37 / 59
第二章 王国国立学園入学。
Ep.9.0-③ アルフェリス家の剣。-③
しおりを挟む
どこからか、心地よい鳥の囀りごえが聞こえる。
ゆっくりと思いまぶたを上げてみると、目の前に窓があり、外の景色が見えた。
春の暖かそうな朝日に包まれて、輝く壮大な草原が広がっている。
あの時、少しだけ仮眠を取るだけのつもりでいたのにも関わらず、俺はどうやら本格的に寝てしまったみたいで、朝になっていた。
窓から見えるこの景色からして……ここはじいちゃんの屋敷の客室だろうか?
昨晩は大広間にあるソファーで寝ていたはずなのに、いつの間にかじいちゃんの屋敷の客室にあるベッドに寝かされていた。
それに昨晩までは、祝賀会のためによそ行き用の服を着ていたはずなのに、いつの間にか、少し大きくてダボダボな寝巻きに着替えさせられており、周囲を見回すと、近くのハンガーに昨日着ていた服が丁寧に掛けられているのを見つけた。
小さく伸びをしてから、ベッドを降りると、足が酷く筋肉痛になっている事に気がついた。
何故なのかはなんとなく察しがついた。
まあ、そうだよな。
昨日ほとんど立ちっぱなしだった訳だしな……。
妙に納得した俺は、掛けられている昨日の服に再び袖を通した。
ギィー……。
廊下へと通じる少し重ためのドアを押し開けると、美味しそうな匂いがしてきた。
壁に掛かっている時計を見ると、午前六時半。
多分、もうそろそろ朝食なのだろう。
グゥーーーーーーー……。
腹の音が聞こえるほど大きな音で鳴ってしまった。
恥ずかしい……。
人に聞かれてないよな……!?
周囲を見回したが、誰もいなかったため、胸を撫でおろした。
昨日の祝賀会では、沢山料理が出されていたものの、俺は挨拶ばっかりであまり食べることができなかったせいで、俺は相当お腹が空いていた。
(まあ、ルアはそんなことには一切構わず美味しい美味しいとか言いながらモリモリ食べていたんだが……うん。)
そんな事を考えながらボーっとしていると、ちょうどその時、隣の部屋のドアが開き、父さんが寝巻きのまま、寝ぼけた顔をしながら出て来た。
髪型が変わるぐらい大きな寝癖のおまけ付きで。
「ふぁー……?
……あー……レイジか……。
……おふぁよう……」
「父さん……まあ、いいや。
うん、おはよう」
父さんそういう時は、頼むからあくびをするのか挨拶するのかどちらかにしてくれ。
うん、なんかやだ。
って、おい!
そこでまた立ったまま寝るなよ!
その後、立ったまま寝ている父さんを揺すり起こして、廊下で着替えてくるのを四分ほど待ち、二人で、食堂へ向かった。
食堂では、じいちゃんが座って、日報誌(前世でいう新聞のような物)を読んでいた。
そして、朝ご飯を食べ、一通りの準備を終えた俺と父さんは、じいちゃんにお礼を言い、見送られながら、呼んでおいた馬車に乗り込んだ。
「じゃあ、またすぐに来るんだぞ、レイジ。」
「分かってるよ、じいちゃん。
今度はルアとかも含めてみんなで来るから!」
「じゃあ父さん、また今度。」
「おう、みんなによろしく伝えてくれ。」
馬車が走り始めると、じいちゃんの姿がみるみる小さくなっていった。
ある程度馬車が走ったところで父さんは話し始めた。
「レイジ、じいちゃんから聞いたぞ?
まあ、おまえのことだからじいちゃん納得させるだろうなって思ってたんだがな……(笑)。
帰ったら早速稽古を始めるぞ、いいな?」
「分かってるさ、父さん。
帰ったらとりあえず、兄さんのお古の稽古具がないか聞いてみる。」
そう言うと父さんは嬉しそうに笑った。
「さすが俺の息子だ!
将来有望だな!」
背中をバンバン叩く父さんに俺はどう反応したらいいのか分からず、ただ苦笑した。
やってやる。
次死んだ時に胸張って後悔なんか何一つないって言えるように。
全部だ!
***
投稿遅くなってしまい、すいません。こんばんは、錦木れるむです。
レポート課題をやってたら投稿できませんでした……。
ゆっくりと思いまぶたを上げてみると、目の前に窓があり、外の景色が見えた。
春の暖かそうな朝日に包まれて、輝く壮大な草原が広がっている。
あの時、少しだけ仮眠を取るだけのつもりでいたのにも関わらず、俺はどうやら本格的に寝てしまったみたいで、朝になっていた。
窓から見えるこの景色からして……ここはじいちゃんの屋敷の客室だろうか?
昨晩は大広間にあるソファーで寝ていたはずなのに、いつの間にかじいちゃんの屋敷の客室にあるベッドに寝かされていた。
それに昨晩までは、祝賀会のためによそ行き用の服を着ていたはずなのに、いつの間にか、少し大きくてダボダボな寝巻きに着替えさせられており、周囲を見回すと、近くのハンガーに昨日着ていた服が丁寧に掛けられているのを見つけた。
小さく伸びをしてから、ベッドを降りると、足が酷く筋肉痛になっている事に気がついた。
何故なのかはなんとなく察しがついた。
まあ、そうだよな。
昨日ほとんど立ちっぱなしだった訳だしな……。
妙に納得した俺は、掛けられている昨日の服に再び袖を通した。
ギィー……。
廊下へと通じる少し重ためのドアを押し開けると、美味しそうな匂いがしてきた。
壁に掛かっている時計を見ると、午前六時半。
多分、もうそろそろ朝食なのだろう。
グゥーーーーーーー……。
腹の音が聞こえるほど大きな音で鳴ってしまった。
恥ずかしい……。
人に聞かれてないよな……!?
周囲を見回したが、誰もいなかったため、胸を撫でおろした。
昨日の祝賀会では、沢山料理が出されていたものの、俺は挨拶ばっかりであまり食べることができなかったせいで、俺は相当お腹が空いていた。
(まあ、ルアはそんなことには一切構わず美味しい美味しいとか言いながらモリモリ食べていたんだが……うん。)
そんな事を考えながらボーっとしていると、ちょうどその時、隣の部屋のドアが開き、父さんが寝巻きのまま、寝ぼけた顔をしながら出て来た。
髪型が変わるぐらい大きな寝癖のおまけ付きで。
「ふぁー……?
……あー……レイジか……。
……おふぁよう……」
「父さん……まあ、いいや。
うん、おはよう」
父さんそういう時は、頼むからあくびをするのか挨拶するのかどちらかにしてくれ。
うん、なんかやだ。
って、おい!
そこでまた立ったまま寝るなよ!
その後、立ったまま寝ている父さんを揺すり起こして、廊下で着替えてくるのを四分ほど待ち、二人で、食堂へ向かった。
食堂では、じいちゃんが座って、日報誌(前世でいう新聞のような物)を読んでいた。
そして、朝ご飯を食べ、一通りの準備を終えた俺と父さんは、じいちゃんにお礼を言い、見送られながら、呼んでおいた馬車に乗り込んだ。
「じゃあ、またすぐに来るんだぞ、レイジ。」
「分かってるよ、じいちゃん。
今度はルアとかも含めてみんなで来るから!」
「じゃあ父さん、また今度。」
「おう、みんなによろしく伝えてくれ。」
馬車が走り始めると、じいちゃんの姿がみるみる小さくなっていった。
ある程度馬車が走ったところで父さんは話し始めた。
「レイジ、じいちゃんから聞いたぞ?
まあ、おまえのことだからじいちゃん納得させるだろうなって思ってたんだがな……(笑)。
帰ったら早速稽古を始めるぞ、いいな?」
「分かってるさ、父さん。
帰ったらとりあえず、兄さんのお古の稽古具がないか聞いてみる。」
そう言うと父さんは嬉しそうに笑った。
「さすが俺の息子だ!
将来有望だな!」
背中をバンバン叩く父さんに俺はどう反応したらいいのか分からず、ただ苦笑した。
やってやる。
次死んだ時に胸張って後悔なんか何一つないって言えるように。
全部だ!
***
投稿遅くなってしまい、すいません。こんばんは、錦木れるむです。
レポート課題をやってたら投稿できませんでした……。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。


婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた
こばやん2号
ファンタジー
とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。
気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。
しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。
そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。
※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。


神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ
犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。
僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。
僕の夢……どこいった?

拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる