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第5.5章 モリオン
第148歩目 はじめての海水浴!モリオン⑤
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前回までのあらすじ
はじめての観光はモリオンとの買い出しだった!
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□□□□ ~こだわり~ □□□□
ベルジュに到着して4日目。
俺達はとある場所へとやってきた。
「これは.....思った以上にいいな」
「うむ。高い利用料を取るだけはあるの」
「きらきらしてるのだ。きれいなのだ」
どうやらドールやモリオンにも概ね好評なようだ。
そして、当然こいつにも───。
「夏だー!海だー!海水浴だー( ´∀` )」
「山下○郎かよ!そもそも夏ないしな!」
ふぅ。
ツッコミを入れたところで、簡単に説明しよう。
現在俺達はアテナの言う通り、海水浴場に来ている。
場所は貴族区島の隣にある観光区島。
観光計画を立てた際、俺達は1つの島に約1週間滞在することに決めたのはまだ記憶に新しいと思う。
それが、港区のあるグルメ区島からスタートして4日目でどうしてこんなところまで来ているかというと.....。
ぶっちゃけ、1つの島に1週間もいたら飽きてしまうからだ。特にアテナが。
だから1つの島に1週間ずっと滞在し続けるのではなく、1日1日違う島を巡り、各島の合計が1週間となるように観光している訳だ。そして、半時計回りに島を巡った結果、現在に至る。
詰まるところ、いつものアテナのわがままだ。
・・・。
早速、元気なちびっこ達を着替えに行かせ、俺はパラソルと浮き輪の準備をする。
パラソルや浮き輪などの備品は、所謂海の家で購入したものだ。
今更説明するまでもないと思うが、海水浴場そのものは日本でよく見かけるそれと何ら代わり映えはしない。
それどころか、あまりにも代わり映えしないので、海の家の店先にあるかき氷ののぼり旗を見た時なんて思わず懐郷の情に浸ったものだ。
つまり、勇者達が興した文化大革命は海水浴場にまで影響を及ぼしているということになる。
「ふぅ.....」
ほとんどの準備が終わり、シートに腰を下ろして、ぼーっと海岸線を見つめながらアテナ達を待つ。
貸し切りという程ではないが、それでも利用料金がすごく高いので人はまばらだ。波の囁きがよく聞こえる。
(静かだ.....ビールでも飲みたいなぁ)
なんてことを思っていたら───。
「アユムー!」
ようやく、ちびっこ第一号のお出ましだ。
『ツーサイドアップの女の子は元気っこ』の例にもれず、ほんのり熱い砂浜の上を元気いっぱいに駆けてくる少女。
頭に角、背中に翼、大きな尻尾と、いかにもな容姿を少しも隠そうともせずに堂々としている1人の竜っこ。
「おまたせなのだ。どうなのだ?」
「うん。うん。かわいいぞ」
「ほんとなのだ!?わーいなのだー!」
なのだー!とかわいく万歳しているモリオンは嬉しそうに微笑んだ。かわいい。
どうやらモリオンでも水着の評価は気になるらしい。
(モリオンも女の子なんだなぁ.....)
モリオンがいま着ている水着は『伝統的なスクール水着』だ。
当然、俺が選んだ。
姪から聞いた話だと、今の学校のスクール水着事情は俺が学生だった時と少し異なるらしい。
どっちがいいとかはPTAに文句を言われそうなので言及しないが、それでも.....。
「幼女はスクール水着一択やろがいっ!」と俺は心の底からそう思う。
だからモリオンはスクール水着。異論は認めない。
そもそも幼女が着てこそのスクール水着だと思う。俺のこだわりだ。
ただ、モリオンの場合はちょっと問題があって.....。
「お尻がスースーするのだ」
「我慢しろ。そればっかりはどうしようもない」
現在のモリオンはぷりっとしたかわいらしいお尻が半分見えている状況だ。
勘違いしないでもらいたいが、これは俺のこだわりではない。
それと言うのも、モリオンの尻尾が原因である。
いくら文化大革命の影響で水着が異世界でも販売されているとは言え、竜族用の尻尾穴が付いた水着なんてものは当然売られてはいない。そもそも竜族が現れたこと自体が滅多にないのだから。
そこで、尻尾穴が一番大きい蜥蜴人用の水着を用意したのだが、それでもまだまだ穴が小さい。
結局、モリオンの尻尾が出るまで切り続けた結果、半分お尻が見えるようになってしまったという訳だ。
それでも───。
「我慢するのだ!」
「寒くはないか?」
「大丈夫なのだ!気持ちいいのだ!」
「そ、そうか.....」
モリオンには恥ずかしいという思いがないようなので、これはこれでいいんじゃないでしょうか。
かわいらしく尻尾ふりふり♪お尻ふりふり♪しているモリオンを見て、俺はそう思った。
さて、かわいらしいモリオンで和んでいたら、今度はちびっこ第2号がこちらにやってきた。
燦々と照りつける(暑くはない)太陽の陽射しにきらきらと輝くきれいな黄髪。整った顔立ちに、美人の象徴である釣り上がったきつね目。
もう少し成長したら、「美女とはこういう人を指すんだろうなぁ」と思わず言ってしまいそうになるほどの美しい容姿を携えた1人の獣人。
「主、待たせたの。.....ど、どうじゃ?」
「.....」
「.....主?」
「.....あっ。悪い。思わず見とれてた」
「そ、そうか!?.....くふふ。そうであろう♪そうであろう♪」
誉められたドールは、尻尾を嬉しそうにたなびかせながら、両手を口にあてる仕草でかわいく微笑んだ。かわいい。
ドールは言うまでもなく、水着の評価を気にしていたことだろう。
(そりゃあ、あんだけ時間をかけて選んでいたんだから気にはなるよな.....)
ドールがいま着ている水着は『フリルをあしらったセパレートタイプのビキニ』だ。
当然、ドールが選んだ。
始めは背伸びでもしたかったのか、三角ビキニを選んできたのだが、俺が即却下した。
アテナならまだしも、ドールが三角ビキニはありえない。あってはならないことだ。
こんなことを言うと女性から非難されるかもしれないが、それでも敢えて言わせてもらおう。
三角ビキニのようなものは、おっぱいがそれなりにある女性が身に付けてこそ、意味が、価値がある。
「ドールのような絶壁ちゃんには三角ビキニは似合わないっ!」と俺は心の底からそう思う。
だから何度も何度も選び直させた結果、いまの水着に落ち着いた訳だ。
ドールもドールでビキニは譲らなかったので、胸を強調しないふんわりとしたかわいらしいものにしてもらった。
こういうもののほうがきっと似合うはず。俺のこだわりだ。
ただ、やはりドールは納得していないようで.....。
「.....むぅ。やはりあの水着の方が大人っぽかった気がするのぅ.....」
「なに言ってるんだよ。俺はこっちのほうが絶対ドールに似合うと思うぞ」
「主がそう言うのなら.....。まぁ、妾は主に喜んでもらえればそれで良いのじゃ!」
「かわいい。かわいい。俺の見立てに間違いはなかった」
ドールの背伸びしたいという気持ちもわからなくはないが、それよりも、生まれ持った恵まれた素材を活かすべきだよな。
俺に喜んでもらうという当初の目標を果たし喜んでいるドールを見て、俺はそう思った。
さて、モリオンとドールが来たわけなのだから残すはあいつただ1人となる。
ただ、最後に残りしちびっこ第3号はたらたらたらたらとダルそうにやって来る姿が見える。さっきまでの威勢の良さはどこにいってしまったのか.....。
ダルそうに歩くだけでも、たゆんっ!たゆんっ!と揺れるたわわに実った豊潤な果実。
更には「サイズ間違ってるんじゃね!?」と思わず二度見してしまいそうになるほど、むっちりボディーに食い込んだ水着姿。
誰も彼もが、その恵まれた体とそれに見合うだけの美しい容姿を携えた一人の女神に首ったけ状態だ。いま!浜辺のヴィーナスここに降臨!!
「歩~.....。これー、きゅうくつーr(・ω・`;)」
「きゅうくつーr(・ω・`;)じゃねぇ。水着を着ないと海に入れないだろ」
「いつものでいーじゃーん(´-ε -`)」
「ふざけんな。結局、俺が乾かすことになるだろ。.....それにかわいいと思うぞ?」
「思うってなにー!?着てあげたんだからー、もっとほめてーヽ(`Д´#)ノ」
「はいはい。かわいい。かわいい」
「にへへー(*´∀`*)ありがとー!「お前がNo.1だ」とかうれしー!」
「そこまでは言ってねぇよ!?」
勝手に拡大解釈したアテナは、いつものように八重歯を覗かせながらにぱー☆と微笑んだ。かわいい。
そもそも、アテナは水着の評価なんてもの一切気にはしていないだろう。
(アテナに水着を着せることにどんだけ苦労したことか.....)
アテナがいま着ている水着は『ぎりっぎりまで布面積を減らしたヒモに近いビキニ』だ。
だって、アテナが水着の布部分を嫌がるからさ.....。
当初アテナはいつも着ているワンピースのままで海に入ろうとしていた。
さすがにそれでは水分を吸いすぎた結果重くなり、それが原因で溺れてしまう心配があったので無理矢理にでも水着を着せることにしたという訳だ。
ただ、いざアテナの水着を選ぼうとしたら、「あれはやだー!」、「これはきゅうくつー!」と駄々こねまくりでかなり苦労する始末。
結局、アテナの意向を伺っていたのでは何も決まらなかったので、ドールに任せてみたのだが.....想像以上に際どい水着だった。
それでも文句を言いつつ、素直に着ているのは最愛の妹であるドールの見立てだからだろう。
しかし、ヒモに近い水着となると.....。
「主?なにをちらちらと見ておるのじゃ?」
「い、いや.....。さすがに過激すぎないかな、と.....」
「これぐらいでないと姉さまは着ないであろう?.....第一、姉さまは恥ずかしがってはおらぬ」
ドールの言う通り、アテナはこれっぽっちも恥ずかしがってはいない。
むしろ意識しているのは俺のほうだ。ちらちらっ。
「見すぎであろう。.....少しイラッとするのじゃ」
「理不尽だろっ!?」
そもそもこんな際どい水着を選んだのはドールだというのに.....。
俺がドールの理不尽さにツッコミを入れていると、別のところではなにやら怪しげな会話がなされていた。
「お姉ちゃん、ばいんばいんなのだ!」
「ばいーん!ばいーん!あーははははは( ´∀` )」
「我もばいんばいんになりたいのだ!」
「いーっぱいたべてー、いーっぱい寝ればなれるよー!」
無責任なことを言ってんなよ.....。
さすがに無理があると思う。
と言うよりも、モリオンがばいんばいんになったらなんか嫌だ。モリオンはちっこいからモリオンなのに。
何はともあれ、アテナが大人しく水着を着てくれたのは素直に嬉しい。
アテナはかわいいんだから、もっとTPOに合わせた服装を着たほうがいい。俺のこだわりだ。
ただ、どうしても窮屈なものは窮屈なようで.....。
「うーん。やっぱり脱いでもいいー?」
「ダメ」
「だってー、きゅうくつなんだもーん(´;ω;`)」
うぐっ.....。
アテナは本当に嫌がっているようだ。
恐らくだが、体を締め付けられているような気分なのだろう。
なんとかしてあげたいのはやまやまではあるが.....。
「なーんでダメなのー?」
「人が少ないとは言え、さすがに公共の場ではまずかろう。のぅ?主?」
「その通りだ」
「ふえええええ(´;ω;`)」
異世界でも公序良俗という概念があるのかはわからないが.....。
いや、ドールが公共のうんぬんと言っているので恐らくはあるのだろう。だとしたら、公序良俗を犯した罪で海水浴場の利用禁止を言い渡される恐れがある。
だから脱いじゃダメ。
みんなに迷惑がかかるから脱いじゃダメ。
海水浴場を使えなくなっちゃうから脱いじゃダメ。
「(´;ω;`)」
「.....」
だからアテナは我慢しろ。
みんなに迷惑がかかるからアテナは我慢しろ。
海水浴場を使えなくなっちゃうからアテナは我慢しろ。
「(´;ω;`)」
「.....」
そう、建前上はその通りなのだが.....。
「んー?本音はちがうのー(。´・ω・)?」
「.....違うな」
「なになにー?」
「.....」
言ってもいいものなのかどうかかなり迷う。
言えば確実に、アテナは調子に乗ることだろう。
言えば確実に、ドールはぶちギレることだろう。
言えば確実に、モリオンはその真の意味を知りたがることだろう。
言ってもいいものなのかどうかかなり迷う。
むしろ言わないほうがいいような気もしてきた。
しかし───。
「言ってくれないなら脱ぐー(・ω・´*)」
「ふぁ!?」
アテナに退路を断たれてしまった。
仕方がない。
別の逃げ道を.....。
「妾も姉さまに賛同するのじゃ。気になるからの」
「ちょっ!?」
ドールにも退路を断たれてしまった。
や、やばい。
別の逃げ道を.....。
「我はよくわからないのだ。.....でも、お姉ちゃんがそうするなら我もするのだ」
「モリオンまで!?」
まさかのモリオンにまで退路を断たれてしまった。
逃げ道はどこにもない。
一条の光すらも見えない暗闇の迷路だ。
「さぁ( ´∀` )」
「さぁ!言わんか!」
「さぁー!言うのだ!」
「.....」
もはや年貢の納め時のようだ。
観念する他ないだろう。
俺は意を決して本音を語ることにした。
「.....他の男にアテナの裸を見せたくない」
「「「.....」」」
静まり返る一同。
賛辞でも(さすがにないか.....)、罵倒でもいいので、何か言ってくれたほうが気が休まる。
しばらくすると───。
「主は何を戯けたことを言っておるのじゃ!
姉さまは主の女ではないのだから、主の意向など無効なのじゃ!!
全く、何をバカなことを.....(ぶつぶつぶつ)」
まず真っ先に口を開いたのは、顔を真っ赤にしてぶちギレているドールさん。
これは予想通り。
「お姉ちゃんの裸を見せたくないってどういうことなのだ?」
次に口を開いたのは、きょとんとした表情で意味を尋ねているモリオンさん。
これも予想通り。
(ここまで予想通りとなると、当然アテナは調子に乗ってくるだろうな.....)
そう思っていたら───。
「歩はいやなのー?」
アテナからは真剣な表情で意外な言葉が返ってきた。
いや、むしろ望んでいた言葉だった。
だから俺も真剣に答える。
「嫌だ」
「それはやくそくー(。´・ω・)?」
「そう.....だな。約束しよう。『俺以外の男に裸を見せるな』!」
「はーい!やくそくー!やくそくしたからー、これ我慢するねー!」
これで2つ目の約束。
いよいよもって、俺はアテナを拘束し始めてきたような気がする。
自分自身ではそう思ってはいなかったのだが、実は独占欲が強いのかもしれない。
それでも、アテナの笑顔と裸は俺だけの特別にしておきたい。
「にへへー(*´∀`*)歩は私のこと好きすぎでしょー!」
「な.....んじゃと!?」
「お姉ちゃんもアユムと約束してるのだ!我といっしょなのだ!」
アテナが再びの約束に喜び、ドールが俺とアテナの強い繋がりに驚愕し、モリオンが姉と一緒だと共感するといった三者三様の反応を見せる中、俺達の海水浴は幕を開くこととなった。
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後書き
次回、閑話『???』!
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今日のひとこま
~お姉ちゃんといっしょ!~
「アユム!アユム!」
「どうした?モリオン」
「さっきお姉ちゃんに言ってたのはどういう意味なのだ?」
「お、おぅ.....」
やっぱり聞いてきたか.....。
モリオンが尋ねているのは、先程アテナと約束をした『俺以外の男に裸を見せない』の件だ。
「裸になる時はどんな時だ?」
「お風呂に入る時なのだ!」
「その通りだ。つまり、どういうことかわかるか?」
「アユム以外とはお風呂入っちゃいけないのだ?」
「男ならな。お風呂に入りたいなら、俺と一緒に入るか、一人で入るか.....」
「一人は嫌なのだ!」
「そ、そうか.....。なら、俺と一緒に入るか、お姉ちゃん達と一緒に入るのか、のどっちかになる」
「父様といっしょに入るのもダメなのだ?」
「ダメ。男は俺だけってことだ」
「わかったのだ。.....でも、なんの意味があるのだ?」
「そうだな.....。大好きってことだ」
「大好きなのだ?」
「そうだ。本当に大好きならそれぐらい当たり前ってことだ。
大好きな人にしか裸は見せないし、お風呂も一緒に入らないもんなんだぞ?」
「おー!人間はすごいのだー!愛情深いのだー!」
「.....。(お、俺は決して間違ったことは言っていないはずだ!.....多分)」
「じゃー、我もアユムにしか裸は見せないのだ!」
「.....なんだって?」
「我もアユムと約束するのだ!」
「い、いや、その気持ちは嬉しいんだが.....。
モリオンは竜族だしな?ほ、ほら、父様の意見も聞かないことには.....」
「父様関係ないのだ!それとも.....アユムは我のこときらいなのだ?」
「いやいやいやいやいや!モリオンのことが嫌いなんてことはない!絶対ない!」
「じゃー、我と約束するのだ!」
「.....うぐっ。わ、わかった。.....約束な?」
「やったのだー!お姉ちゃんといっしょなのだー!」
お姉ちゃんと一緒になったことが余程嬉しいのか、かわいく万歳しながら喜び走り回るモリオン。
これで本当に良かったのだろうか.....。
俺、モリオンの親父さんに殺されたりしないよな?
はじめての観光はモリオンとの買い出しだった!
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□□□□ ~こだわり~ □□□□
ベルジュに到着して4日目。
俺達はとある場所へとやってきた。
「これは.....思った以上にいいな」
「うむ。高い利用料を取るだけはあるの」
「きらきらしてるのだ。きれいなのだ」
どうやらドールやモリオンにも概ね好評なようだ。
そして、当然こいつにも───。
「夏だー!海だー!海水浴だー( ´∀` )」
「山下○郎かよ!そもそも夏ないしな!」
ふぅ。
ツッコミを入れたところで、簡単に説明しよう。
現在俺達はアテナの言う通り、海水浴場に来ている。
場所は貴族区島の隣にある観光区島。
観光計画を立てた際、俺達は1つの島に約1週間滞在することに決めたのはまだ記憶に新しいと思う。
それが、港区のあるグルメ区島からスタートして4日目でどうしてこんなところまで来ているかというと.....。
ぶっちゃけ、1つの島に1週間もいたら飽きてしまうからだ。特にアテナが。
だから1つの島に1週間ずっと滞在し続けるのではなく、1日1日違う島を巡り、各島の合計が1週間となるように観光している訳だ。そして、半時計回りに島を巡った結果、現在に至る。
詰まるところ、いつものアテナのわがままだ。
・・・。
早速、元気なちびっこ達を着替えに行かせ、俺はパラソルと浮き輪の準備をする。
パラソルや浮き輪などの備品は、所謂海の家で購入したものだ。
今更説明するまでもないと思うが、海水浴場そのものは日本でよく見かけるそれと何ら代わり映えはしない。
それどころか、あまりにも代わり映えしないので、海の家の店先にあるかき氷ののぼり旗を見た時なんて思わず懐郷の情に浸ったものだ。
つまり、勇者達が興した文化大革命は海水浴場にまで影響を及ぼしているということになる。
「ふぅ.....」
ほとんどの準備が終わり、シートに腰を下ろして、ぼーっと海岸線を見つめながらアテナ達を待つ。
貸し切りという程ではないが、それでも利用料金がすごく高いので人はまばらだ。波の囁きがよく聞こえる。
(静かだ.....ビールでも飲みたいなぁ)
なんてことを思っていたら───。
「アユムー!」
ようやく、ちびっこ第一号のお出ましだ。
『ツーサイドアップの女の子は元気っこ』の例にもれず、ほんのり熱い砂浜の上を元気いっぱいに駆けてくる少女。
頭に角、背中に翼、大きな尻尾と、いかにもな容姿を少しも隠そうともせずに堂々としている1人の竜っこ。
「おまたせなのだ。どうなのだ?」
「うん。うん。かわいいぞ」
「ほんとなのだ!?わーいなのだー!」
なのだー!とかわいく万歳しているモリオンは嬉しそうに微笑んだ。かわいい。
どうやらモリオンでも水着の評価は気になるらしい。
(モリオンも女の子なんだなぁ.....)
モリオンがいま着ている水着は『伝統的なスクール水着』だ。
当然、俺が選んだ。
姪から聞いた話だと、今の学校のスクール水着事情は俺が学生だった時と少し異なるらしい。
どっちがいいとかはPTAに文句を言われそうなので言及しないが、それでも.....。
「幼女はスクール水着一択やろがいっ!」と俺は心の底からそう思う。
だからモリオンはスクール水着。異論は認めない。
そもそも幼女が着てこそのスクール水着だと思う。俺のこだわりだ。
ただ、モリオンの場合はちょっと問題があって.....。
「お尻がスースーするのだ」
「我慢しろ。そればっかりはどうしようもない」
現在のモリオンはぷりっとしたかわいらしいお尻が半分見えている状況だ。
勘違いしないでもらいたいが、これは俺のこだわりではない。
それと言うのも、モリオンの尻尾が原因である。
いくら文化大革命の影響で水着が異世界でも販売されているとは言え、竜族用の尻尾穴が付いた水着なんてものは当然売られてはいない。そもそも竜族が現れたこと自体が滅多にないのだから。
そこで、尻尾穴が一番大きい蜥蜴人用の水着を用意したのだが、それでもまだまだ穴が小さい。
結局、モリオンの尻尾が出るまで切り続けた結果、半分お尻が見えるようになってしまったという訳だ。
それでも───。
「我慢するのだ!」
「寒くはないか?」
「大丈夫なのだ!気持ちいいのだ!」
「そ、そうか.....」
モリオンには恥ずかしいという思いがないようなので、これはこれでいいんじゃないでしょうか。
かわいらしく尻尾ふりふり♪お尻ふりふり♪しているモリオンを見て、俺はそう思った。
さて、かわいらしいモリオンで和んでいたら、今度はちびっこ第2号がこちらにやってきた。
燦々と照りつける(暑くはない)太陽の陽射しにきらきらと輝くきれいな黄髪。整った顔立ちに、美人の象徴である釣り上がったきつね目。
もう少し成長したら、「美女とはこういう人を指すんだろうなぁ」と思わず言ってしまいそうになるほどの美しい容姿を携えた1人の獣人。
「主、待たせたの。.....ど、どうじゃ?」
「.....」
「.....主?」
「.....あっ。悪い。思わず見とれてた」
「そ、そうか!?.....くふふ。そうであろう♪そうであろう♪」
誉められたドールは、尻尾を嬉しそうにたなびかせながら、両手を口にあてる仕草でかわいく微笑んだ。かわいい。
ドールは言うまでもなく、水着の評価を気にしていたことだろう。
(そりゃあ、あんだけ時間をかけて選んでいたんだから気にはなるよな.....)
ドールがいま着ている水着は『フリルをあしらったセパレートタイプのビキニ』だ。
当然、ドールが選んだ。
始めは背伸びでもしたかったのか、三角ビキニを選んできたのだが、俺が即却下した。
アテナならまだしも、ドールが三角ビキニはありえない。あってはならないことだ。
こんなことを言うと女性から非難されるかもしれないが、それでも敢えて言わせてもらおう。
三角ビキニのようなものは、おっぱいがそれなりにある女性が身に付けてこそ、意味が、価値がある。
「ドールのような絶壁ちゃんには三角ビキニは似合わないっ!」と俺は心の底からそう思う。
だから何度も何度も選び直させた結果、いまの水着に落ち着いた訳だ。
ドールもドールでビキニは譲らなかったので、胸を強調しないふんわりとしたかわいらしいものにしてもらった。
こういうもののほうがきっと似合うはず。俺のこだわりだ。
ただ、やはりドールは納得していないようで.....。
「.....むぅ。やはりあの水着の方が大人っぽかった気がするのぅ.....」
「なに言ってるんだよ。俺はこっちのほうが絶対ドールに似合うと思うぞ」
「主がそう言うのなら.....。まぁ、妾は主に喜んでもらえればそれで良いのじゃ!」
「かわいい。かわいい。俺の見立てに間違いはなかった」
ドールの背伸びしたいという気持ちもわからなくはないが、それよりも、生まれ持った恵まれた素材を活かすべきだよな。
俺に喜んでもらうという当初の目標を果たし喜んでいるドールを見て、俺はそう思った。
さて、モリオンとドールが来たわけなのだから残すはあいつただ1人となる。
ただ、最後に残りしちびっこ第3号はたらたらたらたらとダルそうにやって来る姿が見える。さっきまでの威勢の良さはどこにいってしまったのか.....。
ダルそうに歩くだけでも、たゆんっ!たゆんっ!と揺れるたわわに実った豊潤な果実。
更には「サイズ間違ってるんじゃね!?」と思わず二度見してしまいそうになるほど、むっちりボディーに食い込んだ水着姿。
誰も彼もが、その恵まれた体とそれに見合うだけの美しい容姿を携えた一人の女神に首ったけ状態だ。いま!浜辺のヴィーナスここに降臨!!
「歩~.....。これー、きゅうくつーr(・ω・`;)」
「きゅうくつーr(・ω・`;)じゃねぇ。水着を着ないと海に入れないだろ」
「いつものでいーじゃーん(´-ε -`)」
「ふざけんな。結局、俺が乾かすことになるだろ。.....それにかわいいと思うぞ?」
「思うってなにー!?着てあげたんだからー、もっとほめてーヽ(`Д´#)ノ」
「はいはい。かわいい。かわいい」
「にへへー(*´∀`*)ありがとー!「お前がNo.1だ」とかうれしー!」
「そこまでは言ってねぇよ!?」
勝手に拡大解釈したアテナは、いつものように八重歯を覗かせながらにぱー☆と微笑んだ。かわいい。
そもそも、アテナは水着の評価なんてもの一切気にはしていないだろう。
(アテナに水着を着せることにどんだけ苦労したことか.....)
アテナがいま着ている水着は『ぎりっぎりまで布面積を減らしたヒモに近いビキニ』だ。
だって、アテナが水着の布部分を嫌がるからさ.....。
当初アテナはいつも着ているワンピースのままで海に入ろうとしていた。
さすがにそれでは水分を吸いすぎた結果重くなり、それが原因で溺れてしまう心配があったので無理矢理にでも水着を着せることにしたという訳だ。
ただ、いざアテナの水着を選ぼうとしたら、「あれはやだー!」、「これはきゅうくつー!」と駄々こねまくりでかなり苦労する始末。
結局、アテナの意向を伺っていたのでは何も決まらなかったので、ドールに任せてみたのだが.....想像以上に際どい水着だった。
それでも文句を言いつつ、素直に着ているのは最愛の妹であるドールの見立てだからだろう。
しかし、ヒモに近い水着となると.....。
「主?なにをちらちらと見ておるのじゃ?」
「い、いや.....。さすがに過激すぎないかな、と.....」
「これぐらいでないと姉さまは着ないであろう?.....第一、姉さまは恥ずかしがってはおらぬ」
ドールの言う通り、アテナはこれっぽっちも恥ずかしがってはいない。
むしろ意識しているのは俺のほうだ。ちらちらっ。
「見すぎであろう。.....少しイラッとするのじゃ」
「理不尽だろっ!?」
そもそもこんな際どい水着を選んだのはドールだというのに.....。
俺がドールの理不尽さにツッコミを入れていると、別のところではなにやら怪しげな会話がなされていた。
「お姉ちゃん、ばいんばいんなのだ!」
「ばいーん!ばいーん!あーははははは( ´∀` )」
「我もばいんばいんになりたいのだ!」
「いーっぱいたべてー、いーっぱい寝ればなれるよー!」
無責任なことを言ってんなよ.....。
さすがに無理があると思う。
と言うよりも、モリオンがばいんばいんになったらなんか嫌だ。モリオンはちっこいからモリオンなのに。
何はともあれ、アテナが大人しく水着を着てくれたのは素直に嬉しい。
アテナはかわいいんだから、もっとTPOに合わせた服装を着たほうがいい。俺のこだわりだ。
ただ、どうしても窮屈なものは窮屈なようで.....。
「うーん。やっぱり脱いでもいいー?」
「ダメ」
「だってー、きゅうくつなんだもーん(´;ω;`)」
うぐっ.....。
アテナは本当に嫌がっているようだ。
恐らくだが、体を締め付けられているような気分なのだろう。
なんとかしてあげたいのはやまやまではあるが.....。
「なーんでダメなのー?」
「人が少ないとは言え、さすがに公共の場ではまずかろう。のぅ?主?」
「その通りだ」
「ふえええええ(´;ω;`)」
異世界でも公序良俗という概念があるのかはわからないが.....。
いや、ドールが公共のうんぬんと言っているので恐らくはあるのだろう。だとしたら、公序良俗を犯した罪で海水浴場の利用禁止を言い渡される恐れがある。
だから脱いじゃダメ。
みんなに迷惑がかかるから脱いじゃダメ。
海水浴場を使えなくなっちゃうから脱いじゃダメ。
「(´;ω;`)」
「.....」
だからアテナは我慢しろ。
みんなに迷惑がかかるからアテナは我慢しろ。
海水浴場を使えなくなっちゃうからアテナは我慢しろ。
「(´;ω;`)」
「.....」
そう、建前上はその通りなのだが.....。
「んー?本音はちがうのー(。´・ω・)?」
「.....違うな」
「なになにー?」
「.....」
言ってもいいものなのかどうかかなり迷う。
言えば確実に、アテナは調子に乗ることだろう。
言えば確実に、ドールはぶちギレることだろう。
言えば確実に、モリオンはその真の意味を知りたがることだろう。
言ってもいいものなのかどうかかなり迷う。
むしろ言わないほうがいいような気もしてきた。
しかし───。
「言ってくれないなら脱ぐー(・ω・´*)」
「ふぁ!?」
アテナに退路を断たれてしまった。
仕方がない。
別の逃げ道を.....。
「妾も姉さまに賛同するのじゃ。気になるからの」
「ちょっ!?」
ドールにも退路を断たれてしまった。
や、やばい。
別の逃げ道を.....。
「我はよくわからないのだ。.....でも、お姉ちゃんがそうするなら我もするのだ」
「モリオンまで!?」
まさかのモリオンにまで退路を断たれてしまった。
逃げ道はどこにもない。
一条の光すらも見えない暗闇の迷路だ。
「さぁ( ´∀` )」
「さぁ!言わんか!」
「さぁー!言うのだ!」
「.....」
もはや年貢の納め時のようだ。
観念する他ないだろう。
俺は意を決して本音を語ることにした。
「.....他の男にアテナの裸を見せたくない」
「「「.....」」」
静まり返る一同。
賛辞でも(さすがにないか.....)、罵倒でもいいので、何か言ってくれたほうが気が休まる。
しばらくすると───。
「主は何を戯けたことを言っておるのじゃ!
姉さまは主の女ではないのだから、主の意向など無効なのじゃ!!
全く、何をバカなことを.....(ぶつぶつぶつ)」
まず真っ先に口を開いたのは、顔を真っ赤にしてぶちギレているドールさん。
これは予想通り。
「お姉ちゃんの裸を見せたくないってどういうことなのだ?」
次に口を開いたのは、きょとんとした表情で意味を尋ねているモリオンさん。
これも予想通り。
(ここまで予想通りとなると、当然アテナは調子に乗ってくるだろうな.....)
そう思っていたら───。
「歩はいやなのー?」
アテナからは真剣な表情で意外な言葉が返ってきた。
いや、むしろ望んでいた言葉だった。
だから俺も真剣に答える。
「嫌だ」
「それはやくそくー(。´・ω・)?」
「そう.....だな。約束しよう。『俺以外の男に裸を見せるな』!」
「はーい!やくそくー!やくそくしたからー、これ我慢するねー!」
これで2つ目の約束。
いよいよもって、俺はアテナを拘束し始めてきたような気がする。
自分自身ではそう思ってはいなかったのだが、実は独占欲が強いのかもしれない。
それでも、アテナの笑顔と裸は俺だけの特別にしておきたい。
「にへへー(*´∀`*)歩は私のこと好きすぎでしょー!」
「な.....んじゃと!?」
「お姉ちゃんもアユムと約束してるのだ!我といっしょなのだ!」
アテナが再びの約束に喜び、ドールが俺とアテナの強い繋がりに驚愕し、モリオンが姉と一緒だと共感するといった三者三様の反応を見せる中、俺達の海水浴は幕を開くこととなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き
次回、閑話『???』!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日のひとこま
~お姉ちゃんといっしょ!~
「アユム!アユム!」
「どうした?モリオン」
「さっきお姉ちゃんに言ってたのはどういう意味なのだ?」
「お、おぅ.....」
やっぱり聞いてきたか.....。
モリオンが尋ねているのは、先程アテナと約束をした『俺以外の男に裸を見せない』の件だ。
「裸になる時はどんな時だ?」
「お風呂に入る時なのだ!」
「その通りだ。つまり、どういうことかわかるか?」
「アユム以外とはお風呂入っちゃいけないのだ?」
「男ならな。お風呂に入りたいなら、俺と一緒に入るか、一人で入るか.....」
「一人は嫌なのだ!」
「そ、そうか.....。なら、俺と一緒に入るか、お姉ちゃん達と一緒に入るのか、のどっちかになる」
「父様といっしょに入るのもダメなのだ?」
「ダメ。男は俺だけってことだ」
「わかったのだ。.....でも、なんの意味があるのだ?」
「そうだな.....。大好きってことだ」
「大好きなのだ?」
「そうだ。本当に大好きならそれぐらい当たり前ってことだ。
大好きな人にしか裸は見せないし、お風呂も一緒に入らないもんなんだぞ?」
「おー!人間はすごいのだー!愛情深いのだー!」
「.....。(お、俺は決して間違ったことは言っていないはずだ!.....多分)」
「じゃー、我もアユムにしか裸は見せないのだ!」
「.....なんだって?」
「我もアユムと約束するのだ!」
「い、いや、その気持ちは嬉しいんだが.....。
モリオンは竜族だしな?ほ、ほら、父様の意見も聞かないことには.....」
「父様関係ないのだ!それとも.....アユムは我のこときらいなのだ?」
「いやいやいやいやいや!モリオンのことが嫌いなんてことはない!絶対ない!」
「じゃー、我と約束するのだ!」
「.....うぐっ。わ、わかった。.....約束な?」
「やったのだー!お姉ちゃんといっしょなのだー!」
お姉ちゃんと一緒になったことが余程嬉しいのか、かわいく万歳しながら喜び走り回るモリオン。
これで本当に良かったのだろうか.....。
俺、モリオンの親父さんに殺されたりしないよな?
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