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第二章 王国国立学園入学。
Ep.14.0-① 束の間の安息-①
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今にも消えてしまいそうな、その背中を死ぬ物狂いで走って追いかける。
が、追いつく事はできない。
「なあ!
おい、待ってくれよ!」
「……」
どうやっても……追いつけない。
……どう足掻いてもなれねえよ、あんたみたいには。
……でも……諦めたくねえんだよ……。
必死で声を張り上げて呼び止める。
「待ってくれよ!
じゃあ、なんであの時……!」
そこまで言った時、そいつは立ち止まった。
「———……。」
……!
やっぱりか。
なんで。
なんで、あんたはいつもそうやって……!
ーーー
……!
ここは……。
某アニメのあのシーンみたく、目の前には知らない天井が広がっていた。
俺はベットに寝かせられているようだが、少なくともここはアルフェリス家の屋敷ではないらしい。
上半身だけを起こす。
っ……!
ほんの少し体を動かしただけのはずなのに体中に激しい痛みが走る。
そこで気がついたのだが、俺の体はそこらじゅう包帯まみれだった。
あれ……?
俺……確かグレイブと戦ってたんだよな……?
……で、ここどこなんだ……?
みんなは……?
起きたばかりの時の頭がr回らない状態のせいで思考がまとまらない。
その時だった。
パリンッ!
食器か何かが割れる音が響いた。
「レイジ……さん……?」
この声……は……。
痛む首をゆっくりと動かして、声のしたドアの方を見るとそこにはエレナ様がいた。
ポロポロと涙を流しながら。
彼女の足元に割れた陶器のような破片と花が落ちているのを見て、先程の破音が花瓶による物だったのかと今度は妙に冷静に判断することができた。
そこで、ようやく頭が回りだし、慌てて声を掛ける。
心配させないために、とびきりの笑顔で。
「エ……エレナ様……!
よかった、無事だったんですね!
他の……ウグッ!」
急に思い切り抱きつかれた。
「……!
レイジさん、レイジさん、レイジさん!
よかった……。
よかった……!」
え、ちょっと普通に苦しいし、めっちゃ痛いんですけど!?
いや、心配してくれるのはもちろん嬉しいけどさ……。
それに俺、心は一応お年頃の男子なんですよ……?
うわっ……良い匂い……する……。
って!
それはそうと……。
「エレナ様、ルアは?
みんなは?」
エレナ様は自分がどんな事をしていたのかようやく気づいたらしい。
顔を真っ赤にしながらスッと離れた。
「皆さん無事ですけど、レイジさんだけが二ヶ月近くも目を覚まさなかったんですよ!?
本当に、心配したんですから!
あれほど、あれほど無理をしないでって言ったのに……!」
に、二ヶ月!?
それからエレナ様は大急ぎでメイドさんにみんなを呼んでくるように伝えてから、色々と教えてくれた。
エレナ様の話によると、俺は二ヶ月間全く目を覚まさずにいたそうだ。
なんでも、俺はあの時、生命維持に必要な魔素まで半分以上も使ってしまっていたらしく(普通なら生命維持のための魔素までは使わないように無意識のうちに制限をかけている物なのだそう)非常に危険な状態だったんだとか。
そんな状態を見て、医師達は生命維持のための魔素まで使ってしまうなんて普通あり得ないと驚愕していたらしい。
で、俺の治療や、屋敷が崩壊してしまった事を受けて、今は一時的にアルフェリス家は王宮に肩を寄せさせてもらっているらしい。
まあ、どおりで装飾とかが豪華な部屋な訳だ。
そして、あの黒ローブの集団に関しては、俺とルアが退避したあと、父さんがあの魔鉱製の巨剣の破壊に成功したことで、グレイブは無力化に成功。
その後、到着した騎士団によって他の黒ローブの奴らも含めて拘束されたそうだ。
でも、肝心のアイツらの属しているという組織、悪夢の領域に関しての情報はまだ何も聞き出せていない、というか口を割らないそうで、騎士団はその聴取に苦労している、という所までがエレナ様の聞いた所らしい。
まあ、詳しい事は後で父さんに聞こうと思う。
そこまで聞いた所で、何やら外から走るような騒がしい音がしてきた。
「レイジ!!!!!!!」
しかもなんか呼んでるし。
おいおい、まさか……。
この声は……。
ガンッ!
やばい音を立ててドアが開き、ルアが部屋に飛び込んできた。
はあ……やっぱりか……。
どうやら俺が目覚めた事を聞きつけて飛んできたようだった。
***
おはようございます、みそきん気になってたのに結局買えなかった錦木れるむです。
※Ep.14.0になり、急に話が飛んだと思われるかもしれませんが、大丈夫です。
ドラゴンノベルスコンテストに出品しました!
応援よろしくお願いします!
頑張って上位狙っていきます!!
ご気軽にコメントお願い致します。必ず返信させていただきます。応援、感想コメント頂けると嬉しいです。また、表現や、言葉などに間違えなどがあったら指摘してくださるとありがたいです。よろしければ、♡、☆、フォローもよろしくお願いいたします!
が、追いつく事はできない。
「なあ!
おい、待ってくれよ!」
「……」
どうやっても……追いつけない。
……どう足掻いてもなれねえよ、あんたみたいには。
……でも……諦めたくねえんだよ……。
必死で声を張り上げて呼び止める。
「待ってくれよ!
じゃあ、なんであの時……!」
そこまで言った時、そいつは立ち止まった。
「———……。」
……!
やっぱりか。
なんで。
なんで、あんたはいつもそうやって……!
ーーー
……!
ここは……。
某アニメのあのシーンみたく、目の前には知らない天井が広がっていた。
俺はベットに寝かせられているようだが、少なくともここはアルフェリス家の屋敷ではないらしい。
上半身だけを起こす。
っ……!
ほんの少し体を動かしただけのはずなのに体中に激しい痛みが走る。
そこで気がついたのだが、俺の体はそこらじゅう包帯まみれだった。
あれ……?
俺……確かグレイブと戦ってたんだよな……?
……で、ここどこなんだ……?
みんなは……?
起きたばかりの時の頭がr回らない状態のせいで思考がまとまらない。
その時だった。
パリンッ!
食器か何かが割れる音が響いた。
「レイジ……さん……?」
この声……は……。
痛む首をゆっくりと動かして、声のしたドアの方を見るとそこにはエレナ様がいた。
ポロポロと涙を流しながら。
彼女の足元に割れた陶器のような破片と花が落ちているのを見て、先程の破音が花瓶による物だったのかと今度は妙に冷静に判断することができた。
そこで、ようやく頭が回りだし、慌てて声を掛ける。
心配させないために、とびきりの笑顔で。
「エ……エレナ様……!
よかった、無事だったんですね!
他の……ウグッ!」
急に思い切り抱きつかれた。
「……!
レイジさん、レイジさん、レイジさん!
よかった……。
よかった……!」
え、ちょっと普通に苦しいし、めっちゃ痛いんですけど!?
いや、心配してくれるのはもちろん嬉しいけどさ……。
それに俺、心は一応お年頃の男子なんですよ……?
うわっ……良い匂い……する……。
って!
それはそうと……。
「エレナ様、ルアは?
みんなは?」
エレナ様は自分がどんな事をしていたのかようやく気づいたらしい。
顔を真っ赤にしながらスッと離れた。
「皆さん無事ですけど、レイジさんだけが二ヶ月近くも目を覚まさなかったんですよ!?
本当に、心配したんですから!
あれほど、あれほど無理をしないでって言ったのに……!」
に、二ヶ月!?
それからエレナ様は大急ぎでメイドさんにみんなを呼んでくるように伝えてから、色々と教えてくれた。
エレナ様の話によると、俺は二ヶ月間全く目を覚まさずにいたそうだ。
なんでも、俺はあの時、生命維持に必要な魔素まで半分以上も使ってしまっていたらしく(普通なら生命維持のための魔素までは使わないように無意識のうちに制限をかけている物なのだそう)非常に危険な状態だったんだとか。
そんな状態を見て、医師達は生命維持のための魔素まで使ってしまうなんて普通あり得ないと驚愕していたらしい。
で、俺の治療や、屋敷が崩壊してしまった事を受けて、今は一時的にアルフェリス家は王宮に肩を寄せさせてもらっているらしい。
まあ、どおりで装飾とかが豪華な部屋な訳だ。
そして、あの黒ローブの集団に関しては、俺とルアが退避したあと、父さんがあの魔鉱製の巨剣の破壊に成功したことで、グレイブは無力化に成功。
その後、到着した騎士団によって他の黒ローブの奴らも含めて拘束されたそうだ。
でも、肝心のアイツらの属しているという組織、悪夢の領域に関しての情報はまだ何も聞き出せていない、というか口を割らないそうで、騎士団はその聴取に苦労している、という所までがエレナ様の聞いた所らしい。
まあ、詳しい事は後で父さんに聞こうと思う。
そこまで聞いた所で、何やら外から走るような騒がしい音がしてきた。
「レイジ!!!!!!!」
しかもなんか呼んでるし。
おいおい、まさか……。
この声は……。
ガンッ!
やばい音を立ててドアが開き、ルアが部屋に飛び込んできた。
はあ……やっぱりか……。
どうやら俺が目覚めた事を聞きつけて飛んできたようだった。
***
おはようございます、みそきん気になってたのに結局買えなかった錦木れるむです。
※Ep.14.0になり、急に話が飛んだと思われるかもしれませんが、大丈夫です。
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