6 / 77
上京初日(黒江)
しおりを挟む
黒江はアパートを出ると全力で走り始めた。
頭の中で自分のしでかしたことがグルグル回っている。
ひたすら全力で走り、階段も1段ぬかしに駆け上がり3階の自分の部屋に飛び込んだ。
そしてベッドの上に脱ぎ散らかしたTシャツの上にダイブする。
「ああああああああぁああ!!」
黒江は『Mark2eyeball』を見つける前、荷物の片づけをしていた。実家であれば父親にやってもらえるカラーボックスの組み立ても自分でやらねばならず、終わった時には汗ばんでいた。
そこでTシャツを脱いでトレーナー一枚となり、ジュースを買いに共用スペースに下り、ジュースを飲んでいると『Mark2eyeball』を見つけたのだった。
「いや、ブラは見えてないから。大丈夫、大丈夫。おなかくらいへーきへーき。」
必死で自分を誤魔化す。そう、見えていないのだ。一気に捲りあげないでよかった。色気を重視した自分を褒めよう、うん。
トレーナーの首を引っ張って、着用しているブラを見た。高等部3年間愛用して、さすがにへたってきている代物だ。見られなくてよかった。今度カワイイのを買いに行こう。
「違う、下着姿を見せたいのか私はぁあ!」
落ち着け、私。
そんなこと考えるとかえって余計なことを考えたり、思い出したりする。
「かわいいおへそだと思う。」
「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!」
白野の言葉を思い出し、足をバタバタさせながら悶える。おなかくらいへーきじゃない!受験勉強でお夜食食べたり、運動不足だったりでぽっちゃりしてるおなか。
「ダイエットしとくんだったって、違う、問題はそっちじゃない!嫁入り前の珠のお肌を見せたことがダメなんでしょうがぁぁぁ!」
どーして、あの男の言葉が出てくるの。どーして!
「ドーテーさんには、刺激が強かったかしら。」
今度は自分の言葉。
「あに、ビッチにゃこと言っえんお、アタシ。」
もはや、発音もおかしくなりつつある。冷静に冷静に、そう考え誤魔化すためのとっさに出た言葉だが。
「信じらんない。処女のくせに童貞を上から目線でもの言えるの!!」
何を考えて、どっかから引き出したんだろ。自分が信じられなくなりそうだった。
散々悶えてやっと黒江は、やっと少し落ち着いた。
「悪い人じゃないよね。」
自分と同じ超能力者。時間を止めるという証明がし難い能力をあっさりと信じてくれた。
中等部の時気が付いた能力のことを誰にも話せず、一人で抱え込んでいた黒江にとって、自分の能力を肯定して受け入れてくれる白野は、貴重な存在だった。
「ただ、ちょっとおバカなのがねぇ。」
巨乳の先輩にフラフラついて行くようなところがちょっとねぇ。
神様、もしこれから超能力者と出会えるなら、エッチじゃない人にして下さい。
そう思う黒江だった。
頭の中で自分のしでかしたことがグルグル回っている。
ひたすら全力で走り、階段も1段ぬかしに駆け上がり3階の自分の部屋に飛び込んだ。
そしてベッドの上に脱ぎ散らかしたTシャツの上にダイブする。
「ああああああああぁああ!!」
黒江は『Mark2eyeball』を見つける前、荷物の片づけをしていた。実家であれば父親にやってもらえるカラーボックスの組み立ても自分でやらねばならず、終わった時には汗ばんでいた。
そこでTシャツを脱いでトレーナー一枚となり、ジュースを買いに共用スペースに下り、ジュースを飲んでいると『Mark2eyeball』を見つけたのだった。
「いや、ブラは見えてないから。大丈夫、大丈夫。おなかくらいへーきへーき。」
必死で自分を誤魔化す。そう、見えていないのだ。一気に捲りあげないでよかった。色気を重視した自分を褒めよう、うん。
トレーナーの首を引っ張って、着用しているブラを見た。高等部3年間愛用して、さすがにへたってきている代物だ。見られなくてよかった。今度カワイイのを買いに行こう。
「違う、下着姿を見せたいのか私はぁあ!」
落ち着け、私。
そんなこと考えるとかえって余計なことを考えたり、思い出したりする。
「かわいいおへそだと思う。」
「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!」
白野の言葉を思い出し、足をバタバタさせながら悶える。おなかくらいへーきじゃない!受験勉強でお夜食食べたり、運動不足だったりでぽっちゃりしてるおなか。
「ダイエットしとくんだったって、違う、問題はそっちじゃない!嫁入り前の珠のお肌を見せたことがダメなんでしょうがぁぁぁ!」
どーして、あの男の言葉が出てくるの。どーして!
「ドーテーさんには、刺激が強かったかしら。」
今度は自分の言葉。
「あに、ビッチにゃこと言っえんお、アタシ。」
もはや、発音もおかしくなりつつある。冷静に冷静に、そう考え誤魔化すためのとっさに出た言葉だが。
「信じらんない。処女のくせに童貞を上から目線でもの言えるの!!」
何を考えて、どっかから引き出したんだろ。自分が信じられなくなりそうだった。
散々悶えてやっと黒江は、やっと少し落ち着いた。
「悪い人じゃないよね。」
自分と同じ超能力者。時間を止めるという証明がし難い能力をあっさりと信じてくれた。
中等部の時気が付いた能力のことを誰にも話せず、一人で抱え込んでいた黒江にとって、自分の能力を肯定して受け入れてくれる白野は、貴重な存在だった。
「ただ、ちょっとおバカなのがねぇ。」
巨乳の先輩にフラフラついて行くようなところがちょっとねぇ。
神様、もしこれから超能力者と出会えるなら、エッチじゃない人にして下さい。
そう思う黒江だった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ルナール古書店の秘密
志波 連
キャラ文芸
両親を事故で亡くした松本聡志は、海のきれいな田舎町に住む祖母の家へとやってきた。
その事故によって顔に酷い傷痕が残ってしまった聡志に友人はいない。
それでもこの町にいるしかないと知っている聡志は、可愛がってくれる祖母を悲しませないために、毎日を懸命に生きていこうと努力していた。
そして、この町に来て五年目の夏、聡志は海の家で人生初のバイトに挑戦した。
先輩たちに無視されつつも、休むことなく頑張る聡志は、海岸への階段にある「ルナール古書店」の店主や、バイト先である「海の家」の店長らとかかわっていくうちに、自分が何ものだったのかを知ることになるのだった。
表紙は写真ACより引用しています

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる