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第2.5章 ラピスラズリ
第36歩目 はじめての復活!雇用契約3日目
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前回までのあらすじ
駄女神アテナが死んだ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
□□□□ ~アテナ復活!~ □□□□
アテナが死んだと分かった俺は、せめてラズリさんだけでも逃がそうと決断した。
「それでは俺が道を開きますので、その間に逃げてください」
「わかりました」
「では行きますよ!」
「ア、アユムさん!ちょっと待ってください!」
なんだ?まさかお別れのキスをしたいとか言い出さないよな?
緊急事態でも、ラズリさんならありえそうなのが怖い。
「アテナさんはどうしましょう?」
「あ.....」
「あ.....って。アテナさんが殺されて怒ってた割には忘れてたんですか?」
「ワスレテナイデスヨ」
しかし、困った。
できれば埋葬してあげたいが、ラズリさんに任せる訳にはいかない。
ラズリさんには逃げてもらうのだから、アテナを任せたら逃げる際の足枷となる。本末転倒だ。
「あれ?確か人間がダンジョン内で死亡すると魔核とやらに変化するんですよね?魔物の素材みたいに。なんでアテナは変化しないんです?」
「言われてみれば.....もしかしたら私が抱いているからですかね?」
ラズリさんが言うには、魔物が素材に変化するのはダンジョンが魔物の死骸を吸収するかららしい。
アテナはラズリさんにずっと抱かれていたので、ダンジョンに触れていなかったから魔核に変化しなかった、ということになる。
アテナをダンジョンに放置すれば魔核になるのか.....
でもかわいそうだよな。
「アテナは俺が預かります。ラズリさんは逃げてください」
「わかりました。そうなると.....」
ラズリさんがアテナを俺の背中に背負わせる。
戦いの邪魔にならず、アテナの遺体を傷付けない方法となると背負うしかないだろう。
───むにゅ
背中からアテナの女神級おっぱいの柔らかくも温かい感触が伝わる
泥だらけなのに、それでも甘い香りが鼻をくすぐる。
アテナの体はこんなにも小さかったか?
ちゃんと守ってやれなくてごめんな。
俺はアテナを背負ったことで改めて自責の念にかられた。
アテナの体のぬくもりが余計につらかった.....
・・・。
.....あれ?なんかおかしくないか?
「ラズリさん。確か人が死亡してある程度経つと冷たくなるんじゃなかったです?」
「確かそのはずですよ。2~3時間はぬくもりが残りますが」
2~3時間?俺とラズリさんが突入してから結構経つぞ?
「アテナが変わらず温かいんですが.....」
「あっ!そう言われてみれば.....私が抱いていたからですかね?」
抱いていたとしてもおかしくないか?
体の温かさも、おっぱいの柔らかさも、生前のままだ。
毎日アテナの体を拭いている俺だからわかる。
でも、ラズリさんが言う通り息はしていないようだ。
心臓は.....ラズリさんの前では確認できない。
それによく見ると、泥だらけではあるが傷ひとつない。
確かに死んでいるようにも見える。でも温かい?
もしや!鑑定!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『アテナ』 レベル:3 危険度:極小
【一言】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
.....やっぱりか。最初からこうすればよかった。
すべてを理解した俺はそっとアテナを地面に寝かせて、
「げべっ!?」
死んでいるアテナを踏み付けた。
「ア、アテナさん!?」
「い、痛ーい!普通死んでいる女の子踏ん付けるー?
魔物だって攻撃してこなかったのにーヽ(`Д´#)ノ
歩ってー鬼畜なのー?ドSなのー?穢多非人
えたひにん
なのー?」
「誰が穢多非人だ!それを言うなら人非人の間違いだろ!」
「ふえ~~~~~ん(´;ω;`)ごめんなさーい!」
俺につねられたことで、アテナが喘いだ。
でもなんだかホッと安心する喘ぎ声だ。
穢多非人とかよく知ってんな?今は教わらないんじゃないか?
腐っても智慧の女神ということか。くだらなすぎる.....
「アテナさん!ご無事だったんですね!」
「うんー。しんだふりしてたんだー!」
「でも本当に死んでいるようでしたよ?」
「ゴッドしんだふりだからねー!当然しぬよー( ´∀` )」
いやいや!死んだふりだろ!?当然のように死ぬなよ!
「確かにそれなら死んじゃっても仕方がないですね」
え!?あの説明で納得しちゃったの!?
「でも本当にご無事でよかったです」
「大丈夫ー。ラピスは心配症だねー。
私がしんでる時もずっと心配してたよねー( ´∀` )」
「死んでた間のことも分かるんですか?」
「わかるよー!しんだふりだからねー!」
「なるほど。死んだふりならわかりますよね」
お前ら言ってること無茶苦茶だろ!
死んだふりなのか、死んでたのかハッキリしろよ!
「それで?本当になんともないんだろうな?」
「大丈夫ー!ぴんぴんしてるよー!」
アテナはそう言うと、ドンっと胸を叩いた。
───ぷるんっ
あっ。揺れた。
「歩~!私が生きてて安心したー?」
「あぁ。正直安心した。これからは勝手に死んだりするなよ?」
「うんー!もうしんだりしないよー!
だってー、歩が守ってくれるんでしょー?」
あんな思いをするのは二度とごめんだ。
「もちろんだ。だから俺の側でいい子にしてるんだぞ?」
「子供扱いしないでよ~~~~~~~~~ヽ(`Д´#)ノ」
「いい子、いい子」
───ぽふっ。ぽんぽん
「にへへー!許してあげなーい!」
言葉とは裏腹に、ぽんぽんされたアテナはいつものようににぱー☆と微笑んだ。かわいい。
いつまでも守っていきたいな~、この笑顔。胸大きいし。
□□□□ ~歩さんはツンデレ?~ □□□□
俺はアテナのにぱー☆に癒され、ラズリさんは俺とアテナのやりとりを優しい眼差しでみつめている。
アテナも無事。ラズリさんも無事。
残る不安要素はこの魔物部屋だけだ。
36計逃げるにしかず。
賢いはず、と思っている俺は即断した。
あとはこの魔物部屋からどうやって逃げるかだけなのだが.....
やはり状況を把握していなかったのはこいつだった。
「それにしてもー、歩ってツンデレだよねー!」
「はぁ?俺がツンデレ?」
「気になります!アテナさん、どういうことですか?」
気になるって.....アテナの言うことだぞ?
てか、今は緊急事態なんだから緊張感持てよ!
「私をすごく心配してたでしょー。
そんなに心配なら早く助けに来ればよかったじゃーん?」
「はぁ?自惚れるなよ?このおっぱい女神が!
誰が誰を心配してたって?」
「心配してましたよね?」
「してません。ラズリさんの気のせいです」
ラズリさんならともかく、アテナを心配してたなんて言うとつけあがるだけだしな。
「心配してなかったのー?」
「全く」
「ほんとにー?」
「してないって言ってんだろ!」
「ふぇぇ(´;ω;`)」
「その手にはのらないからな?どうせ嘘泣きだろ?」
ナメるなよ!駄女神が!泣けばいいと思ったら大間違いだ!
俺が優しくするのはニケさんだけだ!
「.....なるほど。確かにツンデレですね」
「でしょー!歩は素直じゃないんだよねー」
「そんなところもかわいいです❤」
「歩よりも私のほうがかわいいでしょーヽ(`Д´#)ノ」
お前ら、なんの話をしてんだよ.....
てか、やっぱりアテナは嘘泣きだったな。
「歩~!歩~!ほんとーは心配してたんだよねー!」
「しつこいな。してないっつーの」
「ふーん」
「な、なんだよ?」
アテナがニヤニヤしている。
すごく嫌な予感がする。
アテナが企むことは大抵ロクでもないことばかりだ。
本音は聞きたくないが、聞かないと後ほど更にひどいにことになるかもしれない。
俺が戦々恐々としていると、アテナが突然叫びだした。
「くそが!くそが!!くそがああああああああ!!!」
え?ま、まさかこれって.....
俺は固まった。
そして同時に嫌な汗をかきはじめた。
更にアテナは必死な顔で言った。
「俺のアテナをよくも!絶対許さん!!
みなごろしにしてやる!!!」
「俺の体なんてどうでもいいんです!
俺のせいで愛しいアテナが!アテナが!!」
ちょっ!?なんか勝手に改ざんされてる!?
「あぁ~❤愛しい人にここまで言われたら恋人冥利につきますよね~❤アテナさんが羨ましいです」
婚活バカは黙って!?てか、アテナは恋人じゃないし!
興が乗ってきたアテナは、死を覚悟して、シリアスな顔で言った。
「言いましたよね?二人は俺が必ず守るって。とは言っても、結局アテナは守れませんでしたが.....ははは(悲壮感)」
アテナがニヤニヤしながら、俺を見る。
や、やめてくれ.....
俺の頭の中にその時のシーンが鮮明に思い出されてきた。
そして、アテナの演技はますます女神懸かってきた。
「せめてラズリさんだけでも守らせてください(キリッ)」
キリッってなんだよ!?してないよ!?
は、恥ずかしい.....俺はそんなキザじゃない!
「きゃあああああああああああああ❤
確かにアユムさんは言っくれました!
もう一度!もう一度言ってください///」
あんた、本当に黙って!?言える訳ないだろ!
恥ずかしすぎるわ!
あの時はアテナが死んだと思っていたし、魔物部屋の状況も芳しくなかった。
異常な状況だったからこそ言えたセリフだ!
そして最後にアテナはキメ顔で言い放った。
奥から覗いた八重歯を煌めかせながら.....
「俺はアテナの敵討ちがありますから(使命感)」
や、やめてくれ.....
ほ、本当に恥ずかしい.....
アテナが言い放った出来事ひとつひとつが、走馬灯のようにリピートしている。
あの時俺は本気で真剣だった。
ゆえにダメージが大きい。
アテナが俺の耳元で何度もつぶやく。
「くぅ.....」
俺は黒い瞳に、涙を溜めて――。
「や、やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
うずくまって悶えた。
「言わないでくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
忘れろ!忘れてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
そして、涙ながらに叫んだ。
アテナがにこにこしながら尋ねてくる。
「歩~!歩~!私を心配してたよねー?(*´∀`*)」
心配してました!すいません!
だからもうやめてください!お願いします!
恥ずかしい思いをして悶えながらも俺は思う。
本当に生きててくれてありがとな!くそ駄女神!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き
次回、私の歩だから!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日のひとこま
「なんでアテナさんが生きているって分かったんです?」
「鑑定ですよ。通常死亡した人は鑑定できないんです」
「なるほど!さすがアユムさんですね!」
「気が動転してて、すぐに気付かなくてすいません」
「いえいえ。アテナさんが無事でよかったですね」
「私!復活ー!」
「復活ー!じゃねえんだよ!紛らわしい真似すんな!」
「えー?歩ならすぐに分かると思ったんだよー?」
「どうしてそう思うんですか?」
「んー?だってー、私の歩だからだねー!(にぱー☆)」
「誰がお前のだ!(くそ!相変わらずにぱー☆はかわいいな)」
「くっ。やはり最大のライバルはアテナさんですか」
はい。婚活バカ、婚活バカ。
「でもアテナの言う通り、仮に鑑定を使わなくても、すぐに分かったのは確かです」
「愛ゆえに、ですか?」
「私のだからー?」
「全然違う。正解はおっぱいです」
「はぁ?どういうことですか?」
「俺はアテナのおっぱいについては一家言ありますから。
触れれば大抵のことは分かります」
「アテナさんだけずるいです!私のもお願いします!」
「ラピスはぺったんこだから触れないでしょー(*´∀`*)」
バカ!言うんじゃない!ラズリさんが泣いてるだろ!
駄女神アテナが死んだ!
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□□□□ ~アテナ復活!~ □□□□
アテナが死んだと分かった俺は、せめてラズリさんだけでも逃がそうと決断した。
「それでは俺が道を開きますので、その間に逃げてください」
「わかりました」
「では行きますよ!」
「ア、アユムさん!ちょっと待ってください!」
なんだ?まさかお別れのキスをしたいとか言い出さないよな?
緊急事態でも、ラズリさんならありえそうなのが怖い。
「アテナさんはどうしましょう?」
「あ.....」
「あ.....って。アテナさんが殺されて怒ってた割には忘れてたんですか?」
「ワスレテナイデスヨ」
しかし、困った。
できれば埋葬してあげたいが、ラズリさんに任せる訳にはいかない。
ラズリさんには逃げてもらうのだから、アテナを任せたら逃げる際の足枷となる。本末転倒だ。
「あれ?確か人間がダンジョン内で死亡すると魔核とやらに変化するんですよね?魔物の素材みたいに。なんでアテナは変化しないんです?」
「言われてみれば.....もしかしたら私が抱いているからですかね?」
ラズリさんが言うには、魔物が素材に変化するのはダンジョンが魔物の死骸を吸収するかららしい。
アテナはラズリさんにずっと抱かれていたので、ダンジョンに触れていなかったから魔核に変化しなかった、ということになる。
アテナをダンジョンに放置すれば魔核になるのか.....
でもかわいそうだよな。
「アテナは俺が預かります。ラズリさんは逃げてください」
「わかりました。そうなると.....」
ラズリさんがアテナを俺の背中に背負わせる。
戦いの邪魔にならず、アテナの遺体を傷付けない方法となると背負うしかないだろう。
───むにゅ
背中からアテナの女神級おっぱいの柔らかくも温かい感触が伝わる
泥だらけなのに、それでも甘い香りが鼻をくすぐる。
アテナの体はこんなにも小さかったか?
ちゃんと守ってやれなくてごめんな。
俺はアテナを背負ったことで改めて自責の念にかられた。
アテナの体のぬくもりが余計につらかった.....
・・・。
.....あれ?なんかおかしくないか?
「ラズリさん。確か人が死亡してある程度経つと冷たくなるんじゃなかったです?」
「確かそのはずですよ。2~3時間はぬくもりが残りますが」
2~3時間?俺とラズリさんが突入してから結構経つぞ?
「アテナが変わらず温かいんですが.....」
「あっ!そう言われてみれば.....私が抱いていたからですかね?」
抱いていたとしてもおかしくないか?
体の温かさも、おっぱいの柔らかさも、生前のままだ。
毎日アテナの体を拭いている俺だからわかる。
でも、ラズリさんが言う通り息はしていないようだ。
心臓は.....ラズリさんの前では確認できない。
それによく見ると、泥だらけではあるが傷ひとつない。
確かに死んでいるようにも見える。でも温かい?
もしや!鑑定!
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『アテナ』 レベル:3 危険度:極小
【一言】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
.....やっぱりか。最初からこうすればよかった。
すべてを理解した俺はそっとアテナを地面に寝かせて、
「げべっ!?」
死んでいるアテナを踏み付けた。
「ア、アテナさん!?」
「い、痛ーい!普通死んでいる女の子踏ん付けるー?
魔物だって攻撃してこなかったのにーヽ(`Д´#)ノ
歩ってー鬼畜なのー?ドSなのー?穢多非人
えたひにん
なのー?」
「誰が穢多非人だ!それを言うなら人非人の間違いだろ!」
「ふえ~~~~~ん(´;ω;`)ごめんなさーい!」
俺につねられたことで、アテナが喘いだ。
でもなんだかホッと安心する喘ぎ声だ。
穢多非人とかよく知ってんな?今は教わらないんじゃないか?
腐っても智慧の女神ということか。くだらなすぎる.....
「アテナさん!ご無事だったんですね!」
「うんー。しんだふりしてたんだー!」
「でも本当に死んでいるようでしたよ?」
「ゴッドしんだふりだからねー!当然しぬよー( ´∀` )」
いやいや!死んだふりだろ!?当然のように死ぬなよ!
「確かにそれなら死んじゃっても仕方がないですね」
え!?あの説明で納得しちゃったの!?
「でも本当にご無事でよかったです」
「大丈夫ー。ラピスは心配症だねー。
私がしんでる時もずっと心配してたよねー( ´∀` )」
「死んでた間のことも分かるんですか?」
「わかるよー!しんだふりだからねー!」
「なるほど。死んだふりならわかりますよね」
お前ら言ってること無茶苦茶だろ!
死んだふりなのか、死んでたのかハッキリしろよ!
「それで?本当になんともないんだろうな?」
「大丈夫ー!ぴんぴんしてるよー!」
アテナはそう言うと、ドンっと胸を叩いた。
───ぷるんっ
あっ。揺れた。
「歩~!私が生きてて安心したー?」
「あぁ。正直安心した。これからは勝手に死んだりするなよ?」
「うんー!もうしんだりしないよー!
だってー、歩が守ってくれるんでしょー?」
あんな思いをするのは二度とごめんだ。
「もちろんだ。だから俺の側でいい子にしてるんだぞ?」
「子供扱いしないでよ~~~~~~~~~ヽ(`Д´#)ノ」
「いい子、いい子」
───ぽふっ。ぽんぽん
「にへへー!許してあげなーい!」
言葉とは裏腹に、ぽんぽんされたアテナはいつものようににぱー☆と微笑んだ。かわいい。
いつまでも守っていきたいな~、この笑顔。胸大きいし。
□□□□ ~歩さんはツンデレ?~ □□□□
俺はアテナのにぱー☆に癒され、ラズリさんは俺とアテナのやりとりを優しい眼差しでみつめている。
アテナも無事。ラズリさんも無事。
残る不安要素はこの魔物部屋だけだ。
36計逃げるにしかず。
賢いはず、と思っている俺は即断した。
あとはこの魔物部屋からどうやって逃げるかだけなのだが.....
やはり状況を把握していなかったのはこいつだった。
「それにしてもー、歩ってツンデレだよねー!」
「はぁ?俺がツンデレ?」
「気になります!アテナさん、どういうことですか?」
気になるって.....アテナの言うことだぞ?
てか、今は緊急事態なんだから緊張感持てよ!
「私をすごく心配してたでしょー。
そんなに心配なら早く助けに来ればよかったじゃーん?」
「はぁ?自惚れるなよ?このおっぱい女神が!
誰が誰を心配してたって?」
「心配してましたよね?」
「してません。ラズリさんの気のせいです」
ラズリさんならともかく、アテナを心配してたなんて言うとつけあがるだけだしな。
「心配してなかったのー?」
「全く」
「ほんとにー?」
「してないって言ってんだろ!」
「ふぇぇ(´;ω;`)」
「その手にはのらないからな?どうせ嘘泣きだろ?」
ナメるなよ!駄女神が!泣けばいいと思ったら大間違いだ!
俺が優しくするのはニケさんだけだ!
「.....なるほど。確かにツンデレですね」
「でしょー!歩は素直じゃないんだよねー」
「そんなところもかわいいです❤」
「歩よりも私のほうがかわいいでしょーヽ(`Д´#)ノ」
お前ら、なんの話をしてんだよ.....
てか、やっぱりアテナは嘘泣きだったな。
「歩~!歩~!ほんとーは心配してたんだよねー!」
「しつこいな。してないっつーの」
「ふーん」
「な、なんだよ?」
アテナがニヤニヤしている。
すごく嫌な予感がする。
アテナが企むことは大抵ロクでもないことばかりだ。
本音は聞きたくないが、聞かないと後ほど更にひどいにことになるかもしれない。
俺が戦々恐々としていると、アテナが突然叫びだした。
「くそが!くそが!!くそがああああああああ!!!」
え?ま、まさかこれって.....
俺は固まった。
そして同時に嫌な汗をかきはじめた。
更にアテナは必死な顔で言った。
「俺のアテナをよくも!絶対許さん!!
みなごろしにしてやる!!!」
「俺の体なんてどうでもいいんです!
俺のせいで愛しいアテナが!アテナが!!」
ちょっ!?なんか勝手に改ざんされてる!?
「あぁ~❤愛しい人にここまで言われたら恋人冥利につきますよね~❤アテナさんが羨ましいです」
婚活バカは黙って!?てか、アテナは恋人じゃないし!
興が乗ってきたアテナは、死を覚悟して、シリアスな顔で言った。
「言いましたよね?二人は俺が必ず守るって。とは言っても、結局アテナは守れませんでしたが.....ははは(悲壮感)」
アテナがニヤニヤしながら、俺を見る。
や、やめてくれ.....
俺の頭の中にその時のシーンが鮮明に思い出されてきた。
そして、アテナの演技はますます女神懸かってきた。
「せめてラズリさんだけでも守らせてください(キリッ)」
キリッってなんだよ!?してないよ!?
は、恥ずかしい.....俺はそんなキザじゃない!
「きゃあああああああああああああ❤
確かにアユムさんは言っくれました!
もう一度!もう一度言ってください///」
あんた、本当に黙って!?言える訳ないだろ!
恥ずかしすぎるわ!
あの時はアテナが死んだと思っていたし、魔物部屋の状況も芳しくなかった。
異常な状況だったからこそ言えたセリフだ!
そして最後にアテナはキメ顔で言い放った。
奥から覗いた八重歯を煌めかせながら.....
「俺はアテナの敵討ちがありますから(使命感)」
や、やめてくれ.....
ほ、本当に恥ずかしい.....
アテナが言い放った出来事ひとつひとつが、走馬灯のようにリピートしている。
あの時俺は本気で真剣だった。
ゆえにダメージが大きい。
アテナが俺の耳元で何度もつぶやく。
「くぅ.....」
俺は黒い瞳に、涙を溜めて――。
「や、やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
うずくまって悶えた。
「言わないでくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
忘れろ!忘れてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
そして、涙ながらに叫んだ。
アテナがにこにこしながら尋ねてくる。
「歩~!歩~!私を心配してたよねー?(*´∀`*)」
心配してました!すいません!
だからもうやめてください!お願いします!
恥ずかしい思いをして悶えながらも俺は思う。
本当に生きててくれてありがとな!くそ駄女神!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き
次回、私の歩だから!
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今日のひとこま
「なんでアテナさんが生きているって分かったんです?」
「鑑定ですよ。通常死亡した人は鑑定できないんです」
「なるほど!さすがアユムさんですね!」
「気が動転してて、すぐに気付かなくてすいません」
「いえいえ。アテナさんが無事でよかったですね」
「私!復活ー!」
「復活ー!じゃねえんだよ!紛らわしい真似すんな!」
「えー?歩ならすぐに分かると思ったんだよー?」
「どうしてそう思うんですか?」
「んー?だってー、私の歩だからだねー!(にぱー☆)」
「誰がお前のだ!(くそ!相変わらずにぱー☆はかわいいな)」
「くっ。やはり最大のライバルはアテナさんですか」
はい。婚活バカ、婚活バカ。
「でもアテナの言う通り、仮に鑑定を使わなくても、すぐに分かったのは確かです」
「愛ゆえに、ですか?」
「私のだからー?」
「全然違う。正解はおっぱいです」
「はぁ?どういうことですか?」
「俺はアテナのおっぱいについては一家言ありますから。
触れれば大抵のことは分かります」
「アテナさんだけずるいです!私のもお願いします!」
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