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第5幕 真実を追って
5-3 文通
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ジェームズが屋敷を出た頃、エドワードはウェストフォード大学からほど近い喫茶店の中で、夏目と顔を付き合わせていた。
「金曜日はありがとう。すまないね、日曜日に」
「いえ、お声がけいただき、ありがたい限りです。毎週のことですが、日曜日の午前はどこもここも店が閉まっていますね」
「イギリス国民にとって、日曜日の午前は教会で祈りを捧げる大切な時間だからね」
夏目は、エドワードの説明に合点がいった様子で頷いた。
「なるほど、宗教性の違いがこんなところで現れるとは」
「そうだね。実は、君をここへ呼んだのは、少し相談があってね」
「と、言いますと、事件のことで?」
エドワードは首肯した。
「舞踏会の後、ヘンリー君が落とした懐中時計を兄さんが見せてくれたんだ。その中に、動機に繋がると思われる、あるものが入っていた」
エドワードは夏目の耳元でジャコバイトの旗の絵のことを説明した。
「何とかして、エヴァンズ教授の居場所を突き止められないかと思ってね」
「居場所ですか。何か手がかりになるものはないのでしょうか。ちなみに、以前はどちらに?」
「大学の授業がある期間はホテル暮らしだったと学長から聞いているよ」
「ホテル暮らしですか。エヴァンズ教授は貴族ではないのですか?」
「侯爵家だよ。休暇中は確か、バースにあるカントリーハウスに滞在していたはずだ」
「バースには行ったのですか?」
エドワードは首を横に振った。
「いや、まだ」
「一度行ってみてはどうでしょうか。周辺の住民に聞けば、何か手がかりになるものが見つかるかもしれない」
「夏目、この後用事は?」
「何もありません。では、今から?」
二人は店を出て、パディントン駅へと向かうことにした。
バースはロンドンから見て西側に位置し、国内で唯一温泉があることで知られている。鉄道に揺られ、彼らがバースに到着した時にはすでに日が傾き始めていた。
駅の近くに停車していた辻馬車の馭者に声をかけ、エヴァンズのカントリーハウスを指定するが、馭者の顔色がたちまち変わる。
「お客さん、あすこはやめといた方が身のためですぜ」
「どういうことですか?」
エドワードが尋ねると、馭者は周囲を確認してからひそひそ声で話し始めた。
「屋敷の当主が謎の死を遂げたって話で、周辺の住民にはいわくつきの場所として恐れられていますわ」
エドワードは困惑した。
「謎の死って……亡くなったのは?」
「ああ、トーマス・エヴァンズですわ。たまあに、親族と思われる男が出入りして、手紙を持ち去る姿が目撃されていますけど。ここ数か月は知りやせんけど。にしたって、亡くなってからだいぶ経ったっていうのに、手紙なんて届くんですかね」
「亡くなってからどれぐらい経つ?」
夏目の問いに対し、馭者は指を折りながら数える。
「ざっと三年は経っていますわ。正確な日付までは覚えてやせんけど」
「ということは、大学にいたエヴァンズ教授は別人。なりすましか?」
「そういうことになるね。夏目、ひとまず戻ろう」
結局二人はすぐに駅まで引き返すことにした。パディントン駅へ向かう次の列車まで近くの喫茶店で時間をつぶした後、再び鉄道に揺られ、家路を急いだ。
ロンドンに着いた時には、辺りは真っ暗になっていた。
大学の門の近くで夏目と別れ、エドワードは辻馬車で自宅まで向かった。
辻馬車の音に気付いた執事が玄関まで出迎える。
「……お帰りなさいませ、エドワード様。本日はこの時間まで、さぞかしお疲れでしょう」
「ただいま。今日は色々あって遠出をすることになったので」
「外はだいぶ冷えておりますようで。すぐにアールグレイをお持ち致しますね」
「ありがとう」
執事は一瞬黙り込んでから、
「ジェームズ様から言伝を預かっております」
「兄さんから? 帰っていないのですか?」
執事は首肯した。
「……仕事でしばらく屋敷を空けるとおっしゃっておりました」
「仕事で? そんな話は聞いていなかったけれど」
「は、はい……急用とのことでしたので」
いつもにこやかな表情を浮かべている執事の表情は、この時は珍しく曇っていた。彼の反応を不審に思ったエドワード。
「本当のことを教えてくれませんか」
執事はしばらく言うのを躊躇っていたが、エドワードの向ける真剣な眼差しに根負けし、とうとう白状した。
「昼過ぎにロンドン警視庁のホワード警部が現れ、ジェームズ様をお連れになりました」
「行き先は、まさか……」
「ロンドン塔でございます」
エドワードの顔がたちまち青ざめる。
「兄さん!」
「エドワード様! どちらへ?」
屋敷を飛び出そうとするエドワードを執事が止めようとする。
エドワードは振り向き、答えた。
「ソールズベリー侯爵の屋敷へ」
「では、屋敷の馬車をお使いください」
エドワードはソールズベリーの屋敷へと向かった。
屋敷のドアノッカーを鳴らすと、ソールズベリーの屋敷の執事が出迎える。
「ソールズベリー侯爵にお取り次ぎ願いたいのですが」
「お待ちください」
執事は急ぎ足で主人の元へ急いだ。その時間は五分にも満たないのだが、今のエドワードにとっては大変長いものに感じた。落ち着きなく辺りを見回していると、
「では、お入りください」
先程の執事に声をかけられ、エドワードの肩はびくりと跳ね上がる。
「どうぞ」
執事に促されるまま中に入ると、
「マイヤー、どうした?」
「ホワード警部⁉」
ソールズベリーとホワードが向かいに座り、先程まで何やら談義していた様子だった。
「まさか君が来るとは思いも寄らなかった。その様子だと、私に話があるのだろう。ホワード警部の隣へ」
エドワードが腰を下ろしたのを確認し、ソールズベリーは話を続けた。
「わざわざここへ来たということは、君の兄のことだろう」
「夜分遅くに申し訳ありません。しかし、なぜ兄がロンドン塔へ? 昨日お見せした時計のことでしょうか?」
「そのとおりだ。だが、君は勘違いをしているようだ。ロンドン塔に行くことを指示したのは私ではない。彼自身だ」
エドワードは瞠目した。
「兄さんが?」
「万が一にでもジャコバイトの話が出回れば、国家を揺るがしかねない事態となる。そう危惧したのだろう。マイヤー家、いや、君を守るために選択したことだと思う。無論、私は彼を疑ってなどいない」
エドワードは肩を落とした。
「僕は……いつも守られてばかりだ。自分の無力さを痛感しています」
「エドワード・マイヤー」
ソールズベリーに名を呼ばれ、顔を上げるエドワード。
「本当にそうお思いか? 無力ならば、君に力を借りようとは思わない。必要だと思ったからこそ、貴公を頼ったのだ。君の兄を一刻もロンドン塔から出すため、ともに尽力しよう」
エドワードは自らの拳を握り、涙をこらえる。
「はい……」
声を震わせながら頷いた。
「ホワード警部からも聞いたが、これまでの事件で気付いた点があれば情報を共有したい。無論、推測で構わない」
――今は公にしない方が良い。
エドワードはジェームズとの会話を思い出し、自身の推理を述べるか躊躇していたが、これを見たホワードの方がしびれを切らしたらしい。
「アンタの言っていた二人の男について、話す必要があるんじゃないか? この間聞いた話は俺から伝えておいたが。新たに分かったことはないのか?」
手遅れだったか、と、エドワードは内心頭を抱えていた。
だが、ホワードに伝えた段階でソールズベリーに伝わるのは必然である。そう考えた彼は、夏目とバースに行ったこと、トーマス・エヴァンズが亡くなっていたことを明かした。
「あくまで僕の推測ですが、ウェストフォード大学で勤務をしていたエヴァンズ教授は別人と思われます」
ソールズベリーは指を顔の前で組み、俯いた。
「やはりか……」
彼の言葉に対し、エドワードは疑問を呈した。
「何か心当たりでもあるのですか?」
「ここ数年、手書きの文を送っても、タイプライターで返事が来ていた。その上、舞踏会はおろか、直接会おうと提案しても断られ続け、しまいには国外へ――なるほど、すべての違和感は繋がった」
ソールズベリーはエドワードの顔をまっすぐに見た。
「亡くなったという話は真なのだな?」
「はい、間違いありません。まさか、文通の相手は――」
「トーマス・エヴァンズだ」
「金曜日はありがとう。すまないね、日曜日に」
「いえ、お声がけいただき、ありがたい限りです。毎週のことですが、日曜日の午前はどこもここも店が閉まっていますね」
「イギリス国民にとって、日曜日の午前は教会で祈りを捧げる大切な時間だからね」
夏目は、エドワードの説明に合点がいった様子で頷いた。
「なるほど、宗教性の違いがこんなところで現れるとは」
「そうだね。実は、君をここへ呼んだのは、少し相談があってね」
「と、言いますと、事件のことで?」
エドワードは首肯した。
「舞踏会の後、ヘンリー君が落とした懐中時計を兄さんが見せてくれたんだ。その中に、動機に繋がると思われる、あるものが入っていた」
エドワードは夏目の耳元でジャコバイトの旗の絵のことを説明した。
「何とかして、エヴァンズ教授の居場所を突き止められないかと思ってね」
「居場所ですか。何か手がかりになるものはないのでしょうか。ちなみに、以前はどちらに?」
「大学の授業がある期間はホテル暮らしだったと学長から聞いているよ」
「ホテル暮らしですか。エヴァンズ教授は貴族ではないのですか?」
「侯爵家だよ。休暇中は確か、バースにあるカントリーハウスに滞在していたはずだ」
「バースには行ったのですか?」
エドワードは首を横に振った。
「いや、まだ」
「一度行ってみてはどうでしょうか。周辺の住民に聞けば、何か手がかりになるものが見つかるかもしれない」
「夏目、この後用事は?」
「何もありません。では、今から?」
二人は店を出て、パディントン駅へと向かうことにした。
バースはロンドンから見て西側に位置し、国内で唯一温泉があることで知られている。鉄道に揺られ、彼らがバースに到着した時にはすでに日が傾き始めていた。
駅の近くに停車していた辻馬車の馭者に声をかけ、エヴァンズのカントリーハウスを指定するが、馭者の顔色がたちまち変わる。
「お客さん、あすこはやめといた方が身のためですぜ」
「どういうことですか?」
エドワードが尋ねると、馭者は周囲を確認してからひそひそ声で話し始めた。
「屋敷の当主が謎の死を遂げたって話で、周辺の住民にはいわくつきの場所として恐れられていますわ」
エドワードは困惑した。
「謎の死って……亡くなったのは?」
「ああ、トーマス・エヴァンズですわ。たまあに、親族と思われる男が出入りして、手紙を持ち去る姿が目撃されていますけど。ここ数か月は知りやせんけど。にしたって、亡くなってからだいぶ経ったっていうのに、手紙なんて届くんですかね」
「亡くなってからどれぐらい経つ?」
夏目の問いに対し、馭者は指を折りながら数える。
「ざっと三年は経っていますわ。正確な日付までは覚えてやせんけど」
「ということは、大学にいたエヴァンズ教授は別人。なりすましか?」
「そういうことになるね。夏目、ひとまず戻ろう」
結局二人はすぐに駅まで引き返すことにした。パディントン駅へ向かう次の列車まで近くの喫茶店で時間をつぶした後、再び鉄道に揺られ、家路を急いだ。
ロンドンに着いた時には、辺りは真っ暗になっていた。
大学の門の近くで夏目と別れ、エドワードは辻馬車で自宅まで向かった。
辻馬車の音に気付いた執事が玄関まで出迎える。
「……お帰りなさいませ、エドワード様。本日はこの時間まで、さぞかしお疲れでしょう」
「ただいま。今日は色々あって遠出をすることになったので」
「外はだいぶ冷えておりますようで。すぐにアールグレイをお持ち致しますね」
「ありがとう」
執事は一瞬黙り込んでから、
「ジェームズ様から言伝を預かっております」
「兄さんから? 帰っていないのですか?」
執事は首肯した。
「……仕事でしばらく屋敷を空けるとおっしゃっておりました」
「仕事で? そんな話は聞いていなかったけれど」
「は、はい……急用とのことでしたので」
いつもにこやかな表情を浮かべている執事の表情は、この時は珍しく曇っていた。彼の反応を不審に思ったエドワード。
「本当のことを教えてくれませんか」
執事はしばらく言うのを躊躇っていたが、エドワードの向ける真剣な眼差しに根負けし、とうとう白状した。
「昼過ぎにロンドン警視庁のホワード警部が現れ、ジェームズ様をお連れになりました」
「行き先は、まさか……」
「ロンドン塔でございます」
エドワードの顔がたちまち青ざめる。
「兄さん!」
「エドワード様! どちらへ?」
屋敷を飛び出そうとするエドワードを執事が止めようとする。
エドワードは振り向き、答えた。
「ソールズベリー侯爵の屋敷へ」
「では、屋敷の馬車をお使いください」
エドワードはソールズベリーの屋敷へと向かった。
屋敷のドアノッカーを鳴らすと、ソールズベリーの屋敷の執事が出迎える。
「ソールズベリー侯爵にお取り次ぎ願いたいのですが」
「お待ちください」
執事は急ぎ足で主人の元へ急いだ。その時間は五分にも満たないのだが、今のエドワードにとっては大変長いものに感じた。落ち着きなく辺りを見回していると、
「では、お入りください」
先程の執事に声をかけられ、エドワードの肩はびくりと跳ね上がる。
「どうぞ」
執事に促されるまま中に入ると、
「マイヤー、どうした?」
「ホワード警部⁉」
ソールズベリーとホワードが向かいに座り、先程まで何やら談義していた様子だった。
「まさか君が来るとは思いも寄らなかった。その様子だと、私に話があるのだろう。ホワード警部の隣へ」
エドワードが腰を下ろしたのを確認し、ソールズベリーは話を続けた。
「わざわざここへ来たということは、君の兄のことだろう」
「夜分遅くに申し訳ありません。しかし、なぜ兄がロンドン塔へ? 昨日お見せした時計のことでしょうか?」
「そのとおりだ。だが、君は勘違いをしているようだ。ロンドン塔に行くことを指示したのは私ではない。彼自身だ」
エドワードは瞠目した。
「兄さんが?」
「万が一にでもジャコバイトの話が出回れば、国家を揺るがしかねない事態となる。そう危惧したのだろう。マイヤー家、いや、君を守るために選択したことだと思う。無論、私は彼を疑ってなどいない」
エドワードは肩を落とした。
「僕は……いつも守られてばかりだ。自分の無力さを痛感しています」
「エドワード・マイヤー」
ソールズベリーに名を呼ばれ、顔を上げるエドワード。
「本当にそうお思いか? 無力ならば、君に力を借りようとは思わない。必要だと思ったからこそ、貴公を頼ったのだ。君の兄を一刻もロンドン塔から出すため、ともに尽力しよう」
エドワードは自らの拳を握り、涙をこらえる。
「はい……」
声を震わせながら頷いた。
「ホワード警部からも聞いたが、これまでの事件で気付いた点があれば情報を共有したい。無論、推測で構わない」
――今は公にしない方が良い。
エドワードはジェームズとの会話を思い出し、自身の推理を述べるか躊躇していたが、これを見たホワードの方がしびれを切らしたらしい。
「アンタの言っていた二人の男について、話す必要があるんじゃないか? この間聞いた話は俺から伝えておいたが。新たに分かったことはないのか?」
手遅れだったか、と、エドワードは内心頭を抱えていた。
だが、ホワードに伝えた段階でソールズベリーに伝わるのは必然である。そう考えた彼は、夏目とバースに行ったこと、トーマス・エヴァンズが亡くなっていたことを明かした。
「あくまで僕の推測ですが、ウェストフォード大学で勤務をしていたエヴァンズ教授は別人と思われます」
ソールズベリーは指を顔の前で組み、俯いた。
「やはりか……」
彼の言葉に対し、エドワードは疑問を呈した。
「何か心当たりでもあるのですか?」
「ここ数年、手書きの文を送っても、タイプライターで返事が来ていた。その上、舞踏会はおろか、直接会おうと提案しても断られ続け、しまいには国外へ――なるほど、すべての違和感は繋がった」
ソールズベリーはエドワードの顔をまっすぐに見た。
「亡くなったという話は真なのだな?」
「はい、間違いありません。まさか、文通の相手は――」
「トーマス・エヴァンズだ」
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