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第2章 はじめての×××!
第11歩目 はじめてのアテナ!
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前書き
会話パート
「」アユム 『』アテナ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
前回までのあらすじ
スキル獲得もしたし、お腹空いたから夕食いくか......
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
───くぅぅ
と、可愛らしい空腹音が部屋に響いた
もちろん俺ではない。アテナのだ
普通、女の子なら恥ずかしがるのだろうが......
『くぅぅ、だってー( ´∀` )歩~。お腹ぺっこぺこだよー!ご飯食べに行こー!』
アテナの辞書には恥ずかしいという文字はないみたいだ
今も俺の膝の上で足をぷらぷらして楽しそうにしている
既に夕方を知らせる鐘は鳴っていた
俺はスキルのことで随分と長く考え事をしていたみたいだ
その間もアテナは膝の上で何をするでもなく楽しそうにしていた
「なにがそんなに楽しいんだ?」
と、聞いた時には、
『えー?こうしてると楽しいよー!』
と、俺を見上げながらにぱー☆とされた時なんてすごく癒された
アテナ可愛いよアテナ
娘を持った父親ってきっとこんな気分なんだろう
どんな状況になっても、きっとアテナに欲情することはこの先ないんだろうな......
そんなことをしみじみ考えていたら、
───ぐうううううう
と、ひと際大きな空腹音が部屋に響いた
「・・・」
『ぐうううううう、だって( ´∀` )大きいねー!』
やばい。結構恥ずかしい......
どうやらアテナより俺のほうが乙女だったみたいだ
「じゃあ夕食に行くか」
『うん!早くいこー!お腹ぺっこぺこー!』
俺とアテナは手を繋いで、食堂へと向かった
□□□□
「よいしょ」
『よいしょ、だってー!ジジくさーい( ´∀` )』
やばっ。つい口にしてしまった
よいしょとか、何気なく口にしてしまうワードだよな
まぁいいや。いちいち気にしていたら負けだ
それはいい。それはいいのだが......
『よいしょ♪』
「・・・」
アテナがさも当たり前のように俺の膝の上に座ってきた
「......食事の時ぐらいはちゃんと座れよ」
『えー?いいじゃーん。別にー』
「よくない。俺が食べづらいだろ。どけって!」
俺がアテナを持ち上げようとすると、
『やだー!!ここがいいー!!』
予想外の抵抗をされた
てか、声大きい!注目されてるから!
「分かった!分かったから!落ち着け!落ち着いてください!お願いします!」
結局、食事中もアテナは膝の上に座るみたいだ
まぁいいか、娘みたいなもんだしな
俺達がテーブルに着くと、料理はすぐにやってきた
パン、白いスープ、野菜のサラダ、チキンの足のような照り焼き
量は結構ある。お腹減ってたしありがたい
アテナはきらきらした目で料理を見ていた
涎を拭けよ。みっともないな......
パンは思った以上に固く、あまり美味くはない
どこかで日本のパンが特別柔らかいと聞いたことがある
それならこれが普通なのかもしれない。食べれない程ではないし
スープとサラダは普通に美味い
照り焼きはチキンではなく牛肉っぽい。こちらはかなり美味い
なんの肉かは気になるが、こういうのは聞かないほうがいいだろう
思ったよりも普通に食べることができた
料理のレベルは結構高いとみていい
宿屋の料金は高かったが、【小鳥のさえずり亭】にして正解だった
そんなことを考えながら食べていたら、
『ねぇー歩~。私も食べたーい!』
照り焼きを指さし、アテナがあ~ん!と口をあけていた
正直めんどくさかったが、女神ポイントのこともある
一度くらいはいいかと思い、俺の照り焼きをかぽっと入れた
───もぐもぐもぐ
アテナは咀嚼し飲み込むと、両のほっぺたに手を当てて、
「おいしいぃーーーーーーーーーーーー!!!」
(*´μ`*)な顔で感激の声を張り上げた
足のぷらぷらも勢いを増したようだ
気持ちはわかる。だけど静かにして!?あと涎を拭け!
『歩!次これー!これ食べたーい!』
アテナが指さしたのはスープだった
そして例のごとく、あ~ん!と口をあけて待っている
「いやいや。自分で食べればいいだろ」
そう言って気付いたのだが、アテナは料理に手を付けていなかった
アテナの料理は持ってこられたままで、スプーンとフォークも元の位置のままだ
「.....?食べないのか?腹減ってるんだろ?」
『だってー。食べ方、知らないんだもーん(´-ε -`)』
「.....へ?マジ?」
『まじー!』
そう言って、アテナはにぱー☆とはにかんできた
にぱー☆じゃなくて!......え?どういうこと?
「い、今までどうしてたんだ?」
『いつもニケが食べさせてくれたよー』
「まじか......」
『歩は私の付き人なんだから食べさせてよー!』
「・・・」
俺はずっと疑問に思っていた
どうして女神であるアテナに付き人が必要なんだろうって
そしてようやく理解した
アテナの護衛が目的なのではなく、本当の意味でのお世話が必要なんだってことを
ニケさん.....いくらなんでもアテナを甘やかしすぎですよ!
その後はアテナの食事のお世話をすることになった
始めはめんどくさかったが、アテナが幸せそうに食べているのを見ているうちに、これも悪くないなと思う様になってきた
なにより食べ物を求めてくる姿がすごく可愛らしい
エサを求めるヒナ鳥のように、あーん、と口をあけてくるのだ
そして食べている姿にすごく癒される
ニケさんが甘やかした気持ちが少しわかった気がする
「おいしいぃーーーーーーーーーーーー!!!」
その後もアテナの感激の声が食堂に響き渡ることになった
本当、静かにしてください!お願いします!!
□□□□
食事を堪能し、俺達は部屋に戻った
日は既に落ちているようだ
ランプに火を灯し、部屋を明るくする
確か夕食の後にお湯が届くはずだったな
俺は浄化魔法で体を綺麗にできるが、こういうのは気持ちの問題だ
お湯で体を拭いてさっぱりしたい
だからお湯が届くまで部屋でゆっくり寛いでいたのだが.....
───ぷるぷるぷる、ぷるぷるぷる
さっきからアテナの様子がおかしい
俺の膝の上で小刻みに震えている。なんだろう?
そして、
『あ、歩~......』
目尻に涙をため、辛そうな表情でなにかを訴えかけようとしていた
「ど、どうした?」
『お......』
「お?」
そして、アテナはすぅっと一呼吸おいて言い放った
『おしっこいきたいー!』
「なにごとかと思えばトイレかよ!心配して損したわ!」
俺は、そこにトイレがあるだろ、とばかりにトイレのある方向を指差した
我慢してないでさっさと行けよ
なんで遠慮してんだよ、らしくないな
なんてことを考えていたら、思わぬ発言が飛んできた
『だ、だって。お、おしっこの仕方、し、知らない(´;ω;`)』
「......おい。今なんて言った?俺の聞き間違いか?」
『お、おしっこの仕方、し、知ら......』
「よーし、分かった!言わなくていい!」
いやいやいや!冗談だろ?冗談だよな?
トイレの仕方を知らないとか有り得るのか?
百歩譲って、トイレもニケさんが世話をしていたとしよう
それでも今まで用を足していたんだよな?
だったら知らないとか有り得ないだろ!
......いや、もしかして!?
俺はアテナを抱えてトイレに飛び込んだ
「......アテナ。神界のトイレってどんなやつだった?」
『ふ、普通に、す、水洗だったけどー?』
やっぱりか......
いや、神界で水洗ってのもおかしな話だが、今はいい
今、俺の目の前にあるトイレはボットン式だった
こんなの見たことないんだろうな。ならやり方を知らなくても仕方がないか.....
考えてみれば当たり前のことだった
水洗式トイレなんてまさに近代文化の象徴とも言えるものだ
異世界の、しかも中世文明レベルで水洗なんてある訳がない
俺は尿意を催さなかったらトイレは確認していなかったが、アテナは部屋に入るなり色々と調べ回っていた
だからこそ、トイレが今まで見たことがないものだと分かっていたのだろう
『あ、歩~!も、漏れちゃうよー!』
おっと、アテナがもう限界みたいだ
俺はやり方をアテナに教え、トイレを出ることにした
・・・。
しかし、アテナに回り込まれてしまった!!
いや、正確には服の裾を捕まれてしまった
「おい、放せよ。出られないだろ?」
『だだダメ。おおおしっこ終わったら、ふふ拭いてよー!』
「なにを!?」
『ななななななにって......』
いや、さすがに童貞の俺でも知ってるよ?
女性が用を足した後に拭いてるってことぐらい
たださすがに、拭いて!はないだろ......
しかし今はそんなことに構ってる余裕はないようだ
俺を見上げるアテナは涙を目尻にたくさん浮かべている
そして内股になりながらもじもじしていた
そうとう限界らしい。顔が真っ赤だ
「分かった!分かったから!とりあえず早く用を足せ!」
結局、アテナに背を向けドアのほうを向いてやり過ごすことにした
───ちょろちょろちょろ~
背後から聞こえてくる排尿音
───ドキドキ
俺の心臓は張り裂けそうなほど高鳴っている
見えていないからこそ、どうしても耳に神経が集中してしまう
『ふぅー。すっきりー!』
アテナのまるで至福ともとれる声が聞こえきた
我慢に我慢を重ねた後のすっきり感というやつだろう
アテナは用を足していた時、一体どんな顔をしていたのだろうか
......って!俺はなにを考えてるだ!変態かよ!
そんな感じで、俺は心の中で葛藤を繰り返していた
『おしっこ終わったよー!歩、拭いてー!』
「じ、自分で拭けよ」
『だってー。拭き方、知らないんだもーん(´-ε -`)』
「......マジ?」
『まじー!』
そう言って、またアテナはにぱー☆とはにかんできた
にぱー☆じゃなくて!またかよ!お前は生まれたての赤ん坊か!
どうやらこれもニケさんにやってもらっていたらしい
しかし、これは童貞には難易度が高くないだろうか......
『はーやーくー!すぅーすぅーするー!』
「わ、分かったよ!黙ってろ!」
覚悟を決めるしかない!やるぞ!
そう決意したのだが、ふと疑問に思った
なにで拭くの?
ここは日本じゃない。異世界だ。しかも中世文明レベル
トイレットペーパーなんてものはきっとないだろう
あたりを見回すと、藁がたくさんと桶に入った水がある
......え?もしかして、藁で拭くか、手洗いってこと?
さすがに藁は痛いんじゃなかろうか
こんな駄女神でもかわいそうだ
しかしだからと言って、手洗いと言うのも......
「・・・」
『歩、どうしたのー?』
「多分だが、藁で拭くか、手洗いになるかも......」
『えー?藁とか痛そうじゃんー!手洗いでいいよー!』
いやいや!そんなあっさり了承されましても!
悩んでいた俺がバカみたいだろ!
まぁ悩んだところで、結局は手洗いになったんだろうけどさ!
『歩~!はやくー!気持ち悪いー!』
「わ、分かったよ!どうなっても知らないからな!」
再び覚悟を決めた俺は、恐る恐るアテナの秘所に手を伸ばした
───ぷにっ
や、やわらかい......じゃない!
落ち着け!落ち着け!赤ちゃんのおしめ替えを思い出せ!
───ぷにっぷにっ
───ぴちゃっぴちゃっ
「はぁはぁ......」
水音と俺の荒い息遣いだけがトイレに響く
『んぅ......あんっ』
「ちょ!?ちょっと変な声出さないでくれます!?」
『だってー。歩の息が耳にかかってるし、歩の手が震えてて洗われると妙にくすぐったいんだもーん』
しょうがないだろ!童貞には刺激が強すぎるわ!
いや!こんなの童貞じゃなくても手が震えるわ!
「ほ、ほら。終わったぞ」
『ありがとー!またよろしくねー!』
そう言って、アテナはにぱー☆とはにかんでトイレを出ていった
トイレの中は先程までと違ってとても静かだ
もう淫らな情事は終わっているのに体が熱い
俺、さっきまでアテナのあそこを洗ってたんだよな......
ぼんやりとそのことだけを考えていた
その後、俺がトイレに篭もったことは言うまでもないだろう
□□□□
トイレを出たら、体を拭くためのお湯が届いていた
アテナがいるが遠慮なく、上半身をはだけ自分の体を拭いていく
今更男の体を見たぐらいで恥ずかしがらないだろう
疲れた体にお湯の温かさがとても気持ちいい
ちなみにお湯桶は全部で2つある
1つは俺用、そしてもう1つはアテナ用なんだろう
どうしてるかなと、ちらっとアテナを見てみた
当のアテナは俺の真似をしているのか、今にも素っ裸になりそうな勢いでワンピースを脱ぎ出していた
先程のトイレでの出来事もそうだったが、羞恥心は全くないらしい
体を拭く為であっても、俺が一緒にいるってことを少しは気にしてほしい
俺はアテナに背を向け、体を拭いていくことにした
しばらくして、
『歩!歩!』
アテナが声を掛けてきた。振り向いてみると、
「ぶっ!!」
鼻血出た
この駄女神
せめて手で隠すぐらいはしろよ!
まる見えだよ!
痴女なの!?痴女なのか!?
見てもらいたい変態なのか!?
そして半ば予想通りの言葉を言い放った
『体拭いてー!』
やっぱりかよ!絶対そうだと思った!
トイレの処理も知らないぐらいだしな!
アテナは少しのためらいもなく抱き着いてきた
アテナのおっぱいの感触が俺の肌にダイレクトに伝わってくる
ぐにゅむにゅと押し潰されている光景は、さすがの賢者モードでも童貞にはきつかった
「分かったから抱き着くな!離れろ!......いや!背中を向けながら離れろ!」
『仕方ないなー!歩~!顔、真っ赤~( ´∀` )』
アテナがケラケラと笑いながら離れていく
本来ならお前のせいだろ!と言って、頬を引っ張るのだが、今こいつは素っ裸中だ。躊躇われた
そして、背中を向けたアテナの体を甲斐甲斐しく拭いていく
この駄女神はバカだが、顔と体は女神級だ
月明かりに照らされたアテナの体は神々しくも美しい
正直言えば、体を拭く機会をもらえたのはありがたい
アテナの体は一級品の芸術品に勝るとも劣らない美しさだ
そんな美しいものを、こんなに近くで見せてもらえたのだから感謝せずにはいられない
「後ろ終わったぞ。前向け」
『はーい!』
アテナが少しも躊躇うこともなく振り向いた
女の子の大切な部分が色々とあらわになっているが、少しも恥ずかしくないようだ。いや、本当すげえな
「うん、やっぱり美しいな」
俺はドキドキしながらも思っていたことを口にした
『ありがとー!自慢なんだー!』
「確かに自慢にするぐらいのことはあるな」
───ふきふき
『なになにー?もしかして歩、私に魅了されちゃったー?』
「されてないし、されるわけがない」
───ふきふき
『えー?そうなのー?どうしてー?』
「俺はニケさん一筋だからだ!お前は単におっぱいとしてしか見ていない!」
───ふきふき
『誰がおっぱいよーーーーーーーーーーーーーーーー!』
こうして、俺とアテナの長い長い一日は終わりを迎えた
そして、俺は眠りにつく前に思った
明日必ず浄化魔法Lv.2を手にいれよう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『アテナ』 レベル:2 危険度:極小
種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀
女神ポイント:280【↑280】
【一言】文句は言うけど、歩はちゃんとお世話してくれるんだよねー!優しいー!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アユムの所持金:0ルクア
冒険者のランク:E(クリア回数:2回)
このお話の歩数:約100歩
ここまでの歩数:約10130歩
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『アユム・マイニチ』 レベル:141
種族:人間
年齢:26
性別:♂
職業:凡人
称号:女神の付き人
体力:155(+141)
魔力:141(+141)
筋力:146(+141)
耐久:146(+141)
敏捷:205(+141)
技能:言語理解/ステータス/鑑定Lv.2/浄化魔法Lv.1
剣術Lv.1/体術Lv.1
固有:ウォーキングLv.141 122/142
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き
次回、アテナが本気で泣きます
会話パート
「」アユム 『』アテナ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
前回までのあらすじ
スキル獲得もしたし、お腹空いたから夕食いくか......
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
───くぅぅ
と、可愛らしい空腹音が部屋に響いた
もちろん俺ではない。アテナのだ
普通、女の子なら恥ずかしがるのだろうが......
『くぅぅ、だってー( ´∀` )歩~。お腹ぺっこぺこだよー!ご飯食べに行こー!』
アテナの辞書には恥ずかしいという文字はないみたいだ
今も俺の膝の上で足をぷらぷらして楽しそうにしている
既に夕方を知らせる鐘は鳴っていた
俺はスキルのことで随分と長く考え事をしていたみたいだ
その間もアテナは膝の上で何をするでもなく楽しそうにしていた
「なにがそんなに楽しいんだ?」
と、聞いた時には、
『えー?こうしてると楽しいよー!』
と、俺を見上げながらにぱー☆とされた時なんてすごく癒された
アテナ可愛いよアテナ
娘を持った父親ってきっとこんな気分なんだろう
どんな状況になっても、きっとアテナに欲情することはこの先ないんだろうな......
そんなことをしみじみ考えていたら、
───ぐうううううう
と、ひと際大きな空腹音が部屋に響いた
「・・・」
『ぐうううううう、だって( ´∀` )大きいねー!』
やばい。結構恥ずかしい......
どうやらアテナより俺のほうが乙女だったみたいだ
「じゃあ夕食に行くか」
『うん!早くいこー!お腹ぺっこぺこー!』
俺とアテナは手を繋いで、食堂へと向かった
□□□□
「よいしょ」
『よいしょ、だってー!ジジくさーい( ´∀` )』
やばっ。つい口にしてしまった
よいしょとか、何気なく口にしてしまうワードだよな
まぁいいや。いちいち気にしていたら負けだ
それはいい。それはいいのだが......
『よいしょ♪』
「・・・」
アテナがさも当たり前のように俺の膝の上に座ってきた
「......食事の時ぐらいはちゃんと座れよ」
『えー?いいじゃーん。別にー』
「よくない。俺が食べづらいだろ。どけって!」
俺がアテナを持ち上げようとすると、
『やだー!!ここがいいー!!』
予想外の抵抗をされた
てか、声大きい!注目されてるから!
「分かった!分かったから!落ち着け!落ち着いてください!お願いします!」
結局、食事中もアテナは膝の上に座るみたいだ
まぁいいか、娘みたいなもんだしな
俺達がテーブルに着くと、料理はすぐにやってきた
パン、白いスープ、野菜のサラダ、チキンの足のような照り焼き
量は結構ある。お腹減ってたしありがたい
アテナはきらきらした目で料理を見ていた
涎を拭けよ。みっともないな......
パンは思った以上に固く、あまり美味くはない
どこかで日本のパンが特別柔らかいと聞いたことがある
それならこれが普通なのかもしれない。食べれない程ではないし
スープとサラダは普通に美味い
照り焼きはチキンではなく牛肉っぽい。こちらはかなり美味い
なんの肉かは気になるが、こういうのは聞かないほうがいいだろう
思ったよりも普通に食べることができた
料理のレベルは結構高いとみていい
宿屋の料金は高かったが、【小鳥のさえずり亭】にして正解だった
そんなことを考えながら食べていたら、
『ねぇー歩~。私も食べたーい!』
照り焼きを指さし、アテナがあ~ん!と口をあけていた
正直めんどくさかったが、女神ポイントのこともある
一度くらいはいいかと思い、俺の照り焼きをかぽっと入れた
───もぐもぐもぐ
アテナは咀嚼し飲み込むと、両のほっぺたに手を当てて、
「おいしいぃーーーーーーーーーーーー!!!」
(*´μ`*)な顔で感激の声を張り上げた
足のぷらぷらも勢いを増したようだ
気持ちはわかる。だけど静かにして!?あと涎を拭け!
『歩!次これー!これ食べたーい!』
アテナが指さしたのはスープだった
そして例のごとく、あ~ん!と口をあけて待っている
「いやいや。自分で食べればいいだろ」
そう言って気付いたのだが、アテナは料理に手を付けていなかった
アテナの料理は持ってこられたままで、スプーンとフォークも元の位置のままだ
「.....?食べないのか?腹減ってるんだろ?」
『だってー。食べ方、知らないんだもーん(´-ε -`)』
「.....へ?マジ?」
『まじー!』
そう言って、アテナはにぱー☆とはにかんできた
にぱー☆じゃなくて!......え?どういうこと?
「い、今までどうしてたんだ?」
『いつもニケが食べさせてくれたよー』
「まじか......」
『歩は私の付き人なんだから食べさせてよー!』
「・・・」
俺はずっと疑問に思っていた
どうして女神であるアテナに付き人が必要なんだろうって
そしてようやく理解した
アテナの護衛が目的なのではなく、本当の意味でのお世話が必要なんだってことを
ニケさん.....いくらなんでもアテナを甘やかしすぎですよ!
その後はアテナの食事のお世話をすることになった
始めはめんどくさかったが、アテナが幸せそうに食べているのを見ているうちに、これも悪くないなと思う様になってきた
なにより食べ物を求めてくる姿がすごく可愛らしい
エサを求めるヒナ鳥のように、あーん、と口をあけてくるのだ
そして食べている姿にすごく癒される
ニケさんが甘やかした気持ちが少しわかった気がする
「おいしいぃーーーーーーーーーーーー!!!」
その後もアテナの感激の声が食堂に響き渡ることになった
本当、静かにしてください!お願いします!!
□□□□
食事を堪能し、俺達は部屋に戻った
日は既に落ちているようだ
ランプに火を灯し、部屋を明るくする
確か夕食の後にお湯が届くはずだったな
俺は浄化魔法で体を綺麗にできるが、こういうのは気持ちの問題だ
お湯で体を拭いてさっぱりしたい
だからお湯が届くまで部屋でゆっくり寛いでいたのだが.....
───ぷるぷるぷる、ぷるぷるぷる
さっきからアテナの様子がおかしい
俺の膝の上で小刻みに震えている。なんだろう?
そして、
『あ、歩~......』
目尻に涙をため、辛そうな表情でなにかを訴えかけようとしていた
「ど、どうした?」
『お......』
「お?」
そして、アテナはすぅっと一呼吸おいて言い放った
『おしっこいきたいー!』
「なにごとかと思えばトイレかよ!心配して損したわ!」
俺は、そこにトイレがあるだろ、とばかりにトイレのある方向を指差した
我慢してないでさっさと行けよ
なんで遠慮してんだよ、らしくないな
なんてことを考えていたら、思わぬ発言が飛んできた
『だ、だって。お、おしっこの仕方、し、知らない(´;ω;`)』
「......おい。今なんて言った?俺の聞き間違いか?」
『お、おしっこの仕方、し、知ら......』
「よーし、分かった!言わなくていい!」
いやいやいや!冗談だろ?冗談だよな?
トイレの仕方を知らないとか有り得るのか?
百歩譲って、トイレもニケさんが世話をしていたとしよう
それでも今まで用を足していたんだよな?
だったら知らないとか有り得ないだろ!
......いや、もしかして!?
俺はアテナを抱えてトイレに飛び込んだ
「......アテナ。神界のトイレってどんなやつだった?」
『ふ、普通に、す、水洗だったけどー?』
やっぱりか......
いや、神界で水洗ってのもおかしな話だが、今はいい
今、俺の目の前にあるトイレはボットン式だった
こんなの見たことないんだろうな。ならやり方を知らなくても仕方がないか.....
考えてみれば当たり前のことだった
水洗式トイレなんてまさに近代文化の象徴とも言えるものだ
異世界の、しかも中世文明レベルで水洗なんてある訳がない
俺は尿意を催さなかったらトイレは確認していなかったが、アテナは部屋に入るなり色々と調べ回っていた
だからこそ、トイレが今まで見たことがないものだと分かっていたのだろう
『あ、歩~!も、漏れちゃうよー!』
おっと、アテナがもう限界みたいだ
俺はやり方をアテナに教え、トイレを出ることにした
・・・。
しかし、アテナに回り込まれてしまった!!
いや、正確には服の裾を捕まれてしまった
「おい、放せよ。出られないだろ?」
『だだダメ。おおおしっこ終わったら、ふふ拭いてよー!』
「なにを!?」
『ななななななにって......』
いや、さすがに童貞の俺でも知ってるよ?
女性が用を足した後に拭いてるってことぐらい
たださすがに、拭いて!はないだろ......
しかし今はそんなことに構ってる余裕はないようだ
俺を見上げるアテナは涙を目尻にたくさん浮かべている
そして内股になりながらもじもじしていた
そうとう限界らしい。顔が真っ赤だ
「分かった!分かったから!とりあえず早く用を足せ!」
結局、アテナに背を向けドアのほうを向いてやり過ごすことにした
───ちょろちょろちょろ~
背後から聞こえてくる排尿音
───ドキドキ
俺の心臓は張り裂けそうなほど高鳴っている
見えていないからこそ、どうしても耳に神経が集中してしまう
『ふぅー。すっきりー!』
アテナのまるで至福ともとれる声が聞こえきた
我慢に我慢を重ねた後のすっきり感というやつだろう
アテナは用を足していた時、一体どんな顔をしていたのだろうか
......って!俺はなにを考えてるだ!変態かよ!
そんな感じで、俺は心の中で葛藤を繰り返していた
『おしっこ終わったよー!歩、拭いてー!』
「じ、自分で拭けよ」
『だってー。拭き方、知らないんだもーん(´-ε -`)』
「......マジ?」
『まじー!』
そう言って、またアテナはにぱー☆とはにかんできた
にぱー☆じゃなくて!またかよ!お前は生まれたての赤ん坊か!
どうやらこれもニケさんにやってもらっていたらしい
しかし、これは童貞には難易度が高くないだろうか......
『はーやーくー!すぅーすぅーするー!』
「わ、分かったよ!黙ってろ!」
覚悟を決めるしかない!やるぞ!
そう決意したのだが、ふと疑問に思った
なにで拭くの?
ここは日本じゃない。異世界だ。しかも中世文明レベル
トイレットペーパーなんてものはきっとないだろう
あたりを見回すと、藁がたくさんと桶に入った水がある
......え?もしかして、藁で拭くか、手洗いってこと?
さすがに藁は痛いんじゃなかろうか
こんな駄女神でもかわいそうだ
しかしだからと言って、手洗いと言うのも......
「・・・」
『歩、どうしたのー?』
「多分だが、藁で拭くか、手洗いになるかも......」
『えー?藁とか痛そうじゃんー!手洗いでいいよー!』
いやいや!そんなあっさり了承されましても!
悩んでいた俺がバカみたいだろ!
まぁ悩んだところで、結局は手洗いになったんだろうけどさ!
『歩~!はやくー!気持ち悪いー!』
「わ、分かったよ!どうなっても知らないからな!」
再び覚悟を決めた俺は、恐る恐るアテナの秘所に手を伸ばした
───ぷにっ
や、やわらかい......じゃない!
落ち着け!落ち着け!赤ちゃんのおしめ替えを思い出せ!
───ぷにっぷにっ
───ぴちゃっぴちゃっ
「はぁはぁ......」
水音と俺の荒い息遣いだけがトイレに響く
『んぅ......あんっ』
「ちょ!?ちょっと変な声出さないでくれます!?」
『だってー。歩の息が耳にかかってるし、歩の手が震えてて洗われると妙にくすぐったいんだもーん』
しょうがないだろ!童貞には刺激が強すぎるわ!
いや!こんなの童貞じゃなくても手が震えるわ!
「ほ、ほら。終わったぞ」
『ありがとー!またよろしくねー!』
そう言って、アテナはにぱー☆とはにかんでトイレを出ていった
トイレの中は先程までと違ってとても静かだ
もう淫らな情事は終わっているのに体が熱い
俺、さっきまでアテナのあそこを洗ってたんだよな......
ぼんやりとそのことだけを考えていた
その後、俺がトイレに篭もったことは言うまでもないだろう
□□□□
トイレを出たら、体を拭くためのお湯が届いていた
アテナがいるが遠慮なく、上半身をはだけ自分の体を拭いていく
今更男の体を見たぐらいで恥ずかしがらないだろう
疲れた体にお湯の温かさがとても気持ちいい
ちなみにお湯桶は全部で2つある
1つは俺用、そしてもう1つはアテナ用なんだろう
どうしてるかなと、ちらっとアテナを見てみた
当のアテナは俺の真似をしているのか、今にも素っ裸になりそうな勢いでワンピースを脱ぎ出していた
先程のトイレでの出来事もそうだったが、羞恥心は全くないらしい
体を拭く為であっても、俺が一緒にいるってことを少しは気にしてほしい
俺はアテナに背を向け、体を拭いていくことにした
しばらくして、
『歩!歩!』
アテナが声を掛けてきた。振り向いてみると、
「ぶっ!!」
鼻血出た
この駄女神
せめて手で隠すぐらいはしろよ!
まる見えだよ!
痴女なの!?痴女なのか!?
見てもらいたい変態なのか!?
そして半ば予想通りの言葉を言い放った
『体拭いてー!』
やっぱりかよ!絶対そうだと思った!
トイレの処理も知らないぐらいだしな!
アテナは少しのためらいもなく抱き着いてきた
アテナのおっぱいの感触が俺の肌にダイレクトに伝わってくる
ぐにゅむにゅと押し潰されている光景は、さすがの賢者モードでも童貞にはきつかった
「分かったから抱き着くな!離れろ!......いや!背中を向けながら離れろ!」
『仕方ないなー!歩~!顔、真っ赤~( ´∀` )』
アテナがケラケラと笑いながら離れていく
本来ならお前のせいだろ!と言って、頬を引っ張るのだが、今こいつは素っ裸中だ。躊躇われた
そして、背中を向けたアテナの体を甲斐甲斐しく拭いていく
この駄女神はバカだが、顔と体は女神級だ
月明かりに照らされたアテナの体は神々しくも美しい
正直言えば、体を拭く機会をもらえたのはありがたい
アテナの体は一級品の芸術品に勝るとも劣らない美しさだ
そんな美しいものを、こんなに近くで見せてもらえたのだから感謝せずにはいられない
「後ろ終わったぞ。前向け」
『はーい!』
アテナが少しも躊躇うこともなく振り向いた
女の子の大切な部分が色々とあらわになっているが、少しも恥ずかしくないようだ。いや、本当すげえな
「うん、やっぱり美しいな」
俺はドキドキしながらも思っていたことを口にした
『ありがとー!自慢なんだー!』
「確かに自慢にするぐらいのことはあるな」
───ふきふき
『なになにー?もしかして歩、私に魅了されちゃったー?』
「されてないし、されるわけがない」
───ふきふき
『えー?そうなのー?どうしてー?』
「俺はニケさん一筋だからだ!お前は単におっぱいとしてしか見ていない!」
───ふきふき
『誰がおっぱいよーーーーーーーーーーーーーーーー!』
こうして、俺とアテナの長い長い一日は終わりを迎えた
そして、俺は眠りにつく前に思った
明日必ず浄化魔法Lv.2を手にいれよう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『アテナ』 レベル:2 危険度:極小
種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀
女神ポイント:280【↑280】
【一言】文句は言うけど、歩はちゃんとお世話してくれるんだよねー!優しいー!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アユムの所持金:0ルクア
冒険者のランク:E(クリア回数:2回)
このお話の歩数:約100歩
ここまでの歩数:約10130歩
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『アユム・マイニチ』 レベル:141
種族:人間
年齢:26
性別:♂
職業:凡人
称号:女神の付き人
体力:155(+141)
魔力:141(+141)
筋力:146(+141)
耐久:146(+141)
敏捷:205(+141)
技能:言語理解/ステータス/鑑定Lv.2/浄化魔法Lv.1
剣術Lv.1/体術Lv.1
固有:ウォーキングLv.141 122/142
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き
次回、アテナが本気で泣きます
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