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三章 人魔戦線
三十話 カンティーナ事変(5)-怒涛
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「くそッ!攻撃が一発も当たらんとは……」
パールが息を切らす。
ペルンも膝をつく。
「魔力切れだ……」
『ペルンが魔力切れ?あの魔力お化けが?』
パールが驚く。
「『浪費家』。対象の魔法使用に必要な魔力量を大幅に引き上げるスキルよ。あなたたちの召喚魔法、援護魔法は魔力量だけで言えば五倍近く増えてるんじゃないかしら」
「いつだ、いつ付与した!」
パールが叫ぶ。
アリスがパールの首をはねる。
「知ってどうするんだ、死ぬのに」
ペルンが立ち上がる。
「ならば、魔力を使わずに貴様を葬ってやろう」
アリスが警戒する。
「魔核……解放!」
ペルンがオーラに包まれる。
「ふはは!楽に死ねると思うなよ!」
アリスとペルンがぶつかる。
床が大きくへこむ。
『とんでもないパワー!うかうかしてたらやられる!』
アリスの足が地面にめり込む。
「このまま押し潰してやる!」
⭐⭐⭐
「ああー!全然近付けないんだけど!マジで腹立つゥー!」
ケラスターゼがディーノの攻撃を避けながら叫ぶ。
「ギリギリまで耐えろ!攻撃のチャンスは回ってくる!」
トスハラがブラッドカッターを放ちながら叫ぶ。
「ちょこまかと動きやがって、終わりだ!」
ディーノが技を繰り出す。
「魂削り・八方!」
八方向から攻撃が迫る。
「トスハラさん!」
ケラスターゼが援護に入ろうとしたが間に合わなかった。
トスハラが動かなくなった。
「上質な魂だ」
ディーノの手に青白い炎が現れる。
「た、魂?」
「そこの男の魂だ。俺の攻撃は物だけじゃなく魂も削ることが出来るんだよ。現にお前の魂も……何で生きてるんだ?」
「は?」
「俺はお前の魂も削ったんだが」
ケラスターゼが手をグーパーする。
「なんともないけど」
ディーノがケラスターゼの魂を削る。
「今削ったぞ。これがお前の魂だ……だから何で生きてんだよ!」
「知るか!お前がヘマしただけだろ!」
『どうなってるんだ、魂が何個もある人間なのか?』
ケラスターゼが剣を振り下ろす。
「うわっ!」
ケラスターゼの剣はディーノをかすった。
『先ほどまでとは比べ物にならない位スピードが上がっている……だと?』
ディーノがケラスターゼから距離を取る。
『雰囲気が変わった、まるで別人だ』
「何なんだお前は!」
ディーノが自分の持てる全ての技をケラスターゼにぶつける。
煙がもうもうと立ち上る。
「はあ、はあ、今度こそやったか?」
ディーノが煙の中に目を凝らす。
煙の中からケラスターゼが飛び出してきた。
「なんで生きて……!」
ケラスターゼがディーノを蹴り飛ばす。
ディーノが壁を突き破って庭に飛ばされる。
「フハ、フハハハハハ!」
ケラスターゼが高笑いする。
「久し振りの現世だ!塵殺だ!全て破壊し尽くしてやる!」
⭐⭐⭐
「何の冗談だ、ケラスターゼ!」
アリスが叫ぶ。
「余所見している場合か?」
ペルンが拳を振り下ろす。
「ちっ!」
アリスが拳を受け止める。
ケラスターゼが近付いていく。
「俺は機嫌が良いんだ。特別に助けてやろう」
「え、俺?」
ケラスターゼが指をピッと動かす。
壁ごとペルンの身体が両断される。
「うっそ……そんなこと出来たんだ」
アリスが驚く。
ケラスターゼが残忍な笑みを浮かべる。
「俺の十八番だぞ……なんだこの声は」
ケラスターゼが自分の身体を見る。
「女の身体?俺の肉体はどうなったんだ」
アスフェンとクローバーが動きを止める。
「ケラスターゼ?魔力が……」
「……引き際か」
クローバーがその場を離れる。
「どこ行くんだ!」
アスフェンが追いかけようとする。
クローバーが止める。
「やめておけ、ケラスターゼを止められるのは私達だけだ」
⭐⭐⭐
ヨアンが膝をつく。
「下等生物どもが……!」
「何とか……追い込んだわね」
「このままトドメを……!」
結界が消え去った。
「結界が消えたよ!」
チュンチュンが喜ぶ。
レグルスも笑みを浮かべる。
「まさか、クローバー様が……?」
「心配無用」
クローバーがレグルスを抱えて空を飛んでいる。
「レグルス!」
チュンチュンが追いかけようとする。
「ヨアン!魔王が復活した、あれを復活させるまでの時間を稼ぎなさい!」
「はっ!」
ヨアンが頷く。
チュンチュンが驚く。
『魔王様が復活……?死んだはずじゃ』
「全く、出迎えもなしか?まあ、忌々しい勇者に殺されてしまったのかもしれんが」
ケラスターゼが壁の穴から出てくる。
チュンチュンが固まる。
『この人が魔王様……怖い』
「お前、ヒューヒューの娘か」
ケラスターゼがチュンチュンの頭を撫でる。
チュンチュンがゆっくり頷く。
「大きくなったな……ん?」
ケラスターゼがヨアンを睨む。
「何を見ている。殺すぞ」
「ふん、軽く遊んでやるわ」
『身体はケラスターゼのまま、大したこと無いわね』
「やるか?」
ケラスターゼがヨアンを蹴り飛ばす。
「がっ!」
ヨアンが遠くに見える高層ビルに吹っ飛ばされる。
「リハビリってとこだな」
ケラスターゼ、いや魔王が爆風と共に消える。
⭐⭐⭐
「魔王様が復活なされた。私がお迎えに上がらねば」
白装束の男が興奮して立ち上がる。
パールが息を切らす。
ペルンも膝をつく。
「魔力切れだ……」
『ペルンが魔力切れ?あの魔力お化けが?』
パールが驚く。
「『浪費家』。対象の魔法使用に必要な魔力量を大幅に引き上げるスキルよ。あなたたちの召喚魔法、援護魔法は魔力量だけで言えば五倍近く増えてるんじゃないかしら」
「いつだ、いつ付与した!」
パールが叫ぶ。
アリスがパールの首をはねる。
「知ってどうするんだ、死ぬのに」
ペルンが立ち上がる。
「ならば、魔力を使わずに貴様を葬ってやろう」
アリスが警戒する。
「魔核……解放!」
ペルンがオーラに包まれる。
「ふはは!楽に死ねると思うなよ!」
アリスとペルンがぶつかる。
床が大きくへこむ。
『とんでもないパワー!うかうかしてたらやられる!』
アリスの足が地面にめり込む。
「このまま押し潰してやる!」
⭐⭐⭐
「ああー!全然近付けないんだけど!マジで腹立つゥー!」
ケラスターゼがディーノの攻撃を避けながら叫ぶ。
「ギリギリまで耐えろ!攻撃のチャンスは回ってくる!」
トスハラがブラッドカッターを放ちながら叫ぶ。
「ちょこまかと動きやがって、終わりだ!」
ディーノが技を繰り出す。
「魂削り・八方!」
八方向から攻撃が迫る。
「トスハラさん!」
ケラスターゼが援護に入ろうとしたが間に合わなかった。
トスハラが動かなくなった。
「上質な魂だ」
ディーノの手に青白い炎が現れる。
「た、魂?」
「そこの男の魂だ。俺の攻撃は物だけじゃなく魂も削ることが出来るんだよ。現にお前の魂も……何で生きてるんだ?」
「は?」
「俺はお前の魂も削ったんだが」
ケラスターゼが手をグーパーする。
「なんともないけど」
ディーノがケラスターゼの魂を削る。
「今削ったぞ。これがお前の魂だ……だから何で生きてんだよ!」
「知るか!お前がヘマしただけだろ!」
『どうなってるんだ、魂が何個もある人間なのか?』
ケラスターゼが剣を振り下ろす。
「うわっ!」
ケラスターゼの剣はディーノをかすった。
『先ほどまでとは比べ物にならない位スピードが上がっている……だと?』
ディーノがケラスターゼから距離を取る。
『雰囲気が変わった、まるで別人だ』
「何なんだお前は!」
ディーノが自分の持てる全ての技をケラスターゼにぶつける。
煙がもうもうと立ち上る。
「はあ、はあ、今度こそやったか?」
ディーノが煙の中に目を凝らす。
煙の中からケラスターゼが飛び出してきた。
「なんで生きて……!」
ケラスターゼがディーノを蹴り飛ばす。
ディーノが壁を突き破って庭に飛ばされる。
「フハ、フハハハハハ!」
ケラスターゼが高笑いする。
「久し振りの現世だ!塵殺だ!全て破壊し尽くしてやる!」
⭐⭐⭐
「何の冗談だ、ケラスターゼ!」
アリスが叫ぶ。
「余所見している場合か?」
ペルンが拳を振り下ろす。
「ちっ!」
アリスが拳を受け止める。
ケラスターゼが近付いていく。
「俺は機嫌が良いんだ。特別に助けてやろう」
「え、俺?」
ケラスターゼが指をピッと動かす。
壁ごとペルンの身体が両断される。
「うっそ……そんなこと出来たんだ」
アリスが驚く。
ケラスターゼが残忍な笑みを浮かべる。
「俺の十八番だぞ……なんだこの声は」
ケラスターゼが自分の身体を見る。
「女の身体?俺の肉体はどうなったんだ」
アスフェンとクローバーが動きを止める。
「ケラスターゼ?魔力が……」
「……引き際か」
クローバーがその場を離れる。
「どこ行くんだ!」
アスフェンが追いかけようとする。
クローバーが止める。
「やめておけ、ケラスターゼを止められるのは私達だけだ」
⭐⭐⭐
ヨアンが膝をつく。
「下等生物どもが……!」
「何とか……追い込んだわね」
「このままトドメを……!」
結界が消え去った。
「結界が消えたよ!」
チュンチュンが喜ぶ。
レグルスも笑みを浮かべる。
「まさか、クローバー様が……?」
「心配無用」
クローバーがレグルスを抱えて空を飛んでいる。
「レグルス!」
チュンチュンが追いかけようとする。
「ヨアン!魔王が復活した、あれを復活させるまでの時間を稼ぎなさい!」
「はっ!」
ヨアンが頷く。
チュンチュンが驚く。
『魔王様が復活……?死んだはずじゃ』
「全く、出迎えもなしか?まあ、忌々しい勇者に殺されてしまったのかもしれんが」
ケラスターゼが壁の穴から出てくる。
チュンチュンが固まる。
『この人が魔王様……怖い』
「お前、ヒューヒューの娘か」
ケラスターゼがチュンチュンの頭を撫でる。
チュンチュンがゆっくり頷く。
「大きくなったな……ん?」
ケラスターゼがヨアンを睨む。
「何を見ている。殺すぞ」
「ふん、軽く遊んでやるわ」
『身体はケラスターゼのまま、大したこと無いわね』
「やるか?」
ケラスターゼがヨアンを蹴り飛ばす。
「がっ!」
ヨアンが遠くに見える高層ビルに吹っ飛ばされる。
「リハビリってとこだな」
ケラスターゼ、いや魔王が爆風と共に消える。
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「魔王様が復活なされた。私がお迎えに上がらねば」
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