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第3.5章 ヘリオドール
第65歩目 はじめての姉妹!
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前回までのあらすじ
妖狐にひどいことはしないと神に誓った
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□□□□ ~理不尽な妖狐~ □□□□
「んー♪んー♪」
「ご機嫌だな、アテナ」
風呂場を後にした俺達は、それぞれ宿屋の自室に戻ることにした。
俺とアテナは同じ部屋で、ツインタイプの部屋だ。
アテナは俺を抱き枕にしないと寝れないので、本来はベッドが一つのダブルタイプの部屋でも問題がない。
しかしそこは男の矜持。アテナとはそういう関係ではないと周囲にちゃんと示す必要がある。
意味があるかどうかじゃない。することに意味がある。
ナイトさんはシングルタイプの部屋で一人で泊まっている。
寂しがり屋のナイトさんのことだから同室に誘ったのだが、そういう関係になるまではダメとのことだ。
自分で一途うんぬんを言っていたが、ナイトさんの中での恋愛感はどこか旧日本女子のそれに近い。
きっと呑み比べでナイトさんに勝たないと、ずっとどこか他人行儀な関係のままなんだろう。
とりあえず俺とアテナは自室に戻るとベッドの上で寛いでいる。
アテナは相も変わらず俺の膝上に座り、何が楽しいのか足をぷらぷらしてご機嫌だ。
「きょうはー、コンちゃんをぎゅーってして寝るんだー!」
「何を言っておる。妾は一人で寝れるから大丈夫なのじゃ」
当然、妖狐は俺達と同じ部屋で寝てもらう。
ナイトさんに危害を加えることはしないだろうが、一応念のためだ。
それに俺達の部屋ならベッドが一つ余っているし、なによりも・・・
「だーめ!コンちゃんは私といっしょだよー( ´∀` )」
「ふ、ふん!そ、そうまで言われたら仕方あるまい。い、一緒に寝てやるのじゃ」
アテナが妖狐と離れようとしないし、一方妖狐もそんなアテナに対して満更でもないようだ。
俺はアテナのさらさらな髪を梳きながら、アテナと妖狐のほのぼのとしたやり取りを眺めていた。
「良かったな。妖狐が一緒に寝てくれるってよ」
「うんー!コンちゃんだいすきー(*´∀`*)」
「.....ふ、ふん!感謝するがよい!」
妖狐はだいすき発言に一瞬ほんわかした表情をしたが、すぐまたいつもの済まし顔に戻った。
本当に素直じゃない。
「それにしても.....お主ら二人はどういう関係なのじゃ?」
「どういう意味だ?」
「恋人のように見えなくもないがなんか違う。かと言って、兄妹のようには全く見えん」
「・・・」
今まさに兄妹と言おうとしたところなのだが、先に全くそうは見えないと否定されてしまった。
「んー(。´・ω・)?私は女神でー、歩は私の下僕だよー」
「誰が下僕だ!俺は付き人だろ!」
「ふえーーーーーん(´;ω;`)ごめんなさーい」
俺が頬をつねったことで、アテナが喘いだ。
そんな俺とアテナのやり取りを見て、妖狐が俺を憐れんだ目で見てくる。
「.....お主も大変なんじゃな。まぁ、頑張るのじゃ」
どうやら妖狐にも、アテナは痛い子だと思われたようだ。
空気が読める妖狐はとてもいい子だ。俺もぎゅ~ってしたい。
「それで?二人の関係は?」
.....まだこの話、終わってないの!?
アテナが痛い子だと判明した時点で終わりだと思っていたら、妖狐がいやにしつこく尋ねてきた。
「恋人じゃないのは確かだ。兄妹でもない。例えるなら、旅の仲間みたいなもんだな」
「.....つまりお主らはお互いを異性として好いてはおらぬと?」
「私は歩すきだよー( ´∀` )やさしいしー!ぽんぽんしてくれるしー!お菓子いっぱいくれるしー!」
理由が微妙だけど、そんなストレートに言われるとなんか照れる。
思わずにやけてしまう。
「.....むぅ。お主、なんかにやけておらんか?」
「に、にやけてない」
「.....ふん。それならばよい。それで?お主はどうなのじゃ?」
「当然好きだぞ?」
「にへへー(*´∀`*)ありがとー!歩だいすきー!」
「はあああああ!?ど、どういうことなのじゃ!?お主ら、恋人ではないのであろう!?」
近い。近い。顔が近いっての!どきどきするだろ!
それにしてもなんかぐいぐいくるな?なにが妖狐をそこまで急き立てるんだ?
「俺がアテナを好きなのは子供みたいだからだ。アテナも一応女の子だし、異性と言っていいだろ?」
「いちおーってなにー!?女なんですけどー!?てかー、子供扱いするなーーーーーヽ(`Д´#)ノ」
ぷんすか怒っているアテナもかわいい。アテナかわいいよアテナ。
「な、なんじゃ、そういう意味か。それならそうと早う言わんか。紛らわしいのじゃ!」
あれ?何で俺が怒られてるの?怒られるようなことしたか?
理不尽ではあるが、妖狐がぷりぷりと怒っている姿もとてもかわいらしい。
それにいつもの済まし顔だが、二本の尻尾が嬉しそうにぶんぶんと勢いよく振られている。
ちゃんとしてれば可愛い子なんだけどな~。もふもふだし。
□□□□ ~妖狐の異変?~ □□□□
アテナの髪を梳くのは毎日の日課だ。
「終わったぞ、アテナ」
「はーい!ねぇー?きれいになったー(。´・ω・)?」
「いつもきれいな髪だぞ?」
「ありがとー(*´∀`*)」
アテナの髪は風呂でシャンプーをするようになってから、ますますきれいになった。
手ですくうと、さらさらな髪が流れるように心地よく撫でてくれる。
それはいい。それはいいのだが・・・
「ふん!妾の髪だって人間の女などには負けないのじゃ!」
なぜか妖狐がご立腹だった。
なにがそこまで気に入らないのかがよくわからない。
でもとりあえず・・・
「ほら、次は妖狐の番だ」
今日はアテナだけではなく、妖狐も髪を梳こうと思う。
薄汚れていた髪もシャンプーをしたことで、艶やかな黄色に戻っている。
「ふん!妾は別に構わぬ!」
「なに言ってんだよ。すごくきれいな髪なんだからもったいないだろ。そのままにしてると傷むらしいぞ?」
「・・・」
「どうした?」
「そ、そんなに妾の髪はきれいなのか?」
「きれいだと思うぞ?」
「何で疑問系なのじゃ.....ま、まぁ、よかろう。
お主がどうしても妾の髪を梳きたいというのならば、特別に髪を梳かさせてやろう!
どうじゃ?嬉しいであろう?」
め、めんどくせえええええ!
でも・・・ここは妖狐のご機嫌を損ねないように調子を合わせるか。
「すごく嬉しいよ。ありがとう」
「そうであろう♪そうであろう♪」
妖狐はとてもご機嫌なようだ。
二本の尻尾が嬉しそうにぶんぶんと勢いよく振られている。
そして俺が髪を梳きやすいように側まで近寄ってきて、そのまま膝上に・・・座ることなく、隣に腰掛けた。
「.....なにしてんの?」
「なにがじゃ?」
「アテナみたいに俺の膝の上に座れよ。やりにくいだろ」
「.....わ、妾はここでよい」
やりにくいって言ってんだろ!なにを遠慮してんだよ?妖狐らしくもない
俺が強引に妖狐を膝上に乗せようとしたら、
───ビクッ!
妖狐の体が一瞬強張った。
「ど、どうした?嫌だったか?」
「.....い、嫌ではないのじゃ。ちょっと驚いただけなのじゃ」
「そ、そうか?ならこのままやろうか?」
「か、構わぬ!何処へなりとも連れていくがよい!」
「・・・」
か、構わないって・・・。明らかに無理してないか?
目の前の妖狐は目をぎゅっと瞑り、なにかに耐えるような素振りをしている。
この様子.....体を洗っている最中もそうだった。
あの時は口では強気なことを言いつつも、てっきり恥ずかしいだけだと思っていたが・・・。
「.....?ど、どうしたのじゃ?わ、妾はとうに覚悟しておる」
「・・・」
覚悟するようなことか?
覚悟しなきゃいけないってことは無理してるってことだろ?
だから俺は、
───ぽふっ。ぽんぽん
「!?」
突然頭をぽんぽんされた妖狐は風呂場の時と同様一瞬体をビクつかせた。
「な、なにをする!?」
「誓ったのを忘れたのか?無理しなくてもいいんだぞ?」
「わ、妾は別に無理などしておらぬ!」
「それが無理してるって言ってんの」
「・・・」
妖狐が俯いてしまった。
やはり無理をしていたらしい。
「.....す、すまんのじゃ」
「謝ることか、それ?俺は誓いを守っただけなんだが?」
「い、言われてみればそうじゃな。.....て、手が止まっておるぞ?早う髪を梳かんか!バカもの!」
「へいへい」
いつもの妖狐に戻ったところで、俺はそのまま隣に腰掛けている妖狐の髪を梳き始めた。
□□□□ ~アテナと妖狐の意外な共通点~ □□□□
妖狐の髪も梳き終わり、今はアテナと妖狐がじゃれ合っている。
と言うよりも、おとなしくなった妖狐がアテナにぎゅ~ってされている。羨ましい。俺もしたい。
「コンちゃんー、ぎゅーっ!」
「(.....にへら)」
妖狐も妖狐で、とても幸せそうな顔をしている。
と言うよりも、とても人前には出せないだらしない表情だ。よだれを拭け!美少女が台無しだ!
妖狐をここまで堕落させるとは・・・アテナのぎゅ~っ恐るべし!
しかし、美少女二人がじゃれ合っている姿はなんとも微笑ましい。
こんなにじっくりと観察.....もとい眺めることができるのは異世界ならではだろう。
これが日本だったら「おっさんキモ!」とか言われて通報されていてもなんら不思議ではない。
ありがとう異世界!viva異世界!
それはそうと、じゃれ合っている二人を見ていると改めて思う。この二人・・・
「アテナと妖狐、ちょっとベッドの前で立ってみてくれ」
「んー?どうしたのー(。´・ω・)?」
「急になんじゃ?妾に指図するとはいい度胸なのじゃ」
俺の指示通り、アテナと妖狐がベッドの前で揃って立った。
なんでもない光景だが、この二人が揃って立っているだけでもこの場がとても華やぐ。
そして俺がずっと思っていた通り、この二人は・・・
「思った通りだ。お前らよく似てるよな」
「どういうことー?」
「はあ?何をバカなことを言っておる。種族が違うのに似てる訳がなかろう」
種族うんぬんとかそういう意味じゃないんだよな~。
「まずは髪の色が似ている」
アテナは輝くばかりの金髪で、一方の妖狐は色艶やかな黄髪だ。
違うと言われれば違うかもしれないが、パッと見はそうとも言い切れない。
「それにアテナが髪を下ろしている時は、二人とも髪型が一緒だ」
アテナは普段ツインテールだが、風呂後は髪を下ろしている。
ツインテールを結えるぐらいだから当然長い。長さは腰のあたりぐらいまではある。
一方妖狐は普段どんな髪型かは知らないが、少なくとも一緒にいたときはストレートの状態だった。
当然今もそうだ。長さは気持ちアテナよりかは短いぐらいだが、それでも十分長い。
俺の指摘で、アテナと妖狐は改めてお互いを見る。
「ほんとだー。コンちゃんといっしょー( ´∀` )」
「たまたまであろう。それにこれぐらいなら似てる者はたくさんおるではないか」
アテナは素直に喜び、妖狐はいつもの済まし顔。
本当は嬉しいくせに素直じゃない。その証拠に尻尾が嬉しそうにぶんぶんと振られている。
「それに他にもあるぞ?顔は似ている訳ではないんだが、二人ともすごく美人さんだ」
アテナはそもそもとても整った顔だ。童顔でどこか東洋風な印象なのでとてもかわいらしい。
一方妖狐は所謂きつね顔だ。少しキツそうな印象ではあるが、獣人の特徴である耳と尻尾がいいアクセントになっていて愛嬌すら感じる。
「あと二人とも肌が白くて、身にまとう雰囲気がすごく似ている」
二人の肌は驚くほど白い。
非健康そうとかではなくて、まるで陶磁のような白さとキメ細やかさだ。
そして雰囲気というか、女性のフェロモン的なものが同じベクトルを向いている。
アテナは、否が応でも意識を向けさせられてしまいそうになるほどのわがままボディーだ。
一方妖狐は、年に不釣り合いなほどの妖艶な妖しさを醸し出すのは既に風呂場で経験済みだ。
どちらもエロスの塊という点では、身にまとう雰囲気が似ていると言っても過言ではないだろう。
「肌が白いってー、きれいってことー?」
「そういうことだな。二人ともすごくきれいだ」
「にへへー(*´∀`*)ありがとー!コンちゃんきれいだってー!よかったねー!」
「と、当然の結果なのじゃ。今更喜ぶことではない」
妖狐はアテナを見習って、少しは素直になれよ。尻尾の主張が激しいぞ?
「それはそうと.....雰囲気がどう似ておるというのじゃ?」
「きっとー、かしこいオーラがにじみ出ているんだよー( ´∀` )」
「・・・」
本当のことをいうのは憚られる。
アテナはともかく、妖狐からはきっと蔑んだ眼差しで見られるのは間違いない。
それはそれでいい気もするが・・・いやいや!俺にそんな性癖はない!
とりあえずそれとなく間違っていないことを言ってごまかすことにした。
「バカっぽいところかな?それに子供っぽいところ」
「だれがバカでこどもよーーーーーーーーーーヽ(`Д´#)ノ」
「誰がバカで子供なのじゃーーーーーーーーーーーーーー!」
ほら、そっくり(笑)仲のいいこって。
二人の子供がやいのやいのと騒いでいる姿はとても癒される。まるで・・・
「仲良く騒いでいる姿を見ると、まるで姉妹のようだぞ?」
「しまいー(。´・ω・)?」
「姉妹じゃと?」
縁もなければ、所縁もない、ましてや血縁ですらない。それに顔も似ている訳でもない。
それでもどこか似通っている部分が多いこの二人はまるで姉妹のように思えてならない。
そして、この二人の急激な親密さも姉妹であると思わせるのに一層拍車をかけている。
と言っても、正確にはアテナの天賦の才『好かれやすい』によるところが多いのだろうが・・・
「私とコンちゃんが姉妹かー( ´∀` )私は末っ子だったからー、妹か弟がほしかったんだよねー!
じゃー、コンちゃんは妹ねー!それでいいー(。´・ω・)?」
いや~、どう見てもアテナはお姉さんって柄じゃないだろ。THE末っ子って感じだし。
「妾は一人っ子だったから兄弟姉妹がほしいとは思っておったが・・・」
おぉ。意外なところで利害関係が一致したな。
しかし、よく見ると妖狐の尻尾は振られていない。
どうやらあまり嬉しいことではない?それともなにか原因が?
「しかし、人間が姉妹というのはなんとも・・・やはりダメじゃな」
なるほど。やはり人間というのがネックなのか。
これではさすがのアテナでもお手上げだろうと思っていたら・・・
「ふええ(´;ω;`)」
「!!?」
出た!伝家の宝刀『泣き落とし』!この駄女神は本当にあざとい!
俺もアテナのこれには散々困らされた。
アテナとの付き合いが長い俺だから、今でこそこの宝刀も錆びた剣に等しいが、まだ付き合いが浅い妖狐では・・・
「コンちゃんは私のこときらいー?」
「き、嫌いじゃないのじゃ!」
「じゃー、姉妹になってくれるー?」
「そ、それは・・・し、かしの?.....わ、妾は人間が・・・」
「やっぱりコンちゃんは私のこときらいなんだー!ふえええええ(´;ω;`)」
「ぐ、ぐぬぬ・・・」
.....こ、これはひどい。
アテナは否が応でも妖狐に認めさせる気だ。これって一種の恐喝じゃね?
でも物は考えようかもしれない。
アテナが妖狐に酷いことをするのは絶対にありえない。そして妖狐は人間不信だ。
その人間不信の塊である妖狐が、人間に対して少しでも心を開くきっかけになる相手としてはアテナは最適とも言える。
妖狐にとっては大きなお世話かもしれないが、チャンスと見るべきだろう。
「姉妹になってくれるー?」
あぁ、この話の流れ懐かしいな。今は無き某お昼番組を彷彿とさせる。
ついつい、いいともー!って言いたくなる!
「う、う~む・・・」
「なってくれるよねー?コンちゃんは私のこときらいじゃないもんねー?ねぇーねぇーねぇー?」
ウ、ウザすぎる。俺だったらきっと頬をつねっているに違いない。
アテナの執拗なお願いが妖狐を追い詰める。
そしてついに・・・
「わ、わかったのじゃ!姉妹になるのじゃ!だから泣くでない!」
「やったー!ありがとーコンちゃんー!だいすきー(*´∀`*)」
にへらっと嬉しそうにはにかむ妖狐の尻尾は本日一番の振られぶりだ。
どうやら妖狐もアテナと姉妹になることは嬉しいみたいだが、ただ単に素直になれなかったようだ。
こうしてかわいらしい姉妹が誕生した。
姉のアテナに、妹の妖狐。
似た者同士の仲良し姉妹だ。
その後、
「コンちゃんー!私のことはー、おねえちゃんっていうんだよー( ´∀` )」
「姉上でよかろう」
「ぶー(´-ε -`)なんかやだー。ぜんぜんえらい感じがしないー!」
「えらいって・・・。わがままな姉じゃな。じゃあ.....姉さまならどうじゃ?」
「うーん。ちょっとえらくなったー(。´・ω・)?」
「というか、なぜ妾が妹なのじゃ?姉でもよかろう」
「だめにきまってるでしょーヽ(`Д´#)ノ私がおねえちゃんになりたいのー!」
こんな不毛なやり取りが行われていたが、二人とも幸せそうだった。
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後書き
次回、妖狐と二人っきり!
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今日のひとこま
~おねえちゃんとは~
「妖狐が妹になってくれて良かったな」
「うんー!はじめておねえちゃんになったよー( ´∀` )」
「ちゃんと妹の面倒を見るんだぞ?もうアテナはお姉ちゃんなんだからな?」
「まっかせなさーい!」
「でもー」
「どうした?」
「おねえちゃんてー、どうすればいいのー(。´・ω・)?」
「アテナには姉がたくさんいるんだから、それを参考にしろよ。どうだったんだ?」
「うーん。デメテルお姉ちゃんは仕事ばっかでー、あまり構ってくれなかったよー?
ヘスティアお姉ちゃんはいつもねててー、おきてるとこあまり見たことないかもー」
「お、おぅ」
「アフロディーテお姉ちゃんはアレスお兄ちゃんのとこに行ってばっかりだったかなー?
アルテミスお姉ちゃんはいつもいたずらしてばっかりだったよー?」
「・・・」
「だれをみならえばいいのー(。´・ω・)?」
「それは・・・」
「それはー?」
「ラズリさんにしとけ。ラズリさんが一番姉らしいから」
「わかったー!ありがとー(*´∀`*)」
女神はどいつもこいつもロクなのがいないな!
もしかして神の世界も女性がおかしいのか!?ニケさんは大丈夫だよな!?
妖狐にひどいことはしないと神に誓った
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□□□□ ~理不尽な妖狐~ □□□□
「んー♪んー♪」
「ご機嫌だな、アテナ」
風呂場を後にした俺達は、それぞれ宿屋の自室に戻ることにした。
俺とアテナは同じ部屋で、ツインタイプの部屋だ。
アテナは俺を抱き枕にしないと寝れないので、本来はベッドが一つのダブルタイプの部屋でも問題がない。
しかしそこは男の矜持。アテナとはそういう関係ではないと周囲にちゃんと示す必要がある。
意味があるかどうかじゃない。することに意味がある。
ナイトさんはシングルタイプの部屋で一人で泊まっている。
寂しがり屋のナイトさんのことだから同室に誘ったのだが、そういう関係になるまではダメとのことだ。
自分で一途うんぬんを言っていたが、ナイトさんの中での恋愛感はどこか旧日本女子のそれに近い。
きっと呑み比べでナイトさんに勝たないと、ずっとどこか他人行儀な関係のままなんだろう。
とりあえず俺とアテナは自室に戻るとベッドの上で寛いでいる。
アテナは相も変わらず俺の膝上に座り、何が楽しいのか足をぷらぷらしてご機嫌だ。
「きょうはー、コンちゃんをぎゅーってして寝るんだー!」
「何を言っておる。妾は一人で寝れるから大丈夫なのじゃ」
当然、妖狐は俺達と同じ部屋で寝てもらう。
ナイトさんに危害を加えることはしないだろうが、一応念のためだ。
それに俺達の部屋ならベッドが一つ余っているし、なによりも・・・
「だーめ!コンちゃんは私といっしょだよー( ´∀` )」
「ふ、ふん!そ、そうまで言われたら仕方あるまい。い、一緒に寝てやるのじゃ」
アテナが妖狐と離れようとしないし、一方妖狐もそんなアテナに対して満更でもないようだ。
俺はアテナのさらさらな髪を梳きながら、アテナと妖狐のほのぼのとしたやり取りを眺めていた。
「良かったな。妖狐が一緒に寝てくれるってよ」
「うんー!コンちゃんだいすきー(*´∀`*)」
「.....ふ、ふん!感謝するがよい!」
妖狐はだいすき発言に一瞬ほんわかした表情をしたが、すぐまたいつもの済まし顔に戻った。
本当に素直じゃない。
「それにしても.....お主ら二人はどういう関係なのじゃ?」
「どういう意味だ?」
「恋人のように見えなくもないがなんか違う。かと言って、兄妹のようには全く見えん」
「・・・」
今まさに兄妹と言おうとしたところなのだが、先に全くそうは見えないと否定されてしまった。
「んー(。´・ω・)?私は女神でー、歩は私の下僕だよー」
「誰が下僕だ!俺は付き人だろ!」
「ふえーーーーーん(´;ω;`)ごめんなさーい」
俺が頬をつねったことで、アテナが喘いだ。
そんな俺とアテナのやり取りを見て、妖狐が俺を憐れんだ目で見てくる。
「.....お主も大変なんじゃな。まぁ、頑張るのじゃ」
どうやら妖狐にも、アテナは痛い子だと思われたようだ。
空気が読める妖狐はとてもいい子だ。俺もぎゅ~ってしたい。
「それで?二人の関係は?」
.....まだこの話、終わってないの!?
アテナが痛い子だと判明した時点で終わりだと思っていたら、妖狐がいやにしつこく尋ねてきた。
「恋人じゃないのは確かだ。兄妹でもない。例えるなら、旅の仲間みたいなもんだな」
「.....つまりお主らはお互いを異性として好いてはおらぬと?」
「私は歩すきだよー( ´∀` )やさしいしー!ぽんぽんしてくれるしー!お菓子いっぱいくれるしー!」
理由が微妙だけど、そんなストレートに言われるとなんか照れる。
思わずにやけてしまう。
「.....むぅ。お主、なんかにやけておらんか?」
「に、にやけてない」
「.....ふん。それならばよい。それで?お主はどうなのじゃ?」
「当然好きだぞ?」
「にへへー(*´∀`*)ありがとー!歩だいすきー!」
「はあああああ!?ど、どういうことなのじゃ!?お主ら、恋人ではないのであろう!?」
近い。近い。顔が近いっての!どきどきするだろ!
それにしてもなんかぐいぐいくるな?なにが妖狐をそこまで急き立てるんだ?
「俺がアテナを好きなのは子供みたいだからだ。アテナも一応女の子だし、異性と言っていいだろ?」
「いちおーってなにー!?女なんですけどー!?てかー、子供扱いするなーーーーーヽ(`Д´#)ノ」
ぷんすか怒っているアテナもかわいい。アテナかわいいよアテナ。
「な、なんじゃ、そういう意味か。それならそうと早う言わんか。紛らわしいのじゃ!」
あれ?何で俺が怒られてるの?怒られるようなことしたか?
理不尽ではあるが、妖狐がぷりぷりと怒っている姿もとてもかわいらしい。
それにいつもの済まし顔だが、二本の尻尾が嬉しそうにぶんぶんと勢いよく振られている。
ちゃんとしてれば可愛い子なんだけどな~。もふもふだし。
□□□□ ~妖狐の異変?~ □□□□
アテナの髪を梳くのは毎日の日課だ。
「終わったぞ、アテナ」
「はーい!ねぇー?きれいになったー(。´・ω・)?」
「いつもきれいな髪だぞ?」
「ありがとー(*´∀`*)」
アテナの髪は風呂でシャンプーをするようになってから、ますますきれいになった。
手ですくうと、さらさらな髪が流れるように心地よく撫でてくれる。
それはいい。それはいいのだが・・・
「ふん!妾の髪だって人間の女などには負けないのじゃ!」
なぜか妖狐がご立腹だった。
なにがそこまで気に入らないのかがよくわからない。
でもとりあえず・・・
「ほら、次は妖狐の番だ」
今日はアテナだけではなく、妖狐も髪を梳こうと思う。
薄汚れていた髪もシャンプーをしたことで、艶やかな黄色に戻っている。
「ふん!妾は別に構わぬ!」
「なに言ってんだよ。すごくきれいな髪なんだからもったいないだろ。そのままにしてると傷むらしいぞ?」
「・・・」
「どうした?」
「そ、そんなに妾の髪はきれいなのか?」
「きれいだと思うぞ?」
「何で疑問系なのじゃ.....ま、まぁ、よかろう。
お主がどうしても妾の髪を梳きたいというのならば、特別に髪を梳かさせてやろう!
どうじゃ?嬉しいであろう?」
め、めんどくせえええええ!
でも・・・ここは妖狐のご機嫌を損ねないように調子を合わせるか。
「すごく嬉しいよ。ありがとう」
「そうであろう♪そうであろう♪」
妖狐はとてもご機嫌なようだ。
二本の尻尾が嬉しそうにぶんぶんと勢いよく振られている。
そして俺が髪を梳きやすいように側まで近寄ってきて、そのまま膝上に・・・座ることなく、隣に腰掛けた。
「.....なにしてんの?」
「なにがじゃ?」
「アテナみたいに俺の膝の上に座れよ。やりにくいだろ」
「.....わ、妾はここでよい」
やりにくいって言ってんだろ!なにを遠慮してんだよ?妖狐らしくもない
俺が強引に妖狐を膝上に乗せようとしたら、
───ビクッ!
妖狐の体が一瞬強張った。
「ど、どうした?嫌だったか?」
「.....い、嫌ではないのじゃ。ちょっと驚いただけなのじゃ」
「そ、そうか?ならこのままやろうか?」
「か、構わぬ!何処へなりとも連れていくがよい!」
「・・・」
か、構わないって・・・。明らかに無理してないか?
目の前の妖狐は目をぎゅっと瞑り、なにかに耐えるような素振りをしている。
この様子.....体を洗っている最中もそうだった。
あの時は口では強気なことを言いつつも、てっきり恥ずかしいだけだと思っていたが・・・。
「.....?ど、どうしたのじゃ?わ、妾はとうに覚悟しておる」
「・・・」
覚悟するようなことか?
覚悟しなきゃいけないってことは無理してるってことだろ?
だから俺は、
───ぽふっ。ぽんぽん
「!?」
突然頭をぽんぽんされた妖狐は風呂場の時と同様一瞬体をビクつかせた。
「な、なにをする!?」
「誓ったのを忘れたのか?無理しなくてもいいんだぞ?」
「わ、妾は別に無理などしておらぬ!」
「それが無理してるって言ってんの」
「・・・」
妖狐が俯いてしまった。
やはり無理をしていたらしい。
「.....す、すまんのじゃ」
「謝ることか、それ?俺は誓いを守っただけなんだが?」
「い、言われてみればそうじゃな。.....て、手が止まっておるぞ?早う髪を梳かんか!バカもの!」
「へいへい」
いつもの妖狐に戻ったところで、俺はそのまま隣に腰掛けている妖狐の髪を梳き始めた。
□□□□ ~アテナと妖狐の意外な共通点~ □□□□
妖狐の髪も梳き終わり、今はアテナと妖狐がじゃれ合っている。
と言うよりも、おとなしくなった妖狐がアテナにぎゅ~ってされている。羨ましい。俺もしたい。
「コンちゃんー、ぎゅーっ!」
「(.....にへら)」
妖狐も妖狐で、とても幸せそうな顔をしている。
と言うよりも、とても人前には出せないだらしない表情だ。よだれを拭け!美少女が台無しだ!
妖狐をここまで堕落させるとは・・・アテナのぎゅ~っ恐るべし!
しかし、美少女二人がじゃれ合っている姿はなんとも微笑ましい。
こんなにじっくりと観察.....もとい眺めることができるのは異世界ならではだろう。
これが日本だったら「おっさんキモ!」とか言われて通報されていてもなんら不思議ではない。
ありがとう異世界!viva異世界!
それはそうと、じゃれ合っている二人を見ていると改めて思う。この二人・・・
「アテナと妖狐、ちょっとベッドの前で立ってみてくれ」
「んー?どうしたのー(。´・ω・)?」
「急になんじゃ?妾に指図するとはいい度胸なのじゃ」
俺の指示通り、アテナと妖狐がベッドの前で揃って立った。
なんでもない光景だが、この二人が揃って立っているだけでもこの場がとても華やぐ。
そして俺がずっと思っていた通り、この二人は・・・
「思った通りだ。お前らよく似てるよな」
「どういうことー?」
「はあ?何をバカなことを言っておる。種族が違うのに似てる訳がなかろう」
種族うんぬんとかそういう意味じゃないんだよな~。
「まずは髪の色が似ている」
アテナは輝くばかりの金髪で、一方の妖狐は色艶やかな黄髪だ。
違うと言われれば違うかもしれないが、パッと見はそうとも言い切れない。
「それにアテナが髪を下ろしている時は、二人とも髪型が一緒だ」
アテナは普段ツインテールだが、風呂後は髪を下ろしている。
ツインテールを結えるぐらいだから当然長い。長さは腰のあたりぐらいまではある。
一方妖狐は普段どんな髪型かは知らないが、少なくとも一緒にいたときはストレートの状態だった。
当然今もそうだ。長さは気持ちアテナよりかは短いぐらいだが、それでも十分長い。
俺の指摘で、アテナと妖狐は改めてお互いを見る。
「ほんとだー。コンちゃんといっしょー( ´∀` )」
「たまたまであろう。それにこれぐらいなら似てる者はたくさんおるではないか」
アテナは素直に喜び、妖狐はいつもの済まし顔。
本当は嬉しいくせに素直じゃない。その証拠に尻尾が嬉しそうにぶんぶんと振られている。
「それに他にもあるぞ?顔は似ている訳ではないんだが、二人ともすごく美人さんだ」
アテナはそもそもとても整った顔だ。童顔でどこか東洋風な印象なのでとてもかわいらしい。
一方妖狐は所謂きつね顔だ。少しキツそうな印象ではあるが、獣人の特徴である耳と尻尾がいいアクセントになっていて愛嬌すら感じる。
「あと二人とも肌が白くて、身にまとう雰囲気がすごく似ている」
二人の肌は驚くほど白い。
非健康そうとかではなくて、まるで陶磁のような白さとキメ細やかさだ。
そして雰囲気というか、女性のフェロモン的なものが同じベクトルを向いている。
アテナは、否が応でも意識を向けさせられてしまいそうになるほどのわがままボディーだ。
一方妖狐は、年に不釣り合いなほどの妖艶な妖しさを醸し出すのは既に風呂場で経験済みだ。
どちらもエロスの塊という点では、身にまとう雰囲気が似ていると言っても過言ではないだろう。
「肌が白いってー、きれいってことー?」
「そういうことだな。二人ともすごくきれいだ」
「にへへー(*´∀`*)ありがとー!コンちゃんきれいだってー!よかったねー!」
「と、当然の結果なのじゃ。今更喜ぶことではない」
妖狐はアテナを見習って、少しは素直になれよ。尻尾の主張が激しいぞ?
「それはそうと.....雰囲気がどう似ておるというのじゃ?」
「きっとー、かしこいオーラがにじみ出ているんだよー( ´∀` )」
「・・・」
本当のことをいうのは憚られる。
アテナはともかく、妖狐からはきっと蔑んだ眼差しで見られるのは間違いない。
それはそれでいい気もするが・・・いやいや!俺にそんな性癖はない!
とりあえずそれとなく間違っていないことを言ってごまかすことにした。
「バカっぽいところかな?それに子供っぽいところ」
「だれがバカでこどもよーーーーーーーーーーヽ(`Д´#)ノ」
「誰がバカで子供なのじゃーーーーーーーーーーーーーー!」
ほら、そっくり(笑)仲のいいこって。
二人の子供がやいのやいのと騒いでいる姿はとても癒される。まるで・・・
「仲良く騒いでいる姿を見ると、まるで姉妹のようだぞ?」
「しまいー(。´・ω・)?」
「姉妹じゃと?」
縁もなければ、所縁もない、ましてや血縁ですらない。それに顔も似ている訳でもない。
それでもどこか似通っている部分が多いこの二人はまるで姉妹のように思えてならない。
そして、この二人の急激な親密さも姉妹であると思わせるのに一層拍車をかけている。
と言っても、正確にはアテナの天賦の才『好かれやすい』によるところが多いのだろうが・・・
「私とコンちゃんが姉妹かー( ´∀` )私は末っ子だったからー、妹か弟がほしかったんだよねー!
じゃー、コンちゃんは妹ねー!それでいいー(。´・ω・)?」
いや~、どう見てもアテナはお姉さんって柄じゃないだろ。THE末っ子って感じだし。
「妾は一人っ子だったから兄弟姉妹がほしいとは思っておったが・・・」
おぉ。意外なところで利害関係が一致したな。
しかし、よく見ると妖狐の尻尾は振られていない。
どうやらあまり嬉しいことではない?それともなにか原因が?
「しかし、人間が姉妹というのはなんとも・・・やはりダメじゃな」
なるほど。やはり人間というのがネックなのか。
これではさすがのアテナでもお手上げだろうと思っていたら・・・
「ふええ(´;ω;`)」
「!!?」
出た!伝家の宝刀『泣き落とし』!この駄女神は本当にあざとい!
俺もアテナのこれには散々困らされた。
アテナとの付き合いが長い俺だから、今でこそこの宝刀も錆びた剣に等しいが、まだ付き合いが浅い妖狐では・・・
「コンちゃんは私のこときらいー?」
「き、嫌いじゃないのじゃ!」
「じゃー、姉妹になってくれるー?」
「そ、それは・・・し、かしの?.....わ、妾は人間が・・・」
「やっぱりコンちゃんは私のこときらいなんだー!ふえええええ(´;ω;`)」
「ぐ、ぐぬぬ・・・」
.....こ、これはひどい。
アテナは否が応でも妖狐に認めさせる気だ。これって一種の恐喝じゃね?
でも物は考えようかもしれない。
アテナが妖狐に酷いことをするのは絶対にありえない。そして妖狐は人間不信だ。
その人間不信の塊である妖狐が、人間に対して少しでも心を開くきっかけになる相手としてはアテナは最適とも言える。
妖狐にとっては大きなお世話かもしれないが、チャンスと見るべきだろう。
「姉妹になってくれるー?」
あぁ、この話の流れ懐かしいな。今は無き某お昼番組を彷彿とさせる。
ついつい、いいともー!って言いたくなる!
「う、う~む・・・」
「なってくれるよねー?コンちゃんは私のこときらいじゃないもんねー?ねぇーねぇーねぇー?」
ウ、ウザすぎる。俺だったらきっと頬をつねっているに違いない。
アテナの執拗なお願いが妖狐を追い詰める。
そしてついに・・・
「わ、わかったのじゃ!姉妹になるのじゃ!だから泣くでない!」
「やったー!ありがとーコンちゃんー!だいすきー(*´∀`*)」
にへらっと嬉しそうにはにかむ妖狐の尻尾は本日一番の振られぶりだ。
どうやら妖狐もアテナと姉妹になることは嬉しいみたいだが、ただ単に素直になれなかったようだ。
こうしてかわいらしい姉妹が誕生した。
姉のアテナに、妹の妖狐。
似た者同士の仲良し姉妹だ。
その後、
「コンちゃんー!私のことはー、おねえちゃんっていうんだよー( ´∀` )」
「姉上でよかろう」
「ぶー(´-ε -`)なんかやだー。ぜんぜんえらい感じがしないー!」
「えらいって・・・。わがままな姉じゃな。じゃあ.....姉さまならどうじゃ?」
「うーん。ちょっとえらくなったー(。´・ω・)?」
「というか、なぜ妾が妹なのじゃ?姉でもよかろう」
「だめにきまってるでしょーヽ(`Д´#)ノ私がおねえちゃんになりたいのー!」
こんな不毛なやり取りが行われていたが、二人とも幸せそうだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き
次回、妖狐と二人っきり!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日のひとこま
~おねえちゃんとは~
「妖狐が妹になってくれて良かったな」
「うんー!はじめておねえちゃんになったよー( ´∀` )」
「ちゃんと妹の面倒を見るんだぞ?もうアテナはお姉ちゃんなんだからな?」
「まっかせなさーい!」
「でもー」
「どうした?」
「おねえちゃんてー、どうすればいいのー(。´・ω・)?」
「アテナには姉がたくさんいるんだから、それを参考にしろよ。どうだったんだ?」
「うーん。デメテルお姉ちゃんは仕事ばっかでー、あまり構ってくれなかったよー?
ヘスティアお姉ちゃんはいつもねててー、おきてるとこあまり見たことないかもー」
「お、おぅ」
「アフロディーテお姉ちゃんはアレスお兄ちゃんのとこに行ってばっかりだったかなー?
アルテミスお姉ちゃんはいつもいたずらしてばっかりだったよー?」
「・・・」
「だれをみならえばいいのー(。´・ω・)?」
「それは・・・」
「それはー?」
「ラズリさんにしとけ。ラズリさんが一番姉らしいから」
「わかったー!ありがとー(*´∀`*)」
女神はどいつもこいつもロクなのがいないな!
もしかして神の世界も女性がおかしいのか!?ニケさんは大丈夫だよな!?
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