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第4.5章 星空咲音

第120歩目 はじめてのキラキラ!

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前回までのあらすじ

なんかいっぱい気絶させられた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

□□□□ ~オヤジ狩り!?~ □□□□

───ずるっずるっ

暗い。
とても暗い。

───ずるっずるっ

痛い。
所々痛い。

───ずるっずるっ
───ゴンッ

いたっ!?
何かにぶつかった!?

───ずるっずるっ

再び動き始めた。
何かに引きずられている?

───ずるっずるっ

少しずつ少しずつ意識が戻りつつある中、現在の状況が多少なりともわかってきた。
恐らくはドールに引きずられる形で、トキオさんのダンジョンに向かっている帰宅している最中なのだろう。

───ずるっずるっ
───ガンッ

へぶっ!?

───ずるっずるっ
───ゴンッ

あいたっ!?

(ちょっ!?ドールさん!?
 運んで貰っている身として申し訳ないのだが、もう少し丁寧に運んでもらえませんかね!?)

昨日同様、ドールにお世話になっている身なのであまり大きなことは言えないが、それでも主人に対する扱いが雑すぎると思う。
とは言っても、華奢な少女がそこそこ大柄な男を運ぶのだから仕方がないのだろう。

そう思うのだが.....

───ずるっずるっ
───ガンッ

おごっ!?

───ずるっずるっ
───ゴンッ

ぺげっ!?

(本当、もうちょっと気遣って!?)

運ばれている身でわがままなのは承知の上だが、覚醒までにはもうちょっと時間がかかる。

サキたそに、いや、キララたそ?にものの見事な一発をもらった俺は、それこそアニメとかで見るような首トンッをされたみたくきれいに気絶してしまった。
初日も二日目も同様に気絶させられたのだが、その日に目覚めることはなかった。

しかし、今は意識を取り戻しつつある。
これはもしかしたら、きれいに気絶させられたのが原因なのかもしれない。

とは言っても、気絶させられていることには変わりないのだが.....。

(とりあえず、意識が戻ったらいっぱいブラッシングしてあげよう)

そう考えていたら、急に眩しく.....。
どうやらダンジョンに着いたようだ。ドール、ありがとう。

さて、俺もそろそろ目覚める時か。

───ドサッ

ぷげらっ!?

如何にも物を乱雑に投げ捨てたかのような、そんなとても悲しい感覚が.....。

(・・・)

これはさすがに酷いと思う。
いくら運ぶのが大変だったからとは言え、普通、主人を物のように投げ捨てるだろうか。少しは心配してくれても.....。

ちょっと悲しみに暮れながら、目覚めてみると.....

「.....?」

全く見覚えのない部屋だった。
まず、間違いなくトキオさんのダンジョンではないのは確かだ。

それにここは.....。

なにかの一室なのは間違いないが、あまりにも殺風景と言うか、単純にシンプルな部屋。
誰かの部屋というよりかは、控え室や待合室といったほうがしっくりくるような印象を受ける。

そんな謎の一室の中、

「ぉっさんさー、重ぇつっのー。ここまで運んでやった代金、後で払ってくんね?」
「・・・」

俺の目の前で、椅子にふんぞり反って偉そうに座っているサキたそ。

更には、

「お姉様!なんなんです?このゴミはっ!」
「お姉様に触れるなんて、なんて畏れ多いんでしょう!身を弁えなさい!ゴミッ!」
「あぁ.....汚ならしい!これだから男はっ!本当っ、社会のゴミですよね!男なんて!」

俺が目覚めるやいなや、痛烈な罵声を浴びせてくる3人の少女達。
よく見ると、一人はビラ配りの子だ。

「・・・」

置かれている状況がいまいち理解できない。
ただ.....。困惑こそしているものの、一つだけハッキリとわかったことがある。

どうやら俺はドールに運ばれていた訳ではなくて、サキたそに運ばれていたようだ。
だから、あんなに雑な扱いだったのだろう。ドールじゃなくて、ホッと一安心。

いや、ホッとしている場合ではなかった。
この状況に、なぜ?どうして?の疑問は尽きない。

ただ、それよりも.....

「「「「・・・」」」」

俺を見つめるお世辞にも好意的とは言えない、4つの視線。

気まずい。
と言うか、居心地が悪い。

この後、俺はどうなるのだろう.....。


(もしかして!?これがかの有名なオヤジ狩りってやつか!?)


事態に戦々恐々としながらも、俺は再度サキたそと相まみえることになった。


□□□□ ~満喫!異世界生活~ □□□□

4人の少女に見つめられる中、目覚めた俺はこの状況について訊ねてみることにした。
一応、オヤジ狩りの可能性もあるので、身の安全を確保しつつ.....。

いや、その前に、

「あ、あの、俺の連れがいたはずなんだが.....」

周りを見渡すと、アテナとドールの姿が見えない。
サキたそも勇者である以上、二人に命の危険性はないだろうが、それでも心配になる。

「ぉっさんの連れなんて知らなぃし。てか、連れとかどうせキモ豚っしょ?まだ会場にぃんじゃね?」
「えぇ.....」

サキたその偏見が酷すぎる。
確かにアイドルライヴに、俺みたいなドルヲタ予備軍の男が連れと一緒に来ているとなれば、その連れも同志諸君だと思われても仕方がない。

仕方がないのだが.....

(実際は違うんだよなぁ.....。心配しているだろうし、早く戻らないと)

もしかしたら二人は、大勢の同志が集まる会場の中をひたすら必死に俺を探し回っている可能性がある。
なんだかんだ言って頼られているからきっとそうだろう。.....だといいなぁ。

二人が心配なので、早速連れてこられた用件を訊ねてみる。

「.....ぉっさんは、日本でもサキのファンだったわけ?」
「いや、全く。と言うか、日本でも、ってことは.....本当にアイドルなの!?」

驚いた。

ただ、アイドルという割には全く見覚えがない。
少なくとも全国区レベルのアイドルではないだろう。となると.....地下ドル的なやつだろうか。

いや、サキたそが本当のアイドルだったということにも驚いたが、それよりも.....

───ドカッ!
───ドカッ!
───ドカッ!

「無礼者!お姉様がアイドルというのはもはや誰もが知っていることです!」
「あなたのようなキモ豚が、お姉様と軽々しく話して良いわけがないでしょう!口を閉じなさい!」
「男というだけで存在が穢らわしいのに、あまつさえお姉様を侮辱するとは.....。死んで罪を償いなさい!」

この場に居合わせている謎の少女達のサキたそ崇拝ぶりが痛すぎる。

別に、俺を足蹴にする行為はどうでもいい。
全く痛くはないのだから。ただ体は痛くはないのだが、妙に心は痛む.....。

しかし、その崇拝ぶりも、

「ぁんたら、ぅっさぃ」
「「「はい!お姉様♡」」」

今のやり取りで全てを理解してしまった。

(あっ.....。そういうことなのね。いや、俺は別に否定はしないけどさ?)

愛の形は十人十色。
他人がとやかく言う問題ではない。仲良くやってください!

・・・。

サキたそと話を進める。

「はぁ.....。サキのファンじゃなぃってことは見ぇてるわけ?」
「見える.....?ステータスのことなら確かに見えているけど?一応、レベル3持ちだし.....」
「レベル3.....。マジ最悪↓」
「.....?」

どういうことだろう。

ステータスを見られるのが嫌だったのだろうか。
いや、それなら「鑑定しろ、バカ」とは言われないはず。

と、その前に、

───ドカッ!
───ドカッ!
───ドカッ!

「最悪なんですよ!キモ豚!」
「ハゲ豚!土下座しろ!お姉様に謝罪しろ!」
「男は滅びろ!今すぐ滅びろ!さぁ、早く!」

この少女達、うるさい!
しかも、1名はなんか過激なことを言っているし.....。

(そもそもこの少女達はなんなんだ?当たり前のようにこの場に居合わせているし)

「ぁんたら、ぅっさぃ」
「「「はい!お姉様♡」」」

はい!お姉様♡
じゃなくて、少しは反省しろ!

「.....この子達はなに?」
「サキの奴隷。ァィドル活動の手伝ぃをさせる為に買ってぁげたわけ。かわぃぃっしょ↑」
「.....そ、そうだな」
「手ぇ出したら、マジフルボッコだから」

それ以前に、手を出せないような気がする。
この女の子達のサキたそ崇拝ぶりでは.....。

とりあえず、サキたそご自慢の奴隷の子達を眺めてみる。

一人はビラ配りの子で、人間族の女の子。
見た目は腐女子.....じゃなくて、高校生ぐらい。仮に、ひと子ちゃんと名付けよう。

「あなた.....。よく見るとビラ配りの時にいたゴミですね」
「.....」

もう一人は細長い耳が特徴のエルフの女の子。
見た目はムキムキ.....じゃなくて、20代前半ぐらい。仮に、える子ちゃんと名付けよう。

「ジロジロ見ないでくれます?そのスケベそうな目がとても不快です」
「.....」

最後の一人は耳と尻尾がキュートな獣人、犬人族の女の子。
見た目はもふもふ.....じゃなくて、小学生ぐらいに見える。仮に、いぬ子ちゃんと名付けよう。

「男が私を見ないでください!穢らわしい!同じ空気を吸っているというだけでも吐き気がするのに!」
「.....」

眺めているだけなのに、取り付く島もないほどの塩対応。
ゼオライトさんもそうだが、この子達も大概じゃないだろうか。別にいいんだけどさ.....。

それにしても.....、

「結構大切にしているんだな?」

この3人の女の子の出で立ちは極めて清潔そのものだ。

ひと子ちゃんの肌はつやつやだし、える子ちゃんの髪はさらさらだし、いぬ子ちゃんは元気いっぱいそのものだ。
よほど大切にしているのがよくわかる。

「当然っしょ。はサキの好物だし」
「.....」
「なんだよ、ぉっさん。なんか文句ぁるわけ?」
「ナ、ナンデモナイヨ」

(さ、最近の子は凄いな.....。
 普通、そういう性癖っぽいのは隠さないか?それとも、これが今時女子ってやつなのか?)

同年代に、お姉さんに、幼女と、まさに選り取り見取り。
サキたそ自身もアイドル活動をしているようだし、仕事にプライベートと、まさに異世界生活を満喫している真っ最中なのだろう。

(お、俺なんて駄女神のお守りで苦労していると言うのに.....。う、羨ましくなんてないんだからねっ!)


アテナが言っていた通り、どうやらこの世界にきた勇者は本当に異世界生活を満喫しているようだ。


□□□□ ~連れてこられた真相~ □□□□

話が脱線しすぎた。
アテナ達が心配なので、早く話を進める。

「サキの秘密を知ったぉっさんの口封じに決まってんしょ」
「秘密!?口封じ!?」
「ぉっさんの返事次第では容赦しなぃっつーか、ヤっちゃぅ的な?」
「ヤッちゃう!?」

サキたその様子を窺うに、どうやら本気みたいだ。

返事次第ではヤられちゃうらしい。
この場合の『ヤる』は、きっとえっちぃ意味ではなく、現世にお別れ的な意味だろう.....。俺が何をした!?

そもそも、サキたその言う秘密とやらがなんなのかわからない。
俺はただサキたそのステータスを見ただけで、その際に表示されている名前と呼称が違っていたから、その理由を訊ねただけだ。

と、そこまで考えて、ふと気付いた。

(.....もしかして!?サキたその逆鱗に触れたのは『名前』のことか?)

これは確認する必要がある。

「えっと、名前のことか?」
「当然っしょ。せっかく隠してたのに、ぉっさんにゲロられでもしたらたまんなぃっつーの」
「ゲ、ゲロる???」
「そんなことも知らなぃとか草生える↑。ぉっさんちゃんと生きてんの?w」

く、草生える???

何を言っているのか全然わからない。
とりあえず、なんとなくバカにされているということだけはわかった。チョ、チョベリバってやつか!?

「か、隠してたってことは、『サキ』って名前は.....」
「.....まーた呼び捨てだし」

「.....す、すまん。えっと、『サキ』さんってのは芸名じゃないってことか?」
「芸名とかwサキはお笑い芸人じゃないっつーの↑。とりま目立つなら自分の名前以外なぃっしょ」

「そ、そうなのか?じゃあ、『サキ』さんって名前はなんなんだよ?」
「サキの名前」

???

意味が全くわからない。
サキたその本名は『キララ』なはずだ。
だから『サキ』という名は芸名だと思っていたが、そうではないらしい。

「.....?サキさんの名前は『キララ』なん.....」
「呼び捨て」

「ひっ!.....ごほんっ。サキさんの名前は『キララ』さんじゃないのか?」
「ちげーし。サキの名前は『サキネ』だし」

「???.....いや、でもステータス上では『キララ』さんになってるぞ?」
「『サキネ』だっつってんだろ!ぅざぃんだよ、ぉっさん!」

サキたそが何を言っているのかが全くわからない。

鑑定結果では間違いなく『キララ』となっている。
本名は間違いなく『キララ』に相違ないだろう。なのに、サキたそはそれを否定してくる。
これだとまるで.....、サキたそが鹿のことを馬だと無理矢理言い張っているようにしか思えない。

(う~ん?どういうことだろう?
 鑑定結果は『キララ』なんだよなぁ.....。なのに『サキネ』?
 あっ!でも、本名は隠してたんだっけか?なんでまた本名を隠すなんてこと.....)

と、思ったところである考えが浮かんだ。

「もしかして.....。キラキラネームか?」
「.....」

無言ということは肯定なのだろう。
なるほど。これでようやく全てに合点がいった。

なにかで聞いたことがある。
キラキラネームを付けられた子供は、それを恥ずかしがって本名を隠す傾向があると。
そして、友達とかの前では自然な感じの名前を名乗るだという。当然、教育機関なら先生の協力も得てだが.....。

(だから『咲音』で『サキネ』か.....)

『キララ』という名前は確かにかわいいが、かわいいと思ってもらえるのはいいとこ中学校ぐらいまでだろう。
いや、下手したら小学校高学年辺りからバカにされる可能性すらあり得る。ましてや、高校、更に社会では.....。

そして、女の子のイジメは陰湿だと聞いたこともある。
表面上は仲良くする癖に、裏ではネチネチと陰口や嫌がらせを平気でするんだとか。(テレビ談)

もしかしたら、目の前のキララもそういう経験があるのかもしれない。

だからこそ心機一転のつもりで、この異世界では本名を隠してアイドル活動をしていたのもかもしれない。
日本人のファン以外は『キララ』という本名を知る術もないだろうから安心して。

しかし、そこに本名を知ることができる人間が現れたとしたら.....。

それはもう意地でも隠し通そうとするに違いない。
レベル3スキル、とりわけ鑑定レベル3持ちが少ないこの世界では尚更だ。

ちなみに、同じ勇者であるトキオさんは初期状態の鑑定レベル1だ。
あの人は相手のレベルさえ確認できれば十分らしい。トキオさんの加護ならさもありなん。

(それにしても、キラキラネームか.....)

『親の心、子知らず』なんて言葉もあるが、その逆も然りで『子の心、親知らず』って言葉もある。
キラキラネームはまさにそれだと思う。親からしてみれば真剣に考えた結果なのだろうが.....。

「子供は親を選べないもんなぁ.....」
「それなw」

まだ高校生の子に、なんだか凄く共感されてしまった。
背負ってる業が深すぎる.....。

「.....ちなみに名前の由来を聞いても?」

これで、せめて名前の由来だけでもまともな理由だったらいいのだが.....

「サキのママが『きらバリ☆』の大ファンで、その主人公の名前からあやかったとか」
「HAHAHA.....」

まぁ、予想の範囲内すぎて、渇いた笑いしかでない。
キラキラネームをつける大概の理由が、こういったしょうもない理由だったりする。

『きらりんバリエーション☆』、通称『きらバリ☆』は、俺がまだ子供の頃に大流行した少女向け漫画だ。
漫画やアニメ、ゲームなどで一世を風靡し、ヒーローものなら『プロキュア』、アイドルものなら『きらバリ☆』とシリーズをちょいちょい変えてはいまだに根強い人気を、というよりも、少女達の心を鷲掴んで離さないれっきとした文化となっている。

「確か、きらバリ☆の主人公というと.....、『星空きらら』だったか?
 てか、まんまじゃねえか!?あやかったとかいうレベルじゃないぞ!?」

俺が驚くと同時に、キララもどうやら驚いているようだ。
いや、驚くというよりかは.....。

「マ!?ぉっさん、なんでそんなこと知ってんの!?.....そぅぃぅ趣味なわけ?マジきもぃんだけどー↓」

思いっきり引かれていた。

「ちょっ!?誤解だ!決してそういう趣味はない!」
「これって『大きなお友達』ってやつっしょ?マジ引くわー↓
 ほら、ぁんたこっちぉぃで。そこのぉっさんマジヤバぃから」
「はい!お姉様♡」

急いで否定したのに、キララだけではなく、いぬ子ちゃんにまで警戒される始末。
二人の俺を見る視線は実に冷ややかだ。俺がそういう性癖持ちだったら、きっと目覚めていたことだろう。

「俺の姪っこが、今まさに『きらバリ☆』に夢中なだけだ!決して他意はない!」
「そんなん犯罪者のぃぃわけと一緒じゃね?犯罪者もやってなぃって言ぅっしょ」

「犯罪者と一緒にすんな!アニメや漫画は日本が世界に誇るべき立派な文化なんだぞ!?
 むしろそれ以外に日本はなにが自慢できるんだ?って言いたいぐらいだわ!」
「ぉっさん、マジ卍」

「ま、卍???そ、それに大人が少女漫画を読んでも別にいいだろ!?
 これで姪っことはほんの少し仲良くなれたんだぞ!?」

趣味の共有。
これに勝るコミュニケーションはないはずだ。

年の離れた姪っこと話を合わせるには、同じ土俵に立つ必要があった。俺の涙ぐましい努力の結果だ。
それに、今まで少年・青年漫画しか読んだことがなかったから、少女漫画は新鮮で思った以上に面白かった。

だが.....

「ぉっさん、そぅぃぅのを世間ではなんて言ぅか知ってるわけ?」
「な、なんだよ?ヲタクとでも言いたいのか?」

「ヲタクw大草原不可避w」
「だ、大草原???」

「ヲタクとかマジ卍すぎ。そぅぃぅのを世間では『豚』っつーの。
 ぉっさんさー、自分で「俺はアニ豚、キモ豚だ」って言ってるのと同じだから」
「やめてくれえええええええええええええええええええええええええええええ!」

ダメだ。
このままキララと話していると、俺がまさにその『アニ豚、キモ豚』にされてしまう。

ジェネレーションギャップというやつだろうか。俺とキララの間には世代の壁を強く感じる。
それこそ姪っこ同様、キララと同じ土俵に立たないと話が合わなすぎる.....。え、えっと.....ナウい?

(ギャ、ギャルにはギャル男か!?.....と言うか、ギャル男って今の時代にいるのか!?)


こうして錯乱しつつも、星空咲音ほしぞらきららとは本名を明かさないという約束を交わして、俺は解放されることになった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き

次回、彼氏感!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日のひとこま

~どんな名前を付ける?~

「ぉっさんはさー、娘だったらどんな名前付ける感じ?」
「俺?俺は変に拘ったやつよりもシンプルなやつがいいなぁ」
「ぉっさんの理想とか聞いてねぇっつーのー。早く言えしー」
「(ぐぅ!いちいち腹立つこと言いやがって!)」

「.....お、俺なら『あおい』とか『しずく』、『すみれ』とかかな」
「なんか古臭くね?」
「お、おまっ!?全国の葵さんや雫さん、薫さんに謝れ!」
「GM、GM」

「じ、GM???それで謝ったことになるのか?」
「ぉっさん、本当に日本から来たん?実は宇宙人とかなんじゃね?w」
「ワレワレハウチュウジンダ!」
「.....きもっ。それ化石だから」

「じゃ、じゃあ、きら.....」
「あぁ!?」
「.....サ、サキさんはどんな名前を付けるんだよ?」
「『アゲハ』や『アリサ』、『ノア』や『マリア』とか良くね?↑」

いや~、それどう考えてもキラキラネーム行きになるんじゃないのかな?
結局、蛙の子は蛙というオチだった。
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