【どうにか必死で奮闘中!】前世ではコミュ症だった俺、漆黒剣聖に転生する。 ~陰キャだった俺とポンコツ元駄女神の異世界セカンドライフ~

錦木れるむ

文字の大きさ
上 下
34 / 59
第二章 王国国立学園入学。

Ep.8.0-⑤ 誤算に次ぐ誤算。-⑤

しおりを挟む
「ま、まあ。
 うん、はい。
 ともかく父さんと母さんが◯キ婚だってことは分かったよ……」
 
もうこの話辞めたい……。

「デ、◯キ婚って人聞きが悪いな、父さんと母さんは深い愛の果てにセリファを授かって結婚したんだぞ。
 そ、それにレイジ、◯キ婚なんて言葉、お前一体誰から習ったんだ?
 お前はその年齢に似合わない言葉や知識を持っているのは知っているが……さすがにな……そんな言葉は……」

あ、やばい、ついやっちまった……!
畜生!
余計な事を言うのは極力避けてるのに……!

「ほ、本で読んだんだよ!
 俺、本好きだからさ。
 ほ、ほら、俺よく家の書庫で本読んでるでしょ?
 だから色んな言葉知ってるんだよ。」

「そうか、なるほどな。
 知は力なりって言うし、色んな事を知っているのはいい事だけど……。
 あまり公衆の面前でああ言う言葉を言うなよ?
 この会場にいるたくさんの貴族達の中にはレイジの事を心よく思ってない人達ももしかしたら少なからずいるかもしれない。
 今となってはお前はもう王女と婚約している身なんだから変な所で足元をすくわれないよう言動には慎重にな」

どうにか誤魔化せたみたいだ。
いつも書庫で魔力錬成の練習のために魔導書を読んでいたのが役立ったな。

これは本の賜物だな。

「分かってます、父さん……。
 次からは気を付けます。
 それで……さっきとりあえずって言ってたってことは、話は婚約祝いだけじゃないんでしょ? 」

そう言うと父さんは笑って頭を掻いた。

「さすが鋭いな、レイジは。
 そう、話はそれだけじゃない。
 お前の“技能 スキル”が恐ろしいほど強力なものだと言う事は分かった。
 すごいことだし、父さんは親として誇りに思うし、一人の剣士として尊敬する。」

「うん。」

言いたいことは分かる。
俺の魔素因子の属性だろ?

「だが、父さんと母さんが心配しているのは、お前の魔素因子の事だ。」

やっぱりか。

「分かってる……。
 アルフェリス家の剣の型は火と光の魔術を織り込んだ物。
 それに対して俺の魔素因子は、水、そして闇。
 型に使用する魔術とちょうど正反対だ。
 だから、俺にはアルフェリス家の剣の型が使えないって言いたいんでしょう?」

俺がそう言うと父さんは申し訳なさそうな顔をして答えた。

「……そうだ。
 ごめんな……レイジ」

「大丈夫さ、父さん。
 父さん達みたいに火と光の魔素因子を持ってる人には及ばないと思う。
 でも、そもそも魔素因子がない魔術を完全に使えないわけじゃないんだから、努力すればきっとアルフェリス家の剣の流儀を使いこなせるはずだよ。
 鑑定士のおじいさんが言ってたじゃん。
 俺にはランク測定不可な六次性能力、無限成長者 オワリナキモノがあるって」

俺はゆっくりとそう言った。

「レイジ……」

父さんは驚いたような顔をした。

「だからさ、教えてよ、父さん。
 俺に、アルフェリス家の剣を。
 昔、父さん自身が言ってたじゃんか、普通アルフェリス家の剣聖 ブレイド・マスターを持つ人間は“技能 スキル”測定を終えた七歳から剣を握るんだろ?」

「レイジ……。
 だめだ。
 こればっかりは父さんの判断だけでどうこうできる問題じゃない。
 そもそもお前のその無限成長者 オワリナキモノの効果も鑑定士の予想だけで、実際どういった物なのか全く分からないんだから……。
 とりあえず、この祝賀会が終わったら、父さん……じいちゃんに相談しよう」
 
父さんはそう言うともう一度俺にすまないと言って黙ってしまった。

じいちゃんって言うのは俺、レイジ・アルフェリスの祖父にあたる人物、ベクタード・アルフェリスの事だ。
じいちゃんは今はもう自分の屋敷で隠居しているけど、現役だった頃は父さんと同じ、王国騎士団長だった。
そして、今の父さんとは比べ物にならないくらいに強かったそうだ。

そのじいちゃんに相談するのは……まあ妥当だろう。

いつも会う度に孫達のことを可愛がってくれるすっごくいいじいちゃんだから相談しやすいしね。


少しの間重たい空気が流れてたのを母さんの一言が打ち破った。

「レ、レイジ。
 あれ……」

そう言って母さんが指差した方を見ると、またルアとエレナ様が揉めていた。

は?
この二人の問題はさっき解決してなかったっけ?

急いで二人の間に割って入った。

「ちょっとちょっと、落ち着いて?
 何があった?」

そう聞くとルアが先に答えた。

「だって、お姉ちゃんが……!
 私の方が先に婚約したから第一妻だって言ったら……」

は!?

「だってルアちゃんは正式な婚約じゃないじゃないですか?
 だから私が第一妻だと思うんです!」

え?

「べ、別にそんな正式とか関係ないもん!
 私が先だもん!」

くっそしょうもな……。
そんなのどうだっていいだろ……。

結局この問題は保留ということで落ち着いた。

保留にするほど大切か?
なんて、聞いてはいけない。
というか怖くて聞けたもんじゃない。



また、野球が、ルアから聞いたエレナ様によって広められ、アリシス王国で魔術を混ぜた魔球などによってヤキュウとして超人気スポーツとなるのはもっと後の話である。


***
おはよう御座います。錦木れるむです。
これからも応援よろしくお願いします!

ご気軽にコメントお願い致します。必ず返信させていただきます。応援、感想コメント頂けると嬉しいです。また、表現や、言葉などに間違えなどがあったら指摘してくださるとありがたいです。よろしければ、お気に入りもよろしくお願いいたします!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……

こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた

こばやん2号
ファンタジー
 とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。  気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。  しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。  そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。  ※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

処理中です...