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第6章 力を求めて -再臨ニケ編-
第182歩目 人類は皆チート持ち!
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前回までのあらすじ
まさかの展開に!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
4/13 第181歩目の次回予告を変更しました
『義姉と義弟の想い②』! → 『俺の、俺の喜びを聞け!』 です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※今回は主人公の気持ちを説明した回です。
ようやく念願の力を手に入れるチャンスが巡ってきた訳ですが、その喜びようは並大抵のものではありません。
想像もできないレベルで主人公は喜んでいます。
それこそ現代風で例えるのなら、ガンの完治や苦節うん十年ようやく子供を授かったレベルの嬉しさが主人公には押し寄せてきている訳です。
そういう回ですので、本編は全く進んでいません。
興味ない方は読まずに飛ばして頂いても結構です。
主人公の気持ちを知りたい方はどうぞお読みください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
□□□□ ~俺の喜びを知って欲しい!~ □□□□
「お願いします!俺の『付き人』のレベルを上げてください!!」
俺はヘスティア様に向かって、興奮を隠しきれずにそう宣言していた。
気分は遠足前夜のハイテンション状態といったところか。
血圧が上がっているのも、鼻息が荒くなっているのも、ハッキリとよく分かる。
(ようやくだ!ようやく待望の力が手に入る!!)
俺は歓喜に震えていた。
心の底から「ヘスティア様ありがとう!」と叫びたい気分だ。
なんだったら、下界に戻った際にはヘスティア様に信仰を捧げてもいい。
それぐらい、俺は喜びに全身を支配されていた。
どれほどの喜びかというと、大袈裟に言えば、俺はこの瞬間に『人としての尊厳を得た』と言っても過言ではないほどだ。
.....俺のこの気持ち、この嬉しさを理解してもらえるだろうか?
いや、きっと少しも理解できないことだろう。
きっと、俺のこの嬉しさの10分の1も皆さんには伝わっていないと思う。
『経験によって様々なものを覚えていく』
これは人ならば.....いや、動物であっても当たり前の現象だ。
そう、あまりにも当たり前すぎて、動物はおろか人々すらも、そのありがたみに感謝することを忘れてしまっているのではないだろうか。
本当に嘆かわしい.....。
例えば、この世界には【料理スキル】というものが存在する。
このスキルさえあれば、(レベルにもよるが)お店を開いてお金を取れるレベルになることだって当然可能だ。
但し、この【料理スキル】を取得するには、料理を師事してくれる人の元で、ある程度の修業を行う必要がある。
要は『お料理教室に足繁く通え』ということだ。
そうやって、ようやく取得できるのが『スキル』というものになる。
では、その【料理スキル】がないと美味しい料理ができないのか?
というと、そんなことはない。
思い出して欲しいのは、ラズリさん親子だ。
あの親子は【料理スキル】をどちらも取得してはいなかった。
それなのに、地球で言うなら三ツ星レストラン並の腕前を披露していた。
これこそが、『経験によって様々なものを覚えていく』代表例と言っても過言ではないものにあたる。
ラズリさん親子はスキルは無くとも、経験によって【料理スキル】に勝るとも劣らぬ実力を手に入れたのだ。
ちなみに、誰かに師事さえしてもらえば、あの親子なら【料理スキル】程度なら簡単に取得してしまうことだろう。
そして、ラズリさん親子に限らず、世の中にはそういう人達がごまんといる。
そもそもスキルを得られるかどうかは、その家庭の経済状況がモノを言うのだから仕方がないだろう。
閑話休題。
さて、ここまで長くなってしまったが、中には「何を当たり前のことを長々と述べているんだ?」と思われた方もきっといるに違いない。
だがしかし、今しばらく考えてみて欲しい。
それは本当に、当たり前のことなのだろうか?
それは本当に、人類皆等しく与えられた力なのだろうか?
ここに、ある一人の青年がいる。
その青年は至って平凡で、特別な存在でも何でもない。あるのは、少しばかりの力と最強の運を宿した女神のみだ。.....まぁ、俺のことなんだけどね?
そう、俺はその『経験によって様々なものを覚えていく』ことができない唯一の例となる。
俺は『付き人』の恩恵で、例外なく様々なスキルを取得できる権利を得た。
これは一部取得に制限のある勇者とは異なり、俺の絶対的なアドバンテージとなっている。
そう、絶対的なアドバンテージとなっているのだ。
しかし、その絶対的なアドバンテージの代償として、スキルでしかものを覚えることができない状態となってしまった。
例えが重複して申し訳ないが、今一度【料理スキル】で説明しよう。
俺は今後の長旅を考慮して、自炊を始めることにした。
今はまだ36億前後の資金があるが、この後大型の魔動駆輪と小型の魔動駆輪を購入する予定である。と言うことは、もはや36億などあってないようなものに等しい。
その上、うちの娘達はよく食べる。すごく食べる。めっちゃ食べる。
故に、一日の食料費だけで100万前後などあっという間に吹っ飛ぶのが現状だ。つまり、うちのエンゲル係数は常に火の車状態なのである。
それを少しでも抑える為に自炊を始めたのだが.....。
「嘘.....だろ!?な、なんで美味い飯ができないんだ!?」
「言ったじゃなーい!歩は女神ポイントでしかスキルを得られないってー( ´∀` )」
驚いたことに、経験を重ねても料理の腕前は上がらないばかりか、(地球の知識を利用して作っても)まともな料理すらできない体となってしまった。.....お、俺の独身生活4年間の集大成は!?
有り体に言えば、食えなくもない不味い飯しか作れない状態ということだ。
例えるのなら、初めて料理に挑戦したようなあんな感じだろうか。
つまり、様々なスキルを制限なく取得できる便利な権利を貰った代わりに、スキルを取得していない能力のほとんどがゼロベースにリセットされてしまったという訳だ。
しかも、俺の場合は(知識や経験があっても)スキルが無いとへっぽこな状態になってしまう上に、それを覚える為には経験ではなくスキルの取得が必至であるという.....。
現状、俺がスキルを得られる手段は限られている。
その① アテナの【ゴッドまねっこ(笑)】に頼る。
【ゴッドまねっこ(笑)】とは所謂【スキルコピー】の劣化版で、アテナが他者からスキルを学ぶことで、間接的に俺もそのスキルを使えるようになるというものだ。
但し、所詮はゴッドまねっこ(笑)。
色々と制限がある。女神スキルのくせに、だ。
まず、相手に教えてもらわないとコピーができない。
相手に教える気がなかったり、アテナに教わる気がないと当然のことながら取得は不可能だ。
それと、相手の教え方が下手過ぎてもコピーができない。
この世界、あまり教育が行き届いている訳ではない。特に、冒険者は計算すらできない人がほとんどだ。そんな無学な状態で、おバカなアテナにモノを教えるというのは割りと困難らしい。
少なくとも、ギルド職員や何かしらの商人クラス、または勇者や知力が高い魔法系統職に就いているぐらいの知能がないとかなり厳しい。
最後に、コピーできる範囲に『加護』は含まれない。
もう一度言うが、女神スキルのくせに劣化版でしかないのだ。
故に、最も絶大な力を有する『加護』をコピーできないと聞いた時の俺の落胆ぶりを誰が想像できるだろうか。いや、恐らくは誰も想像すらできないだろう。
その② アテナの【裏スキル】を利用する。
【裏スキル】とは、現状アテナが使えるスキルの範囲内で、俺が請い願うことによってスキルが具現化する【創造】の劣化版みたいなものだ。
このスキル、実は利用次第ではかなり使えるスキルだった。そう本来なら.....。
それというのも、アテナは『知慧の女神』を司っているに相応しく、「まるでスキルの総合デパートや~」とも言える程に多くのスキルを所有している。
例えば、最強魔法と謳われる【雷魔法】や、ファンタジーではもはや定番の【転移スキル】などなど。
当然、そのことを知った俺は【裏スキル】を利用した。
条件から考えれば、アテナが使えるスキルの範囲内にあるので、女神ポイントの関係上取得できるかどうかは別として、取得できる可能性があることに歓喜した。.....そして、絶望した。
一応言っておくが、『アテナが使えるスキルの範囲内である』という【裏スキル】の条件は何ら間違ってはいなかった。
では、なぜ失敗したかというと.....。
「魔力が足りませーん、だってー。あーははははは( ´∀` )」
「.....」
つ、使えねぇ.....。
そう、アテナは神界でならこれらのスキルを使えるが、下界では魔力が足りなくて使えないのだ。
使えるのに使えないという、この人を虚仮にした悪意に満ちたウザい結末。.....このくそ駄女神がっ!!
つまり、『取得している』ことと『使える』ことは似て非なるものだということだ。
その③ 『付き人』のレベルを積極的に上げていく。
現状、アテナの【ゴッドまねっこ(笑)】や【裏スキル】に頼れないとなると、俺に残された道は『付き人のレベルを上げること』これしか残されていない。
いや、言い方を変えれば、これでしか俺のスキルを増やせないし、もっと言えば『経験によって様々なものを覚えていく』というチートに対抗できるものは、もはやこれを置いて他にはない。
つまり、皆が当たり前のように享受している『経験によって様々なものを覚えていく』という人としての当然の尊厳を、俺は付き人のレベルを上げることでようやく得られるという訳だ。
ちなみに、スキルレベルを現状の3から4に上げたところで新スキルは得られないらしい。
あれは、『今取得できる』または『取得している』既存のスキルレベルを上げるだけに留まるらしい。
・・・。
かなり長い説明になってしまったが、これでお分かりになられたであろうか?
誰もが等しく『経験によって様々なものを覚えていく』という恩恵に与っている訳ではないのである。
俺は、確かに『歩くだけでレベルアップ』のチートを得た。
羨ましいと思う人も、勇者もきっとたくさんいることだろう。
しかし、考えてみれば、『経験によって様々なものを覚えていく』というこれも、一種のチートのような気がしてならない。
だって、時間はかかるだろうが、頑張りさえすれば不可能なんてないのだから.....HAHAHA。
そして、これらを踏まえた上で、今回の一件で俺がどんなに喜んだことか、どんなに嬉しかったことか、少しながら理解して頂けたと思う。
俺はようやく力を、ようやく人としての尊厳を得たのだ。
これで、喜ばないはずがないだろう?
これで、血圧が上がらないはずがないだろう?
これで、鼻息が荒くならないはずがないだろう?
「.....」
ちらっと見えたユミエルちゃんの表情がドン引きしていても気にしない。
「ぎゃふ!?.....ふぇぇえええ(´;ω;`)いたーい」
あまりの嬉しさに、俺の膝の上に座っていたアテナが転げ落ちたことも気にしない。
「あ、あの~、お、義弟君~?
お、お姉さん、困っちゃうわ~。アテナちゃんも~見てるし~」
そして、感謝の念が強すぎて、ヘスティア様の両手をそれは強く抱き、熱を帯びた猛る狩人の視線をもってヘスティア様の頬を淡く染め上げてしまったのも気にしない。
照れた表情のヘスティア様もすごくかわいい!
この日、ようやく俺は人としての第一歩を踏み出すことができるようになった───!?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き
次回、本編『義姉と義弟の想い②』!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
二時間後にもう一話UPします。
まさかの展開に!
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4/13 第181歩目の次回予告を変更しました
『義姉と義弟の想い②』! → 『俺の、俺の喜びを聞け!』 です。
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※今回は主人公の気持ちを説明した回です。
ようやく念願の力を手に入れるチャンスが巡ってきた訳ですが、その喜びようは並大抵のものではありません。
想像もできないレベルで主人公は喜んでいます。
それこそ現代風で例えるのなら、ガンの完治や苦節うん十年ようやく子供を授かったレベルの嬉しさが主人公には押し寄せてきている訳です。
そういう回ですので、本編は全く進んでいません。
興味ない方は読まずに飛ばして頂いても結構です。
主人公の気持ちを知りたい方はどうぞお読みください。
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□□□□ ~俺の喜びを知って欲しい!~ □□□□
「お願いします!俺の『付き人』のレベルを上げてください!!」
俺はヘスティア様に向かって、興奮を隠しきれずにそう宣言していた。
気分は遠足前夜のハイテンション状態といったところか。
血圧が上がっているのも、鼻息が荒くなっているのも、ハッキリとよく分かる。
(ようやくだ!ようやく待望の力が手に入る!!)
俺は歓喜に震えていた。
心の底から「ヘスティア様ありがとう!」と叫びたい気分だ。
なんだったら、下界に戻った際にはヘスティア様に信仰を捧げてもいい。
それぐらい、俺は喜びに全身を支配されていた。
どれほどの喜びかというと、大袈裟に言えば、俺はこの瞬間に『人としての尊厳を得た』と言っても過言ではないほどだ。
.....俺のこの気持ち、この嬉しさを理解してもらえるだろうか?
いや、きっと少しも理解できないことだろう。
きっと、俺のこの嬉しさの10分の1も皆さんには伝わっていないと思う。
『経験によって様々なものを覚えていく』
これは人ならば.....いや、動物であっても当たり前の現象だ。
そう、あまりにも当たり前すぎて、動物はおろか人々すらも、そのありがたみに感謝することを忘れてしまっているのではないだろうか。
本当に嘆かわしい.....。
例えば、この世界には【料理スキル】というものが存在する。
このスキルさえあれば、(レベルにもよるが)お店を開いてお金を取れるレベルになることだって当然可能だ。
但し、この【料理スキル】を取得するには、料理を師事してくれる人の元で、ある程度の修業を行う必要がある。
要は『お料理教室に足繁く通え』ということだ。
そうやって、ようやく取得できるのが『スキル』というものになる。
では、その【料理スキル】がないと美味しい料理ができないのか?
というと、そんなことはない。
思い出して欲しいのは、ラズリさん親子だ。
あの親子は【料理スキル】をどちらも取得してはいなかった。
それなのに、地球で言うなら三ツ星レストラン並の腕前を披露していた。
これこそが、『経験によって様々なものを覚えていく』代表例と言っても過言ではないものにあたる。
ラズリさん親子はスキルは無くとも、経験によって【料理スキル】に勝るとも劣らぬ実力を手に入れたのだ。
ちなみに、誰かに師事さえしてもらえば、あの親子なら【料理スキル】程度なら簡単に取得してしまうことだろう。
そして、ラズリさん親子に限らず、世の中にはそういう人達がごまんといる。
そもそもスキルを得られるかどうかは、その家庭の経済状況がモノを言うのだから仕方がないだろう。
閑話休題。
さて、ここまで長くなってしまったが、中には「何を当たり前のことを長々と述べているんだ?」と思われた方もきっといるに違いない。
だがしかし、今しばらく考えてみて欲しい。
それは本当に、当たり前のことなのだろうか?
それは本当に、人類皆等しく与えられた力なのだろうか?
ここに、ある一人の青年がいる。
その青年は至って平凡で、特別な存在でも何でもない。あるのは、少しばかりの力と最強の運を宿した女神のみだ。.....まぁ、俺のことなんだけどね?
そう、俺はその『経験によって様々なものを覚えていく』ことができない唯一の例となる。
俺は『付き人』の恩恵で、例外なく様々なスキルを取得できる権利を得た。
これは一部取得に制限のある勇者とは異なり、俺の絶対的なアドバンテージとなっている。
そう、絶対的なアドバンテージとなっているのだ。
しかし、その絶対的なアドバンテージの代償として、スキルでしかものを覚えることができない状態となってしまった。
例えが重複して申し訳ないが、今一度【料理スキル】で説明しよう。
俺は今後の長旅を考慮して、自炊を始めることにした。
今はまだ36億前後の資金があるが、この後大型の魔動駆輪と小型の魔動駆輪を購入する予定である。と言うことは、もはや36億などあってないようなものに等しい。
その上、うちの娘達はよく食べる。すごく食べる。めっちゃ食べる。
故に、一日の食料費だけで100万前後などあっという間に吹っ飛ぶのが現状だ。つまり、うちのエンゲル係数は常に火の車状態なのである。
それを少しでも抑える為に自炊を始めたのだが.....。
「嘘.....だろ!?な、なんで美味い飯ができないんだ!?」
「言ったじゃなーい!歩は女神ポイントでしかスキルを得られないってー( ´∀` )」
驚いたことに、経験を重ねても料理の腕前は上がらないばかりか、(地球の知識を利用して作っても)まともな料理すらできない体となってしまった。.....お、俺の独身生活4年間の集大成は!?
有り体に言えば、食えなくもない不味い飯しか作れない状態ということだ。
例えるのなら、初めて料理に挑戦したようなあんな感じだろうか。
つまり、様々なスキルを制限なく取得できる便利な権利を貰った代わりに、スキルを取得していない能力のほとんどがゼロベースにリセットされてしまったという訳だ。
しかも、俺の場合は(知識や経験があっても)スキルが無いとへっぽこな状態になってしまう上に、それを覚える為には経験ではなくスキルの取得が必至であるという.....。
現状、俺がスキルを得られる手段は限られている。
その① アテナの【ゴッドまねっこ(笑)】に頼る。
【ゴッドまねっこ(笑)】とは所謂【スキルコピー】の劣化版で、アテナが他者からスキルを学ぶことで、間接的に俺もそのスキルを使えるようになるというものだ。
但し、所詮はゴッドまねっこ(笑)。
色々と制限がある。女神スキルのくせに、だ。
まず、相手に教えてもらわないとコピーができない。
相手に教える気がなかったり、アテナに教わる気がないと当然のことながら取得は不可能だ。
それと、相手の教え方が下手過ぎてもコピーができない。
この世界、あまり教育が行き届いている訳ではない。特に、冒険者は計算すらできない人がほとんどだ。そんな無学な状態で、おバカなアテナにモノを教えるというのは割りと困難らしい。
少なくとも、ギルド職員や何かしらの商人クラス、または勇者や知力が高い魔法系統職に就いているぐらいの知能がないとかなり厳しい。
最後に、コピーできる範囲に『加護』は含まれない。
もう一度言うが、女神スキルのくせに劣化版でしかないのだ。
故に、最も絶大な力を有する『加護』をコピーできないと聞いた時の俺の落胆ぶりを誰が想像できるだろうか。いや、恐らくは誰も想像すらできないだろう。
その② アテナの【裏スキル】を利用する。
【裏スキル】とは、現状アテナが使えるスキルの範囲内で、俺が請い願うことによってスキルが具現化する【創造】の劣化版みたいなものだ。
このスキル、実は利用次第ではかなり使えるスキルだった。そう本来なら.....。
それというのも、アテナは『知慧の女神』を司っているに相応しく、「まるでスキルの総合デパートや~」とも言える程に多くのスキルを所有している。
例えば、最強魔法と謳われる【雷魔法】や、ファンタジーではもはや定番の【転移スキル】などなど。
当然、そのことを知った俺は【裏スキル】を利用した。
条件から考えれば、アテナが使えるスキルの範囲内にあるので、女神ポイントの関係上取得できるかどうかは別として、取得できる可能性があることに歓喜した。.....そして、絶望した。
一応言っておくが、『アテナが使えるスキルの範囲内である』という【裏スキル】の条件は何ら間違ってはいなかった。
では、なぜ失敗したかというと.....。
「魔力が足りませーん、だってー。あーははははは( ´∀` )」
「.....」
つ、使えねぇ.....。
そう、アテナは神界でならこれらのスキルを使えるが、下界では魔力が足りなくて使えないのだ。
使えるのに使えないという、この人を虚仮にした悪意に満ちたウザい結末。.....このくそ駄女神がっ!!
つまり、『取得している』ことと『使える』ことは似て非なるものだということだ。
その③ 『付き人』のレベルを積極的に上げていく。
現状、アテナの【ゴッドまねっこ(笑)】や【裏スキル】に頼れないとなると、俺に残された道は『付き人のレベルを上げること』これしか残されていない。
いや、言い方を変えれば、これでしか俺のスキルを増やせないし、もっと言えば『経験によって様々なものを覚えていく』というチートに対抗できるものは、もはやこれを置いて他にはない。
つまり、皆が当たり前のように享受している『経験によって様々なものを覚えていく』という人としての当然の尊厳を、俺は付き人のレベルを上げることでようやく得られるという訳だ。
ちなみに、スキルレベルを現状の3から4に上げたところで新スキルは得られないらしい。
あれは、『今取得できる』または『取得している』既存のスキルレベルを上げるだけに留まるらしい。
・・・。
かなり長い説明になってしまったが、これでお分かりになられたであろうか?
誰もが等しく『経験によって様々なものを覚えていく』という恩恵に与っている訳ではないのである。
俺は、確かに『歩くだけでレベルアップ』のチートを得た。
羨ましいと思う人も、勇者もきっとたくさんいることだろう。
しかし、考えてみれば、『経験によって様々なものを覚えていく』というこれも、一種のチートのような気がしてならない。
だって、時間はかかるだろうが、頑張りさえすれば不可能なんてないのだから.....HAHAHA。
そして、これらを踏まえた上で、今回の一件で俺がどんなに喜んだことか、どんなに嬉しかったことか、少しながら理解して頂けたと思う。
俺はようやく力を、ようやく人としての尊厳を得たのだ。
これで、喜ばないはずがないだろう?
これで、血圧が上がらないはずがないだろう?
これで、鼻息が荒くならないはずがないだろう?
「.....」
ちらっと見えたユミエルちゃんの表情がドン引きしていても気にしない。
「ぎゃふ!?.....ふぇぇえええ(´;ω;`)いたーい」
あまりの嬉しさに、俺の膝の上に座っていたアテナが転げ落ちたことも気にしない。
「あ、あの~、お、義弟君~?
お、お姉さん、困っちゃうわ~。アテナちゃんも~見てるし~」
そして、感謝の念が強すぎて、ヘスティア様の両手をそれは強く抱き、熱を帯びた猛る狩人の視線をもってヘスティア様の頬を淡く染め上げてしまったのも気にしない。
照れた表情のヘスティア様もすごくかわいい!
この日、ようやく俺は人としての第一歩を踏み出すことができるようになった───!?
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後書き
次回、本編『義姉と義弟の想い②』!
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二時間後にもう一話UPします。
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