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第5章 最愛の女神!
特別編 はじめての初詣!②
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前回の特別編のあらすじ
新年らしく初詣にやってきた!
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□□□□ ~初詣part.2~ □□□□
全員の参拝が終わったのち、場所を移して地蔵前にやってきた。
このとある有名な厄除け大師には、俗に言う『お掃除地蔵』なるものがある。
日本人にはこの『お掃除地蔵』はお馴染みと言えるものではあるが、当然のことながら異世界組はこの地蔵の存在をを知らない訳で.....。
「のぅ、主。皆は何故あの石像を磨いておるのじゃ?」
ヘリオは、どうやら参拝者が地蔵をたわしでゴシゴシと洗っている光景に興味を引かれたようだ。
色々なことに興味を持つことはいいことだ。
ヘリオの数多くある長所の一つだと言える。
───ぽふっ。ぽんぽん
「な、なんじゃ!?」
「えらいぞ、ヘリオ。さすがだ」
「.....?よ、よくわからぬが、誉められて悪い気はせんの!」
頭をぽんぽんされたドールは、尻尾を嬉しそうにたなびかせながら両手を口にあてる仕草で微笑んだ。かわいい。
尻尾をもふもふしながら誉めるのもいいが、男性恐怖症も俺に限っては克服済みなので、気軽に頭をポンポンできるのは嬉しい。
「それで?あれはなんなのじゃ?どういうご利益があるのじゃ?」
「確か.....。洗うことで、丈夫な子、元気な子、まめな子に.....」
と、そこまで言い掛けた瞬間、
「洗いましょう!ドールさん!」
「当然なのじゃ!洗って、洗って、洗い尽くすのじゃ!」
ラピスさんとヘリオの二人が鼻息荒く真顔になって飛んでいってしまった。
そして、端から見たら恥ずかしいぐらい必死の形相で『お掃除地蔵』を洗いまくっている。
参拝に来ている周りの親子がドン引いていることなどお構い無く.....。
「.....」
当然、俺もドン引きだ。
あの二人は完全に誤解していると思う。
お掃除地蔵を洗うことで『丈夫な子、元気な子、まめな子に育つ』と言われている。
丈夫な子、元気な子、まめな子が産まれてくる訳ではない。
(気持ちはわかるが必死すぎ!)
もはやラピスさんとヘリオの独壇場となってしまった『お掃除地蔵』。
これ以上は他の参拝者や厄除け大師の迷惑となる。早々に二人の誤解を解かないといけないだろう。
覚悟を決めて、必死に子を願う二人の元へと歩みかけたその時、
「ラズリ!ドール!そこをどきなさい!
たわしなんかでは生ぬるいです!私の水魔法で一気に洗浄します!!」
「「!!」」
「はぁ!?ま、魔法!?」
まさかのニケさん参戦!
しかも、現代日本で魔法をぶっ放すつもりらしい。
もはや大惨事どころの問題ではない。
これはなんとしてでも止めないとっ!
「ニケさん!日本で魔法はヤバいですって!」
「ニケさん!やめてください!!」
「ニケ様!やめるのじゃ!!」
地蔵を洗うことに夢中になっていた二人も、どうやら事の重大性は理解しているようだ。
俺と一緒にニケさんの行動を止めようと必死になっている。
なんだかんだ言っても頼れる二人だ。
ここにきて心強い味方ができてちょっと嬉しい。
そう思っていたのだが.....。
「ニケさん!ズルいですよ!機会は平等であるべきです!!」
「ニケ様!ズルいのじゃ!正々堂々勝負するのじゃ!!」
「お前ら、何言ってんの!?」
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
結局ニケさんを止められる者などはいなく、このあと境内が大惨事になったことは言うまでもないだろう。
そして、数万人の人々が目の当たりにした奇跡は、ヘカテー様の協力のもと人々の記憶からきれいに消去してもらうこととなった。
「お前ら!いい加減にしろよ!」
「ふぐーーーーー!ご、ごめんなさい!」
「ふぬぬーーーーー!ご、ごめんなのじゃ!」
頬をつねられたラピスさんとヘリオが喘ぐ。
どちらも美しく滑らかな柔肌が赤くなるまで力一杯つねった。
端から見れば、俺が暴力を奮っているように思われるかもしれないが、力を失った今となってはそれぐらいの力を出さないとそもそもおしおきすらままならないのが現状だ。
何はともあれ、二人には大いに反省してもらいたいものだ。
そして、元凶であるニケさんには、
「ささっ!どうぞっ!おもいっきりやってください!」
「.....」
「遠慮なさらずにさあっ!」
「.....ニケさんは無し!」
何もしないことに決めた。
決して、ニケさんだけを贔屓している訳でも、甘やかしている訳でもない。
なんかおしおきを期待しているようなので、敢えて『罰を与えないという罰』だ。
「えええええ!?」
驚き慌て、おしおきされないことにしょんぼりするニケさん。
ニケさんは『俺にしてもらえることなら何でも嬉しく感じる』という特殊な感性の持ちだ。
別にMという訳ではないようで、必ず『俺に』、『俺が』という枕言葉が条件となっている。
だから何もしてあげないことが一番のおしおきとなるという訳だ。
俺に何かして欲しいなら、大いに反省してもらいたいものだ。
だが、
「ふふふふふっ。やはり私はアユムさんの特別みたいですね!」
「くふふふふっ。やはり妾は主の特別という訳なのじゃな!」
赤く腫れ上がった頬をさすりながら、勝ち誇ったようなドヤ顔をニケさんに見せ付けるラピスさんとヘリオ。
おしおきをされたというのに、俺の特別とはこれ如何に。
しかし、
「~~~~~!」
ニケさんには効果バツグンだったようだ。
まるでハンカチを食いちぎりそうな勢いで激しく悔しがっている。
(はぁ.....。こいつら、全く反省していないな?)
全く反省する様子を見せない3人に呆れ果てた俺は.....。
このあと3人仲良くおしおきしたことを付け加えておこう。
□□□□ ~初詣part.3~ □□□□
変態バカ、忠誠バカ、規則バカの3バカトリオにおしおきが終わった後は、子供組が楽しみにしていた屋台タイムだ。
特にアテナとモリオンの喜びようは凄まじく、全台制覇しそうな勢いでちょっと怖い。
「歩!歩!あれ買ってー( ´∀` )」
早速アテナが催促してきた。
ここまでそれなりにいい子にしていたので、ご褒美の意味も込めて購入する。
そんな時、
「うまっ!うまっ!これおいしいのだ!」
「は!?」
背後のモリオンから予想外な言葉が飛び出してきた。
どうして驚いたかというと、まだモリオンの分は購入していないからだ。
相当焦った。
ラピスさんとニケさん、ヘリオに確認の意味の視線を投げるも顔を横に振るだけ。.....ま、まさか!?
法治国家である日本で「何かやっちゃいました?」とかは冗談では済まない。
恐る恐る真相を尋ねてみる。
「そ、それは?」
「我のなのだ!」
たこ焼きを美味しそうに頬張りながら、自分のものだと主張してくる。
しかし、そんなことは絶対にあり得ない。
そもそも、アテナとヘカテー様、モリオンには自分専用の財布を渡してはいないのだから.....。
つまり自分でものを買うことができないのだ。
欲しいものがあるのなら、アテナのように俺かラピスさん、ニケさんかヘリオの誰かに頼んでくるしか方法がない。
そもそも、なぜ3人に財布を持たせていないのか.....。
まずアテナは言うに及ばないだろう。
あの駄女神はお金を持たせれば持たせるだけ無駄遣いをするに決まっている。
例え、日本の国家予算並みの金額を持たせたとしても遣いきってしまうほどの浪費家だ。
次にモリオンは単純に心配だから。
アテナほどとは言わないが、空腹を満たす為には浪費の限りを尽くしてしまいそうな気がする。
モリオンの明るい将来の為にも、ここは計画的な貯蓄に励んでもらいたい。
最後にヘカテー様だが、別に持たせてもいい。お利口さんだし。
ただ先程の参拝と同じで、モリオンが持てないなら自分も持たないと言ってきたのだ。
モリオンが羨ましがらないように、との配慮らしい。.....本当にええ子や!
以上の理由から、モリオンがものを購入することなど絶対にできない。
では、このたこ焼きはどうしたのか.....。
血の気が引いていく。
まさか新年早々に事件発生か!?
「.....お金はどうした?モリオンはお金を持ってはいないだろ?」
まだまだ世間知らずなところがあるモリオンではあるが、それでもいい子に教育してきたつもりだ。
そんな無垢なモリオンの口から「貰ってきたのだ!」なんて言葉は聞きたくない。
瓦解していきそうな意識を辛うじてとりとめつつ、モリオンからの返事を待つ。
心が張り裂けそうなほど苦しい。信じたい気持ちと有り得ない状況に頭が混乱しそうだ。
そして、モリオンから返ってきた言葉は意外なものだった。
「お金ならあるのだ!」
「.....へ?」
再度ラピスさんとニケさん、ヘリオに確認の意味の視線を投げるも顔を横に振られてしまった。
と言うよりも、3人とも困惑気だ。
どういうことだろう、と頭に?が浮かび上がっている。
(えっと.....?貰ったのはたこ焼きではなくお金だった、ということか?それでたこ焼きを購入した?
それとも俺には内緒でバイトをしていた?.....学生なのに?今時のJ○はバイトできるの!?)
事情がよくわからないので、再び尋ねてみる。
「.....そ、そのお金はどうしたんだ?」
「お姉ちゃんに貰ったのだ!」
「.....ほう。お姉ちゃんか.....」
ちなみに、ここで言うお姉ちゃんとはヘカテー様ではない。
モリオンからしてみれば、ラピスさんもニケさんもヘリオもヘカテー様もみんなお姉ちゃんになる。
そして、当然の如くこいつもお姉ちゃんとなる。
「.....おい。くそ駄女神。どういうことか説明しろ」
「r(・ω・`;)」
殺意の籠った言葉にビクッと体を震わす駄女神ことアテナ。
俺の穢れ無き天使ことモリオンに悪影響を与えた罪は大きい。
「し、しらな.....」
「正直に白状しろ?じゃないと.....、お義兄さんに頼んで、お前を神界に叩き帰してもらうぞ?」
「ひぃぃぃぃぃ(||゜Д゜)」
アテナはなにを想像したのか、先程よりもブルブルと震えている。
いっそのこと神界に帰ってもらうのもいいのかもしれない。
アテナの腐った性根をお義兄さんに叩き直してもらうのも一つの手だ。
「それで?お金はどうしたんだ?」
「.....お、お年玉だよー」
「.....は?お年玉?」
さて、ここまでなら問題ないのでは?と思われる方も多いだろう。
事実、お年玉なら俺も驚かないし、怒るつもりもない。
それに確かにお年玉は用意していた。子供組に関わらず、大人組にも。
では、なぜ俺が驚いたかというと.....。
「お年玉って.....。まだ渡してはいないよな?なんで持ってるんだ?
.....と言うよりも、どうしてお年玉のある場所がわかったんだ?」
一瞬、近所の人にでも貰ったのだろうか?、との考えが頭をよぎる。
アテナは異世界でもそうだったように、近所の人々にも当然の如く可愛がられているので。
ただ思い返してみれば、この駄女神は朝食の前までぐーすかと寝ていた。
つまりは近所の人に会う機会はなかったということになる。
そうなると、アテナの言うお年玉とは俺が用意したお年玉に他ならない。
「智慧の女神だしー?」
「それは関係ないだろ.....」
仮にそれが本当だったとしても、あまりにもくだらなさすぎる。
栄誉ある智慧の女神(笑)の名折れだ。無駄遣いだ。宝の持ち腐れだ。
「歩とはずっと一緒だったからねー!歩の考えや行動パターンぐらいお見通しだよー( ´∀` )」
「.....つまりなんだ?俺のことなら何でもわかると?」
「とうぜーん!ねぇー、すごいー?さすが正妻ってかんじー?」
なんだろう?このアホ展開。
この駄女神は本当に智慧の女神(笑)なのだろうか。
実はバカの女神なのではないだろうか。
なぜ詰問されている状況で、こうもはっちゃけることができるのか。
更にはドヤ顔で、自身の凄さを主張してくるおまけ付き。
「.....」
「あーははははは( ´∀` )」
沸々と煮えたぎってくる感情を抑えつつ、にっこり爽やかスマイルでアテナに優しく語りかける。
「さすがはアテナだな!」
「でしょー!ぽんぽんしてー!」
「そんなにぽんぽんして欲しいのか?」
「うんー!はーやーくー!」
「.....わかった」
「やったーo(≧∇≦)o」
手に目一杯力を入れる。
そして、その手をアテナの頭に.....
「.....」
「.....へ?」
ではなく、アテナのもちもちぷるぷるな頬へと華麗に添える。
その手触り、肌触りはまさに気持ちいいの一言。
(.....本当、顔と体だけは女神級なんだよなぁ)
「ふえぇ」
「何か言い残すことはあるか?」
既に涙ぐんでいるアテナに武士の情け。
長年連れ添ってきた縁で、辞世の句ぐらいは聞いてやろうと思う。
そして、アテナが綴る最後の言葉が.....!
「ベ.....」
「ベ.....?」
「ベ、ベビーカステラも買ってー」
「その意気や良し!」
そう言うや否や、アテナの赤ちゃんのようなすべすべ肌もとい頬を目一杯つねる。
柔肌ゆえか伸びる、伸びる。
「頭腐ってんじゃねえぞ!このくそ駄女神がっ!
な~にが「さすが正妻ってかんじー?」だ!?図に乗んな!
お前なんかが正妻とかこちらから願い下げだっての!!身の程を知れ!身の程を!!」
「ふえええええ(´;ω;`)ごめんなさーい」
直後、バカの泣き声が境内に響き渡る。
本当にこの駄女神はどうしようもない。
あっ。もちろん、ベビーカステラは買ってあげたけどな!
結局、いつも通りのやり取りなのだが、まさか新年早々にやらされるとは思わなかった。
今年も昨年と同じようにアテナに振り回される1年となりそうだ。.....とほほ。
□□□□ ~一年の計は元旦にあり~ □□□□
帰宅後、アテナ達にお年玉をあげることにした。
「ねぇーねぇー」
「どうした?」
「なんかー、私だけ少なくないー?」
俺が用意したお年玉は、みんな平等に1万円ずつだ。
そもそも子供組であるアテナとヘリオ、ヘカテー様、モリオンにはそれぞれ5000円ずつを用意していた。
しかし、どっかのバカがお年玉をあげる前にくすねてしまったせいで、バカ自身が被害を被るならまだしも、妹であるモリオンが屋台にてお年玉を使ってしまうという悲惨な事件が発生してしまった。
もともと屋台で売ってるものぐらい買ってあげる予定だったので、このままではモリオンだけ可哀想な結果となってしまう。
そこで俺が出した苦肉の策が、みんな平等に1万円をあげるという結末に落ち着いた。
だが、アテナが不満げに見せてきたお年玉は5000円のままだ。
要はアテナだけ金額UPをしていないということになる。
いや、それでは語弊があるかもしれない。
ちゃんとアテナの分も1万円にはしたつもりだ。
「私だけ5000円なんだけどー?コンちゃんとか11000円なのにー(´・ω・`)」
みんなに最終的に渡ったお年玉の金額は以下だ。
ラピスさん、ニケさん、ヘリオ、ヘカテー様 → 11000円。
モリオン → 10000円。
アテナ → 5000円。
「当然だろ?お前のせいでモリオンがお年玉を使っちゃったんだからな」
「だからみんなのお年玉を増やしたんでしょー?なのになんでー(。´・ω・)?」
「平等に分配した結果だ」
つまり、こういうことだ。
1人1万円。6人いるから、お年玉の絶対値は6万円となる。
誰一人例外なく、これ以上にもこれ以下にもならないようにしている。
だが、ここで問題となるのは既にモリオンが1000円を使ってしまっているという事実だ。
結果としてモリオンの胃袋に収まったとは言え、本来は使われないお金だっただけにこのままでは可哀想だ。補填する必要性があるだろう。
ただ、お年玉の絶対値は6万円。ここは俺も譲れない。正月は色々と入り用だし。
そこで1分ほど考え抜いた末に出した答えは、今回の元凶となったアテナのお年玉からその補填分を回すことだった。
アテナのお年玉 (10000円 → 9000円)
モリオンのお年玉 (9000円 → 10000円)
これで、とりあえず全ての問題が解決となる。
しかし、人間?神様?とは不思議なもので、これで全てが上手くいくものではなかった。
いくら補填分とはいえ、モリオンだけに1000円を追加するのはニケさんやヘリオが許さないのだ。
金額の問題ではない。気分的な問題らしい。
つまり、モリオンだけ特別扱いは我慢ならないということだ。
そうなると、この二人にも1000円を追加する必要性がある。
口説いようだが、お年玉の絶対値は6万円。ここは譲らない。
結局、そのお鉢はアテナのお年玉から回ることとなった。
アテナのお年玉 (9000円 → 7000円)
ヘリオのお年玉 (10000円 → 11000円)
ニケさんのお年玉 (10000円 → 11000円)
さて、ここまで説明すればなんとなく察することができる人もいるだろう。
そう、このままでは明らかに不平等だ。
アテナが?.....いや、違う。
アテナは自業自得だからどうでもいい。
不平等なのは、文句も言わず素直に現状を受け入れているラピスさんにヘカテー様だ。
ヘリオとニケさんの金額をUPしたのなら、この二人の金額もUPするのが自然の摂理だろう。
だから.....。
アテナのお年玉 (7000円 → 5000円)
ラピスさんのお年玉 (10000円 → 11000円)
ヘカテー様のお年玉 (10000円 → 11000円)
と、こうなった訳だ。
「えー(´・ω・`)」
「えー(´・ω・`)じゃねぇ。少しは反省しろ」
「ぶー(´-ε -`)」
俺の説明にぶー垂れるアテナ。
自業自得とは言え、さすがに少し可哀想な気がしてきた。
「.....はぁ。欲しいものがあるなら俺に言え。買ってやるから」
「にへへー(*´∀`*)ありがとー!」
結局、アテナを甘やかしてしまう。
これが悪いと自覚はあるのだが.....。それでも、アテナがかわいいから仕方がない。
「アユムさんはアテナさんに甘すぎですよ?羨ましいですっ!」
「歩様、アテナ様を甘やかされては困ります。もっと私だけを見てくださいっ!」
「主。姉さまを甘やかすなと何度も言うておるであろう?もっと妾に構うのじゃ!」
「歩君はアーちゃんに甘々だよねー☆いいなー!いいなー!」
「お姉ちゃんはすごいのだ!我も頑張るのだ!」
うっ.....。
女性陣からの大ブーイング。
いや、若干数名はブーイングではないが.....。
(自覚はあるので勘弁してください!)
こうして、俺とアテナの新しい年が始まることとなった。
なんだかんだ言って、アテナに振り回される人生も悪くはないもんだ。
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1年の計は元旦にあり。
皆さんもアテナのような突発的な行動はせず、計画的かつ堅実な1年を送りましょう。
この1年が皆様にとって良き1年でありますように!
(『歩くだけ』主人公) 毎日 歩
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後書き
次回、本編『ありのままのあなたを』!
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これにて特別編お正月ver.が終了となります。
次話より本編となりますが、以前告知した通り5章は短めとなっております。
実はあと数話で終わる予定です。
そして、お馴染みのx.5章に入り、その後は長編の6章に突入予定となります。
お楽しみに!
新年らしく初詣にやってきた!
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□□□□ ~初詣part.2~ □□□□
全員の参拝が終わったのち、場所を移して地蔵前にやってきた。
このとある有名な厄除け大師には、俗に言う『お掃除地蔵』なるものがある。
日本人にはこの『お掃除地蔵』はお馴染みと言えるものではあるが、当然のことながら異世界組はこの地蔵の存在をを知らない訳で.....。
「のぅ、主。皆は何故あの石像を磨いておるのじゃ?」
ヘリオは、どうやら参拝者が地蔵をたわしでゴシゴシと洗っている光景に興味を引かれたようだ。
色々なことに興味を持つことはいいことだ。
ヘリオの数多くある長所の一つだと言える。
───ぽふっ。ぽんぽん
「な、なんじゃ!?」
「えらいぞ、ヘリオ。さすがだ」
「.....?よ、よくわからぬが、誉められて悪い気はせんの!」
頭をぽんぽんされたドールは、尻尾を嬉しそうにたなびかせながら両手を口にあてる仕草で微笑んだ。かわいい。
尻尾をもふもふしながら誉めるのもいいが、男性恐怖症も俺に限っては克服済みなので、気軽に頭をポンポンできるのは嬉しい。
「それで?あれはなんなのじゃ?どういうご利益があるのじゃ?」
「確か.....。洗うことで、丈夫な子、元気な子、まめな子に.....」
と、そこまで言い掛けた瞬間、
「洗いましょう!ドールさん!」
「当然なのじゃ!洗って、洗って、洗い尽くすのじゃ!」
ラピスさんとヘリオの二人が鼻息荒く真顔になって飛んでいってしまった。
そして、端から見たら恥ずかしいぐらい必死の形相で『お掃除地蔵』を洗いまくっている。
参拝に来ている周りの親子がドン引いていることなどお構い無く.....。
「.....」
当然、俺もドン引きだ。
あの二人は完全に誤解していると思う。
お掃除地蔵を洗うことで『丈夫な子、元気な子、まめな子に育つ』と言われている。
丈夫な子、元気な子、まめな子が産まれてくる訳ではない。
(気持ちはわかるが必死すぎ!)
もはやラピスさんとヘリオの独壇場となってしまった『お掃除地蔵』。
これ以上は他の参拝者や厄除け大師の迷惑となる。早々に二人の誤解を解かないといけないだろう。
覚悟を決めて、必死に子を願う二人の元へと歩みかけたその時、
「ラズリ!ドール!そこをどきなさい!
たわしなんかでは生ぬるいです!私の水魔法で一気に洗浄します!!」
「「!!」」
「はぁ!?ま、魔法!?」
まさかのニケさん参戦!
しかも、現代日本で魔法をぶっ放すつもりらしい。
もはや大惨事どころの問題ではない。
これはなんとしてでも止めないとっ!
「ニケさん!日本で魔法はヤバいですって!」
「ニケさん!やめてください!!」
「ニケ様!やめるのじゃ!!」
地蔵を洗うことに夢中になっていた二人も、どうやら事の重大性は理解しているようだ。
俺と一緒にニケさんの行動を止めようと必死になっている。
なんだかんだ言っても頼れる二人だ。
ここにきて心強い味方ができてちょっと嬉しい。
そう思っていたのだが.....。
「ニケさん!ズルいですよ!機会は平等であるべきです!!」
「ニケ様!ズルいのじゃ!正々堂々勝負するのじゃ!!」
「お前ら、何言ってんの!?」
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
結局ニケさんを止められる者などはいなく、このあと境内が大惨事になったことは言うまでもないだろう。
そして、数万人の人々が目の当たりにした奇跡は、ヘカテー様の協力のもと人々の記憶からきれいに消去してもらうこととなった。
「お前ら!いい加減にしろよ!」
「ふぐーーーーー!ご、ごめんなさい!」
「ふぬぬーーーーー!ご、ごめんなのじゃ!」
頬をつねられたラピスさんとヘリオが喘ぐ。
どちらも美しく滑らかな柔肌が赤くなるまで力一杯つねった。
端から見れば、俺が暴力を奮っているように思われるかもしれないが、力を失った今となってはそれぐらいの力を出さないとそもそもおしおきすらままならないのが現状だ。
何はともあれ、二人には大いに反省してもらいたいものだ。
そして、元凶であるニケさんには、
「ささっ!どうぞっ!おもいっきりやってください!」
「.....」
「遠慮なさらずにさあっ!」
「.....ニケさんは無し!」
何もしないことに決めた。
決して、ニケさんだけを贔屓している訳でも、甘やかしている訳でもない。
なんかおしおきを期待しているようなので、敢えて『罰を与えないという罰』だ。
「えええええ!?」
驚き慌て、おしおきされないことにしょんぼりするニケさん。
ニケさんは『俺にしてもらえることなら何でも嬉しく感じる』という特殊な感性の持ちだ。
別にMという訳ではないようで、必ず『俺に』、『俺が』という枕言葉が条件となっている。
だから何もしてあげないことが一番のおしおきとなるという訳だ。
俺に何かして欲しいなら、大いに反省してもらいたいものだ。
だが、
「ふふふふふっ。やはり私はアユムさんの特別みたいですね!」
「くふふふふっ。やはり妾は主の特別という訳なのじゃな!」
赤く腫れ上がった頬をさすりながら、勝ち誇ったようなドヤ顔をニケさんに見せ付けるラピスさんとヘリオ。
おしおきをされたというのに、俺の特別とはこれ如何に。
しかし、
「~~~~~!」
ニケさんには効果バツグンだったようだ。
まるでハンカチを食いちぎりそうな勢いで激しく悔しがっている。
(はぁ.....。こいつら、全く反省していないな?)
全く反省する様子を見せない3人に呆れ果てた俺は.....。
このあと3人仲良くおしおきしたことを付け加えておこう。
□□□□ ~初詣part.3~ □□□□
変態バカ、忠誠バカ、規則バカの3バカトリオにおしおきが終わった後は、子供組が楽しみにしていた屋台タイムだ。
特にアテナとモリオンの喜びようは凄まじく、全台制覇しそうな勢いでちょっと怖い。
「歩!歩!あれ買ってー( ´∀` )」
早速アテナが催促してきた。
ここまでそれなりにいい子にしていたので、ご褒美の意味も込めて購入する。
そんな時、
「うまっ!うまっ!これおいしいのだ!」
「は!?」
背後のモリオンから予想外な言葉が飛び出してきた。
どうして驚いたかというと、まだモリオンの分は購入していないからだ。
相当焦った。
ラピスさんとニケさん、ヘリオに確認の意味の視線を投げるも顔を横に振るだけ。.....ま、まさか!?
法治国家である日本で「何かやっちゃいました?」とかは冗談では済まない。
恐る恐る真相を尋ねてみる。
「そ、それは?」
「我のなのだ!」
たこ焼きを美味しそうに頬張りながら、自分のものだと主張してくる。
しかし、そんなことは絶対にあり得ない。
そもそも、アテナとヘカテー様、モリオンには自分専用の財布を渡してはいないのだから.....。
つまり自分でものを買うことができないのだ。
欲しいものがあるのなら、アテナのように俺かラピスさん、ニケさんかヘリオの誰かに頼んでくるしか方法がない。
そもそも、なぜ3人に財布を持たせていないのか.....。
まずアテナは言うに及ばないだろう。
あの駄女神はお金を持たせれば持たせるだけ無駄遣いをするに決まっている。
例え、日本の国家予算並みの金額を持たせたとしても遣いきってしまうほどの浪費家だ。
次にモリオンは単純に心配だから。
アテナほどとは言わないが、空腹を満たす為には浪費の限りを尽くしてしまいそうな気がする。
モリオンの明るい将来の為にも、ここは計画的な貯蓄に励んでもらいたい。
最後にヘカテー様だが、別に持たせてもいい。お利口さんだし。
ただ先程の参拝と同じで、モリオンが持てないなら自分も持たないと言ってきたのだ。
モリオンが羨ましがらないように、との配慮らしい。.....本当にええ子や!
以上の理由から、モリオンがものを購入することなど絶対にできない。
では、このたこ焼きはどうしたのか.....。
血の気が引いていく。
まさか新年早々に事件発生か!?
「.....お金はどうした?モリオンはお金を持ってはいないだろ?」
まだまだ世間知らずなところがあるモリオンではあるが、それでもいい子に教育してきたつもりだ。
そんな無垢なモリオンの口から「貰ってきたのだ!」なんて言葉は聞きたくない。
瓦解していきそうな意識を辛うじてとりとめつつ、モリオンからの返事を待つ。
心が張り裂けそうなほど苦しい。信じたい気持ちと有り得ない状況に頭が混乱しそうだ。
そして、モリオンから返ってきた言葉は意外なものだった。
「お金ならあるのだ!」
「.....へ?」
再度ラピスさんとニケさん、ヘリオに確認の意味の視線を投げるも顔を横に振られてしまった。
と言うよりも、3人とも困惑気だ。
どういうことだろう、と頭に?が浮かび上がっている。
(えっと.....?貰ったのはたこ焼きではなくお金だった、ということか?それでたこ焼きを購入した?
それとも俺には内緒でバイトをしていた?.....学生なのに?今時のJ○はバイトできるの!?)
事情がよくわからないので、再び尋ねてみる。
「.....そ、そのお金はどうしたんだ?」
「お姉ちゃんに貰ったのだ!」
「.....ほう。お姉ちゃんか.....」
ちなみに、ここで言うお姉ちゃんとはヘカテー様ではない。
モリオンからしてみれば、ラピスさんもニケさんもヘリオもヘカテー様もみんなお姉ちゃんになる。
そして、当然の如くこいつもお姉ちゃんとなる。
「.....おい。くそ駄女神。どういうことか説明しろ」
「r(・ω・`;)」
殺意の籠った言葉にビクッと体を震わす駄女神ことアテナ。
俺の穢れ無き天使ことモリオンに悪影響を与えた罪は大きい。
「し、しらな.....」
「正直に白状しろ?じゃないと.....、お義兄さんに頼んで、お前を神界に叩き帰してもらうぞ?」
「ひぃぃぃぃぃ(||゜Д゜)」
アテナはなにを想像したのか、先程よりもブルブルと震えている。
いっそのこと神界に帰ってもらうのもいいのかもしれない。
アテナの腐った性根をお義兄さんに叩き直してもらうのも一つの手だ。
「それで?お金はどうしたんだ?」
「.....お、お年玉だよー」
「.....は?お年玉?」
さて、ここまでなら問題ないのでは?と思われる方も多いだろう。
事実、お年玉なら俺も驚かないし、怒るつもりもない。
それに確かにお年玉は用意していた。子供組に関わらず、大人組にも。
では、なぜ俺が驚いたかというと.....。
「お年玉って.....。まだ渡してはいないよな?なんで持ってるんだ?
.....と言うよりも、どうしてお年玉のある場所がわかったんだ?」
一瞬、近所の人にでも貰ったのだろうか?、との考えが頭をよぎる。
アテナは異世界でもそうだったように、近所の人々にも当然の如く可愛がられているので。
ただ思い返してみれば、この駄女神は朝食の前までぐーすかと寝ていた。
つまりは近所の人に会う機会はなかったということになる。
そうなると、アテナの言うお年玉とは俺が用意したお年玉に他ならない。
「智慧の女神だしー?」
「それは関係ないだろ.....」
仮にそれが本当だったとしても、あまりにもくだらなさすぎる。
栄誉ある智慧の女神(笑)の名折れだ。無駄遣いだ。宝の持ち腐れだ。
「歩とはずっと一緒だったからねー!歩の考えや行動パターンぐらいお見通しだよー( ´∀` )」
「.....つまりなんだ?俺のことなら何でもわかると?」
「とうぜーん!ねぇー、すごいー?さすが正妻ってかんじー?」
なんだろう?このアホ展開。
この駄女神は本当に智慧の女神(笑)なのだろうか。
実はバカの女神なのではないだろうか。
なぜ詰問されている状況で、こうもはっちゃけることができるのか。
更にはドヤ顔で、自身の凄さを主張してくるおまけ付き。
「.....」
「あーははははは( ´∀` )」
沸々と煮えたぎってくる感情を抑えつつ、にっこり爽やかスマイルでアテナに優しく語りかける。
「さすがはアテナだな!」
「でしょー!ぽんぽんしてー!」
「そんなにぽんぽんして欲しいのか?」
「うんー!はーやーくー!」
「.....わかった」
「やったーo(≧∇≦)o」
手に目一杯力を入れる。
そして、その手をアテナの頭に.....
「.....」
「.....へ?」
ではなく、アテナのもちもちぷるぷるな頬へと華麗に添える。
その手触り、肌触りはまさに気持ちいいの一言。
(.....本当、顔と体だけは女神級なんだよなぁ)
「ふえぇ」
「何か言い残すことはあるか?」
既に涙ぐんでいるアテナに武士の情け。
長年連れ添ってきた縁で、辞世の句ぐらいは聞いてやろうと思う。
そして、アテナが綴る最後の言葉が.....!
「ベ.....」
「ベ.....?」
「ベ、ベビーカステラも買ってー」
「その意気や良し!」
そう言うや否や、アテナの赤ちゃんのようなすべすべ肌もとい頬を目一杯つねる。
柔肌ゆえか伸びる、伸びる。
「頭腐ってんじゃねえぞ!このくそ駄女神がっ!
な~にが「さすが正妻ってかんじー?」だ!?図に乗んな!
お前なんかが正妻とかこちらから願い下げだっての!!身の程を知れ!身の程を!!」
「ふえええええ(´;ω;`)ごめんなさーい」
直後、バカの泣き声が境内に響き渡る。
本当にこの駄女神はどうしようもない。
あっ。もちろん、ベビーカステラは買ってあげたけどな!
結局、いつも通りのやり取りなのだが、まさか新年早々にやらされるとは思わなかった。
今年も昨年と同じようにアテナに振り回される1年となりそうだ。.....とほほ。
□□□□ ~一年の計は元旦にあり~ □□□□
帰宅後、アテナ達にお年玉をあげることにした。
「ねぇーねぇー」
「どうした?」
「なんかー、私だけ少なくないー?」
俺が用意したお年玉は、みんな平等に1万円ずつだ。
そもそも子供組であるアテナとヘリオ、ヘカテー様、モリオンにはそれぞれ5000円ずつを用意していた。
しかし、どっかのバカがお年玉をあげる前にくすねてしまったせいで、バカ自身が被害を被るならまだしも、妹であるモリオンが屋台にてお年玉を使ってしまうという悲惨な事件が発生してしまった。
もともと屋台で売ってるものぐらい買ってあげる予定だったので、このままではモリオンだけ可哀想な結果となってしまう。
そこで俺が出した苦肉の策が、みんな平等に1万円をあげるという結末に落ち着いた。
だが、アテナが不満げに見せてきたお年玉は5000円のままだ。
要はアテナだけ金額UPをしていないということになる。
いや、それでは語弊があるかもしれない。
ちゃんとアテナの分も1万円にはしたつもりだ。
「私だけ5000円なんだけどー?コンちゃんとか11000円なのにー(´・ω・`)」
みんなに最終的に渡ったお年玉の金額は以下だ。
ラピスさん、ニケさん、ヘリオ、ヘカテー様 → 11000円。
モリオン → 10000円。
アテナ → 5000円。
「当然だろ?お前のせいでモリオンがお年玉を使っちゃったんだからな」
「だからみんなのお年玉を増やしたんでしょー?なのになんでー(。´・ω・)?」
「平等に分配した結果だ」
つまり、こういうことだ。
1人1万円。6人いるから、お年玉の絶対値は6万円となる。
誰一人例外なく、これ以上にもこれ以下にもならないようにしている。
だが、ここで問題となるのは既にモリオンが1000円を使ってしまっているという事実だ。
結果としてモリオンの胃袋に収まったとは言え、本来は使われないお金だっただけにこのままでは可哀想だ。補填する必要性があるだろう。
ただ、お年玉の絶対値は6万円。ここは俺も譲れない。正月は色々と入り用だし。
そこで1分ほど考え抜いた末に出した答えは、今回の元凶となったアテナのお年玉からその補填分を回すことだった。
アテナのお年玉 (10000円 → 9000円)
モリオンのお年玉 (9000円 → 10000円)
これで、とりあえず全ての問題が解決となる。
しかし、人間?神様?とは不思議なもので、これで全てが上手くいくものではなかった。
いくら補填分とはいえ、モリオンだけに1000円を追加するのはニケさんやヘリオが許さないのだ。
金額の問題ではない。気分的な問題らしい。
つまり、モリオンだけ特別扱いは我慢ならないということだ。
そうなると、この二人にも1000円を追加する必要性がある。
口説いようだが、お年玉の絶対値は6万円。ここは譲らない。
結局、そのお鉢はアテナのお年玉から回ることとなった。
アテナのお年玉 (9000円 → 7000円)
ヘリオのお年玉 (10000円 → 11000円)
ニケさんのお年玉 (10000円 → 11000円)
さて、ここまで説明すればなんとなく察することができる人もいるだろう。
そう、このままでは明らかに不平等だ。
アテナが?.....いや、違う。
アテナは自業自得だからどうでもいい。
不平等なのは、文句も言わず素直に現状を受け入れているラピスさんにヘカテー様だ。
ヘリオとニケさんの金額をUPしたのなら、この二人の金額もUPするのが自然の摂理だろう。
だから.....。
アテナのお年玉 (7000円 → 5000円)
ラピスさんのお年玉 (10000円 → 11000円)
ヘカテー様のお年玉 (10000円 → 11000円)
と、こうなった訳だ。
「えー(´・ω・`)」
「えー(´・ω・`)じゃねぇ。少しは反省しろ」
「ぶー(´-ε -`)」
俺の説明にぶー垂れるアテナ。
自業自得とは言え、さすがに少し可哀想な気がしてきた。
「.....はぁ。欲しいものがあるなら俺に言え。買ってやるから」
「にへへー(*´∀`*)ありがとー!」
結局、アテナを甘やかしてしまう。
これが悪いと自覚はあるのだが.....。それでも、アテナがかわいいから仕方がない。
「アユムさんはアテナさんに甘すぎですよ?羨ましいですっ!」
「歩様、アテナ様を甘やかされては困ります。もっと私だけを見てくださいっ!」
「主。姉さまを甘やかすなと何度も言うておるであろう?もっと妾に構うのじゃ!」
「歩君はアーちゃんに甘々だよねー☆いいなー!いいなー!」
「お姉ちゃんはすごいのだ!我も頑張るのだ!」
うっ.....。
女性陣からの大ブーイング。
いや、若干数名はブーイングではないが.....。
(自覚はあるので勘弁してください!)
こうして、俺とアテナの新しい年が始まることとなった。
なんだかんだ言って、アテナに振り回される人生も悪くはないもんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1年の計は元旦にあり。
皆さんもアテナのような突発的な行動はせず、計画的かつ堅実な1年を送りましょう。
この1年が皆様にとって良き1年でありますように!
(『歩くだけ』主人公) 毎日 歩
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き
次回、本編『ありのままのあなたを』!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これにて特別編お正月ver.が終了となります。
次話より本編となりますが、以前告知した通り5章は短めとなっております。
実はあと数話で終わる予定です。
そして、お馴染みのx.5章に入り、その後は長編の6章に突入予定となります。
お楽しみに!
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