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第1章:『悟る、クレイジーサイコレズ』
悟る、クレイジーサイコレズ5
しおりを挟む「そうだ!カーテンレール」
昼休み。神崎とご飯を食べていると、思いつたように呟いた。
「カーテンレールがどうしたんだ?神崎」
「弟さんの部屋のカーテンレールが少し曲がっていなかった?」
「あー。どうだろう。分からない」
「使えないわね」
「いや、確かに曲がっている。曲がっているように見えるわ」
「何を根拠に」
「頭の中に弟さんの部屋の映像があるのよ。間違いないわ!今気づいた」
あれから1週間と少し経った。
神崎は四六時中付きまとうようになり、弟さんの話を聞きたがった。ここまでされても、不思議と初期の不快な気持ちは抱かなかった。
弟は大人びた性格の子供であった。定禅寺小学6年生3年2組。あまり問題の掛からない子であり、まだ反抗期にもなっていなかった。友達はそれなりにいたように思う。成績は上の方であったが、とびぬけて成績が良いという訳ではなかった。
俺が弟の異変に気が付いたのは、5年生の冬の辺りから。異変という異変でもないのかもしれない。弟は、嘘をつくとき、必ず鼻を膨らませる。その頻度が増えたのだ。
学校の話をするときやくだらない雑談をしているとき、おおよそ嘘をつく必要性を感じないときに、何故か嘘を混ぜるようになった。兄弟間でしか分からないようなちょっとした違和感。
何か学校であった?とか、最近悩んでいない?とか探りを入れても答えはなかった。
もっとしつこく聞けば良かったのかな?と今でも後悔している。
子供っぽい一面ももちろん持ち合わせており、人をびっくりさせて喜んでもらうのが好きだった。サプライズってやつだ。俺がアイスを夏に奢ってくれた日から、丁度3ヶ月だ。記念日だ。などと言い張り、ありがたやーありがたやーとかはしゃいだりする。不思議の国のアリスでも見たのかなーと思った。
そんな何気ない話を神崎に話したりしてた。
神崎はちょいちょい、
「あなた良い人なのね。よく見ているわね」と結構ストレートに感想を言ってくる。
こそばゆい、、、。
「カーテンレールが曲がっていると何かあるのか?」
「これは実際に近くで見てみないと分からないけど。私の予想通りだと、、、」
「いや、まだ推測の域を出ていない。ファクターがまだ分からない」
「どのようなことだっていいの、弟さんが亡くなった前に何かお話したり、変わったことをしていたりしていなかった?お願いどんなのでも良いの!」
「そう言われても。普通だったとしか、、、」
「何かあるはずなのよ。もしかしたら、あなたに関係のない所で起きていたのかもしれないけど、、、」
神崎はまるで、見てきたようなものいいをする。感情的になった姿を見て少し戸惑った。
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