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第5章 唯愛の賢妻と傲慢勇者

~新米冒険者③と男の生き様~

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前書き

会話パート

「」ユウジ {}エステル 〔〕サーシャ []セリーヌ

<>詩乃 【】テレサ・フアナ・スハイツ・ジーン

[]サリー・アイサ・アマリリス・ミシャ・ハリー・サラ

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 お気に入り・評価・感想、お待ちしています

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商都リブループ・ユウジ別荘 ~変わらない日常~

 新米君達が起き出したので、お互い軽い自己紹介を終え、今の生活拠点であるリブループへとみんなで転移した

 そこで俺はかつて家族にしたように、新米君達にも奴隷である常識を捨ててもらうよう命令お願いした
(詳しく知りたい奴は第39話を見てくれよな!)

 「────という訳で、お前達を奴隷として扱わないし家族として迎える。本当の家族のように接してくれて構わないからな!」

まぁ当然のことながら新米君達は驚いていた
 そういえば俺の家族達もこんなふうに驚いていたな、と感慨深く感じていたら・・・

{前々から思っておったが、奴隷を家族のように扱うなど本当お師匠様は変わっておるのじゃ。お師匠様の家族やこやつらの件にしてもそうじゃな}
あぁエステルも初めて見るのか奴隷家族への説得は

「まぁ奴隷といっても一人の人間だしな。俺の世界には奴隷なんて存在がいなかったから、余計奴隷扱いしづらいというかしたくないというか違和感があるんだよ。だからそういう意味ではエステルにはすごく感謝をしている。奴隷という存在が常識であるこの世界で、奴隷を奴隷扱いしていないことにさ。改めてありがとうな!」

そう言って、俺の膝上に座るエステルをなでなでした
 なでられているエステルは気持ちよさそうに目を細めながらも俺にきっぱりと言い放った

{くふふ。当たり前なのじゃ!お師匠様とそう約束したからのぅ!妾にとってお師匠様との約束はそれだけ大切なものなのじゃ!}
 俺はその言葉を聞き嬉しく思いながらもふと思う

(確かに以前約束したな。確かあれは魔術大会の時だったよな・・・でもその時のエステルは俺への強さの憧れやエステル自身が強くなりたいが為に俺と約束したような印象が強かった気がするな?はて?今はどうなんだろう?)

 答えは聞かなくても既に分かってはいたが、敢えてエステルの口からその想いを聞きたいと俺は思った
 だから少し意地悪かとは思ったがエステルに尋ねてみた

「約束が大切なのはエステル自身が強くなりたい為か?それとも俺とした・・・・約束だからか?」

 俺の質問にエステルは初めキョトンとした顔をしていた
 その表情からはさも何を言っておるのじゃ?と言わんばかりだ

 しかし漸く俺の意図に気付いたのか顔を真っ赤にしながらも・・・

{も、もちろんお師匠様とした約束だからなのじゃ!}
・・・凄くいい!凄く萌えた!最高です!

エステルも家族の前でも随分素直な気持ちを出すようになった
 そして俺ももうエステルへの気持ちを隠すつもりはもはやない

気持ちを、想いをオープンにできるっていいものだよな!

だから俺は家族の前でエステルと見つめ合い、そして・・・

「エステル、ありがとう。可愛いぞ!・・・愛している」
 {みんなの前で恥ずかしいのじゃ。でも・・・大好きなのじゃ}

エステルと見つめ合い、そして・・・

〈え~と。テレサにフアナにスハイツにジーンだっけ?これがうちらの日常ね?急にこんな展開が始まるから。それとこれが後2~3回続くから慣れてね~〉
我が同士詩乃!投げやりな説明ありがとうございます!

 【【【【日常!?】】】】
あぁ、なんかこんな展開も以前あったよな~

エステルと見つめ合い、そしてそのまま甘いキスをした
 エステルの嬉しそうな顔は俺の心のオアシスだ!

その後当然サーシャとセリーヌともキスをしたことは言うまでもないだろう!
 新米君達も奴隷の件とはまた別に驚いていたようだ

詩乃の言う通り早く慣れてくれよな!

さてとこの展開には必ず締めがお約束になっている
 ちゃんと締めないといけないよな?

 「詩乃もキスする?特別に許可するぞ?」
 〈だ、誰があんたなんかと!バ、バカじゃないの!?〉

 俺の新しい切り口にあたふたと困惑する詩乃
こいつはいつまで経っても変わらないな

 [あにさま・・・]
 [ユウジ殿・・・]
 [ゴ主人・・・]

サリーは相変わらずだけどアイサとアマリリスは変わりすぎ!
くどいがまた今度な!今度話を出してあげるから!

  [にいさま達はいつもラブラブだよね~!]
 [[はぁ・・・]]

ミーの無邪気な発言に、サラやハリーの深いため息
ちなみにアヤメとガーベラは全く興味がないらしい


 これが俺達家族の変わらない日常なんだよな!
 新しい家族が加わっても変わることのないかけがえのない日常だ!


□□□□

商都リブループ・ユウジ別荘 ~新米君紹介~

 俺の家族宣言と新米君達の俺の呼び方決めも滞りなく終わった

俺のことをテレサは『兄貴』と、フアナは『にぃに』と呼ぶことになった
男共スハイツとジーンのはどうでもいい。興味もない

 テレサは俺のダークエルフのイメージまんまで、ほわほわしているが快活で元気いっぱいだ
 スタイルはこれからかな?エロく育って欲しいものだ
特徴的なのは当然尖った耳と尻尾だ・・・え?尻尾?
どうやら単なるオシャレらしい。サキュバスかと焦った
 エルフであるアオイとは犬猿の仲かと思いきや、別にそういう訳でもないらしい

(ふむ。元気いっぱいなテレサは同じく元気いっぱいなミーと仲がいいみたいだな。ミーにも近しい友達ができてよかった)

フアナは相変わらずの噛みっ子で人見知りをする女の子だ。いや人見知りするから噛むのか?よくわからん
 スタイルはビックリするぐらい絶壁だった。ま、まぁ成長期だもんな!気にすんな!
 特徴的である角は性感帯であると同時にとても大切な場所でもあるとエステルから聞いた時はかなり焦った
既に当たり前のように触っていたからだ
 いや、普通気になって触りたくなるよな?

 (ふぅ~。焦った、焦った。だ、大丈夫だよな?知らなかったんだしノーカンだよな?まさか角を触っていいのが将来を誓った相手だけとかビックリしたわ!まぁある意味お約束と言えばお約束なのか?)

スハイツとジーンはどうでもいいので説明を省こうと思う

【兄ちゃん!?】
【お兄さん!?】
だからお前らの兄じゃねぇんだよ!いい加減にしろ!

はぁ。説明しないと二人がうるさそうなので仕方なく説明しよう

 スハイツは新米君達のリーダー的な存在で実際世話好きでもある。他の3人もどうやら頼りにしているみたいだ
体格は歳の割にはガッシリしている。戦闘種族銀狼種の特徴らしい。ちなみにスーパー銀狼人はいないとのこと
 けっ。つまらん!怒りで目覚めろってんだ!
エステルの説明ではエルフと双璧を為す美男美女揃いなんだとか

(スハイツも既にイケメンの体を為していやがるからなぁ。うちの天使組がたぶらかされないようしっかり監視しないとな・・・手を出したらぶっ飛ばそう!)

ジーンは素直で優しい性格だ。職業の治癒士にピッタリなのだが・・・何と言うか可愛い雰囲気を漂わせている
所謂ショタというやつだろう・・・
体格はスハイツとは真逆で気持ちふっくらしているぐらいだろうか。肥満体型とは言えないぐらいだ
 エステルの説明では兎人族と同様愛玩種族らしく、男女ともにぱっと見見分けがつかない容姿なんだとか

(な、なるほど。確かにジーンは黙っていたら女の子と間違えそうだもんな・・・こいつはスハイツとはまた違った意味でやばいやつだ!サーシャやあかりには注意喚起しとかないと・・・嫁に手を出したらぶっ飛ばそう!)

 結論!やはり男の奴隷は百害あって一利なし!
 成人奴隷だけでなく子供の奴隷ですら害になりかねないとかどうしようもないな!
これはしっかりと監視&教育をほどこさねば・・・


 そう考えた俺は緊急家族会議を開くことにした

□□□□

商都リブループ・ユウジ別荘 ~家族会議~

 「え~議題はスハイツとジーンの扱い方だ。みんなも知っている通りスハイツはイケメンで、ジーンはショタ属性がある。これは女の子ばっかりな俺の家族にとってとても危険な状況でだ。俺がちやほやされなくなるからな!・・・といっても家族に迎えた以上追い出す訳にもいなかないので扱い方を決めたいと思う!」

 〔ユウジ様!?本音漏れてますよ!?〕
 [ショタってなんですの?]
 {お師匠様は子供相手にも本当傲慢じゃな!?}
 〈あんたねぇ・・・子供相手になにむきになってるのよ〉

お!?みんな不満か?不満なのか?
でも俺は譲らないぞ!男には譲れない戦いがあるからな!

 「子供だからとかは関係ない!オスかオスじゃないかの違いだ!そこに大人も子供も関係ない!という訳で色々と決めていきたいと思う!」

 〔ま、まぁそれでユウジ様が納得されるなら・・・〕
 [だからショタってなんですの?]
 {妾はお師匠様だけのものなのでどっちでもいいのじゃ}
 〈はぁ~。まぁハクトのことだし酷いことはしないんでしょ?〉

 若干呆れ顔の家族を尻目に強引に会議を進めていく
 そんな中不安げな表情を覗かせる新米君達(特に男共)
まぁ気持ちはわかる。先行き不安な展開だしな
 でもこれは必要なことだ。俺の為にもこいつらの為にも・・・

【に、兄ちゃん・・・】
【お、お兄さん・・・】
だから!兄じゃねぇって言ってんだろ!!

 「安心しろ。お前らスハイツとジーンとは家族として接しはするが仲良くするつもりはない。ただ酷いことをするつもりは絶対ないからそこは安心してくれてもいい。別に俺がお前らを特別嫌ってる訳でもない。そもそも俺は男が嫌いなだけだからな!」

 〔いつものユウジ様ですね〕
 [いつものユウ様ですの!]
 {いつものお師匠様なのじゃ}
 〈いつものハクトね〉
 【【【【いつも!?】】】】

 別に虐めてる訳じゃない!ただただ男が嫌いなだけだ!
そもそも女の子がいっぱいいるのに男と仲良くする理由がわからん
男の友情?はっ!そんなもんいらん!
そんなもんに時間を費やすぐらいなら女の子との愛情を深めるわ!

 「そもそもだな。スハイツとジーンは男な訳だろ?まだ幼いとはいってもな。どんな事情があったかはわからんし興味もないが、一度冒険者として生きていくと決めたなら自分を厳しく律しろ!こんな世の中だ。自分に甘い男は生きていけないぞ?甘えたいなら好きな女の前だけにしろ!俺はそうしてるぞ?男なら自分の境遇ぐらいなんとかするぐらいの覇気を持て。そもそもお前ら二人がもっと強かったらさっきのダンジョンだって危ない目にあっていなかったんだぞ?今回はたまたま俺とエステルがいたからいいが、もし俺達がいなかったらお前ら二人だけじゃない、テレサやフアナだってもしかしたら死んでたかもしれないんだぞ?奴隷だったからとかの言い訳はするなよ?自分の置かれた環境を呪う暇があるなら強くなれ。自分の置かれた環境に甘える暇があるなら強くなれ。厳しく聞こえるかもしれないが、それが一度冒険者で生きていこうと決めた男の宿命だ・・・強くなるための手伝いぐらいならしてやるからもう一度よく考えておけよ?」

 【・・・】
 【・・・】

 (う、う~ん。子供相手に少し大人げなかったか?しかし魔物が跋扈する世界だしなぁ・・・子供といっても異世界ではスハイツ達の年齢で一人前扱いみたいだし大丈夫だろう。せめてスハイツ達が一人立ちしても大丈夫なぐらいになるまでは面倒を見る責任はあるよな。スハイツ達も俺の下にいつまでもいる訳じゃないんだろうし。というか居たいと言われてもこちらからお断りだ!誰が好き好んで男の面倒を一生見ないといけないのか!見るのは女の子のみだ!)

 家族の間に重い沈黙が流れる・・・
新米君以外の家族もいきなりシリアスモードに突入した俺の言葉を茶化すことなく重く受け止めているようだ
 しかしこの雰囲気をなんとかしないと会議を始められないんだがな

 そんな重苦しい雰囲気を破ったのは・・・

【カ・・・】
ん?カ?

 新米君のリーダー的存在スハイツだった
何かを言おうとしているのでその言葉を待つ

【カッケェェェェェェェよ!兄ちゃん!!さすがSランク冒険者!】
お、おう!?なんか想像していた反応と違うな・・・

他の家族もスハイツの異様なテンションに驚いているようだ
 かくいう俺も正直驚いた
 これはもしやあれか?小さい子供達がTVとかのヒーローに憧れる系の・・・

【俺強くなるよ!兄ちゃん!俺、強くなったら兄ちゃんみたいなSランク冒険者になるんだ・・・】
お、おま!?それ死亡フラグだから!!

 【僕も感激したよ!お兄さん!僕が強くなったら仲良くなろう!きっと僕達仲良くなれる気がするんだ・・・】
お、おま!?それも死亡フラグだから!!


スハイツとジーンが盛大に死亡フラグを立てつつ、俺達の家族会議は順調に進んでいった
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