18 / 45
第一章 「新たな家族」と「未来への路」
新しい世界で。7
しおりを挟む
僕は、兄上が僕を探しているだろう職人街へと急いだ。
そして、とうとう、表の街に戻ってきたのだった。
僕は職人街で、兄上を探して歩いた。しばらくすると、
「レイ!レイ!どこいるんだ!?早くかえってきてくれ!」
「「「レイ様~どこにいらっしゃるのですか~?」」」
そんな焦った兄上と護衛達の声が聞こえてきた。
「あにうえ!ぼくはここです。!!」
兄上達に伝わるように、そう、大きな声を出す。
「レイ!!」
とうとう僕は兄上と再会できたのだ。僕と兄上はひしと抱き合った。
「無事か!?レイ?それに今までどこにいたんだ?」
そう、僕に矢継ぎ早に尋ねる兄上に、僕がわたわたしていると、護衛のうちの一人がストップをかけた。
「坊ちゃん。もうとうに昼食の時間が過ぎております。レイ様はおなかがすいているのではないでしょうか?」
「は!そうだな。気づかなくってすまなかったなレイ、おなかがすいただろう。昼食を食べるため、私が予約してある店があるんだ。とりあえずはそこに言って話そうか。ほら、やじ馬も集まってしまったし。」
兄上の言葉に、僕も周りを見回すと、確かに、僕たちは注目を集めてしまったみたいだった。
「はい!あにうえ。」
それから、僕らは、兄上行きつけのレストランに行き、食事をした。
「ここの、パスタおいしかったです。あにうえ、またぼくをつれてきてくださいますか?」
「ああ、もちろんだよ。それに今日は、私がレイから目を離し、さらに二人きりになりたいからと護衛達を離していたせいで、はぐれてしまった。怖い思いをしたんじゃないか?大丈夫だったか?」
「あにうえはわるくないのです。ぼくが、まちにこうふんしてあにうえからはなれてしまったのがいけなかったのです。ごめんなさい。」
僕は一度謝ってから、スラム街に迷い込んだこと、アンジュという名の少年に助けられたこと。そして、スラムやスラムへの認識を改善するという約束と目標を得たことなどを話した。
「レイが無事でよかった。もうはぐれたりしちゃだめだからね。それに、文官となった後のいい目標ができたんだし。レイなら、とっても難しい課題だけども頑張ればなんとかできるって信じてるよ。」
「あにうえ、ありがとうございます!」
会話とともに、食事を終え、僕たちは屋敷に戻った。
玄関に、父上と母上が心配そうな顔をして待っていた。
「「レイ!無事で帰ってきてくれてよかった。」」
聞けば、僕とはぐれた時に、兄上が護衛の一人を屋敷に向かわせ、はぐれたことを伝えていたらしい。
兄上と僕はちょっとだけど、怒られてしまった。
さらに、護衛達は解雇されようとしていたが、僕らが必死でかばった結果、しばしの間の減給となった。いわく、次はないらしい。
その後、僕は、兄上にしたのと同じ話を父上と母上にもした。
「うん。レイが決めたことならばよいと思うぞ。それに、スラム街は、この国の闇ともいえる部分だ。いつかは対処が必要になるしな。」
「そうね。私たちも応援してるわ。ただし、約束をしたのだから、どんなに辛くてもくじけちゃだめよ。」
「ありがとうございます。ははうえ、ちちうえ!せいいっぱいがんばります。まずは、ぶんかんになるところからですがね。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こうして、レイシェンとして生まれ変わった僕の話が始まったのである。
そして、とうとう、表の街に戻ってきたのだった。
僕は職人街で、兄上を探して歩いた。しばらくすると、
「レイ!レイ!どこいるんだ!?早くかえってきてくれ!」
「「「レイ様~どこにいらっしゃるのですか~?」」」
そんな焦った兄上と護衛達の声が聞こえてきた。
「あにうえ!ぼくはここです。!!」
兄上達に伝わるように、そう、大きな声を出す。
「レイ!!」
とうとう僕は兄上と再会できたのだ。僕と兄上はひしと抱き合った。
「無事か!?レイ?それに今までどこにいたんだ?」
そう、僕に矢継ぎ早に尋ねる兄上に、僕がわたわたしていると、護衛のうちの一人がストップをかけた。
「坊ちゃん。もうとうに昼食の時間が過ぎております。レイ様はおなかがすいているのではないでしょうか?」
「は!そうだな。気づかなくってすまなかったなレイ、おなかがすいただろう。昼食を食べるため、私が予約してある店があるんだ。とりあえずはそこに言って話そうか。ほら、やじ馬も集まってしまったし。」
兄上の言葉に、僕も周りを見回すと、確かに、僕たちは注目を集めてしまったみたいだった。
「はい!あにうえ。」
それから、僕らは、兄上行きつけのレストランに行き、食事をした。
「ここの、パスタおいしかったです。あにうえ、またぼくをつれてきてくださいますか?」
「ああ、もちろんだよ。それに今日は、私がレイから目を離し、さらに二人きりになりたいからと護衛達を離していたせいで、はぐれてしまった。怖い思いをしたんじゃないか?大丈夫だったか?」
「あにうえはわるくないのです。ぼくが、まちにこうふんしてあにうえからはなれてしまったのがいけなかったのです。ごめんなさい。」
僕は一度謝ってから、スラム街に迷い込んだこと、アンジュという名の少年に助けられたこと。そして、スラムやスラムへの認識を改善するという約束と目標を得たことなどを話した。
「レイが無事でよかった。もうはぐれたりしちゃだめだからね。それに、文官となった後のいい目標ができたんだし。レイなら、とっても難しい課題だけども頑張ればなんとかできるって信じてるよ。」
「あにうえ、ありがとうございます!」
会話とともに、食事を終え、僕たちは屋敷に戻った。
玄関に、父上と母上が心配そうな顔をして待っていた。
「「レイ!無事で帰ってきてくれてよかった。」」
聞けば、僕とはぐれた時に、兄上が護衛の一人を屋敷に向かわせ、はぐれたことを伝えていたらしい。
兄上と僕はちょっとだけど、怒られてしまった。
さらに、護衛達は解雇されようとしていたが、僕らが必死でかばった結果、しばしの間の減給となった。いわく、次はないらしい。
その後、僕は、兄上にしたのと同じ話を父上と母上にもした。
「うん。レイが決めたことならばよいと思うぞ。それに、スラム街は、この国の闇ともいえる部分だ。いつかは対処が必要になるしな。」
「そうね。私たちも応援してるわ。ただし、約束をしたのだから、どんなに辛くてもくじけちゃだめよ。」
「ありがとうございます。ははうえ、ちちうえ!せいいっぱいがんばります。まずは、ぶんかんになるところからですがね。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こうして、レイシェンとして生まれ変わった僕の話が始まったのである。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

魔喰のゴブリン~最弱から始まる復讐譚~
岡本剛也
ファンタジー
駆け出しの冒険者であるシルヴァ・ベルハイスは、ダンジョン都市フェルミでダンジョン攻略を生業としていた。
順風満帆とはいかないものの、着実に力をつけてシルバーランク昇格。
そしてついに一つの壁とも言われる十階層の突破を成し遂げた。
仲間との絆も深まり、ここから冒険者としての明るい未来が待っていると確信した矢先——とある依頼が舞い込んできた。
その依頼とは勇者パーティの荷物持ちの依頼。
勇者の戦闘を近くで見られることができ、高い報酬ということもあって引き受けたのだが、この一回の依頼がシルヴァを地獄の底に叩き落されることとなった。
ダンジョン内で勇者達からゴミのような扱いを受け、信頼していた仲間にからも見放され……ダンジョンの奥地に放置されたシルヴァは、匂いに釣られてやってきた魔物に襲われた。
魔物に食われながら、シルヴァが心の底から願ったのは勇者への復讐。
そんな願いが叶ったのか、それとも叶わなかったのか。
事実のほどは神のみぞ知るが、シルヴァは記憶を持ったままとある魔物に転生した。
その魔物とは、最弱と名高いゴブリン。
追い打ちをかけるような最悪な状況に常人なら心が折れてもおかしくない中、シルヴァは折れることなく勇者への復讐を掲げた。
これは最弱のゴブリンに転生したシルヴァが、最強である勇者への復讐を果たす物語。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

【二部開始】所詮脇役の悪役令嬢は華麗に舞台から去るとしましょう
蓮実 アラタ
恋愛
アルメニア国王子の婚約者だった私は学園の創立記念パーティで突然王子から婚約破棄を告げられる。
王子の隣には銀髪の綺麗な女の子、周りには取り巻き。かのイベント、断罪シーン。
味方はおらず圧倒的不利、絶体絶命。
しかしそんな場面でも私は余裕の笑みで返す。
「承知しました殿下。その話、謹んでお受け致しますわ!」
あくまで笑みを崩さずにそのまま華麗に断罪の舞台から去る私に、唖然とする王子たち。
ここは前世で私がハマっていた乙女ゲームの世界。その中で私は悪役令嬢。
だからなんだ!?婚約破棄?追放?喜んでお受け致しますとも!!
私は王妃なんていう狭苦しいだけの脇役、真っ平御免です!
さっさとこんなやられ役の舞台退場して自分だけの快適な生活を送るんだ!
って張り切って追放されたのに何故か前世の私の推しキャラがお供に着いてきて……!?
※本作は小説家になろうにも掲載しています
二部更新開始しました。不定期更新です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる