15 / 38
phase1 二章 赫翼とエースと黒蛇
十四話 地球防衛機構の追加とエースパイロット
しおりを挟む
第十回イベントから僅か三日後、スペースウォーリャーズ公式から大型アップデートが発表された。
俺達は呑み屋はなさぎでその情報を見ていた。
「地球防衛機構が追加?なんだそりゃ」
峰岡が顔をしかめる。
「友軍か、、、、うーん」
楓が腕を組んで考え込む。
「プレイヤーの味方でしょ?とんでもない数になるんじゃない?」
「えーと、常設イベントとして、アース・エステア戦争を開催しますだってよ。地球を拠点としてエステア軍を壊滅に追い込もう!って誰がやるんだよ」
「NPCはもうお腹いっぱいだよねー」
有栖川が苦笑いする。
「良いじゃん。ピースコンパスって普段はエステア軍と戦ってるんだろ?味方が増えるのは好都合じゃん」
俺はワクワクしていた。だってまともにコミュニケーションが取れるNPCが追加されるんだろ?より多くの仲間と共に戦えるんだし。
「それはそうだけど、、、、」
峰岡が言い淀む。
なんか煮えきらないな。
「イベントの時にどうするのかなって。プレイヤー同士の戦いに味方のNPCが混ざるのよ?ポイントは加算されないだろうし、煩わしくない?」
有栖川が答える。
あー、そういう感じか。確かにポイントにならないやつがウロチョロしても鬱陶しいだけだしな。
「でも基地があるのは面白そうだろ?艦隊だってあるかもしれないし」
「それはそうだね。『ノアの方舟』しか持ってないボクらにとっては大幅な戦力強化になるしね」
「ま、地球防衛機構にもネームドがいるみたいだし?」
「マジ?」
「おん、キャラ紹介が載ってるわ」
・地球防衛機構総裁 フレイ・アンダーソン
地球防衛機構の総裁。エステア軍との戦争で指揮を取る勇猛果敢な女性。
・地球防衛機構第六アーマードスーツ部隊所属 ファナリス・ゴッドガルディ 搭乗機エリアルバーニング
地球防衛機構所属のアーマードスーツパイロット。その圧倒的な実力はずば抜けており、エステア軍から『赫き凶星』と恐れられている。
・地球防衛機構第六アーマードスーツ部隊所属 リク・オベール 搭乗機エリアルフルフィード
ファナリス同様地球防衛機構所属のアーマードスーツパイロット。ファナリスの兄貴分のような存在で、よくバディを組んでいる。
「だってさ。このファナリスはエースパイロットって設定っぽいな」
キャラ設定を読み上げた峰岡が鼻で笑う。
「赫き凶星だって。ハナサギとそっくりだな」
「うるせぇ、かっこいいじゃねえか。そういやプライマルクランはもう地球防衛機構と出会ったのかな?」
第十回イベントで優勝したプライマルクランはアップデートの先行体験に招待されていた。
「多分な。アップデートももう終わってるだろうよ」
峰岡がスマホを机に置きながら言う。
「ふーん、仕事が速いな」
俺は運ばれてきたオムライスに手をつける。
相変わらず卵はフワトロ、ドミグラスソースのコクが俺の胃を撃墜する。
峰岡達もそれぞれの頼んだ料理を口にする。
⭐️⭐️⭐️
次の日、スペースウォーリャーズにログインした俺は目を疑った。
「え、ここどこ、、、、?」
ユカの話によればログイン時の開始地点は『ノアの方舟』の格納庫に設定されているはずだった。
しかし、俺を照らす光は、、、、太陽だ。
「あ、青空?目の前の山に鉄の扉がついてるし、地面はコンクリートで整備されてる!地球防衛機構の基地なのか?」
俺は混乱しながらもとりあえず進むことにした。
「君!」
突如後ろから大声で呼びかけられた。
思ったより大きな声でびっくりした俺は恐る恐る後ろを振り返った。
「君だよね?新しく配属になったパイロットは!」
金髪で端正な顔立ちの男がこちらに走ってきた。
「ふぅ、いきなりごめんね」
「いや、大丈夫です、、、、」
金髪の男が前髪を掻き上げて自己紹介をする。
「俺はファナリス・ゴッドガルディ。第六アーマードスーツ部隊の隊員だ」
「、、、、はっ!ハナサギです。よろしく、、、、」
「よろしく、ハナサギ!」
俺はファナリスと固い握手を交わした。
こ、こいつが地球防衛機構のエース、『赫き凶星』?
無茶苦茶イケメンだ。天は二物を与えずとはよく言うぜ、、、、ま、ゲームだしな。劣等感なんか感じないな、断じて。
「俺がフロンタル基地を案内してやるよ」
ファナリスが山を指差す。
「あ、ありがとう」
こうして俺は地球防衛機構のエースパイロットであるファナリスと共に地球防衛機構第六アーマードスーツ部隊の巢であるフロンタル基地を巡ることになった。
俺達は呑み屋はなさぎでその情報を見ていた。
「地球防衛機構が追加?なんだそりゃ」
峰岡が顔をしかめる。
「友軍か、、、、うーん」
楓が腕を組んで考え込む。
「プレイヤーの味方でしょ?とんでもない数になるんじゃない?」
「えーと、常設イベントとして、アース・エステア戦争を開催しますだってよ。地球を拠点としてエステア軍を壊滅に追い込もう!って誰がやるんだよ」
「NPCはもうお腹いっぱいだよねー」
有栖川が苦笑いする。
「良いじゃん。ピースコンパスって普段はエステア軍と戦ってるんだろ?味方が増えるのは好都合じゃん」
俺はワクワクしていた。だってまともにコミュニケーションが取れるNPCが追加されるんだろ?より多くの仲間と共に戦えるんだし。
「それはそうだけど、、、、」
峰岡が言い淀む。
なんか煮えきらないな。
「イベントの時にどうするのかなって。プレイヤー同士の戦いに味方のNPCが混ざるのよ?ポイントは加算されないだろうし、煩わしくない?」
有栖川が答える。
あー、そういう感じか。確かにポイントにならないやつがウロチョロしても鬱陶しいだけだしな。
「でも基地があるのは面白そうだろ?艦隊だってあるかもしれないし」
「それはそうだね。『ノアの方舟』しか持ってないボクらにとっては大幅な戦力強化になるしね」
「ま、地球防衛機構にもネームドがいるみたいだし?」
「マジ?」
「おん、キャラ紹介が載ってるわ」
・地球防衛機構総裁 フレイ・アンダーソン
地球防衛機構の総裁。エステア軍との戦争で指揮を取る勇猛果敢な女性。
・地球防衛機構第六アーマードスーツ部隊所属 ファナリス・ゴッドガルディ 搭乗機エリアルバーニング
地球防衛機構所属のアーマードスーツパイロット。その圧倒的な実力はずば抜けており、エステア軍から『赫き凶星』と恐れられている。
・地球防衛機構第六アーマードスーツ部隊所属 リク・オベール 搭乗機エリアルフルフィード
ファナリス同様地球防衛機構所属のアーマードスーツパイロット。ファナリスの兄貴分のような存在で、よくバディを組んでいる。
「だってさ。このファナリスはエースパイロットって設定っぽいな」
キャラ設定を読み上げた峰岡が鼻で笑う。
「赫き凶星だって。ハナサギとそっくりだな」
「うるせぇ、かっこいいじゃねえか。そういやプライマルクランはもう地球防衛機構と出会ったのかな?」
第十回イベントで優勝したプライマルクランはアップデートの先行体験に招待されていた。
「多分な。アップデートももう終わってるだろうよ」
峰岡がスマホを机に置きながら言う。
「ふーん、仕事が速いな」
俺は運ばれてきたオムライスに手をつける。
相変わらず卵はフワトロ、ドミグラスソースのコクが俺の胃を撃墜する。
峰岡達もそれぞれの頼んだ料理を口にする。
⭐️⭐️⭐️
次の日、スペースウォーリャーズにログインした俺は目を疑った。
「え、ここどこ、、、、?」
ユカの話によればログイン時の開始地点は『ノアの方舟』の格納庫に設定されているはずだった。
しかし、俺を照らす光は、、、、太陽だ。
「あ、青空?目の前の山に鉄の扉がついてるし、地面はコンクリートで整備されてる!地球防衛機構の基地なのか?」
俺は混乱しながらもとりあえず進むことにした。
「君!」
突如後ろから大声で呼びかけられた。
思ったより大きな声でびっくりした俺は恐る恐る後ろを振り返った。
「君だよね?新しく配属になったパイロットは!」
金髪で端正な顔立ちの男がこちらに走ってきた。
「ふぅ、いきなりごめんね」
「いや、大丈夫です、、、、」
金髪の男が前髪を掻き上げて自己紹介をする。
「俺はファナリス・ゴッドガルディ。第六アーマードスーツ部隊の隊員だ」
「、、、、はっ!ハナサギです。よろしく、、、、」
「よろしく、ハナサギ!」
俺はファナリスと固い握手を交わした。
こ、こいつが地球防衛機構のエース、『赫き凶星』?
無茶苦茶イケメンだ。天は二物を与えずとはよく言うぜ、、、、ま、ゲームだしな。劣等感なんか感じないな、断じて。
「俺がフロンタル基地を案内してやるよ」
ファナリスが山を指差す。
「あ、ありがとう」
こうして俺は地球防衛機構のエースパイロットであるファナリスと共に地球防衛機構第六アーマードスーツ部隊の巢であるフロンタル基地を巡ることになった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~
百々 五十六
ファンタジー
極振りしてみたり、弱いとされている職やスキルを使ったり、あえてわき道にそれるプレイをするなど、一見、非効率的なプレイをして、ゲーム内で最強になるような作品が流行りすぎてしまったため、ゲームでみんな変なプレイ、ロマンプレイをするようになってしまった。
この世界初のフルダイブVRMMORPGである『Alliance Possibility On-line』でも皆ロマンを追いたがる。
憧れの、個性あふれるプレイ、一見非効率なプレイ、変なプレイを皆がしだした。
そんな中、実直に地道に普通なプレイをする少年のプレイヤーがいた。
名前は、早乙女 久。
プレイヤー名は オクツ。
運営が想定しているような、正しい順路で少しずつ強くなる彼は、非効率的なプレイをしていくプレイヤーたちを置き去っていく。
何か特別な力も、特別な出会いもないまま進む彼は、回り道なんかよりもよっぽど効率良く先頭をひた走る。
初討伐特典や、先行特典という、優位性を崩さず実直にプレイする彼は、ちゃんと強くなるし、ちゃんと話題になっていく。
ロマンばかり追い求めたプレイヤーの中で”普通”な彼が、目立っていく、新感覚VRMMO物語。
40代(男)アバターで無双する少女
かのよ
SF
同年代の子達と放課後寄り道するよりも、VRMMOでおじさんになってるほうが幸せだ。オープンフィールドの狩りゲーで大剣使いをしているガルドこと佐野みずき。女子高生であることを完璧に隠しながら、親父どもが集まるギルドにいい感じに馴染んでいる…! ひたすらクエストをやりこみ、酒場で仲間と談笑しているおじさんの皮を被った17歳。しかし平穏だった非日常を、唐突なギルドのオフ会とログアウト不可能の文字が破壊する!
序盤はVRMMO+日常系、中盤から転移系の物語に移行していきます。
表紙は茶二三様から頂きました!ありがとうございます!!
校正を加え同人誌版を出しています!
https://00kanoyooo.booth.pm/
こちらにて通販しています。
更新は定期日程で毎月4回行います(2・9・17・23日です)
小説家になろうにも「40代(男)アバターで無双するJK」という名前で投稿しています。
この作品はフィクションです。作中における犯罪行為を真似すると犯罪になります。それらを認可・奨励するものではありません。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる