36 / 38
phase1 三章 第十一回イベント
三十五話 第十一回イベント-最終準備
しおりを挟む
第十一回イベントの二日前、地球防衛機構のフロンタル基地にプレイヤーが集結していた。
ログインした俺はありえないほどの混雑状況に放心する。
「え?なにこれ」
「おーい、ハナサギ」
ミネーが人をかき分けてこちらに向かってくる。
「ミネー、これって、、、、、」
「一昨日発表された情報でみんなやる気出したみたいだな。カガリの一押しもあってだろうが」
「勝利特典が『スペースウォーリャーズ2』へのデータ引き継ぎだったよな。また一からやり直させるつもりだったのか?」
「うーん、どうなんだろ。なんでも良いから特典にしてやれっ!て感じなのかもな」
「イベントは明後日だよな?なんで今日集まったんだ?」
「作戦立案だろ?前回の総力戦をベースにした作戦を立てるらしいぞ。前回は結局おじゃんになってカガリ一人で敵を全滅させたらしいけど」
「えぇ、、、、、」
「今司令室で作戦会議中だぜ。無茶なものじゃなきゃ良いけど、、、、、」
ミネーがそう言ってその場を去る。
その司令室では、
「前回の総力戦の内容から推測するに、リスポーン制限はあるだろう」
カガリが推測を口にする。
「一回やられればそれで終了、ってことね」
ユカがため息混じりに言う。
「敵の数もとんでもないわよね」
「恐らくな。イベント概要の内容は前回のと対して変わっていないようだったし、序盤は大規模戦闘、中盤にトンデモ兵器、終盤にラスボス出撃って流れだろう」
「編成は?」
テリアンクランのグレイスが尋ねる。
「序盤の大規模戦での損害を考慮していないと痛い目見るよ」
ブルーファイターズクランのカナが続ける。
「トンデモ兵器は、、、、、私たちが対応するとして、ラスボスは誰がやるの?カガリがやるに越したことはないけど」
「大まかな編成は決めようと思っているが、戦況次第になりそうだ。まぁプレイヤーの数はかなり多いし、よほどのことがない限り数が足りなくなることは無いだろ」
「今回は運営が相手だしね、計画通りには進められないよ」
「とりあえず生き残ることを優先させよう」
グレイスが立ち上がる。
「じゃ、アタシもこれで」
カナも席を立つ。
「みんなもせいぜい墜とされないように頑張ってね」
「それぞれのクランメンバーにも伝えておいてくれ」
カガリが笑いながら言う。
「んで、君はどうするの?またオペレーター?」
カガリがニヤニヤしながらユカに尋ねる。
「、、、、、!い、嫌よ!」
何かを察したユカが顔を真っ赤にして否定する。
「なんで、かっこよかったじゃないか。エリアルディノ、、、、、」
「恥ずかしいからやめてぇぇっ!!」
ユカが司令室から飛び出して行った。
「勿体無いな、彼女もかなりの戦力になると思うんだがなぁ」
カガリがぼやく。
⭐️⭐️⭐️
守岡が会議室に部下を集めていた。
「明後日、第十一回イベント、総力戦が開催される。我々の持てる全ての技術を使ってハナサギを倒し、シンギュラリティがカガリだけだと証明するぞ」
「チート対策部門と協力者達も準備出来ています」
守岡直属の部下が守岡を横目に尋ねる。
「ホントに『エリアルアイリス』に乗るんですか?」
「乗るさ。豊さんと一緒にな」
「人間が電子世界に意識を移すことなんか出来るんですか?いくらヒナタを創ったとはいえ、、、、、」
「出来るさ。豊さんは天才だ。それに『エリアルアイリス』は俺たちの陣営で唯一ヒナタに対抗できる機体だ。万一ヒナタがハナサギ側に着いたときの対策は『エリアルアイリス』と、、、、、」
「そちらの方も抜かりなく」
「よし、全員明後日の第十一回イベントに備えろ」
守岡が部下たちに言い放つ。
⭐️⭐️⭐️
ハナサギは格納庫をずっと歩き回っていた。
お目当てはエリアルワンダーランド、アリスのアーマードスーツだが、、、、、。
「やっぱり無い。アイツ今日大学にすら来なかったし」
「探してるのは彼女ちゃんかい?」
後ろからカナが肩に手を回してきた。
「わっ、びっくりした!」
俺は大きな声を出してしまった。
「アリスって言ったっけ?」
カナがニヤニヤする。
「いなくて寂しいのかい?」
「そんなんじゃ無くて、心配なだけです」
「ほーん、じゃ伝えとくけどアリスちゃんとはイベントの中盤か終盤でしか会えないと思うよ」
「は?それって、、、、、」
「じゃ、早々にリタイアしないようにがんばろーねー」
カナが俺のほっぺたを人差し指でグリグリして踵を返す。
「、、、、、なんだったんだ?」
ログインした俺はありえないほどの混雑状況に放心する。
「え?なにこれ」
「おーい、ハナサギ」
ミネーが人をかき分けてこちらに向かってくる。
「ミネー、これって、、、、、」
「一昨日発表された情報でみんなやる気出したみたいだな。カガリの一押しもあってだろうが」
「勝利特典が『スペースウォーリャーズ2』へのデータ引き継ぎだったよな。また一からやり直させるつもりだったのか?」
「うーん、どうなんだろ。なんでも良いから特典にしてやれっ!て感じなのかもな」
「イベントは明後日だよな?なんで今日集まったんだ?」
「作戦立案だろ?前回の総力戦をベースにした作戦を立てるらしいぞ。前回は結局おじゃんになってカガリ一人で敵を全滅させたらしいけど」
「えぇ、、、、、」
「今司令室で作戦会議中だぜ。無茶なものじゃなきゃ良いけど、、、、、」
ミネーがそう言ってその場を去る。
その司令室では、
「前回の総力戦の内容から推測するに、リスポーン制限はあるだろう」
カガリが推測を口にする。
「一回やられればそれで終了、ってことね」
ユカがため息混じりに言う。
「敵の数もとんでもないわよね」
「恐らくな。イベント概要の内容は前回のと対して変わっていないようだったし、序盤は大規模戦闘、中盤にトンデモ兵器、終盤にラスボス出撃って流れだろう」
「編成は?」
テリアンクランのグレイスが尋ねる。
「序盤の大規模戦での損害を考慮していないと痛い目見るよ」
ブルーファイターズクランのカナが続ける。
「トンデモ兵器は、、、、、私たちが対応するとして、ラスボスは誰がやるの?カガリがやるに越したことはないけど」
「大まかな編成は決めようと思っているが、戦況次第になりそうだ。まぁプレイヤーの数はかなり多いし、よほどのことがない限り数が足りなくなることは無いだろ」
「今回は運営が相手だしね、計画通りには進められないよ」
「とりあえず生き残ることを優先させよう」
グレイスが立ち上がる。
「じゃ、アタシもこれで」
カナも席を立つ。
「みんなもせいぜい墜とされないように頑張ってね」
「それぞれのクランメンバーにも伝えておいてくれ」
カガリが笑いながら言う。
「んで、君はどうするの?またオペレーター?」
カガリがニヤニヤしながらユカに尋ねる。
「、、、、、!い、嫌よ!」
何かを察したユカが顔を真っ赤にして否定する。
「なんで、かっこよかったじゃないか。エリアルディノ、、、、、」
「恥ずかしいからやめてぇぇっ!!」
ユカが司令室から飛び出して行った。
「勿体無いな、彼女もかなりの戦力になると思うんだがなぁ」
カガリがぼやく。
⭐️⭐️⭐️
守岡が会議室に部下を集めていた。
「明後日、第十一回イベント、総力戦が開催される。我々の持てる全ての技術を使ってハナサギを倒し、シンギュラリティがカガリだけだと証明するぞ」
「チート対策部門と協力者達も準備出来ています」
守岡直属の部下が守岡を横目に尋ねる。
「ホントに『エリアルアイリス』に乗るんですか?」
「乗るさ。豊さんと一緒にな」
「人間が電子世界に意識を移すことなんか出来るんですか?いくらヒナタを創ったとはいえ、、、、、」
「出来るさ。豊さんは天才だ。それに『エリアルアイリス』は俺たちの陣営で唯一ヒナタに対抗できる機体だ。万一ヒナタがハナサギ側に着いたときの対策は『エリアルアイリス』と、、、、、」
「そちらの方も抜かりなく」
「よし、全員明後日の第十一回イベントに備えろ」
守岡が部下たちに言い放つ。
⭐️⭐️⭐️
ハナサギは格納庫をずっと歩き回っていた。
お目当てはエリアルワンダーランド、アリスのアーマードスーツだが、、、、、。
「やっぱり無い。アイツ今日大学にすら来なかったし」
「探してるのは彼女ちゃんかい?」
後ろからカナが肩に手を回してきた。
「わっ、びっくりした!」
俺は大きな声を出してしまった。
「アリスって言ったっけ?」
カナがニヤニヤする。
「いなくて寂しいのかい?」
「そんなんじゃ無くて、心配なだけです」
「ほーん、じゃ伝えとくけどアリスちゃんとはイベントの中盤か終盤でしか会えないと思うよ」
「は?それって、、、、、」
「じゃ、早々にリタイアしないようにがんばろーねー」
カナが俺のほっぺたを人差し指でグリグリして踵を返す。
「、、、、、なんだったんだ?」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
魔都★妖刀夜行 ~現代にて最強最悪の陰陽師がVRゲームを創っちゃいました!~
神嘗 歪
ホラー
現時点、生きている人間のなかで最強にして最悪の陰陽師・道川 明星(みちかわ みょうじょう)が、身勝手な理由で国家を抱き込んだ魑魅魍魎ばっこするVRゲームを創ちゃった。
高校二年の 伊田 空月(いだ あづき)は、転校してきてまもない薬袋 真白(みない ましろ)に強引に誘われ、明星が創ったゲーム『魔都★妖刀夜行』を始める。
そのゲームが普通なわけがなく、空月はとてつもなく奇々怪々な陰謀に巻き込まれていく。
超次元時空戰國艦隊
斉藤美琴【♂】
SF
西暦1943年初頭、(1月〜4月の間)日本海軍の連合艦隊は、ミッドウェー島、ガダルカナル島、南太平洋など攻略…占領成功。
日本海軍は、残り敵アメリカ•イギリス連合軍の拠点 オーストラリア及びニュージーランドを攻略するため出撃した。
途中、渦巻きような嵐、遭遇…艦隊が渦巻きの嵐に入り、行方不明になった。
日本連合艦隊は、居たのは西暦1578年11月の戦国時代だった。
Z ~heaven of ideal world~
Cheeze Charlotte
SF
ごく普通の中学生の月影ユウはある日、突如家を訪ねてきた美少女に外へと連れ出される!
美少女に手を引かれるがままに走るユウ。その先に待っていたのは甘酸っぱい恋でも、二人での逃避行でもなく、人の形をした怪物「Z」との戦いの日々だった。
この日、美少女こと「雪奈カノ」とユウは、サバイバル生活を始めた。いつか怪物に脅かされない平和な世界が再び帰ってくることを信じて。
そして三年後、二人はロシア北東部まで逃げてきていた。世界全体で起きたこのパニックは人類の六割を失うきっかけにはなったが、人類はそこでいくつかの保全区画を建設することに成功した。
そのうちの一つがあるロシア北東部まで無事に逃げてきたユウとカノは、そこで「Z」の大群に襲われてしまう。
カノはユウを無事に保全区画に送り届けるため、その命を犠牲にした。
一人生き残ったユウは、保全区画内で独りを感じながら生きていたが、そこでも「Z」が現れる。
そこで出会った佳野ミチルと共に、彼は「Z」をめぐる哀しみが飛び交う世界へと踏み出してゆくこととなる............。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/sf.png?id=74527b25be1223de4b35)
日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。
スライム小説家
SF
令和5年3月6日、日本国は唐突に異世界へ転移してしまった。
地球の常識がなにもかも通用しない魔法と戦争だらけの異世界で日本国は生き延びていけるのか!?
異世界国家サバイバル、ここに爆誕!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/sf.png?id=74527b25be1223de4b35)
ガーディストベルセルク
ぱとり乙人
SF
正気を狂気に変えて、愛と憎悪で乗り越えろ。
人は今まで色んな資源やエネルギーを消費し続けてきた。このまま使い続ければ、いずれは使い果たしてしまう可能性さえ十分にあり得る。【エクトプラズム】という未知のエネルギーから開発された【ガイスト】。
金刃 乱(かねと おさむ)はとある出来事から【フィジカルポイント(身体能力超強化】という【ガイスト】を渡され、新生活を送る事となった。
しかし、これが彼の人生を大きく狂わせてしまう事になる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる