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第二章 王国国立学園入学。
Ep.13.0-② 今、自分にできる全てを。-②
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たとえ型が無くても、攻撃はできる。
アルフェリス家の剣で学んだ、剣身から蓄積した火と光の魔術を一気に解放するという技術。
今はただ、火と光が水と闇に、剣が刀に置き換わっているだけだ。
簡単な事。
スゥ……。
深く息を吸って肺から体全体に酸素を送り込み、脳と体の意識を隅々まで澄み渡らせる。
……今!!
思い切り駆け出し、グレイブに接近する。
グレイブは、切っても切ってもしつこく噛みついてくるルアの放った“龍神”が対処に苦戦していて、ほんの少しだけ反応が遅れた。
ほんの少しだが、コイツに対してはこんな一瞬の隙ですらも、大きなアドバンテージになる。
しぶといな、“龍神”。
ナイスだ、ルア!
「ぐっ……!
レイジ・アルフェリス……!」
やってやる……!
ガンッ!
グレイブは、“龍神”の対処よりも、俺の対処を優先し、剣をぶつけて来た。
くっ……!
まだそんなに動けるのか……!
流石に先程ぐらいの力強い感じではないが、弾き返せない……!
一度、引き下がる。
クソッ、やはり身長の問題もあるな……。
一撃離脱戦法しか取れない……!
!
グレイブが剣を振り下ろした所をサイドステップで上手くかわす。
そこから、剣を持ち直すタイミング突き、懐に飛び込み……!
も、それはグレイブに打ち弾かれる。
クッソ!
再び、引き下がる。
せっかく魔術を蓄積させても、解放する隙がない……!
相変わらず、“龍神”は噛みついてくれているが、せいぜい、グレイブのスピードを落とすぐらいしかできていないのが現状だ。
痛そうにはしているが……、ん?
グレイブの右からの打ち込みを交わした所で、俺は気づいた。
コイツ、噛みつかれている割には、血とか出てなくね?
……まさか!
急いでルアに念話を送る。
『ルア、コイツもしかして、防御力系のバフ使ってね……!?』
『ええ!
でも、コイツ本人の“技能《スキル》”じゃないわ!
恐らく、魔道具系によるバフ!
というか話しかけないで!
“龍神”の操作は難しいの!』
『了解!』
悪かった、ルア。
だが、なるほど、やはりか……!
だが、どうする?
そんな魔導具の位置なんて……?
そう考えながらグレイブの胸の辺りに向かって付きを食らわせた瞬間。
グレイブはバフのおかげで突きにあまり効果がないはずなのに、慌てて引き下がった。
……!?
さっきまでだったら、すぐに弾き返すなり何なりと反撃してたよな?
だけど今はすぐに引き下がった……。
何かを守るかのように……。
まさか、コイツが首にかけている十字架に髑髏のデザインのペンダント……!
一気に飛びつき、そのペンダントを突いた。
バキッ!
「ぐうっ!」
ペンダントが割れる音とグレイブの唸り声が聞こえた直後。
バリン!
ガラスが割れるような大きな音を立てて、グレイブから紫色のガラスのような透明のオーラのような物が割れて、剥がれ落ち、消えた。
『ナイス!
レイジ!』
へへっ、舐めんなよ!
「ぐうう!」
“龍神”が一気にグレイブに食らいつき、グレイブが怯む。
……今しか……ねえ!
「うおおおお!」
声を上げ、一気に刃先から刀身に蓄積していた魔術を解放すると、突然、真っ黒で、赤く鋭い目を持った、ドラゴンとか龍とかの頭のように見える八つの何かが飛び出して来た。
……。
だが、突然、そんな意味不明な事が起こっているのにも関わらず、何故か俺は至極冷静だった。
……なぜだろう、俺はこんな物知らないはずなのに、何故かすんなりと受け入れられる。
それどころか、何処か安心感が湧くというか……。
そして、無意識のうちに大声で叫んでいた。
『八岐大蛇・斬……!』
ガンッ!
グレイブの巨大な剣と俺の刀がぶつかる、と同時に、刃先から出ていたその八つの頭はそれぞれ、巨大化し、ルアの“龍神”がやっているのと同じようにグレイブの体に喰らい付いた。
「グアアアア!」
グレイブの叫び声が一体に響き渡る。
次の瞬間、俺は混乱したグレイブが、思いっきり剣をぶん回したせいで、吹っ飛ばされた。
ズサーッ。
上手く着地をして、グレイブの方を見る。
「っ……!
……レイジ・アルフェリス……!!
貴様、使用魔術は火と光ではなかったのか……!」
その黒い奴らと、ルアの“龍神”に噛みつかれながら、グレイブはものすごい形相でこちらを睨みつけてけていた。
どうやら、俺の使用魔術は火と光のみだと思っていたらしい。
残念だったな、俺の魔素因子は水と闇なんだよ、そもそもこっちが本来の力(?)なんだよ。
というか、痛そう……。
容赦ねえな、コイツら
そういえば、そもそも……今のは一体なんだったんだ?
なんか自然と出たけど……俺、あんな技知らないぞ?
そもそも、技なのか、あれ。
それすらもわからねえ……。
***
おはようございます。錦木れるむです。
これからも応援よろしくお願いします!
ご気軽にコメントお願い致します。必ず返信させていただきます。応援、感想コメント頂けると嬉しいです。また、表現や、言葉などに間違えなどがあったら指摘してくださるとありがたいです。よろしければ、お気に入りもよろしくお願いいたします!
アルフェリス家の剣で学んだ、剣身から蓄積した火と光の魔術を一気に解放するという技術。
今はただ、火と光が水と闇に、剣が刀に置き換わっているだけだ。
簡単な事。
スゥ……。
深く息を吸って肺から体全体に酸素を送り込み、脳と体の意識を隅々まで澄み渡らせる。
……今!!
思い切り駆け出し、グレイブに接近する。
グレイブは、切っても切ってもしつこく噛みついてくるルアの放った“龍神”が対処に苦戦していて、ほんの少しだけ反応が遅れた。
ほんの少しだが、コイツに対してはこんな一瞬の隙ですらも、大きなアドバンテージになる。
しぶといな、“龍神”。
ナイスだ、ルア!
「ぐっ……!
レイジ・アルフェリス……!」
やってやる……!
ガンッ!
グレイブは、“龍神”の対処よりも、俺の対処を優先し、剣をぶつけて来た。
くっ……!
まだそんなに動けるのか……!
流石に先程ぐらいの力強い感じではないが、弾き返せない……!
一度、引き下がる。
クソッ、やはり身長の問題もあるな……。
一撃離脱戦法しか取れない……!
!
グレイブが剣を振り下ろした所をサイドステップで上手くかわす。
そこから、剣を持ち直すタイミング突き、懐に飛び込み……!
も、それはグレイブに打ち弾かれる。
クッソ!
再び、引き下がる。
せっかく魔術を蓄積させても、解放する隙がない……!
相変わらず、“龍神”は噛みついてくれているが、せいぜい、グレイブのスピードを落とすぐらいしかできていないのが現状だ。
痛そうにはしているが……、ん?
グレイブの右からの打ち込みを交わした所で、俺は気づいた。
コイツ、噛みつかれている割には、血とか出てなくね?
……まさか!
急いでルアに念話を送る。
『ルア、コイツもしかして、防御力系のバフ使ってね……!?』
『ええ!
でも、コイツ本人の“技能《スキル》”じゃないわ!
恐らく、魔道具系によるバフ!
というか話しかけないで!
“龍神”の操作は難しいの!』
『了解!』
悪かった、ルア。
だが、なるほど、やはりか……!
だが、どうする?
そんな魔導具の位置なんて……?
そう考えながらグレイブの胸の辺りに向かって付きを食らわせた瞬間。
グレイブはバフのおかげで突きにあまり効果がないはずなのに、慌てて引き下がった。
……!?
さっきまでだったら、すぐに弾き返すなり何なりと反撃してたよな?
だけど今はすぐに引き下がった……。
何かを守るかのように……。
まさか、コイツが首にかけている十字架に髑髏のデザインのペンダント……!
一気に飛びつき、そのペンダントを突いた。
バキッ!
「ぐうっ!」
ペンダントが割れる音とグレイブの唸り声が聞こえた直後。
バリン!
ガラスが割れるような大きな音を立てて、グレイブから紫色のガラスのような透明のオーラのような物が割れて、剥がれ落ち、消えた。
『ナイス!
レイジ!』
へへっ、舐めんなよ!
「ぐうう!」
“龍神”が一気にグレイブに食らいつき、グレイブが怯む。
……今しか……ねえ!
「うおおおお!」
声を上げ、一気に刃先から刀身に蓄積していた魔術を解放すると、突然、真っ黒で、赤く鋭い目を持った、ドラゴンとか龍とかの頭のように見える八つの何かが飛び出して来た。
……。
だが、突然、そんな意味不明な事が起こっているのにも関わらず、何故か俺は至極冷静だった。
……なぜだろう、俺はこんな物知らないはずなのに、何故かすんなりと受け入れられる。
それどころか、何処か安心感が湧くというか……。
そして、無意識のうちに大声で叫んでいた。
『八岐大蛇・斬……!』
ガンッ!
グレイブの巨大な剣と俺の刀がぶつかる、と同時に、刃先から出ていたその八つの頭はそれぞれ、巨大化し、ルアの“龍神”がやっているのと同じようにグレイブの体に喰らい付いた。
「グアアアア!」
グレイブの叫び声が一体に響き渡る。
次の瞬間、俺は混乱したグレイブが、思いっきり剣をぶん回したせいで、吹っ飛ばされた。
ズサーッ。
上手く着地をして、グレイブの方を見る。
「っ……!
……レイジ・アルフェリス……!!
貴様、使用魔術は火と光ではなかったのか……!」
その黒い奴らと、ルアの“龍神”に噛みつかれながら、グレイブはものすごい形相でこちらを睨みつけてけていた。
どうやら、俺の使用魔術は火と光のみだと思っていたらしい。
残念だったな、俺の魔素因子は水と闇なんだよ、そもそもこっちが本来の力(?)なんだよ。
というか、痛そう……。
容赦ねえな、コイツら
そういえば、そもそも……今のは一体なんだったんだ?
なんか自然と出たけど……俺、あんな技知らないぞ?
そもそも、技なのか、あれ。
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