魔王を倒した勇者

大和煮の甘辛炒め

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二章 学園交流会編

二十三話 新たな動き

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「確定申告」
「……は?」
「確定申告だよッ!!」

 だから何だよと。
 いきなり現れては机の前で仁王立ちしてくるメタ子。
 お昼ご飯で食べたであろうオニギリの米粒をほっぺにたくさん付けている。昨今のわんぱく小僧でも例を見ない量だ。かき集めて握り直せば小さなオニギリが出来ちゃう量ぞ?

 閑話休題。

 確定申告? はてさて、名前は聞いた事があるけれど、その意味までは知らない言葉だ。ただ間違いなく言えるのは、華の女子高生には関係ないという事だろう。
 それをメタ子に口にされるとは、確定申告とやらもさぞ不服だろうに。

「梨々香……申告を、確定するんだよ」
「おん」
「確定する、だよ? なんだか圧を感じない?」
「……で?」

 私に何をどうしろと。

「今日のニュースで見たんだよ。確定申告がスマホで出来るようになるんだって」
「へぇ、そうなんだ」
「でねでね、私ってスマホ好きじゃない?」
「大体の人が好きだと思うよ?」
「いや、その中でも三本の指に入る筈なの!」
「どんな雑な統計とったらそうなるんだよ」

 メーカー別に全機種揃えてから言いやがれ。

「そんなスマホで確定申告が出来るってぇんなら見過ごすワケにはいかないよね!?」
「なんでちょっと江戸っ子みたいになったの?」
「つい興奮して」

 興奮したのなら仕方がない。

「それでね、かしこい梨々香に教えてもらおうと思ってさ」
「……ねぇスマホ博士」
「うむ、なんだね梨々香助手」

 ボケに対する対応力だけは流石と言ってやろう。

「その大好きなスマホで調べればいいんじゃない?」
「!?」

 アニメだと“カッ!コーン”みたいなSEが流れる表情すんなし。
 ともあれ、私が言えるのはコレだけだ。

「ググれカス」

 次の日、結果を聞いたら「えへへ、むずかしくて分かんなかったー」との事である。

 因みに、確定申告とはその年の1月1日から12月31日まで所得に対する税金などを計算し税務署に申告することを指すのだ。覚えておいてもテストに出ないよ多分。
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