上 下
16 / 38
phase1 二章 赫翼とエースと黒蛇

十五話 アプデ後の初戦闘

しおりを挟む
 「フロンタル基地は初めてだろ?」

「はい」

俺とファナリスは会話しながら通路を歩いていた。

「そうだ、会ってほしい人がいるんだ。時間いいかな?」

ファナリスが隣の扉を指差す。

俺とファナリスが扉を開けた途端、、、、

「そいつが新しいパイロットか!」

大きな声が聞こえる。

「リク!そうだよ」

筋肉質で大柄な男がこちらに歩いてくる。

「紹介する。リク・オベール。俺の兄貴みたいなもんだ」

ファナリスがリクの横に並ぶ。

「こいつの言う通り、俺はリク・オベール。地球防衛機構第六アーマードスーツ部隊所属、階級は、、、、いいや、気を使わせるだろうし」

リクが俺の肩を抱き寄せる。

「お前、いい目してるな。名前は?」

「ハナサギです」

え、BL?いやこんな雑な展開ではやらんか。

「俺の背中を預けられるぐらいには成長してくれよ」

リクはそう言って俺から離れた。

「じゃあ総裁に会いに行こうか」

ファナリスと俺はリクに別れを告げて部屋を後にした。

「気のいい人でしたね」

「だろ?困ったことがあったら大体リクに相談すれば解決する」

ファナリスが自慢げに話す。

「次はフレイ総裁だ。司令室にいると思うけど、、、、」

突如ファナリスを呼ぶ声が響いた。

「ファナリス!」

前から黒髪の美女が歩いてきた。

「フレイ!ちょうどよかった。紹介したい人がいたんだ」

ファナリスが嬉しそうに話しかける。

「あなたの隣にいる?」

「そう。彼は新入りのハナサギ。紹介するよ、フレイ・アンダーソン。地球防衛機構の設立者だ」

フレイが軽くお辞儀する。

「地球防衛機構総裁のフレイです。あなたの活躍を期待しております。では」

「あ、はい。どうも、、、、」

なんか、冷たいやつだな。ファナリスを見つけた時の声は明るかったのに。

「ごめんね、フレイは人見知りなんだ」

あ、そういうこと。そんなことより、ミネー達びっくりするだろうな、ワクワクが止まらんぞこのゲーム!

「じゃあ次は、、、、」

ファナリスが何か言おうとした時、耳障りなサイレンが鳴り響いた。

《敵襲!敵襲!エステア軍が当基地に接近中!パイロットは速やかに自機に搭乗、発進せよ!》

アナウンスが鳴り響く。

「格納庫へ!ついてくるんだ!」

ファナリスが走り出す。

「わ、分かった!」

俺も置いていかれないように全力でファナリスを追いかける。

外から爆発音が聞こえてくる。

うはー、派手にやってんな。

俺達は格納庫に駆け込んだ。

味方のアーマードスーツが次々と発進していく。

「自分の機体のところへ行くんだ!」

そう言ってファナリスは赤色のアーマードスーツのところへ行ってしまった。

「俺のエリアルヘロンは、、、、あった!」

奥の方のデッキにエリアルヘロンは格納されていた。

俺は急いでエリアルヘロンの下に走った。

瞬時にコックピットにテレポートする。

ヘルメットから仲間の声が聞こえる。

《ファナリス、エリアルバーニング、出る!》

《トルート、フルファイトマルクス、行きます!》

「俺も早く行かないとな」

俺は操縦桿を動かしてエリアルヘロンを発着口に移動させる。

「ハナサギ、エリアルヘロン、発進!」

エリアルヘロンが青空へ飛び上がる。

「ハナサギ、聞こえるか?」

ファナリスの機体が横に並ぶ。

「敵の数が多い。気合入れろよ!」

レーダーに敵機が表示される。

確かにとんでもない数だ。

「うわー、イベント並みにいるな」

とりあえずライフルを構えて照準を合わせる。

「ロックオン完了!」

放たれたレーザー光線が幾らかのエステア軍機を撃墜した。

「やるじゃないか、負けてられないな!」

ファナリスがエステア軍機に肉薄する。

エナジーソードが唸りを上げる。

エステア軍機が真っ二つになって爆発した。

もう片手にはライフルを装備している。

そのライフルを撃ちまくる。

「エナジーソード振り回しながらライフル撃ってる、、、、あれがエース?」

ドン引きしている俺にリクが通信を繋いだ。

「ボサっとするな、敵を堕とせ!」

そうだ、見惚れてる場合じゃない。

俺はレーダーを確認して敵が多くいるところへ向かうことにした。

とりあえず視認できた敵にライフルを撃ち込み撃墜、撃ち漏らしは接近して近接格闘で撃墜。

《助かった、新入り!》

《やるじゃないか!》

敵機を撃墜するたびに仲間が褒めてくれる。実にいい気分である。ただ一つ気がかりなことがある。

「あの時みたいなスピードが出ないな」

第十回イベントの時のような機動が出来なくなっていたのだ。

無論クロス型のウィングも赫く輝いていない。

「敵が撤退していく。ハナサギ、俺たちはフロンタル基地を守り切ったぞ」

ファナリスが嬉しそうな声で言う。

「新入りにしては中々良い動きだったぞ」

リクも褒めてくれた。

あぁ、なんていい気分なんだ。

俺は思わずニヤける。

「いや、そんなこと、、、、ふへっ」

「ふっ、全機無事だな?帰還するぞ」

リクが指示を出す。

「一回の出撃で五機以上の撃墜、まさにエースだな」

ファナリスが自分のことのように言う。

ま、NPCなんだけどね。

俺は心の中で呟いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

性転換マッサージ

廣瀬純一
SF
性転換マッサージに通う人々の話

えっちのあとで

奈落
SF
TSFの短い話です

6年生になっても

ryo
大衆娯楽
おもらしが治らない女の子が集団生活に苦戦するお話です。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

性転換タイムマシーン

廣瀬純一
SF
バグで性転換してしまうタイムマシーンの話

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜アソコ編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとエッチなショートショートつめあわせ♡

処理中です...