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phase1 二章 赫翼とエースと黒蛇

二十三話 黒蛇強襲

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 《全機、交戦開始》

グレイスから指示が出される。

《エリアルワンダーランド、交戦》

《エリアルゴースト、交戦》

《エリアルバーニング、交戦!》

《エリアルフルフィード、交戦!》

《エリアルバレルディ、交戦》

各々が交戦を宣言し、散開する。

対空砲が襲いかかる。

「当たらないよ!」

アリスが華麗に避けながらエンジンユニットにバズーカをぶっ放す。

爆発が起きる。

「エンジンユニットの破壊を確認!やったぁ!」

「あとはボクに任せて」

ヴァリュートが戦艦の艦橋にバーストマグナムを撃ち込む。

瞬く間に炎が吹き出す。

「支援艦は堕としたよ」

ヴァリュートの報告にグレイスが返す。

「レーダーに反応あり、敵の旗艦から多数のアーマードスーツを確認。迎撃しろ!」

「了解した、ファナリスと俺に任せろ!」

リクとファナリスが敵のアーマードスーツのところへ飛んでいく。

敵のアーマードスーツから激しいライフル攻撃が繰り出されるが、リクとファナリスはそれをものともせずに接近する。

敵が近接武器に切り替えて乱戦になる。

「ファナリス、気合い入れろよ!」

「いこう、リク!」

二人のコンビネーションが炸裂する。

確実に敵を屠り去っていく。

ヴァリュートの撃ったバーストマグナムもかなり役立っている。

《支援艦の全滅を確認、次は旗艦だ!》

グレイス達が防御陣形を組んだ敵を蹴散らしながら旗艦に迫る。

《さっきと同じ要領でいくぞ》

《エンジンユニットと艦橋を破壊するんだね?》

《そうだ。中枢を潰して機能を停止させろ》

旗艦から対空砲が放たれる。

一機コックピットを貫かれて爆散した。

《これ以上やられるんじゃないぞ!》

グレイスが忠告する。

旗艦に到達したグレイス達はエンジンユニットと艦橋それぞれに分かれた。

エンジンユニットを目指すアリス、ヴァリュート、カナは旗艦の船首を高速で掠めるように飛んでいた。

ターボレーザーから攻撃が放たれる。

アリス達はそれをものともせずに反撃する。

上部がどんどん裸になっていく。

「調子いいわね、あなた達」

カナが笑いながら言う。

「そっちはいつもより鈍いんじゃない?」

ヴァリュートがカナをいじる。

「、、、、うるさいわよ」

カナが少し不機嫌になる。

その間にもターボレーザーを破壊してエンジンユニットを目指していた。

「エンジンユニットに攻撃をして行動を止めるよ」

カナがバズーカをぶっ放す。

エンジンが爆発する。

「言われなくても!」

アリスも破壊的な威力の攻撃を炸裂させている。

「バーストマグナム、フルチャージ!」

バギュゥゥゥゥン!!

赤いレーザーがエンジンユニットに炸裂する。

エンジンの光が消える。

「よーし、エンジンの停止を確認。次はそっちだよ」

カナがグレイスに報告する。

《グレイス了解》

グレイスがすぐに返答する。

グレイスとロイがバーストマグナムとバズーカを艦橋に撃ち込む。

艦橋付近が一気に爆発する。

《敵防衛艦隊の無力化に成功、あとはプライマルからの吉報を待つだけだ》

⭐️⭐️⭐️

ハナサギ達はクローキング装置で姿を隠しながら全速力でデモンズへ向かっていた。

「もう終わったのか、仕事が早いな」

カガリが感心したように呟く。

「感心してる場合じゃないですよ、私たちが弱点を見つけない限り彼らはジリ貧です。敵機との交戦はせず、弱点を発見することに注力します」

エレンが釘を刺す。

「天体破壊兵器があるとして、それはどこにあるんだ?」

「全容からは確認できない。どこかに格納されているのかもな」

ミネーの疑問にカガリが答えた。

「じゃあ撃たせるか」

俺の提案に三人が凍りつく。

「、、、、味方を犠牲にする、と言うことか?」

カガリが静かに尋ねる。

「あ、そう言うことじゃない」

危ない危ない、変な誤解を招くところだった。

「デモンズが味方の戦艦を攻撃する時に天体破壊兵器を使うとするだろ?そのタイミングで天体破壊兵器を攻撃してぶっ潰せばいいんじゃないか?」

「それは最終手段だな」

「今は天体破壊兵器の所在を、、、、レーダーに反応あり」

「グレイスのところへ向かっているのか?」

「いえ、完全にこちらに向かってきています」

「うんそうか、、、、は?クローキングが看破されてるのか?」

カガリが訝しむ。

「交戦はしないって言ってたけど?」

「なんだこの速さは、、、、俺が相手する。その間に天体破壊兵器を探ってくれ」

「で、でも」

俺は食い下がろうとしたがカガリが一蹴する。

「エレン、ハナサギを頼むぞ」

「了解、行きましょう二人とも」

「わ、わかりました」

カガリが進路を変更し、迫り来る敵にフォーカスする。

目視で捉えられる位置にまで迫った。

「、、、、コイツは」

真っ黒なカラーリングの機体がエナジーブレードを振り上げる。

「久しぶりだな、黒蛇」

カガリもエナジーブレードをエリアルSプライマルに装備させる。

まさに二人が斬り合わんとした時、黒蛇がブースターに点火して急上昇した。

「やるな!」

カガリはエリアルSプライマルを反転させて繰り出されるであろう攻撃を受け止めようとした。

しかし、黒蛇は別の方向へそのまま飛んでいった。

「戦わないのか?あっちにはハナサギ達が、、、、まずい!」

最大全速で黒蛇を追跡する。

「そっちに敵が向かっている!俺が追いつくまでの数秒耐え切ってくれ!」

カガリが通信で叫ぶ。

『一瞬思考が硬直してしまった。エレンが一緒なら大丈夫か?』

一方のハナサギ達は交戦状態に入らざるを得なくなった。

突如として複数のビットンの攻撃を受け、ハナサギ達は応戦しようとあたりを見渡す。

「敵機はどこだ?」

「見つけた、真っ黒な機体だ。赤蛇と同じタイプのアーマードスーツだ、、、、てことは」

エレンが苦々しく言う。

「黒蛇よ。いい?十秒耐えなさい。そうすればカガリが倒してくれる」

またビットンかー、もうゴリゴリだよ。

俺はそう心の中で呟くと十秒耐え切る覚悟を決めた。
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