【どうにか必死で奮闘中!】前世ではコミュ症だった俺、漆黒剣聖に転生する。 ~陰キャだった俺とポンコツ元駄女神の異世界セカンドライフ~

錦木れるむ

文字の大きさ
上 下
55 / 59
第二章 王国国立学園入学。

Ep.14.0-④ 束の間の安息。-④

しおりを挟む
フェリシア姉さんはため息をついてから、お腹空いたとか言い残してふらふらとどこかに行ってしまった。

うん、やっぱり一番まともだけど、それと同時に一番マイペースなんだよね……この人。
もう今更なんだけどさ……なんか俺の家族ってキャラの濃い人たち多くない?
まぁ、ルアはポンコツなだけでまだマシだからいいか……。
唯一俺の前世の事も知っている訳だしね。

気を取り直し、どうするべきかを、ルアに相談しようとした。
……いつのまにかコイツはコイツで悶えながらベッドの上ずっとゴロゴロ転がっていた……。

……。

もう、見なかったことにしておく。
まともな人間がこの場に俺しかいないとか絶対に信じないぞ、俺は。
きっと病み上がりだから幻覚でも見えたのだろう。
……そう思っておく。

目の前にいるベッドをゴロゴロ転がる幻を見ないようにしながら、ベッドの上に立ち上がる。
体の節々が多少は痛んだものの、大して気にならなかった。
きっと先程、ルアに踏み潰すかのごとく思い切り座られたのがあまりに痛すぎたせいだろう……。

そして、俺はフェリシア姉さんが去った事で、再び必死に責任のなすり付け合いを始めていたみんなに笑顔で話しかけた。

「うんうん、よーく分かった。
 誰が始めたとかはもういいよ。
 で?
 結局みんな、聞いてたんだよね?」

あれれ?
おっかしいなぁ、、ちょびっと威圧的な言い方になっちゃったなぁ。

(※わざとである。)

、みんな途端に静かになった。

(※真っ赤な嘘である。)

「「「「「「……はい」」」」」」

一つため息をついてから、尋ねる。

「で、一体いつぐらいから聞いてたの?」

父さん以外のみんなが父さんに視線を送った。
それこそ、本当にジーっていう音が聞こえるじゃないかと耳を澄ませたくなるほどに。

いやいや、人に責任押し付けるなよ……。

ちょっと呆れつつも、様子を見る。
みんなから熱い視線を送られた父さんは「え、俺?」とでも言うかのような気まずそうな反応を一瞬見せたものの、流石は王国騎士団団長。
直ぐに申し訳なさそうな顔をして答えた。

「えっと……えっとだな、ずっと待たせた罰としてうんたらかんたら、とかルアが言ってたところ辺りから……」

あ、そこからね。
よかったよかった。
転生前のどうのこうのから聞かれてたんだったら結構まずいからな……。
第一、転生者と言うのは特殊だから、転生していることがバレたら色々と面倒臭いとかルアも前に言ってた訳だし……。

それなのに、ルアは……。
おっと、幻覚がまた見えた気がしたな。
別に悶えるルアを見て恋する乙女ってこういうことを言うのかなとか考えたりなんてしてないよ?

「でも、一つ聞いてもいいか、レイジ?」

父さんは唐突に、そう言った。


え、何?
聞いてたのこっちだったよね……?

突然の質問に少し困惑しつつ、「うん、まぁ」とか適当な言葉を添えながら、頷く。

「ありがとう。
 いや、そのだな……。
 ルアの言ってた一生離さないっていうのは一体……?」

……?
え、みんな知ってるだろ?
散々ルアが結婚結婚って言ってたじゃん。
今更だろ?

ちょっとモヤモヤしつつ、返した。

「え、知ってるだろ?
 昔からずっとルアが結婚するって言ってたじゃん。
 まぁ、今もダケド……」

「「「「「!?」」」」」

俺のその言葉を聞き、エレナ様を除く盗み聞きメンツ、特に父さんと母さんが驚いたような反応を示した。

「レ、レイジ?
 あれ、マジのやつだったのか?
 てっきり父さん、ルアが勝手に言ってただけの、ネタというかおふざけというか……。
 まぁ、所謂そう言うやつなのかと……」

「そ、そうよ!
 本当なの、レイジ!?」

まぁ確かに、ルアは本当にネタみたいなレベルで結婚結婚言ってたな……。
言われてみればネタだって思われるのも、分からんでもないな……。

***
おはようございます、7月まで祝日が無いなんて信じないの会、会長の錦木れるむです。
更新が遅くなってしまい申し訳ないです。
もうそろそろ、こちらもカクヨムの方に追いつくので温かい目で見守って頂けると幸いです、
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……

こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた

こばやん2号
ファンタジー
 とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。  気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。  しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。  そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。  ※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。

魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
小説家になろうでジャンル別日間ランキング入り!  世界最強の剣聖――エルフォ・エルドエルは戦場で死に、なんと赤子に転生してしまう。  美少女のように見える少年――アル・バーナモントに転生した彼の身体には、一切の魔力が宿っていなかった。  忌み子として家族からも見捨てられ、地元の有力貴族へ売られるアル。  そこでひどい仕打ちを受けることになる。  しかし自力で貴族の屋敷を脱出し、なんとか森へ逃れることに成功する。  魔力ゼロのアルであったが、剣聖として磨いた剣の腕だけは、転生しても健在であった。  彼はその剣の技術を駆使して、ゴブリンや盗賊を次々にやっつけ、とある村を救うことになる。  感謝されたアルは、ミュレットという少女とその母ミレーユと共に、新たな生活を手に入れる。  深く愛され、本当の家族を知ることになるのだ。  一方で、アルを追いだした実家の面々は、だんだんと歯車が狂い始める。  さらに、アルを捕えていた貴族、カイベルヘルト家も例外ではなかった。  彼らはどん底へと沈んでいく……。 フルタイトル《文字数の関係でアルファポリスでは略してます》 魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります~父が老弱して家が潰れそうなので戻ってこいと言われてももう遅い~新しい家族と幸せに暮らしてます こちらの作品は「小説家になろう」にて先行して公開された内容を転載したものです。 こちらの作品は「小説家になろう」さま「カクヨム」さま「アルファポリス」さまに同時掲載させていただいております。

婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです

かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。 強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。 これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?

家族もチート!?な貴族に転生しました。

夢見
ファンタジー
月神 詩は神の手違いで死んでしまった… そのお詫びにチート付きで異世界に転生することになった。 詩は異世界何を思い、何をするのかそれは誰にも分からない。 ※※※※※※※※※ チート過ぎる転生貴族の改訂版です。 内容がものすごく変わっている部分と変わっていない部分が入り交じっております ※※※※※※※※※

処理中です...