中二病少女

あれは、人というよりむしろ獣

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　包丁は、私の胸を確かに突き刺した。けれども、それは着ていた洋服が少しほつれる程度のものだった。血すら出ることはなかった。妹は？でいっぱいで、反動で私に馬乗りになっている。小さく「なんで？　なんで？」と繰り返していた。
「これで分かっただろう？」私は妹を見つめた。
「お前なんて所詮こんなものだ。分かるだの分からないだの言ってさ。周りの人間と自分は違っているなんていうことはさ、昔からよくある話なんだ。
　何度でも言うよ。お前の頭の良さなんて所詮こんなもん。マンガとかドラマ見すぎの、ただの中二病なんだ。
　これで満足しただろ？　分かったら大人しく学校に通いなさい」
　次の瞬間、私は今までに聞いたことのないような人の声を聞いた。人というより、むしろ獣であった。どうやら、私は馬乗りになった状態で、勢い良く力いっぱいに包丁で突き刺されたみたいだ。意識はここで終わり、気付いた時には病院だった。