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第3幕 イースト・エンドの惨劇
3-2 日刊新聞
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「警部! お疲れ様です」
ケリーは立ち上がり、ホワードに敬礼する。
「マイヤーが来たと聞いたんでな。何か手掛かりでもあったのか?」
エドワードは、大学で紛失した薬瓶のことをホワードに話した。
「……臭うな」
「教授の部屋や研究室、寮にいる理学部の生徒たちの部屋を捜索しましたが、いまだに見つかっていません。宮殿で起きた毒殺事件の凶器である可能性も否定できないかと」
ホワードは首肯し、腕を組む。
「寮生以外の人間が自宅に持ち去ったか、あるいは宮殿のごみ捨て場に捨てられたか、いずれの可能性も捨てきれんな」
「ええ。そういえば、イーストエンドの事件とおっしゃっていましたが、これまでの事件と関連性はありそうですか?」
「どちらとも言えんな」
はっきりしないホワードの態度に、エドワードは首を傾げる。
ホワードは話を続けた。
「毒殺の前に起きた事件と共通しているのは、被害者は女で正面から襲われていること、犯行は夜、凶器は鋭利な刃物と見られる点だ。だが、女は娼婦だった。俺は毒殺事件との関連を見るなら、容疑者は貴族の男と踏んでいた。貴族がわざわざ貧民街のイーストエンドに行って、見ず知らずの娼婦を殺しに行くとは考えにくい。余程の何かがあれば話は別だが」
「正面から……しかも夜となると、女性が一人で出歩くには不安な時間でしょう。今までの事件もそうでしたが、前から襲われたとなると、不審な人物が近寄ってきた段階で女性は警戒心をあらわにし、大声で助けを求めることになる。後ろから襲った方が犯人にとっては都合がいいはず……」
「今回の事件で被害者が握っていたものだ。千切れているようだが」
ホワードはそう言いながら白い布をテーブルの上に置いた。白い布は丸まった状態で置かれ、何かを包んでいるようだった。
「中を見ても宜しいですか?」
ホワードが頷いた直後、エドワードは恐る恐る布を広げた。
「レース? 柄を見る限り、女性ものの服に見えますね。血痕が付着しているようですが……」
「被害者の服にはレースがついていなかった。あるとしたら、犯人の衣服だが……」
ホワードは、遺体の写真――血が苦手なエドワードを配慮したのか、女性の手元を大きく映した写真をテーブルの上に広げる。
――爪が折れている……相当な力で引っ張ったに違いない。
エドワードは、写真とレースについた血を見て多少の動揺を見せながらも、何とか堪えることができた。
「犯人が女性である可能性も否めませんね」
「だから解せねぇんだ」
ホワードは、座っていた椅子の背もたれに寄りかかった。
「おかげで捜査は振り出しだ。ったく、やってらんねーぜ」
机の上を拳で思いきり叩く。
「捜査は振り出し――果たして、そうなのだろうか」と、心の中で呟いたエドワードは、出された紅茶に口をつけ、「ふぅ」と大きく息を吐いた。
「ひとつお願いがあります。明後日の日曜日、事件のあった現場に僕を連れて行ってはもらえませんか?」
思わぬエドワードからの申し出に、ケリーは口をあんぐりと開ける。
「エドワードさんを⁉ や、やめた方がいいですよ、イーストエンドなんて。事件にでも巻き込まれたら大変なことになります。この間の宮殿の一件で、我々に協力していることが犯人に知られている可能性だって……」
「ケリー、つべこべ言うな! その日は休みか?」
ホワードの大声でケリーは肩を竦める。
エドワードは首肯した。
二日後の九月九日日曜日。
「エドワード様、新聞をお持ち致しました」
「ありがとう」
朝食を終えたエドワードは、執事が運んできた新聞に目を通し始めた。
まもなく彼は、トップ記事を見て瞠目する。
巷を騒がせる連続殺人鬼からの手紙か
ロンドン市内に拠点を置く某新聞社に対し、血文字の手紙が送りつけられていたことが新たに分かった。手紙には次のように書かれていた。
「復讐を終えるまで、我が命の灯が消えることはない」
‘Catch me if you can’.
差出人には‘The Ripper’とあるのみで、人物の特定には至っていない。
某新聞社では、当初いたずらと断定し、警察へは届け出ていなかったが、ロンドン市内のイーストエンドにて発生した殺人事件を機に公表を決め、警察に通報した。
この手紙の存在が連続殺人鬼を逮捕するカギとなるか、今後の動向が注目される。
ページをめくると、昨夜ホワードから聞いたイーストエンドの事件についても触れられていた。
エドワードは紅茶を飲み干し、無言で支度を整えた。
それからまもなく、ドアノッカーの音が耳に入る。執事とともに玄関ドアの方へ向かうと、ホワードとケリーが警察車輛の馬車を用意して待っていた。
「すぐに出発するぞ」
「はい、お願いします」
テムズ川を北上するに従い、町の様子は一変する。華やかなロンドンの中心部とは違い、周囲には密集した住宅地が広がっていた。建物の外には娼婦や、物乞いと思われる子どもたちが多く立っており、通り過ぎていくこちらの車輛をまっすぐに見つめている。馬車にはめられた窓ガラスを介し、人々と目の合ったエドワードは、目を伏せ、憂いの表情を浮かべていた。
階級社会――彼らの暮らしは、エドワードが属する‘Upper Class’とは全くの別世界。
「同じイギリス――しかも、ロンドン市内でこれほどまでに違うとは……」などと彼は呟き、嘆息した。
「……大丈夫ですか? エドワードさん」
エドワードの様子を察知したケリーは、静かに窓のカーテンを閉めた。
それまで無言だったホワードも、エドワードの様子を案じてか、声をかける。
「現場まではもう少しだ。この辺は娼婦や物乞いの多い通りだが、さすがに奴らも現場の路地裏までは追って来ないだろう。あの辺りは元々、あまり人気《ひとけ》のないところだからな」
「……すみません。元はといえば、僕が現場に行きたいと言ったのに、お二人に気を遣わせてしまって。貴族の僕が言っても説得力の欠片もないでしょうが、同じイギリスでこれほどまでに階級社会が根深いものとは思いもよらなかった。兄はマイヤー家の当主であると同時に、亡き父から貴族院議員の地位も引き継いでいます。あの方たちの様子を目の当たりにして、僕たちにできることはないのかと、ついおこがましいことを考えてしまいました。まずは、彼らが平穏な毎日を取り戻すためにも、事件を解決させることを優先的に考えた方が良さそうですね」
それを聞いたケリーとホワードの口角が上がる。
「その意気ですよ、エドワードさん!」
「なかなか言うじゃねーか……おっ、どうやら着いたようだな」
馬車から降りると、そこは何の変哲もない路地裏だった。ホワードの言ったとおり、昼間だが、まるで人がいない。
「うっ、この臭《にお》い……」
強い臭気がエドワードの鼻をつく。彼は懐からハンカチを取り出し、鼻を押さえた。
「死体が発見されたのはあのゴミ捨て場だ。遺棄されてから半日近く経過していたとみている」
「それがゴミを回収したタイミングで見つかったのか。酷い……」
「被害者をこの路地裏に誘導し、犯行に及んだのだろう。だが、どうやって誘導したのかが問題だ。昨日言ったように、女の犯行だとしたら納得できなくもないが……」
「四人の女性を襲った刺殺事件に、宮殿で起こった毒殺事件――これらと今回の事件の間に関連があるのかどうか。あとは、新聞社に送ったとされる血文字の手紙ですが……」
「今朝の新聞に載っていた奴か」
「ええ。『復讐を終えるまで、我が命の灯が消えることはない』この言葉に引っかかりを覚えます」
淡々と言葉を続けるエドワードだったが、内心は決して穏やかではなかった。
――手紙の内容が本当だとしたら、復讐のために六人の人間を? それでも犯人は平然としていられるのか? 人間のやることなのか?
彼は、自身の指がかたかたと震えているのを感じていた。
ケリーは立ち上がり、ホワードに敬礼する。
「マイヤーが来たと聞いたんでな。何か手掛かりでもあったのか?」
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「どちらとも言えんな」
はっきりしないホワードの態度に、エドワードは首を傾げる。
ホワードは話を続けた。
「毒殺の前に起きた事件と共通しているのは、被害者は女で正面から襲われていること、犯行は夜、凶器は鋭利な刃物と見られる点だ。だが、女は娼婦だった。俺は毒殺事件との関連を見るなら、容疑者は貴族の男と踏んでいた。貴族がわざわざ貧民街のイーストエンドに行って、見ず知らずの娼婦を殺しに行くとは考えにくい。余程の何かがあれば話は別だが」
「正面から……しかも夜となると、女性が一人で出歩くには不安な時間でしょう。今までの事件もそうでしたが、前から襲われたとなると、不審な人物が近寄ってきた段階で女性は警戒心をあらわにし、大声で助けを求めることになる。後ろから襲った方が犯人にとっては都合がいいはず……」
「今回の事件で被害者が握っていたものだ。千切れているようだが」
ホワードはそう言いながら白い布をテーブルの上に置いた。白い布は丸まった状態で置かれ、何かを包んでいるようだった。
「中を見ても宜しいですか?」
ホワードが頷いた直後、エドワードは恐る恐る布を広げた。
「レース? 柄を見る限り、女性ものの服に見えますね。血痕が付着しているようですが……」
「被害者の服にはレースがついていなかった。あるとしたら、犯人の衣服だが……」
ホワードは、遺体の写真――血が苦手なエドワードを配慮したのか、女性の手元を大きく映した写真をテーブルの上に広げる。
――爪が折れている……相当な力で引っ張ったに違いない。
エドワードは、写真とレースについた血を見て多少の動揺を見せながらも、何とか堪えることができた。
「犯人が女性である可能性も否めませんね」
「だから解せねぇんだ」
ホワードは、座っていた椅子の背もたれに寄りかかった。
「おかげで捜査は振り出しだ。ったく、やってらんねーぜ」
机の上を拳で思いきり叩く。
「捜査は振り出し――果たして、そうなのだろうか」と、心の中で呟いたエドワードは、出された紅茶に口をつけ、「ふぅ」と大きく息を吐いた。
「ひとつお願いがあります。明後日の日曜日、事件のあった現場に僕を連れて行ってはもらえませんか?」
思わぬエドワードからの申し出に、ケリーは口をあんぐりと開ける。
「エドワードさんを⁉ や、やめた方がいいですよ、イーストエンドなんて。事件にでも巻き込まれたら大変なことになります。この間の宮殿の一件で、我々に協力していることが犯人に知られている可能性だって……」
「ケリー、つべこべ言うな! その日は休みか?」
ホワードの大声でケリーは肩を竦める。
エドワードは首肯した。
二日後の九月九日日曜日。
「エドワード様、新聞をお持ち致しました」
「ありがとう」
朝食を終えたエドワードは、執事が運んできた新聞に目を通し始めた。
まもなく彼は、トップ記事を見て瞠目する。
巷を騒がせる連続殺人鬼からの手紙か
ロンドン市内に拠点を置く某新聞社に対し、血文字の手紙が送りつけられていたことが新たに分かった。手紙には次のように書かれていた。
「復讐を終えるまで、我が命の灯が消えることはない」
‘Catch me if you can’.
差出人には‘The Ripper’とあるのみで、人物の特定には至っていない。
某新聞社では、当初いたずらと断定し、警察へは届け出ていなかったが、ロンドン市内のイーストエンドにて発生した殺人事件を機に公表を決め、警察に通報した。
この手紙の存在が連続殺人鬼を逮捕するカギとなるか、今後の動向が注目される。
ページをめくると、昨夜ホワードから聞いたイーストエンドの事件についても触れられていた。
エドワードは紅茶を飲み干し、無言で支度を整えた。
それからまもなく、ドアノッカーの音が耳に入る。執事とともに玄関ドアの方へ向かうと、ホワードとケリーが警察車輛の馬車を用意して待っていた。
「すぐに出発するぞ」
「はい、お願いします」
テムズ川を北上するに従い、町の様子は一変する。華やかなロンドンの中心部とは違い、周囲には密集した住宅地が広がっていた。建物の外には娼婦や、物乞いと思われる子どもたちが多く立っており、通り過ぎていくこちらの車輛をまっすぐに見つめている。馬車にはめられた窓ガラスを介し、人々と目の合ったエドワードは、目を伏せ、憂いの表情を浮かべていた。
階級社会――彼らの暮らしは、エドワードが属する‘Upper Class’とは全くの別世界。
「同じイギリス――しかも、ロンドン市内でこれほどまでに違うとは……」などと彼は呟き、嘆息した。
「……大丈夫ですか? エドワードさん」
エドワードの様子を察知したケリーは、静かに窓のカーテンを閉めた。
それまで無言だったホワードも、エドワードの様子を案じてか、声をかける。
「現場まではもう少しだ。この辺は娼婦や物乞いの多い通りだが、さすがに奴らも現場の路地裏までは追って来ないだろう。あの辺りは元々、あまり人気《ひとけ》のないところだからな」
「……すみません。元はといえば、僕が現場に行きたいと言ったのに、お二人に気を遣わせてしまって。貴族の僕が言っても説得力の欠片もないでしょうが、同じイギリスでこれほどまでに階級社会が根深いものとは思いもよらなかった。兄はマイヤー家の当主であると同時に、亡き父から貴族院議員の地位も引き継いでいます。あの方たちの様子を目の当たりにして、僕たちにできることはないのかと、ついおこがましいことを考えてしまいました。まずは、彼らが平穏な毎日を取り戻すためにも、事件を解決させることを優先的に考えた方が良さそうですね」
それを聞いたケリーとホワードの口角が上がる。
「その意気ですよ、エドワードさん!」
「なかなか言うじゃねーか……おっ、どうやら着いたようだな」
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「うっ、この臭《にお》い……」
強い臭気がエドワードの鼻をつく。彼は懐からハンカチを取り出し、鼻を押さえた。
「死体が発見されたのはあのゴミ捨て場だ。遺棄されてから半日近く経過していたとみている」
「それがゴミを回収したタイミングで見つかったのか。酷い……」
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「今朝の新聞に載っていた奴か」
「ええ。『復讐を終えるまで、我が命の灯が消えることはない』この言葉に引っかかりを覚えます」
淡々と言葉を続けるエドワードだったが、内心は決して穏やかではなかった。
――手紙の内容が本当だとしたら、復讐のために六人の人間を? それでも犯人は平然としていられるのか? 人間のやることなのか?
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