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第6章 安らぎの時間と魔剣フォルキナ

~提案と覚悟~①

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前書き

本話より第6章となります。

この章は、今までの章とは少し毛色の異なる章とする予定です。

(※物語の根幹である女の子とのいちゃいちゃは変わりません)

新たな章を引き続き楽しんで頂ければ幸いです。

これからも「過去と現在を結ぶ異世界ストーリー」をよろしくお願い致します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

帝都エクスペイン・『居住区』ユウジ邸 12月25日昼

「くぁ~」

可愛いあくびが聞こえてきた。
あくびの声色からすると、ぐっすり眠れたようだ。

「おはよう、エステル」
「ふみゅ?.....おは、ようなのじゃ、お師匠様」

俺の胸の中で丸くなっていたエステルは、まだ寝ぼけているようで目をごしごししている。

それにしても.....
俺はちらっと視線を下に移す。

陽射しに照らされたエステルの裸体はエロ美味そうだ。

今すぐ、かぶりつきたい!
今すぐ、なめまわしたい!
.....ハッ!いかんいかん。色魔、色魔

てか、裸を隠そうともしないあたりは苦笑を禁じ得ないが、俺からしたら眼福ものだ。

ありがとうございます!

さてと、エステルが起きたことだしお約束のあれをしてもらわないとな!

「早速で悪いが、お嫁さんの義務をしてくれ」
「あ~.....そうじゃったな」

あれ?
もしかして忘れてた?
う.....そだろ!?
俺の楽しみの一つなんだが!?

「くふふっ」
「ど、どうした?」

俺は狼狽しながらも尋ねた。

「いや、すまんのじゃ。朝起きて、目を開けたらそこにお師匠様がいたのじゃ。そしたら、やっと妾はお師匠様のものになれたんじゃな~って、思えての。今更ながら実感が沸いてきて嬉しくなったのじゃ」

・・・。

か、可愛いすぎ!
もう無理!本当無理!
色魔で抑えてる場合じゃない!

この後に用事があるけど、エステルが最優先だ!

「エステル・・・我慢できん」
「え!?いきなりどうしたのじゃ?」
「どうもこうもない。今からエステルを抱く」
「今からじゃと!?しかしもう明るい・・・んむ!?」
外が明るいとかやめる理由にならん。

俺はエステルの言葉を遮るように問答無用で唇を奪った。

エステルも最初こそ驚いていたが、だんだんとキスが情熱的になってきた。
どうやら受け入れ体制が整ったようだ。

「いいよな?」
「.....お、お師匠様は強引なのじゃ」

照れてはいるが、期待の色が入り混じった魅惑的な瞳。
性的関心はあかりに近いのかもしれない。
それなら遠慮する必要はない。

そして俺とエステルは見つめ合い、

「エステル・・・愛している」
「お師匠様・・・愛しているのじゃ」

数時間ぶりの熱い口付けを交わして、愛しあった。

□□□□

「お師匠様・・・ん!」

エステルからお嫁さんの義務である、おはようのキスが届いた。
初めてのおはようのキスはちょっとわがままな味がした。

お嫁さんの義務が終わった後は、普通にまったりしている。
エステルも俺の膝上でくつろぎ、俺もエステルをなでて過ごしていた。

こういういちゃいちゃできる時間はとても重要だ。
いつまでもこうしていちゃいちゃしていたい。

.....あれ?もしかしてフラグたった?

「じゃあ、早速話しの続きをしてほしいのじゃ!」
おふっ!?フラグたってた.....

「悪いな。このあと用事があるんだ。その話はまた今度で」
「用事じゃと!?ぐぬぬ。それは妾と話すことよりも大事なことなのか?」
出たよ、出た!エステルのわがままが!

これって所謂、
私と仕事、どっちが大事なの!?ってやつだよな。
まさか異世界で聞くことになるとは思わなかった。

それはともかく.....
普段ならエステルなんだが、今回はそうもいかない理由がある。
諦めてもらうしかない。

「エステル」
「!」

俺の有無を言わさない態度に、エステルの身体が強張る。

「ご、ごめんなさいのじゃ.....」

少しわがままだけど、ちゃんと謝れるし、聞き分けられるんだよな。わがままだけど。

俺はシュンとなっているエステルを優しく包み込んで囁いた。

「ごめんな。用事ってのはあかりのことなんだ」
「そうなんじゃな。妾こそわがまま言ってごめんなのじゃ」
「いいんだよ、そこがエステルの可愛いところなんだから。今回が特殊なだけだ」

エステルを慰めるようになでなでをしてあげた。
徐々にエステルの身体がやわらいでいくのがわかる。

「せっかくだし、エステルも一緒にいく?」
「妾が一緒にいてもよいのか?あかりのことなんじゃろ?」
「大丈夫だ、問題ない」
「う、う~ん。しかしの.....」

.....?
なんだ?
エステルらしくないな?
もしかして、さっきのことを気にしているのか?

遠慮なんてしなくてもいいのに。
てか、遠慮するエステルなんてらしくない!

だから俺は、エステルをお姫様だっこするように抱え、

「無用な気遣いだろ。俺達はいつも一緒なんだからさ」

強引に連れていくことに決めた。

「お師匠様!?」
「遠慮するな」
「じ、じゃなくての。妾はまだ.....」
「あかり達が待ってるからいくぞ」
「ちょっ!?まっ、待って.....」

問答無用!
俺はエステルを抱え、あかり達のもとへと向かうべく寝室を出た。

「お、お師匠様!?妾はまだ裸なんじゃが!?じ、冗談じゃろ!?」

俺の腕の中で、暴れるエステル。
その反動でぷるぷる揺れるエステルのたわわな霊峰。

う~ん!
眼福♪眼福♪
たまらんわぁ!

・・・。

ちなみにこの後、エステルにはめちゃくちゃ怒られた。
サーセン(笑)

□□□□

商都リブループ・ユウジ別荘リビング 14時

「悪い。待ったか?」

別荘のリビングにはあかりを始め、委員長と赤石?青山?コンビに翠川、そしてたまちゃんがお茶をしながらくつろいでいた。

俺は昨日、委員長達に話があるから泊まっていくようにあらかじめ伝えていた。

「待ったか?じゃないわよ!ふざけてんの!?」

いや~。委員長怒ってんなぁ。
まぁ、怒る理由もわかるけどね?
だって約束したのはお昼だったしな。

「白兎あんた!話があるから待っててくれって言っておいて2時間も遅れるとかどういうことよ!」

青筋立てんなよ。
せっかく可愛い顔してんのにもったいない。

「悪い。エステルがあまりにも可愛くて盛り上がっちゃってさ」
「お、お師匠様!?」
「よくあることだから許してくれ。な~?あかり?」
「ゆ、雄司君!?」

意外なことを暴露されて、エステルもあかりも真っ赤になって俯いてしまった。二人とも可愛い。
まさに青天の霹靂というやつなのだろう。

「「「「・・・」」」」

委員長達も顔を赤くして、そっぽを向いている。
ウブな連中だぜ!

□□□□

「それで話ってなに?」

俺とエステルはリビングのソファーに腰掛け、あかりが用意してくれたおにぎりを食していたら、委員長が早速切り出してきた。

てか、おにぎりぐらいゆっくり食わせろよ
もぐもぐ、もぐもぐ

「うん、あかりのおにぎりは美味いな!特に塩握り!」
「ありがとう、雄司君」

あかりがニコッと微笑んだ。
あかりの笑顔は可愛いんだけど、どこかエロい。

あかりの作る日本食は俺の楽しみの一つだ。
まぁ、おにぎりを日本食に含めるかどうかは微妙なところだが。

とりあえず、ご褒美にあかりの頭をなでてあげた。

「お師匠様!妾も!妾もなでてほしいのじゃ!」
この欲張りさんめ!たくさんなでちゃる!

二人を優しくなでる。
あかりとエステルの髪はしっとりさらさらで、触っているだけでも気持ちいい。

二人は目を細めて気持ちよさそうに甘えてきた。

「えへへ。雄司君~❤」
「くふふ。お師匠様~❤」

このやすらぎ空間。俺も幸せだ。
やはりいちゃいちゃはいい!

「そ・れ・で?話ってなにかしら?」

明らかに不機嫌なオーラを出している委員長。

「怒るなよ。わかってるって」
「だったら最初からちゃんと.....」
「委員長もおにぎりが欲しかったんだろ?わかってるって。困ったやつだ。鮭でいいか?」
「白兎ーーーーーーーーーーーーー!」

委員長が今にも掴みかからんとしてきた。
さすがにバカにしすぎたようだ。

.....にしても、本当にからがいがいがある。

委員長とそんなバカなやりとりをしていたら、俺はある視線に気がついた。

「どうした?あかり」

視線の先にいたのはあかりだ。
俺と委員長のやりとりをジッと見ていたようだ。

「雄司君となっちゃんって.....」
「「?」」
「そんなに仲良かったっけ?」
「「はぁぁぁ!?なにいってんの!?」」

いやいやいや!
今のやりとりのどこが仲良しに見えたの!?
やはりあかりはてんね.....

「ほら、ハモってるし.....なんか妬けちゃうな」
ちょっ!?天然とかに納得してる場合じゃない!

俺はあかりを抱き寄せ囁く。

「俺の愛が信じられないか?」
「信じてるよ?でも寂しいよ。だって私の雄司君なんだよ?」

えっと?
みんなの俺なんだが.....
いやいや!今は無粋な言葉はいらないな!

「どうすれば寂しくならない?」
「愛を込めていっぱいキスして欲しいな。ダメ?」
「ダメじゃない」
「じゃあ、お願い」

あかりは全体重を預けるようにしな垂れかかり、俺の首に腕を絡めてお願いしてきた。
ちょっと潤んだ瞳がスパイスとなって、頭がくらくらする。

くっそエロ可愛いな!あかりは!!

「あかり・・・愛してる」
「雄司君・・・私も愛してる」

そして、俺とあかりは委員長達が見ている前で、愛を囁きキスを何度も交わした。

「えへへっ。雄司君といっぱいキスしちゃった」
照れるからやめてくれ.....恥ずかしいわ!

なんかうまくあかりに躍らされたような気もしないでもない。
でもまぁ、あかりの照れた顔が可愛かったので、よしとするか。

ちなみにちゃんとエステルともキスをした。
平等に愛さないとな!うん、平等大事!

・・・。

「.....いいからさっさと話しなさいよ!いい加減にしろ!」

委員長の怒声は当然スルーした。
そんなに怒るなよ。うるさいな

□□□□

さてと、委員長がうるさいし、そろそろ本題に入るか。

おにぎりを食べ終わり、お茶をすすった俺は委員長達に一つの提案をした。

「単刀直入に言うと、しばらくの間うちに滞在していけ」
「雄司君!?」
「はぁ?どういうこと?」

あかりや委員長達は、俺の突然の提案に驚いているようだ。

「そのままの意味だよ。特にたまちゃん」
「ふぇ!?私ですか!?」

急に名指しされたせいか、たまちゃんはおおいに慌てふためいている。

てか、あかりの膝上に座ってくつろいでるってどうよ?
たまちゃんはいちお教師だろ?
でも、そういうところがたまらなく可愛いんだよなぁ!

「委員長達には無理強いしないが、たまちゃんは必ず残ってください。ここにいる限りは俺が必ず護りますので」

「え?え?え?それはどういう意味ですか?」

たまちゃんは訳がわからないといった感じで困惑している。
俺はお茶をすすりながら、話を続けた。

.....にしても、このお茶うまいな?これもあかり&詩乃の合作か?

「たまちゃんは非戦闘系の加護持ちですよね?」
「えっと?はい」

「だったら、委員長達と一緒に危険な旅をするよりもここに残ったほうが安全ですよ.....委員長もそう思わないか?」

委員長に視線を送る。

「そう.....かもしれないわね。白兎はともかく、あかりがいるなら安心してたまちゃんを任せられるわ」
俺はともかく、とか一言多いわ!

「と言うか、委員長達も滞在していけよ。それならたまちゃんも悩む必要なくなるだろ」

たまちゃんは正義感が強いからな。
きっと委員長達を心配するに違いない。
だったら委員長達も滞在させれば悩むことはなくなるだろう

「私達は別にいいわよ。そんなに困ってないし」

委員長の言葉に、赤石?青山?コンビが頷く。
翠川は.....まぁいいや。

それにしても.....

はぁ.....めんどくさ。
俺のナイスな提案を断るとか、こいつら正気か?

「言葉が足らなかったようだ。もう一度言う。しばらく滞在して少しでも強くなっていけ。お前ら弱すぎ。このままだと本当に死ぬぞ?」

「はぁ?死ぬって.....そんなわけないでしょ」
「今まであんまり危険なことなかったよ?」
「白兎君。さすがに死ぬってのは大袈裟でしょ」
「・・・」

委員長だけでなく、赤青コンビも俺の言葉を信じていないようだ。
翠川は.....まぁいいや。

まぁ、こいつらの認識はその程度のもんなんだろう。
仕方ないと言えば、仕方ないのかもしれないが。
突然勇者として召喚され、この世界に住む人達よりも強力な力である加護を労せずしてアウラ様からもらったのだから。
どこか現実とは違う。夢見心地な気分なのかもしれない。

俺はあかりをちらっと見る。
どうやら委員長達の様子を見て苦笑しているようだ。
もしかしたら、以前の自分と委員長達を重ねて見ているのかもしれない。

仕方ない。
以前のあかりのように委員長達に現実をわからせてやるか

「ふ~ん。死ぬわけないね.....ちなみに委員長達の旅の目的は?」
「なにを今更.....魔王討伐でしょ。あんたと一緒じゃない」
え?あれ?あかりは委員長達に伝えていないのか?

「え~と。俺は違うぞ?魔王なんかどうでもいい。俺は愛しい人達と一緒に暮らしたいだけだ。それを邪魔するようなら魔王だろうが、なんだろうが排除するのみだ」

大目的はヘイネを迎えにいくことだがな!

「はぁ?それじゃ日本に帰れないじゃない」
「帰る気はないな」
「.....え?帰る気ないの?」

俺の言葉に委員長達は動揺しているようだ。
たまちゃんもかなり驚いている。

あかりは幸せそうな顔をして、たまちゃんをなでている。
あかりマイペースすぎ!

それにしても.....

くそ!うらやましいな!あかり、俺と代われ!
あっ。いや!エステルも可愛いけどさ?
なんというか、あれだよあれ!

「あ、あかりはどうするの?白兎は帰る気ないって言ってるけど.....」
「ごめんね、なっちゃん。私も帰る気はない。だって私の幸せは雄司君と一緒にいることだもん」

あかりはそう言うと、俺の手の上に自分の手を添えて微笑んだ。

あかり、ありがとう。
.....でも改めて言われると照れるな。

「そ、そんな.....」

委員長は信じられないといった顔で、それはそれはもう驚いていた

なんか彼女に別れを切り出された彼氏みたいだな.....

「と言う訳で、魔王討伐は委員長達で勝手にやってくれ。もちろん俺は手伝う気なんか全くないからな?」

「そ、そう.....。わかったわ」
お~い?ちゃんと聞いてるか?

なんか茫然自失としているな。
今の委員長なら、おっぱい揉ませて!って頼めば揉ませてくれそうな気がする。

まぁ、委員長も黙っていれば可愛いんだよなぁ。
と言っても、委員長の魅力は黙っていたら意味がないような気もするが。

「そもそも委員長達はさ、魔王を倒せる前提で話してるけど倒せるのか?というか、魔王うんぬんの前に魔族を見たことがあるのか?」

「私達は勇者なんだから倒せるんじゃないの?そのために加護をもらったんだし。ただ、魔族ってのは見たことないわね」

俺はお茶をすすりながら、委員長の言葉に耳を傾けた。


それにしても.....

本当にうまいな!このお茶!
うまい!うますぎる!

「あかり!もう一杯!」
「ふふ。気に入ってくれたみたいで嬉しいな」

あかりが甲斐甲斐しくお茶を煎れてくれている。
俺はその姿を見て、改めて思う。


この甲斐甲斐しい愛しい嫁であるあかりの為にも.....

目の前のバカ共をなんとか説得しないとな!


お茶を煎れ終えたあかりが、俺の前にお茶を置いてくれて一言。

「はい、あ・な・た❤」
「ぶっ!?」

.....敵わないなぁ、あかりには。
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