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第二章 王国国立学園入学。
Ep.14.0-④ 束の間の安息。-④
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フェリシア姉さんはため息をついてから、お腹空いたとか言い残してふらふらとどこかに行ってしまった。
うん、やっぱり一番まともだけど、それと同時に一番マイペースなんだよね……この人。
もう今更なんだけどさ……なんか俺の家族ってキャラの濃い人たち多くない?
まぁ、ルアはポンコツなだけでまだマシだからいいか……。
唯一俺の前世の事も知っている訳だしね。
気を取り直し、どうするべきかを、ルアに相談しようとした。
……いつのまにかコイツはコイツで悶えながらベッドの上ずっとゴロゴロ転がっていた……。
……。
もう、見なかったことにしておく。
まともな人間がこの場に俺しかいないとか絶対に信じないぞ、俺は。
きっと病み上がりだから幻覚でも見えたのだろう。
……そう思っておく。
目の前にいるベッドをゴロゴロ転がる幻を見ないようにしながら、ベッドの上に立ち上がる。
体の節々が多少は痛んだものの、大して気にならなかった。
きっと先程、ルアに踏み潰すかのごとく思い切り座られたのがあまりに痛すぎたせいだろう……。
そして、俺はフェリシア姉さんが去った事で、再び必死に責任のなすり付け合いを始めていたみんなに笑顔で話しかけた。
「うんうん、よーく分かった。
誰が始めたとかはもういいよ。
で?
結局みんな、聞いてたんだよね?」
あれれ?
おっかしいなぁ、全然そんなつもりなかったんだけど、ちょびっと威圧的な言い方になっちゃったなぁ。
↑
(※わざとである。)
何故か分からないけど、みんな途端に静かになった。
↑
(※真っ赤な嘘である。)
「「「「「「……はい」」」」」」
一つため息をついてから、尋ねる。
「で、一体いつぐらいから聞いてたの?」
父さん以外のみんなが父さんに視線を送った。
それこそ、本当にジーっていう音が聞こえるじゃないかと耳を澄ませたくなるほどに。
いやいや、人に責任押し付けるなよ……。
ちょっと呆れつつも、様子を見る。
みんなから熱い視線を送られた父さんは「え、俺?」とでも言うかのような気まずそうな反応を一瞬見せたものの、流石は王国騎士団団長。
直ぐに申し訳なさそうな顔をして答えた。
「えっと……えっとだな、ずっと待たせた罰としてうんたらかんたら、とかルアが言ってたところ辺りから……」
あ、そこからね。
よかったよかった。
転生前のどうのこうのから聞かれてたんだったら結構まずいからな……。
第一、転生者と言うのは特殊だから、転生していることがバレたら色々と面倒臭いとかルアも前に言ってた訳だし……。
それなのに、ルアは……。
おっと、幻覚がまた見えた気がしたな。
別に悶えるルアを見て恋する乙女ってこういうことを言うのかなとか考えたりなんてしてないよ?
「でも、一つ聞いてもいいか、レイジ?」
父さんは唐突に、そう言った。
?
え、何?
聞いてたのこっちだったよね……?
突然の質問に少し困惑しつつ、「うん、まぁ」とか適当な言葉を添えながら、頷く。
「ありがとう。
いや、そのだな……。
ルアの言ってた一生離さないっていうのは一体……?」
……?
え、みんな知ってるだろ?
散々ルアが結婚結婚って言ってたじゃん。
今更だろ?
ちょっとモヤモヤしつつ、返した。
「え、知ってるだろ?
昔からずっとルアが結婚するって言ってたじゃん。
まぁ、今もダケド……」
「「「「「!?」」」」」
俺のその言葉を聞き、エレナ様を除く盗み聞きメンツ、特に父さんと母さんが驚いたような反応を示した。
「レ、レイジ?
あれ、マジのやつだったのか?
てっきり父さん、ルアが勝手に言ってただけの、ネタというかおふざけというか……。
まぁ、所謂そう言うやつなのかと……」
「そ、そうよ!
本当なの、レイジ!?」
まぁ確かに、ルアは本当にネタみたいなレベルで結婚結婚言ってたな……。
言われてみればネタだって思われるのも、分からんでもないな……。
***
おはようございます、7月まで祝日が無いなんて信じないの会、会長の錦木れるむです。
更新が遅くなってしまい申し訳ないです。
もうそろそろ、こちらもカクヨムの方に追いつくので温かい目で見守って頂けると幸いです、
うん、やっぱり一番まともだけど、それと同時に一番マイペースなんだよね……この人。
もう今更なんだけどさ……なんか俺の家族ってキャラの濃い人たち多くない?
まぁ、ルアはポンコツなだけでまだマシだからいいか……。
唯一俺の前世の事も知っている訳だしね。
気を取り直し、どうするべきかを、ルアに相談しようとした。
……いつのまにかコイツはコイツで悶えながらベッドの上ずっとゴロゴロ転がっていた……。
……。
もう、見なかったことにしておく。
まともな人間がこの場に俺しかいないとか絶対に信じないぞ、俺は。
きっと病み上がりだから幻覚でも見えたのだろう。
……そう思っておく。
目の前にいるベッドをゴロゴロ転がる幻を見ないようにしながら、ベッドの上に立ち上がる。
体の節々が多少は痛んだものの、大して気にならなかった。
きっと先程、ルアに踏み潰すかのごとく思い切り座られたのがあまりに痛すぎたせいだろう……。
そして、俺はフェリシア姉さんが去った事で、再び必死に責任のなすり付け合いを始めていたみんなに笑顔で話しかけた。
「うんうん、よーく分かった。
誰が始めたとかはもういいよ。
で?
結局みんな、聞いてたんだよね?」
あれれ?
おっかしいなぁ、全然そんなつもりなかったんだけど、ちょびっと威圧的な言い方になっちゃったなぁ。
↑
(※わざとである。)
何故か分からないけど、みんな途端に静かになった。
↑
(※真っ赤な嘘である。)
「「「「「「……はい」」」」」」
一つため息をついてから、尋ねる。
「で、一体いつぐらいから聞いてたの?」
父さん以外のみんなが父さんに視線を送った。
それこそ、本当にジーっていう音が聞こえるじゃないかと耳を澄ませたくなるほどに。
いやいや、人に責任押し付けるなよ……。
ちょっと呆れつつも、様子を見る。
みんなから熱い視線を送られた父さんは「え、俺?」とでも言うかのような気まずそうな反応を一瞬見せたものの、流石は王国騎士団団長。
直ぐに申し訳なさそうな顔をして答えた。
「えっと……えっとだな、ずっと待たせた罰としてうんたらかんたら、とかルアが言ってたところ辺りから……」
あ、そこからね。
よかったよかった。
転生前のどうのこうのから聞かれてたんだったら結構まずいからな……。
第一、転生者と言うのは特殊だから、転生していることがバレたら色々と面倒臭いとかルアも前に言ってた訳だし……。
それなのに、ルアは……。
おっと、幻覚がまた見えた気がしたな。
別に悶えるルアを見て恋する乙女ってこういうことを言うのかなとか考えたりなんてしてないよ?
「でも、一つ聞いてもいいか、レイジ?」
父さんは唐突に、そう言った。
?
え、何?
聞いてたのこっちだったよね……?
突然の質問に少し困惑しつつ、「うん、まぁ」とか適当な言葉を添えながら、頷く。
「ありがとう。
いや、そのだな……。
ルアの言ってた一生離さないっていうのは一体……?」
……?
え、みんな知ってるだろ?
散々ルアが結婚結婚って言ってたじゃん。
今更だろ?
ちょっとモヤモヤしつつ、返した。
「え、知ってるだろ?
昔からずっとルアが結婚するって言ってたじゃん。
まぁ、今もダケド……」
「「「「「!?」」」」」
俺のその言葉を聞き、エレナ様を除く盗み聞きメンツ、特に父さんと母さんが驚いたような反応を示した。
「レ、レイジ?
あれ、マジのやつだったのか?
てっきり父さん、ルアが勝手に言ってただけの、ネタというかおふざけというか……。
まぁ、所謂そう言うやつなのかと……」
「そ、そうよ!
本当なの、レイジ!?」
まぁ確かに、ルアは本当にネタみたいなレベルで結婚結婚言ってたな……。
言われてみればネタだって思われるのも、分からんでもないな……。
***
おはようございます、7月まで祝日が無いなんて信じないの会、会長の錦木れるむです。
更新が遅くなってしまい申し訳ないです。
もうそろそろ、こちらもカクヨムの方に追いつくので温かい目で見守って頂けると幸いです、
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