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phase1 二章 赫翼とエースと黒蛇

十四話 地球防衛機構の追加とエースパイロット

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第十回イベントから僅か三日後、スペースウォーリャーズ公式から大型アップデートが発表された。

俺達は呑み屋はなさぎでその情報を見ていた。

「地球防衛機構が追加?なんだそりゃ」

峰岡が顔をしかめる。

「友軍か、、、、うーん」

楓が腕を組んで考え込む。

「プレイヤーの味方でしょ?とんでもない数になるんじゃない?」

「えーと、常設イベントとして、アース・エステア戦争を開催しますだってよ。地球を拠点としてエステア軍を壊滅に追い込もう!って誰がやるんだよ」

「NPCはもうお腹いっぱいだよねー」

有栖川が苦笑いする。

「良いじゃん。ピースコンパスって普段はエステア軍と戦ってるんだろ?味方が増えるのは好都合じゃん」

俺はワクワクしていた。だってまともにコミュニケーションが取れるNPCが追加されるんだろ?より多くの仲間と共に戦えるんだし。

「それはそうだけど、、、、」

峰岡が言い淀む。

なんか煮えきらないな。

「イベントの時にどうするのかなって。プレイヤー同士の戦いに味方のNPCが混ざるのよ?ポイントは加算されないだろうし、煩わしくない?」

有栖川が答える。

あー、そういう感じか。確かにポイントにならないやつがウロチョロしても鬱陶しいだけだしな。

「でも基地があるのは面白そうだろ?艦隊だってあるかもしれないし」

「それはそうだね。『ノアの方舟』しか持ってないボクらにとっては大幅な戦力強化になるしね」

「ま、地球防衛機構にもネームドがいるみたいだし?」

「マジ?」

「おん、キャラ紹介が載ってるわ」

・地球防衛機構総裁 フレイ・アンダーソン
地球防衛機構の総裁。エステア軍との戦争で指揮を取る勇猛果敢な女性。

・地球防衛機構第六アーマードスーツ部隊所属 ファナリス・ゴッドガルディ 搭乗機エリアルバーニング
地球防衛機構所属のアーマードスーツパイロット。その圧倒的な実力はずば抜けており、エステア軍から『赫き凶星』と恐れられている。

・地球防衛機構第六アーマードスーツ部隊所属 リク・オベール 搭乗機エリアルフルフィード
ファナリス同様地球防衛機構所属のアーマードスーツパイロット。ファナリスの兄貴分のような存在で、よくバディを組んでいる。

「だってさ。このファナリスはエースパイロットって設定っぽいな」

キャラ設定を読み上げた峰岡が鼻で笑う。

「赫き凶星だって。ハナサギとそっくりだな」

「うるせぇ、かっこいいじゃねえか。そういやプライマルクランはもう地球防衛機構と出会ったのかな?」

第十回イベントで優勝したプライマルクランはアップデートの先行体験に招待されていた。

「多分な。アップデートももう終わってるだろうよ」

峰岡がスマホを机に置きながら言う。

「ふーん、仕事が速いな」

俺は運ばれてきたオムライスに手をつける。

相変わらず卵はフワトロ、ドミグラスソースのコクが俺の胃を撃墜する。

峰岡達もそれぞれの頼んだ料理を口にする。

⭐️⭐️⭐️
次の日、スペースウォーリャーズにログインした俺は目を疑った。

「え、ここどこ、、、、?」

ユカの話によればログイン時の開始地点は『ノアの方舟』の格納庫に設定されているはずだった。

しかし、俺を照らす光は、、、、太陽だ。

「あ、青空?目の前の山に鉄の扉がついてるし、地面はコンクリートで整備されてる!地球防衛機構の基地なのか?」

俺は混乱しながらもとりあえず進むことにした。

「君!」

突如後ろから大声で呼びかけられた。

思ったより大きな声でびっくりした俺は恐る恐る後ろを振り返った。

「君だよね?新しく配属になったパイロットは!」

金髪で端正な顔立ちの男がこちらに走ってきた。

「ふぅ、いきなりごめんね」

「いや、大丈夫です、、、、」

金髪の男が前髪を掻き上げて自己紹介をする。

「俺はファナリス・ゴッドガルディ。第六アーマードスーツ部隊の隊員だ」

「、、、、はっ!ハナサギです。よろしく、、、、」

「よろしく、ハナサギ!」

俺はファナリスと固い握手を交わした。

こ、こいつが地球防衛機構のエース、『赫き凶星』?
無茶苦茶イケメンだ。天は二物を与えずとはよく言うぜ、、、、ま、ゲームだしな。劣等感なんか感じないな、断じて。

「俺がフロンタル基地を案内してやるよ」

ファナリスが山を指差す。

「あ、ありがとう」

こうして俺は地球防衛機構のエースパイロットであるファナリスと共に地球防衛機構第六アーマードスーツ部隊の巢であるフロンタル基地を巡ることになった。
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