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一章 予兆編
十話 弟子になりたい
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アスフェンの拳がアリスに炸裂する。
『こいつの打撃、時間が止まってるとしか思えない位速い!』
「オラオラオラオラオラオラオラオラ!」
アスフェンがアリスの顎を撃ち抜く。
「空気すって頭冷やせ!」
アリスが空高く舞う。
「ま、参りました……」
アリスが地面に叩きつけられる。
「うぐぅ……」
「フュートレック、治してやれ」
「嫌よ」
「これで死んだら俺が人殺しになるだろ。それに決闘の勝利条件も相手を屈服させるだけだ」
「わかったわよ、甘いわねアスフェン」
フュートレックが一瞬でアリスの傷を再生する。
「ふぇ?傷が全部なおってる……」
アリスが自分の身体を確認する。
目線をあげてアスフェンを見るやいなや土下座をかました。
「どうかあなた様のお弟子にしていただけないでしょうか!」
「はあ!?」
アスフェンが驚く。
フュートレックも泡を食ったような反応をする。
「私は自分の未熟さを改めて痛感しました。どうかあなた様のもとで私を鍛えていただけないでしょうか!」
アリスが額を地面に擦り付けて頼み込む。
「アスフェン、弟子にとってあげなさいよ」
フュートレックがニヤニヤしながら言う。
「やだよ、俺教えるの苦手だし」
「あら、嫌だって言うならこの子の傷を『逆転魔法』で元どおりにしてあなたを人殺しにしても良いのよ?」
「……卑怯者め」
アスフェンがフュートレックを睨む。
「あ、あの、弟子にしていただけるのですか?」
アリスが瞳をうるうるさせて尋ねる。
「うがーっ!もう好きにしろー!」
アスフェンが発狂してどこかへ走っていく。
アリスが飛び上がらんばかりに喜ぶ。
「いやった~!」
遠くから眺めていたケラスターゼとレグルスがフュートレックに白々しい目を向ける。
「あの人、滅茶苦茶性格悪い……」
「腹黒ウィザード……」
フュートレックが振り返る。
「聴こえてるわよ、お嬢さんたち?」
「ひっ!」
ケラスターゼとレグルスが走り去る。
決闘を見ていた野次馬とアリスもどこかへ去り、フュートレックがその場に取り残される。
「……私そんなに性格悪いかしら。彼とたくさん話したいだけなんだけどな」
フュートレックがアスフェンのことを考えて頬を赤らめる。
生きてこの度500年、彼女が全てを委ねたいと思った唯一の男、それがアスフェン・ヴェスレイである。
残念ながら彼女の恋が実ることは決して無い。
それは彼女がおこなっている『遊戯』に大きく関わっている。
『こいつの打撃、時間が止まってるとしか思えない位速い!』
「オラオラオラオラオラオラオラオラ!」
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「ま、参りました……」
アリスが地面に叩きつけられる。
「うぐぅ……」
「フュートレック、治してやれ」
「嫌よ」
「これで死んだら俺が人殺しになるだろ。それに決闘の勝利条件も相手を屈服させるだけだ」
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目線をあげてアスフェンを見るやいなや土下座をかました。
「どうかあなた様のお弟子にしていただけないでしょうか!」
「はあ!?」
アスフェンが驚く。
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「私は自分の未熟さを改めて痛感しました。どうかあなた様のもとで私を鍛えていただけないでしょうか!」
アリスが額を地面に擦り付けて頼み込む。
「アスフェン、弟子にとってあげなさいよ」
フュートレックがニヤニヤしながら言う。
「やだよ、俺教えるの苦手だし」
「あら、嫌だって言うならこの子の傷を『逆転魔法』で元どおりにしてあなたを人殺しにしても良いのよ?」
「……卑怯者め」
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「うがーっ!もう好きにしろー!」
アスフェンが発狂してどこかへ走っていく。
アリスが飛び上がらんばかりに喜ぶ。
「いやった~!」
遠くから眺めていたケラスターゼとレグルスがフュートレックに白々しい目を向ける。
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「腹黒ウィザード……」
フュートレックが振り返る。
「聴こえてるわよ、お嬢さんたち?」
「ひっ!」
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「……私そんなに性格悪いかしら。彼とたくさん話したいだけなんだけどな」
フュートレックがアスフェンのことを考えて頬を赤らめる。
生きてこの度500年、彼女が全てを委ねたいと思った唯一の男、それがアスフェン・ヴェスレイである。
残念ながら彼女の恋が実ることは決して無い。
それは彼女がおこなっている『遊戯』に大きく関わっている。
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