51 / 52
50
しおりを挟む
頭下げるくらいはするかな、と思ったけど、土下座するとは予想外。
流石に汚水に頭はつけてないけど、それはいい。会話できないから。
「使ってくれって、ジャネス親分はどうするの?」
部下にするのは構いませんが、簡単にしちゃなめられる。
それに、ジャネスとの関わりきっぱり断たせないと。
「アイツは、オレを見捨てて逃げた。もう親分じゃない。」
「あんたは子分を辞める。そう思っていいの?」
「辞めさせられたんだ。クビになった、と言ってもいいと思う。」
カリスト君は、顔を上げました。
「アイツは、子分を見捨てただけじゃない。客を衛兵に売った。今日夜明け前に踏み込んできた衛兵は、アイツに買収されていた奴らだ。」
「そうだろうな。」
カリスト君に応じたのは、ウーゴさんです。
「衛兵は多くの犯罪者を摘発できれば成績を上げたとされる。賭場を摘発し、多くの客を捕えたなら、上の覚えもめでたくなり、出世につながる。」
それはわかります。
「ジャネスの意を汲んで衛兵を動かしたのは、サルガドって男だ。」
「そいつ、前に軍の補給部隊の下働きに貧民街の男達率いてなかった?」
「そうだ。」
「あいつ、率いた男達に、夜、博打をやらせて金を巻き上げたって聞くけど。それも金がなくなったら貸すようなことまでして。」
「金を貸して博打させるよう勧めたのは、オレだ。」
カリスト君、意外な悪事を告白します。
「金を貸して博打をすれば、金額が増えて勝った時の興奮が増すから、もっと博打に金を使うようになり、長期的に見れば使う金が増えるから収益も向上する。投資と思って金を貸して博打をさせようと、オレがサルガドのあ、いや奴に提案したんだ。」
アニキと言いかけたわね。
まぁ、つい癖は出るもんだし、突っ込まないであげますか。
「効果が無いようなら、軍の遠征中の時だけ、として今後は貸さないのを継続すればいい、とも言った。効果が出たんで、貧民街の賭場でも貸すようになったんだ。取り立てに必要な暴力には不自由してないし、博打ができなくなるから、と結構頑張って返済した。」
その頑張ったのは、あんたのお母さん含む女性達なんだけど。
男は、日雇いなんかで得た金をつぎ込んでるだけだもん。
それだけならまだしも、女性に負担かけてるんだから。
だから、働いてる女性達に夫を捨てるよう説得したんだ。
ほっとけば、あなた達の稼ぎで浮気もしかねないよって。
実際、私なんかに対する視線も結構うっとしかった。
バカな賭け方をせず、彼らの言うことに適当に付き合って一緒に遊んでいれば、そういう声もあったただろうね。
ウルファやエルゼなんか、黙って立っているだけで相当誘いがあったんだから。
「しかし言うわね、自分のやったこと。」
それをカリスト君に今更言ってもしょうがない。
「雇ってもらおうとしているのに、嘘や隠し事することはできない。今までやってきたこと全て話すつもりだ。」
「犯罪はしてないでしょうね。」
「……それはないつもりだ。オレは最初は店で働いてた。それ自体は法に触れない。」
まぁ、ゴミを拾って売ってるだけだからね。
「それからサルガドを通してやった献策の効果をジャネスに認められて、アイツと話せるようになった。そこでシャイロック商会で得た知識を披露して、資産運用を持ち掛け、アイツの資産を増やすことに専念していた。」
「それでお気に入りになった、と。」
「そうだ、今までアイツには金を作れる子分がいなかったからな。」
そりゃ重宝されるわよね。
「つまり犯罪には手を染めていないと。」
「賭場の運営にも関わっていたから、それを言われるとオレも犯罪者だ。それが許せない、というなら仕方がない。オレが自分で選んでやったことだ。先のサルガドを通じた献策もそうだ。金を貸すことで遠征先での賭場の運営に関わっていた、ということだと思う。」
嘘はついてないな。
そう判断した私は、ウーゴさんに目くばせします。
ウーゴさんは、うなずいてカリスト君に話しかけます。
「賭場の運営に関わったか。しかし、客を育てようとしたのは、面白い。ボウズ、ワシのところにこんか。ジャネスは、もうヤクザの世界に戻ってこれん。ジャネスとの親分子分の関係は確かに終了した。ならワシの子分にもなれるぞ、どうだ?」
どうする、カリスト君?
「ボウズ、ワシが手を差し伸べるのは今だけだ。その代わり手をとれば、お前を必ず大きな男にしてやる。それは約束する。」
あらかじめウーゴさんにカリスト君を子分に勧誘するよう、お願いしてました。
もしカリスト君がヤクザの世界に未練があれば、その手を取るでしょう。
取るようなら、それまで。
ヤクザの世界で生きてもらいましょう。
私も今後一切口をきく気もありません。
「大親分であるウーゴ親分の言葉だけど、お断りします。オレが下につきたいのは、目の前の姉さんです。」
「そうか。」
「今日の晩、大金を用意して派手に振る舞って耳目を集めた。それは、さっき言ったお袋達の逃亡の手助けであると同時に、アズナールの兄貴達が銀貨や銅貨を使って勝負することへの関心を弱めるためだったんだろう。」
「そうよ。」
「オレ達はそれに乗せられた。おかげで、アズナールの兄貴達が、最初はわずかな金でも勝ち続けることで資金を増やし、ここぞというところで勝負させる力を蓄えさせた。」
「その通り、銅貨なんて金貨の前じゃ、か弱い存在。でもまとまることができれば大きな力になる。」
「そうだな、あの賭場限定で一瞬だったけど、銅貨の方が価値がある瞬間まで生みだした。」
ほほほ、褒めていいのよ、カリスト君。
「そんな姉さんについて行きたい。わずかな力を集め育てて勝負するなんて、オレには考えられなかった。それを考えついたあんたについて行きたい。犯罪者のオレだけど、手を取ってくれないか?」
「なぁ、姉ちゃん、カリストを許して使ってやってくんないかな。」
見かねたのか、バジリオ君がカリスト君の傍らに立ちます。
「カリストは悪い奴じゃない。オイラが足斬られて困っている時、こっそりだけど助けてくれた。売れ残りだってハラすかせたオイラにメシをくれた。」
「そうなんだ。」
「オイラの大切な友達なんだ。冒険者としてしっかり姉ちゃんのために働くからさ、お願い。」
両手合わせて拝んできます。
しょうがないなぁ。
ヤクザに戻る気も無いようだし、もう少しだけ焦らしたらOKしますか。
「犯罪者言ってるけど、賭場のことは客になった私も同罪。だから問わないよ。」
うん、それは私も認めないとフェアじゃない。
「でね、私について来たいって言ってるけど、いいの?私ブスだよ。」
これだけは、きっちりしとかないと。
今まで、さんざんブスブス言ってきたんだからぁっ!
ねちっこい、とか思われようが、これだけは譲らん!
「ごめんなさい!!言い訳はしません、ごめんなさい!許して下さい!」
そう叫んで、カリスト君、汚水に顔つけちゃったよ。
そこまでやられちゃね。
私は、しゃがみこみます。
昇ってきた朝日が目に入ってまぶしいですけど、ちょっと我慢。
「ちょ、お嬢様。」
急にウルファが慌てますが、どうしたんだろ。
無視してカリスト君に話しかけます。
「カリスト君、話したいから顔、上げてくれるかな。」
カリスト君は、水面から顔を上げました。
あら、顔が真っ赤。
ふふん、私の美少女っぷりにやられちゃったぁ。
うんうん、あの時はジャネス側の人間だったから私のこと悪く言わなきゃならなかったんだよね。
そんなかわいらしい所見せられちゃ、年上として振る舞うしかないじゃない。
「カリスト君、許したげる。私こき使ってあげるからついておいで。」
ってね。
「本当ですか?」
「美少女に二言は無い。」
あははは、顔真っ赤にしてかーわいい。
うんうん、弟分と思ってこき使ってあげよう。
「あ、ありがとうございます!!」
再度顔面を汚水にダイブ。
「そこまで頭下げなくていいってば。」
「いーや、そのまま沈んでろ。」
そう言ってカリスト君の頭を踏んずけるオラシオ。
「ちょ、オラシオ何してんの!?カリスト君死んじゃうってば。」
慌てて、オラシオを止めにかかります。
「それよりお嬢様、自分の状態を考えて下さい!!」
何ウルファ、私しゃがんでいるだけだよ。
「お嬢様、気が付かないんですか!?足、足!!」
足って……。
自分の足を見ました。
ちょっと離れた両方の膝が見えます。
ん?
膝が見えると言うことは、スカート捲れてる。
それでしゃがんでれば……。
ま、まさか……カリスト君が顔真っ赤にしたのって。
「い、いやぁぁぁぁっ!!」
慌てて足を閉じて立ち上がります。
それを見たオラシオがカリスト君を解放します。
解放されるや否や、カリスト君、深呼吸。
「み、見えた?」
「あ、あの、その……。」
あ~~~やっぱりっ!!
あ~~ん。
「す、すいません、責任は、責任は取ります。」
責任ってあのね。
「い~よ、カリスト君年下の子供だもん。許したげる。」
「あ、いや、その。」
「いいって。サービスだから、年上のオネエタマの。」
もぉヤケ。
「い、いや、責任はですね。」
顔真っ赤なカリスト君が近寄ろうとします。
「こ、こら覗き込む気か。」
今度はアズナールが止めます。
「い、いや決してやましい気は。」
ちょっと、こ、これは、簡単に収集がつかないような。
困って周囲を見回せばウーゴさんが、ため息ついてます。
私と目が合ったウーゴさん、ことさら深いため息をついて。
「おまえら、いつまで遊ぶつもりだ、とっととメシと風呂に行くぞ、ついて来な。」
私達を救う言葉を放つのでした。
流石に汚水に頭はつけてないけど、それはいい。会話できないから。
「使ってくれって、ジャネス親分はどうするの?」
部下にするのは構いませんが、簡単にしちゃなめられる。
それに、ジャネスとの関わりきっぱり断たせないと。
「アイツは、オレを見捨てて逃げた。もう親分じゃない。」
「あんたは子分を辞める。そう思っていいの?」
「辞めさせられたんだ。クビになった、と言ってもいいと思う。」
カリスト君は、顔を上げました。
「アイツは、子分を見捨てただけじゃない。客を衛兵に売った。今日夜明け前に踏み込んできた衛兵は、アイツに買収されていた奴らだ。」
「そうだろうな。」
カリスト君に応じたのは、ウーゴさんです。
「衛兵は多くの犯罪者を摘発できれば成績を上げたとされる。賭場を摘発し、多くの客を捕えたなら、上の覚えもめでたくなり、出世につながる。」
それはわかります。
「ジャネスの意を汲んで衛兵を動かしたのは、サルガドって男だ。」
「そいつ、前に軍の補給部隊の下働きに貧民街の男達率いてなかった?」
「そうだ。」
「あいつ、率いた男達に、夜、博打をやらせて金を巻き上げたって聞くけど。それも金がなくなったら貸すようなことまでして。」
「金を貸して博打させるよう勧めたのは、オレだ。」
カリスト君、意外な悪事を告白します。
「金を貸して博打をすれば、金額が増えて勝った時の興奮が増すから、もっと博打に金を使うようになり、長期的に見れば使う金が増えるから収益も向上する。投資と思って金を貸して博打をさせようと、オレがサルガドのあ、いや奴に提案したんだ。」
アニキと言いかけたわね。
まぁ、つい癖は出るもんだし、突っ込まないであげますか。
「効果が無いようなら、軍の遠征中の時だけ、として今後は貸さないのを継続すればいい、とも言った。効果が出たんで、貧民街の賭場でも貸すようになったんだ。取り立てに必要な暴力には不自由してないし、博打ができなくなるから、と結構頑張って返済した。」
その頑張ったのは、あんたのお母さん含む女性達なんだけど。
男は、日雇いなんかで得た金をつぎ込んでるだけだもん。
それだけならまだしも、女性に負担かけてるんだから。
だから、働いてる女性達に夫を捨てるよう説得したんだ。
ほっとけば、あなた達の稼ぎで浮気もしかねないよって。
実際、私なんかに対する視線も結構うっとしかった。
バカな賭け方をせず、彼らの言うことに適当に付き合って一緒に遊んでいれば、そういう声もあったただろうね。
ウルファやエルゼなんか、黙って立っているだけで相当誘いがあったんだから。
「しかし言うわね、自分のやったこと。」
それをカリスト君に今更言ってもしょうがない。
「雇ってもらおうとしているのに、嘘や隠し事することはできない。今までやってきたこと全て話すつもりだ。」
「犯罪はしてないでしょうね。」
「……それはないつもりだ。オレは最初は店で働いてた。それ自体は法に触れない。」
まぁ、ゴミを拾って売ってるだけだからね。
「それからサルガドを通してやった献策の効果をジャネスに認められて、アイツと話せるようになった。そこでシャイロック商会で得た知識を披露して、資産運用を持ち掛け、アイツの資産を増やすことに専念していた。」
「それでお気に入りになった、と。」
「そうだ、今までアイツには金を作れる子分がいなかったからな。」
そりゃ重宝されるわよね。
「つまり犯罪には手を染めていないと。」
「賭場の運営にも関わっていたから、それを言われるとオレも犯罪者だ。それが許せない、というなら仕方がない。オレが自分で選んでやったことだ。先のサルガドを通じた献策もそうだ。金を貸すことで遠征先での賭場の運営に関わっていた、ということだと思う。」
嘘はついてないな。
そう判断した私は、ウーゴさんに目くばせします。
ウーゴさんは、うなずいてカリスト君に話しかけます。
「賭場の運営に関わったか。しかし、客を育てようとしたのは、面白い。ボウズ、ワシのところにこんか。ジャネスは、もうヤクザの世界に戻ってこれん。ジャネスとの親分子分の関係は確かに終了した。ならワシの子分にもなれるぞ、どうだ?」
どうする、カリスト君?
「ボウズ、ワシが手を差し伸べるのは今だけだ。その代わり手をとれば、お前を必ず大きな男にしてやる。それは約束する。」
あらかじめウーゴさんにカリスト君を子分に勧誘するよう、お願いしてました。
もしカリスト君がヤクザの世界に未練があれば、その手を取るでしょう。
取るようなら、それまで。
ヤクザの世界で生きてもらいましょう。
私も今後一切口をきく気もありません。
「大親分であるウーゴ親分の言葉だけど、お断りします。オレが下につきたいのは、目の前の姉さんです。」
「そうか。」
「今日の晩、大金を用意して派手に振る舞って耳目を集めた。それは、さっき言ったお袋達の逃亡の手助けであると同時に、アズナールの兄貴達が銀貨や銅貨を使って勝負することへの関心を弱めるためだったんだろう。」
「そうよ。」
「オレ達はそれに乗せられた。おかげで、アズナールの兄貴達が、最初はわずかな金でも勝ち続けることで資金を増やし、ここぞというところで勝負させる力を蓄えさせた。」
「その通り、銅貨なんて金貨の前じゃ、か弱い存在。でもまとまることができれば大きな力になる。」
「そうだな、あの賭場限定で一瞬だったけど、銅貨の方が価値がある瞬間まで生みだした。」
ほほほ、褒めていいのよ、カリスト君。
「そんな姉さんについて行きたい。わずかな力を集め育てて勝負するなんて、オレには考えられなかった。それを考えついたあんたについて行きたい。犯罪者のオレだけど、手を取ってくれないか?」
「なぁ、姉ちゃん、カリストを許して使ってやってくんないかな。」
見かねたのか、バジリオ君がカリスト君の傍らに立ちます。
「カリストは悪い奴じゃない。オイラが足斬られて困っている時、こっそりだけど助けてくれた。売れ残りだってハラすかせたオイラにメシをくれた。」
「そうなんだ。」
「オイラの大切な友達なんだ。冒険者としてしっかり姉ちゃんのために働くからさ、お願い。」
両手合わせて拝んできます。
しょうがないなぁ。
ヤクザに戻る気も無いようだし、もう少しだけ焦らしたらOKしますか。
「犯罪者言ってるけど、賭場のことは客になった私も同罪。だから問わないよ。」
うん、それは私も認めないとフェアじゃない。
「でね、私について来たいって言ってるけど、いいの?私ブスだよ。」
これだけは、きっちりしとかないと。
今まで、さんざんブスブス言ってきたんだからぁっ!
ねちっこい、とか思われようが、これだけは譲らん!
「ごめんなさい!!言い訳はしません、ごめんなさい!許して下さい!」
そう叫んで、カリスト君、汚水に顔つけちゃったよ。
そこまでやられちゃね。
私は、しゃがみこみます。
昇ってきた朝日が目に入ってまぶしいですけど、ちょっと我慢。
「ちょ、お嬢様。」
急にウルファが慌てますが、どうしたんだろ。
無視してカリスト君に話しかけます。
「カリスト君、話したいから顔、上げてくれるかな。」
カリスト君は、水面から顔を上げました。
あら、顔が真っ赤。
ふふん、私の美少女っぷりにやられちゃったぁ。
うんうん、あの時はジャネス側の人間だったから私のこと悪く言わなきゃならなかったんだよね。
そんなかわいらしい所見せられちゃ、年上として振る舞うしかないじゃない。
「カリスト君、許したげる。私こき使ってあげるからついておいで。」
ってね。
「本当ですか?」
「美少女に二言は無い。」
あははは、顔真っ赤にしてかーわいい。
うんうん、弟分と思ってこき使ってあげよう。
「あ、ありがとうございます!!」
再度顔面を汚水にダイブ。
「そこまで頭下げなくていいってば。」
「いーや、そのまま沈んでろ。」
そう言ってカリスト君の頭を踏んずけるオラシオ。
「ちょ、オラシオ何してんの!?カリスト君死んじゃうってば。」
慌てて、オラシオを止めにかかります。
「それよりお嬢様、自分の状態を考えて下さい!!」
何ウルファ、私しゃがんでいるだけだよ。
「お嬢様、気が付かないんですか!?足、足!!」
足って……。
自分の足を見ました。
ちょっと離れた両方の膝が見えます。
ん?
膝が見えると言うことは、スカート捲れてる。
それでしゃがんでれば……。
ま、まさか……カリスト君が顔真っ赤にしたのって。
「い、いやぁぁぁぁっ!!」
慌てて足を閉じて立ち上がります。
それを見たオラシオがカリスト君を解放します。
解放されるや否や、カリスト君、深呼吸。
「み、見えた?」
「あ、あの、その……。」
あ~~~やっぱりっ!!
あ~~ん。
「す、すいません、責任は、責任は取ります。」
責任ってあのね。
「い~よ、カリスト君年下の子供だもん。許したげる。」
「あ、いや、その。」
「いいって。サービスだから、年上のオネエタマの。」
もぉヤケ。
「い、いや、責任はですね。」
顔真っ赤なカリスト君が近寄ろうとします。
「こ、こら覗き込む気か。」
今度はアズナールが止めます。
「い、いや決してやましい気は。」
ちょっと、こ、これは、簡単に収集がつかないような。
困って周囲を見回せばウーゴさんが、ため息ついてます。
私と目が合ったウーゴさん、ことさら深いため息をついて。
「おまえら、いつまで遊ぶつもりだ、とっととメシと風呂に行くぞ、ついて来な。」
私達を救う言葉を放つのでした。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

魔喰のゴブリン~最弱から始まる復讐譚~
岡本剛也
ファンタジー
駆け出しの冒険者であるシルヴァ・ベルハイスは、ダンジョン都市フェルミでダンジョン攻略を生業としていた。
順風満帆とはいかないものの、着実に力をつけてシルバーランク昇格。
そしてついに一つの壁とも言われる十階層の突破を成し遂げた。
仲間との絆も深まり、ここから冒険者としての明るい未来が待っていると確信した矢先——とある依頼が舞い込んできた。
その依頼とは勇者パーティの荷物持ちの依頼。
勇者の戦闘を近くで見られることができ、高い報酬ということもあって引き受けたのだが、この一回の依頼がシルヴァを地獄の底に叩き落されることとなった。
ダンジョン内で勇者達からゴミのような扱いを受け、信頼していた仲間にからも見放され……ダンジョンの奥地に放置されたシルヴァは、匂いに釣られてやってきた魔物に襲われた。
魔物に食われながら、シルヴァが心の底から願ったのは勇者への復讐。
そんな願いが叶ったのか、それとも叶わなかったのか。
事実のほどは神のみぞ知るが、シルヴァは記憶を持ったままとある魔物に転生した。
その魔物とは、最弱と名高いゴブリン。
追い打ちをかけるような最悪な状況に常人なら心が折れてもおかしくない中、シルヴァは折れることなく勇者への復讐を掲げた。
これは最弱のゴブリンに転生したシルヴァが、最強である勇者への復讐を果たす物語。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる