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第二章 王国国立学園入学。
Ep.7.0-④ “技能”測定。そして、大きな誤算。-④
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『嘘だあ!
怖いよー、レイジ。』
うるさいな、コイツ……。
『ルア、静かにしようか?
念話でぎゃあぎゃあ言わないで?
後で、ちゃんと説明してもらうからね?』
俺は笑顔を意識しながらまた、ルアに言った。
『は、はい!
レイジ、いやレイジ様!
でも、わざとじゃ……!』
うん、それは分かったって。
『分かった、分かった、分かったから。』
そう言うとルアはすぐに黙った。
なんか申し訳なさそうに涙目でこっち見てたけど、無視した。
後でちゃんと説明しろよ……ルア。
会場がまた、うるさくなっている事に陛下がまたキレた。
「貴様ら!
他人の祝い事の際にここまでうるさくするとは……貴様らは礼儀がなっとらん!
貴様らは、この国の貴族として恥ずかしくはないのか!」
みんな、もうこれ以上国王陛下キレさせるのはやめてあげて!
陛下のライフはとっくにゼロよ!
一通り周りが静かになると陛下は落ち着いた口調で言った。
「確かに、二刀流も、魔素因子が闇と水なことも驚くべきことだ。
分かる。
正直、私も驚いている。
だがな、そう言う時にこそ、真の人間性が、図られるという物なのだ。」
流石だな……、やっぱり人をまとめあげている人はすごい。
こんなこと言えるのって、カッコいいな。
陛下がそう言い終わると、鑑定士のおじいさんがまたビクビク震えながら言った。
「こ、国王陛下。
失礼ながら、よろしいでしょうか……?」
ビビりすぎだろ、このおじいさん……。
多分こっちのおじいさんの方がライフとっくにゼロだな……。
「む、なんだ鑑定士よ。
発言を許す。」
だからさ……陛下は陛下で、あんまり威圧しないであげてよ……。
「じ、実は、まだあるのです。」
「ほう、まだ、だと?
実に興味深い……。
読み上げよ。」
陛下は興味深そうに聞き返し、読み上げるよう指示した。
「は、はい。
今までの物に加えまして……。
どうやらレイジ様には、ランク測定不可な六次性能力:……無限成長者?があるそうです……。」
今度は先程とは対照的に、会場が静まり返った。
「鑑定士、その、無限成長者とは一体なんだ?
私は今まで生きて来た中で、聞いたことがない。
六次性能力ということは神によるご加護ということか?」
陛下はゆっくりとそう言った。
「わ、分かりません。
わたくしも、今まで聞いたこともございません。
陛下のお役に立てず、わたくし、断腸の思いにございます。
ですが……陛下の仰るように、六次性能力という事から、恐らくは、神のご加護による特殊な物であるかと……。
また、名前からして、恐らく無限に成長できる能力。
もしくは、自分自身のリミッターを制御できる物かとわたくしは考えます。」
鑑定士のおじいさんは申し訳なさそうに言った。
おじいさん、勘いいじゃん。
無限に成長できるって、当たってるよ。
「ふむ、ではこの少年、レイジ・アルフェリスは神の祝福を受けて生まれた子供だと言うことか……。
なるほど……。」
陛下はそう言うと何か深く考えこむような顔をした。
そして、しばらくすると、エレナ姫と第一王子のザリス王子に手招きし、何か耳打ちをした。
エレナ姫はほんの少しだけ、顔を赤くしたように見えたが、すぐに頷き、王子は王子で、とても驚いた顔をしていたが、確かにとでも言うように頷いた。
両者が頷いたのを確認するやいなや陛下は、こう言った。
「レイジ・アルフェリス。
ここへ参れ。」
え、俺?
呼ばれた?
ルアの方をみるとうんうん頷いている。
やっぱり俺!?
と、とりあえず、急いで行かないと。
「はっ。」
椅子から飛び降り、陛下の方へと走る、そして、目の前で、跪く。
「何の御用でしょうか?
ブリス国王陛下。」
「ほう、関心したぞ。
年齢の割に礼儀作法がしっかりしておる。
さすがは八大貴族の一家の息子じゃな。」
陛下は驚いたような顔をして、俺のことを褒めた。
急に褒められて驚いたものの、ここは冷静に。
「はっ。
陛下にお褒めに預かるとは、この身に余る幸せにございます。」
頭を下げる。
やっぱり、実際に近くに寄ってみると、威厳がありすぎる。
怖い……。
「うむ、良いことよ。
ほれ、面を上げんか、レイジ。
楽にせい。」
そう言われてもなあ。
まあ、従った方が得策だろう。
「はっ!
失礼いたします。」
頭を上げ、陛下の方を見る。
「うむ。
それで、時にレイジよ。
其方の“技能”、その人間性、そして将来の活躍を期待し、とあるものを其方に授けようと思う。」
***
怖いよー、レイジ。』
うるさいな、コイツ……。
『ルア、静かにしようか?
念話でぎゃあぎゃあ言わないで?
後で、ちゃんと説明してもらうからね?』
俺は笑顔を意識しながらまた、ルアに言った。
『は、はい!
レイジ、いやレイジ様!
でも、わざとじゃ……!』
うん、それは分かったって。
『分かった、分かった、分かったから。』
そう言うとルアはすぐに黙った。
なんか申し訳なさそうに涙目でこっち見てたけど、無視した。
後でちゃんと説明しろよ……ルア。
会場がまた、うるさくなっている事に陛下がまたキレた。
「貴様ら!
他人の祝い事の際にここまでうるさくするとは……貴様らは礼儀がなっとらん!
貴様らは、この国の貴族として恥ずかしくはないのか!」
みんな、もうこれ以上国王陛下キレさせるのはやめてあげて!
陛下のライフはとっくにゼロよ!
一通り周りが静かになると陛下は落ち着いた口調で言った。
「確かに、二刀流も、魔素因子が闇と水なことも驚くべきことだ。
分かる。
正直、私も驚いている。
だがな、そう言う時にこそ、真の人間性が、図られるという物なのだ。」
流石だな……、やっぱり人をまとめあげている人はすごい。
こんなこと言えるのって、カッコいいな。
陛下がそう言い終わると、鑑定士のおじいさんがまたビクビク震えながら言った。
「こ、国王陛下。
失礼ながら、よろしいでしょうか……?」
ビビりすぎだろ、このおじいさん……。
多分こっちのおじいさんの方がライフとっくにゼロだな……。
「む、なんだ鑑定士よ。
発言を許す。」
だからさ……陛下は陛下で、あんまり威圧しないであげてよ……。
「じ、実は、まだあるのです。」
「ほう、まだ、だと?
実に興味深い……。
読み上げよ。」
陛下は興味深そうに聞き返し、読み上げるよう指示した。
「は、はい。
今までの物に加えまして……。
どうやらレイジ様には、ランク測定不可な六次性能力:……無限成長者?があるそうです……。」
今度は先程とは対照的に、会場が静まり返った。
「鑑定士、その、無限成長者とは一体なんだ?
私は今まで生きて来た中で、聞いたことがない。
六次性能力ということは神によるご加護ということか?」
陛下はゆっくりとそう言った。
「わ、分かりません。
わたくしも、今まで聞いたこともございません。
陛下のお役に立てず、わたくし、断腸の思いにございます。
ですが……陛下の仰るように、六次性能力という事から、恐らくは、神のご加護による特殊な物であるかと……。
また、名前からして、恐らく無限に成長できる能力。
もしくは、自分自身のリミッターを制御できる物かとわたくしは考えます。」
鑑定士のおじいさんは申し訳なさそうに言った。
おじいさん、勘いいじゃん。
無限に成長できるって、当たってるよ。
「ふむ、ではこの少年、レイジ・アルフェリスは神の祝福を受けて生まれた子供だと言うことか……。
なるほど……。」
陛下はそう言うと何か深く考えこむような顔をした。
そして、しばらくすると、エレナ姫と第一王子のザリス王子に手招きし、何か耳打ちをした。
エレナ姫はほんの少しだけ、顔を赤くしたように見えたが、すぐに頷き、王子は王子で、とても驚いた顔をしていたが、確かにとでも言うように頷いた。
両者が頷いたのを確認するやいなや陛下は、こう言った。
「レイジ・アルフェリス。
ここへ参れ。」
え、俺?
呼ばれた?
ルアの方をみるとうんうん頷いている。
やっぱり俺!?
と、とりあえず、急いで行かないと。
「はっ。」
椅子から飛び降り、陛下の方へと走る、そして、目の前で、跪く。
「何の御用でしょうか?
ブリス国王陛下。」
「ほう、関心したぞ。
年齢の割に礼儀作法がしっかりしておる。
さすがは八大貴族の一家の息子じゃな。」
陛下は驚いたような顔をして、俺のことを褒めた。
急に褒められて驚いたものの、ここは冷静に。
「はっ。
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怖い……。
「うむ、良いことよ。
ほれ、面を上げんか、レイジ。
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そう言われてもなあ。
まあ、従った方が得策だろう。
「はっ!
失礼いたします。」
頭を上げ、陛下の方を見る。
「うむ。
それで、時にレイジよ。
其方の“技能”、その人間性、そして将来の活躍を期待し、とあるものを其方に授けようと思う。」
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