ずぼらなエルフは、森でのんびり暮らしたい
不老長寿で人間をはるかにしのぐ身体能力と魔力を持つエルフは、森の守護者である。
というのは昔の話。
人間が増え、世界を支配するようになってからは、エルフもその社会構造に組み込まれ、それ相応の働きをしなければ生きていくことはできない。
そんなエルフの一人で、ガリア王国の侯爵であるリク・ローレンツは、ずぼらではあったが、それでも父の跡を継いで仕事に励んでいた。
だが、ある時、呪詛に酷似した攻撃に倒れてしまう。
そしてリクが回復した時、爵位も事業も全て奪われていた。
弟マウノが、リクは重病人となったため、マウノに全てを譲って引退、所領の港町ラニオンで療養すると発表し手配していたのだ。
無論、リクは抗議するが、返事は呪詛で返された。
そして告げられる。
「あんたは、俺からの呪詛や魔術に一切抵抗できない。どれほど魔力を使えるようになろうともな。」
マウノは、リクが倒れている間に呪紋を施し、一切マウノからの魔術に抵抗できないようにしてしまったのだ。
こうなっては、マウノの近くにいられない。
リクは、シルヴィオという地に逃げ、そこで暮らす決意をする。
「考えてみれば、面倒なことはあいつが全部やってくれるんだよな。めんどくさい事極まりない宮中儀礼とか、商会の経営とか。」
リクは、面倒の無い森の生活を堪能するようになる。
そして、全てを奪ったはずのマウノは……。
話のタイトルに「リク」とある分は、リクの話。「マウノ」とある分はマウノの話です。ざまぁを楽しみたい方は、マウノだけ読むのもありです。
というのは昔の話。
人間が増え、世界を支配するようになってからは、エルフもその社会構造に組み込まれ、それ相応の働きをしなければ生きていくことはできない。
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だが、ある時、呪詛に酷似した攻撃に倒れてしまう。
そしてリクが回復した時、爵位も事業も全て奪われていた。
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無論、リクは抗議するが、返事は呪詛で返された。
そして告げられる。
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