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第二章 王国国立学園入学。
Ep.11.0-③ 突然の襲撃。-③
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撃た……れた……?
自分の体を見ると、そこら中から血が溢れ出していた。
体のそこら中が燃えるように、熱く、そして、それが段々と猛烈な痛みに変わっていく。
だ、大丈夫だ。
落ち着け、まずは、冷静になれ。
とりあえず深呼吸をし、無理矢理心を落ち着かせる。
多分、恐らくだが、父さん達が呼び出されたのは罠と考えるのが妥当だろう。
それで、この屋敷から父さん達、つまり、アルフェリス家の主戦力を削いであるこのタイミングを狙って、この集団は今襲撃して来たのではないだろうか?
という事は、国王陛下もこの襲撃の集団とグルなのか?
だとしても、自分の実の娘がいるんだぞ!?
ありえない。
いや、今はそんなこと考えてても意味がない。
落ち着け……!
俺は絶対にここを生き抜く……!
こんな奴らには、絶対に負けねえ。
いや、負けたくねえ。
守るんだ、ルアを、エレナ様をそしてみんなを……!
守るんだ、この人生を……!
魔力錬成で練習してただろ。
ここで、重加速回復を使うんだ……!
ゆっくりと、だが強く踏ん張って立ち上がり、自分の胸を力強くガッチリと掴んで詠唱する。
『重加速回復……!』
体が青いオーラのようなものに包まれ、少しずつだが、体の痛みが引いて行く。
確かこの“技能”は一度回復し始めたら、時間経過で段々と回復率が上がっていくものだ。
問題ない、すぐに傷口も塞がるはずだ。
俺のそんな様子を見て、ルア達が駆け寄ってきた。
「レイジ!」
「レイジさん!」
「レイジ様!」
心配そうな顔をしているみんなに俺は答えた。
「問題ない。
……ルア、アイツらと俺が戦う。
援護……お願いできるか?」
泣くなよ……ルア。
「戦うってレイジ、本当に、大丈夫なの!?
そんなにふらついてるのに……」
ルアは大袈裟だなあ。
「大丈夫だ。
俺には重加速回復がある、だろ?
それに今、この屋敷を守れるのは俺しかいない。
俺がやるしかねえんだよ!」
そういうとルアは泣きそうな顔をしてはいたが俺の言い方の勢いもあってか、どうにか首を縦に振ってくれた。
「分かったよ……。
援護は任せて。
でも、くれぐれも無理はしないで……。
私をまた……ひとりにしないで……」
クソッ、まじで可愛いなあ。
俺はルアの頭をくしゃくしゃと撫でる。
「分かってる。
だから、頼むよ?
ルア。」
そう言うとルアは安心したように微笑んだ。
そして今度は俺はエレナ様とレティアスさんの方を向く。
「エレナ様、レティアスさん。
お二人は使用人さんたちを連れて地下室に逃げてください。
多分今は外に逃げる方が危ないですから。
俺とルア、そして警備兵の方々が少しいるはずですから、その人たちと一緒にアイツらを撃退、最悪でも、増援が来るまでは耐えます。」
エレナ様は心配そうな顔をして答える。
「でも、そしたら、レイジさんと、ルアちゃんは……」
ここは安心させないといけないので、ここは笑顔で。
「大丈夫ですよ、エレナ様。
俺とルアはこれでも名誉ある王国八大貴族、アルフェリス家の人間です。
俺はもうきちんとアルフェリス家の剣技を習得してますし、ルアは一応、これでも魔術の天才ですから」
人を安心させるためだったら、嘘が必要になる時だってある。
まだ俺は、アルフェリス家の剣を習得し切っているとは言い難い。
それに、重加速回復で体力は回復できたとしても、魔素までは回復する事はできない。
でも、増援が来るまで耐えるだけなら、魔素の使用量を少なくしたり、使わなかったりしたら、きっと体力も持つはずだろう。
「これでもって何よ!
ふん!
でも、エレナお姉ちゃん。
安心して、私とレイジ、二人いたら最強だから!」
ちょっとだけムッとした顔をしつつ、ルアもそう言ってエレナ様を安心させようとしている。
「レティアスさんも、お願いしますね。
エレナ様の事。
そして、この屋敷の使用人のみなさんの事。
俺達がアイツらの注意を逸らします。
その間に、地下室へ」
レティアスさんは頷き、答えた。
「分かりました……。
でも、レイジ様、ルア様。
どうか無理をなさらず」
エレナ様も続ける。
「私からも。
レイジさん、ルアちゃん。
本当に無理しないでね。
最悪逃げてもいいからね?」
「「はい!」」
二人で息を合わせたかのように、同時に答えた。
二人を見送り、先程撃たれた窓の方から少しだけ頭を出し、外の様子を伺う。
バーン!
カンッ!
キーン!
ドーンッ!
やはり、警備兵の人達が先に戦ってくれていた。
でも相手の方が人数がもっと多い。
俺らも早く参戦しなくては、多分十分も持たない。
俺は窓から飛び降り、地面に着地し、剣を抜く。
ルアも俺に続いて、飛び降りた。
『やるぞ、ルア。
今、みんなを救えるのは俺らだけだ。』
『ええ。
やるわよ、レイジ』
***
おはよう御座います!眠い錦木れるむです。という事で、寝ます。
ご気軽にコメントお願い致します。必ず返信させていただきます。応援、感想コメント頂けると嬉しいです。また、表現や、言葉などに間違えなどがあったら指摘してくださるとありがたいです。よろしければ、♡、☆、フォローもよろしくお願いいたします!
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体のそこら中が燃えるように、熱く、そして、それが段々と猛烈な痛みに変わっていく。
だ、大丈夫だ。
落ち着け、まずは、冷静になれ。
とりあえず深呼吸をし、無理矢理心を落ち着かせる。
多分、恐らくだが、父さん達が呼び出されたのは罠と考えるのが妥当だろう。
それで、この屋敷から父さん達、つまり、アルフェリス家の主戦力を削いであるこのタイミングを狙って、この集団は今襲撃して来たのではないだろうか?
という事は、国王陛下もこの襲撃の集団とグルなのか?
だとしても、自分の実の娘がいるんだぞ!?
ありえない。
いや、今はそんなこと考えてても意味がない。
落ち着け……!
俺は絶対にここを生き抜く……!
こんな奴らには、絶対に負けねえ。
いや、負けたくねえ。
守るんだ、ルアを、エレナ様をそしてみんなを……!
守るんだ、この人生を……!
魔力錬成で練習してただろ。
ここで、重加速回復を使うんだ……!
ゆっくりと、だが強く踏ん張って立ち上がり、自分の胸を力強くガッチリと掴んで詠唱する。
『重加速回復……!』
体が青いオーラのようなものに包まれ、少しずつだが、体の痛みが引いて行く。
確かこの“技能”は一度回復し始めたら、時間経過で段々と回復率が上がっていくものだ。
問題ない、すぐに傷口も塞がるはずだ。
俺のそんな様子を見て、ルア達が駆け寄ってきた。
「レイジ!」
「レイジさん!」
「レイジ様!」
心配そうな顔をしているみんなに俺は答えた。
「問題ない。
……ルア、アイツらと俺が戦う。
援護……お願いできるか?」
泣くなよ……ルア。
「戦うってレイジ、本当に、大丈夫なの!?
そんなにふらついてるのに……」
ルアは大袈裟だなあ。
「大丈夫だ。
俺には重加速回復がある、だろ?
それに今、この屋敷を守れるのは俺しかいない。
俺がやるしかねえんだよ!」
そういうとルアは泣きそうな顔をしてはいたが俺の言い方の勢いもあってか、どうにか首を縦に振ってくれた。
「分かったよ……。
援護は任せて。
でも、くれぐれも無理はしないで……。
私をまた……ひとりにしないで……」
クソッ、まじで可愛いなあ。
俺はルアの頭をくしゃくしゃと撫でる。
「分かってる。
だから、頼むよ?
ルア。」
そう言うとルアは安心したように微笑んだ。
そして今度は俺はエレナ様とレティアスさんの方を向く。
「エレナ様、レティアスさん。
お二人は使用人さんたちを連れて地下室に逃げてください。
多分今は外に逃げる方が危ないですから。
俺とルア、そして警備兵の方々が少しいるはずですから、その人たちと一緒にアイツらを撃退、最悪でも、増援が来るまでは耐えます。」
エレナ様は心配そうな顔をして答える。
「でも、そしたら、レイジさんと、ルアちゃんは……」
ここは安心させないといけないので、ここは笑顔で。
「大丈夫ですよ、エレナ様。
俺とルアはこれでも名誉ある王国八大貴族、アルフェリス家の人間です。
俺はもうきちんとアルフェリス家の剣技を習得してますし、ルアは一応、これでも魔術の天才ですから」
人を安心させるためだったら、嘘が必要になる時だってある。
まだ俺は、アルフェリス家の剣を習得し切っているとは言い難い。
それに、重加速回復で体力は回復できたとしても、魔素までは回復する事はできない。
でも、増援が来るまで耐えるだけなら、魔素の使用量を少なくしたり、使わなかったりしたら、きっと体力も持つはずだろう。
「これでもって何よ!
ふん!
でも、エレナお姉ちゃん。
安心して、私とレイジ、二人いたら最強だから!」
ちょっとだけムッとした顔をしつつ、ルアもそう言ってエレナ様を安心させようとしている。
「レティアスさんも、お願いしますね。
エレナ様の事。
そして、この屋敷の使用人のみなさんの事。
俺達がアイツらの注意を逸らします。
その間に、地下室へ」
レティアスさんは頷き、答えた。
「分かりました……。
でも、レイジ様、ルア様。
どうか無理をなさらず」
エレナ様も続ける。
「私からも。
レイジさん、ルアちゃん。
本当に無理しないでね。
最悪逃げてもいいからね?」
「「はい!」」
二人で息を合わせたかのように、同時に答えた。
二人を見送り、先程撃たれた窓の方から少しだけ頭を出し、外の様子を伺う。
バーン!
カンッ!
キーン!
ドーンッ!
やはり、警備兵の人達が先に戦ってくれていた。
でも相手の方が人数がもっと多い。
俺らも早く参戦しなくては、多分十分も持たない。
俺は窓から飛び降り、地面に着地し、剣を抜く。
ルアも俺に続いて、飛び降りた。
『やるぞ、ルア。
今、みんなを救えるのは俺らだけだ。』
『ええ。
やるわよ、レイジ』
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