもりだったが
正直スイウンが来なかったら危なかった
目算であれが短期で終わらせる為の最善策だったが
先程の奴ももし決死の一撃でもしてきていたら
相打ちになっていたかもしれない
いざという時命を投げ出す覚悟はあるが
自分が死ぬ事で守りたいものを置いていくのはなんと無責任で自分勝手な行為なのか、今はその意味がよくわかる
スノーを見てそう感じられた

「なにじーっといやらしい目で見つめてんだよすけべー」

「だっ!誰がすけべだこのやろう!」
スイウンに掴みかかり手と手を重ね押し合う
こいつ、邪魔ばかりしてくれるな…
この際ここで白黒つけてやろうか…


視線で殴り合いながら拮抗する



「ほらほら、もう喧嘩しないでよ。…おっと」


フラついて倒れそうになったスノーを抱きとめる
「大丈夫か!?まさかどこか具合が悪いのか?怪我をしたのか!?」

「……すこし力が抜けただけだよ。こんなに魔力を使ったのなんて見習い時代ぶりだよ。ふぅ疲れた」
なるべく優しくスノー背を撫でる
呼吸が落ち着いてきたようだ

「お前慌てすぎ」
呆れた様子のスイウンがいうが無視をする

「スイさんも別行動して心配だったんだ。無事でよかったよ」

「こっちは雑魚がわんさかいたけど楽しょーだったぜ!まぁちっとばかし後悔は残るが仕方なし。呪具の媒体みたいなのがあいつらに持たされていてそれが自動発動してミノタウロスが召喚されたんだ。普通のじゃなかったし片付けた」

「ミノタウロスだと?ダンジョンの魔物だろうそんなのを召喚したのか…。しかも遠隔召喚、規格外の出来事が多いな。それで普通じゃないってのは?」

「…普通は契約者か魔獣使役する奴らが契約書なり隷属の呪具なりで呼び出したり従えたりするが、花みてーなものが核として辺りの生命力と魂を吸収して召喚したみたいだった。しかも狂化つきだ」

「………爆弾みたいだなそれ。使い捨ての破壊兵器にぴったりな品物だな」

「そ、そんな凄いのがあったのか。聞いた事なかったな。じゃあさっきのあの黒いやつもそうなのかな」

「あれは…」
「あれはちげぇな。生物ですらない。外法の技で呼ばれたただの破滅だ。人の人智から外れた存在だからしらねぇほうがいい。スノーちゃんが聖結界を展開してなかったら俺らはあの声だけで発狂して死んでたな」

!?
スノーは驚いた様子だった
だが俺はわかっていた感覚的な話だが
やつが叫ぶたびに呪いを放ち、俺は加護があったから精神攻撃は効かなかったがスノーたちは無事では済まなかっただろう

「…随分と詳しいんだな」
つい咎めるような口調になってしまった
自分の不出来さに憤っているのに…

「まぁな。二度とみたくなかったが、数年前から見たことがある」

「あんなのを以前にも…」

「そんときゃ仲間もいたし外法に詳しい奴もいたから対応はなんとかなった。それから幾たびご対面したから嫌でも覚えちまうさ」
へらっとした口調で言うが
どこか呆れたような態度にも見えた


「という事はそんな前から出没していたのか。根本的な原因はまだ解決はできていないんだな」

「……いや、…一応主犯は倒したんだがな。その時は組織の上層部以外はこんな術は扱えなかった。下級は召喚はできたがここまでやばいのは扱えなかったはず」

「組織ぐるみなのか。残党ということかもしれない。または模倣か技術だけを奪った別組織かも知れないな」

「は、話が大きすぎて俺にはわからないよ」
スイウンと考察していて、スノーを置いて話し込んでしまった
いけないいけない

「悪かったよスノー。つい癖で。とりあえずむらに戻ろうか?」

「いや、ここからなら次の場所の方が近い。行くならそったの方が早く休めるよ」

「ならそうしようか。辛そうなら俺がまた抱っこしてやろうか?」

「な!結構だよお断りする!」
暗くなった話ばかりなのでわざとからかった
スノーはわかっているみたいだが乗ってくれた

「じゃあ俺は後始末しちまうから一旦別行動だな」
盗賊を預けるのと仕事の残りがあるらしい
詳しくは聞かないが、好きにさせよう

「なら待ってようか?」

「大丈夫大丈夫!王国まで行くんだろ?なら道は一緒だからすぐ追いついちゃうさ。それまで寂しいだろうけど待っててくれな」
グイッとスノーに近づいたスイウンとの間に入る
「チッ、ヘタレゴリラが。ちゃんとスノーちゃんを守れよ」

「誰がヘタレゴリラだチャラザル」
「なんだとっ!?」
「やんのか!」
額をぶつけ合って睨む

「はいはい。もういいから、遅くなっちゃうよ。じゃあスイさんまたね。気をつけて」

「おう!そっちも気をつけてくれな。ゴリラに襲われねーように」

「だ、誰が襲うか!!」

口の動きでバーカと言ってスイウンは去っていった
はぁ、無駄に疲れた
横を見るとスノーが俺を見上げていた
…急に二人っきりに戻ると、なんか緊張する

「さ、さぁそろそろ行こうか」

「…うん」

どこか元気がない様子のスノーだった
心配だが、あんなことがあった後に元気なのは不自然だろうな
……
何を話せばいいんだろう
こう言った時騎士団の奴らなら酒を用意して腹を割って、なんだかんだ胸中の思いを吐き出させて俺なりにアドバイスや励ましの言葉をかければよいが
あんなむさい奴らと違って繊細なスノーには十分な配慮が必要だ


……



ッよし!

「なぁ(グゥウゥゥゥ………)」


……

「ぷふっ」

ーーッ!?
な、なんていうタイミングで腹の音がぁああぁああ!!!
だ、ダサすぎるぞ俺

「こ、これはだな何というかその自然なことで別に腹が減って食べ物をねだろうとかあんなことがあったのに食い気かよとかじゃなくてだねそのッ、…すまない」
しょぼくれてしまう
スイウンがいないことだけが幸いだった



「はい」

「ん?これは、クッキー?」
小包からカサカサと取り出したのは真ん中にジャムが入ったクッキーだった

「俺もお腹空いちゃった。安心したからかね?一緒に食べようよ。あっ全然足らない感じかな?」

「そんなことないよ!!すごく嬉しい。いただきます」
一つ掴みサクッと小気味いい音で食べる
バターの香りと柑橘の香りがするジャムが相性が良く
とてもおいしかった
スノーも俺が持っている小包から一つ取って食べた
うんおいしいと言って笑顔だった
また、助けられてしまったな

「ふふ、可愛い音がなるね」

「うわぁっ!?その話はやめてくれ」

揶揄われながも、暗雲とした空気はなくなり
無事な姿のまま俺たちは歩みを進めた















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