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第2.5章 ラピスラズリ

第31歩目 はじめてのお参り!雇用契約2日目

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前書き

こちらも不定期ではありますが、少しずつ更新していきます。

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前回までのあらすじ

アテナがおもらしした.....

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熱中症にならない程度に水分は取りましょう。
でも、飲み過ぎには注意です。

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「アユムさんの赤ちゃんを授かりますように」
「ちょっと待て!その願い事は色々おかしいですよね?」

その前に願い事を口にするなよ。

俺達はダンジョン探索を終え、今は神社に来ている。
ラズリさんが冒険の無事をお祈りしたいと言うからだ。

「いいじゃないですか。今の私はアユムさんの彼女なんですから」
「そもそもその願い事は彼女ではなく妻ですよね?」
「妻ですが、なにか?」
「なにか?ではなく、ラズリさんは妻ではなく彼女ですよね?」
「彼女と認めてくれるんですね!ありがとうございます!」

う、うぜぇ.....
契約でそういう約束になってるだけだろ!

「アテナは何をお願いしたんだ?」

.....あれ?
そもそも女神が神にお願い事するっておかしくないか?

「んー?おもらししませんように、ってお願いしたよー!」

それ神頼みなの!?自分で頑張れよ!?

「これでもうおもらししないよー!ねー?えらいー?」

───ぽふっ。ぽんぽん

「そうだな。でも神様に頼まないで自分で頑張ろうな?」
「にへへー!もう大丈夫だよー!
 私のお願いは必ず聞いてくれるからー!」

必ず聞いてくれるってなんだよ.....

頭をぽんぽんされたアテナはいつものように、にぱー☆と微笑んできた。
八重歯がたまに覗くのがかわいい。

「そういうアユムさんは何をお願いしたんですか?」
「アテナがいい子になりますように。
 ラズリさんが早く結婚できますように、ですね」

「ちょっとどういうことよー!私はいつもえらいでしょー!」

アテナはヽ(`Д´#)ノ←こんな顔で納得いかないと怒っている。

「えらい子はおもらししない」
「あれは歩が私を無視したせいでしょー!歩のせいだよー!私の付き人なんだから、私のおしっこ管理ぐらいちゃんとしてよねー!」

───ブチッ!

「俺は飲みすぎるな!って言ったよな?誰が悪いんだ?」
「ふえ~~~~~~ん(´;ω;`)ごめんなさーい!」

俺が頬をつねったことでアテナが喘いだ。
でも謝りはしたが、誰が悪いかまでは言ってない。

「それで誰が悪いんだ?」
「あゆ.....」

俺はまたアテナの頬に手を伸ばす。

「ひぃ!えっと.....あっ!ラピス!ラピスが悪いんだよー!ぺったんこラピス許さないー!」

「私ですか!?」
「ラピスが歩と話してるから、歩が私のおしっこに気付かなかったんだよー!」

どんな屁理屈だよ!?
少しも自分が悪いと思ってないあたりが図々しすぎる。

「ラピスー!謝ってー!私に誠心誠意謝ってー!」
「ご、ごめんなさい」

ラズリさん、謝っちゃったよ!?
勢いに負けたのか?それとも神の威光ってやつか?

「歩、これでわかったでしょー?ちゃんと悪い人を見つけたんだから、ぽんぽんしてー?」

アテナは勝ち誇ったかのように胸を張っている。

───ぷるん。

あっ。揺れた。

対して、ラズリさんは本当に誠心誠意謝っている。

───。

まぁ、揺れるわけはないか。ぺったんこだしな。

しかしこれはあかんやつだ。
ラズリさんが理不尽すぎてかわいそうだ。

だから俺は、

───ぽふっ。ぽんぽん

「あっ.....」
「うちのバカがすいません」
「いえ。結果アユムさんに優しくしてもらえましたから」

ラズリさんはにこっと嬉しそうに微笑んだ。きれいだ。

ちゃんとしてればきれいな人なんだよなぁ。ぺったんこだけど。

「ちょっとー!なんでラピスなのー!私はー?」
「アテナはなし。少しは反省しろ!」
「私だけに.....。期待しちゃっていいですかね?」
「ごめんなさい!」
「な~んでですか~!期待ぐらいさせてくださいよ~!」

やだよ。
絶対めんどくさそうだし。


□□□□

───ガラガラガラガラ

おみくじ箱から小気味よい音がしている。
当然鳴らしているのはアテナだ。

「みんなの分も私が引いてあげるねー!」

いやいや。
それじゃおみくじの意味ないから。

「はい。お願いします、アテナさん」

え!?いいの!?
それじゃおみくじの意味ないんじゃないのか?

「いいんですか?」
「アテナさん、楽しそうじゃないですか。構いませんよ」
「ありがとうございます。改めてラズリさんを雇ったのは正解だったと痛感しました」

バカなアテナの行動を笑って許してくれる存在はそうそういない。

「ふふっ。ありがとうございます。少しはデレてくれました?」
「はぁ.....。それさえなきゃ本当に完璧なんですけどね?」
「だってこうでもしないと、私を見てくれないですよね?」
「え?それってどういう意味ですか?」
「.....アユムさんのバカ!もういいです!」

ラズリさんがあきらかに不機嫌になった。

なんだ?俺がなにかしたのか?
てか、少し気まずいな.....

そんな俺達の少し重い空気をなんとかしてくれたのは、やはりこいつだった。助かる!

「歩~!大吉ー!やったねー!」
「でかした!幸先いいな!」

初っ端から大吉とか腐っても女神か。

「じゃあ、次はラピスの引いてあげるねー!」
「アテナさん、お願いします」

───ガラガラガラガラ

「ラピスも大吉ー!やったねー!じゃんじゃんいくよー!」
「ありがとうございます。アテナさん」

じゃんじゃんって.....後はアテナだけだろ。
それにラズリさん。俺はちゃんと見ていたからな?

───ガラガラガラガラ

「はいー!私も大吉ー!」
「え?3連続で大吉なのか?」
「アテナさん、すごいですね!」

確かに確率的にありえないことではないが.....

「アテナ。もう一回引いてみろ」

───ガラガラガラガラ

「んー?なんか言ったー?歩~?」

アテナは俺の言葉を聞く前から既に引いていた。
それは新しいおもちゃを楽しんでいるかのように。

「大吉ー!また大吉だったよー!」
「また!?まさか大吉しか入ってないとか?」
「そんなことはないと思いますが」

店員さんに確認したところ、ちゃんと大凶もあるとか。

てか、大凶あるのかよ。
日本ですら大凶なんてなくなりつつあるのに。

───ガラガラガラガラ
───ガラガラガラガラ
───ガラガラガラガラ
───ガラガラガラガラ
───ガラガラガラガラ

と、その時、アテナは突然店先にあったおみくじ箱5個を順次引きはじめた。

「ちょっ!?アテナ、なにしてんの!?」
「だってー!歩が私の力を疑ってるみたいなんだもーん!」

力ってなに!?

「大吉ー!大吉ー!大吉ー!大吉ー!大吉ー!全部大吉ー!どうー?すごいー?」

アテナがエヘンッと胸を張る。

───ぷるん。

あっ。揺れた。

じゃなくて!さすがにおかしいだろ!
全部大吉とかありえるのかよ!?

「す、すごいですね。アテナさん.....」
「た、たまたまですよ。多分大吉がたくさん入ってるんですよ」

俺は何気無しに引いてみた。

大凶。

「・・・」
「・・・」
「ぷー(*´∀`*)大凶だってー!初めて見たー!」

アテナが俺の大凶を見てケラケラ笑う。

まぁいいよ、別に。
でも大凶って.....

「アテナはなんでそんなに大吉が出るんだ?」
「だって私女神だしー?女神パワーが勝手に溢れるんじゃないー?」

なんで疑問系なんだよ!

「あとねー。じゃんけんは負けたことないし、茶柱は必ず立つよー!お茶あまり好きじゃないけどねー」

女神パワーがくだらなすぎる.....
でも、アテナとじゃんけんはしないようにしよう。

でも大凶か.....
どれどれどんな内容かな?

願望 ・・・心配多くして成就困難
病気 ・・・まかり間違えば命に支障あり
失物 ・・・一度失ったら諦めるべし
待ち人・・・刺されないよう注意すべし
恋愛運・・・相手を許容する心を持て

・・・。

刺されないように注意ってなに!?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『アテナ』 レベル:3 危険度:極小

種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀

職業:女神
称号:智慧の女神

体力:50
魔力:50
筋力:50
耐久:50
敏捷:50

女神ポイント:2300【↑300】

【一言】ぷぷぷ。歩、大凶って。でも私が一緒にいるから大丈夫だよー!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アユムの所持金:234000ルクア【↓1000ルクア】
冒険者のランク:A(クリア回数:1回)

このお話の歩数:約10800歩
ここまでの歩数:約1005000歩
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『アユム・マイニチ』 レベル:1417【↑8】

種族:人間
年齢:26
性別:♂

職業:凡人
称号:女神の付き人

体力:1427(+1417)【↑8】
魔力:1427(+1417)【↑8】
筋力:1422(+1417)【↑8】
耐久:1422(+1417)【↑8】
敏捷:1477(+1417)【↑8】

技能:言語理解/ステータス/詠唱省略

Lv.1:初級火魔法/初級水魔法/初級風魔法
   初級土魔法/初級光魔法/初級闇魔法

Lv.2:隠密/偽造/捜索/吸収/浄化魔法
   治癒魔法/共有

Lv.3:鑑定/剣術/体術/索敵/感知
   物理耐性/魔法耐性/状態異常耐性

共有:アイテムボックスLv.3
   パーティー編成Lv.1

固有:ウォーキングLv.1417 1076/1418
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後書き

次回、まさかのピンチ!

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今日のひとこま

「ラズリさんはどうでした?こっそり引いてましたよね?」
「アユムさんは目敏いですね。大吉でしたよ」
「おめでとうございます。よかったですね」
「はい!だから安心してください!」

「なにをです?」
「アユムさんは大凶でしたよね?」
「そうですが?」

「私の結果なんですが、待ち人は近くにいるから積極的に狙うべし。恋愛運は自分の運を不運な人に分けるとなお上昇傾向にあるらしいんです!」

「・・・」
「(じ──────)」
「な、なんです?」
「.....運命 (ポッ)///」

くそっ!照れてるラズリさんは可愛いな!
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