【どうにか必死で奮闘中!】前世ではコミュ症だった俺、漆黒剣聖に転生する。 ~陰キャだった俺とポンコツ元駄女神の異世界セカンドライフ~

錦木れるむ

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第一章 終わり。そして、新たな道へ。

Ep.5.0-② 新たな世界。新たな始まり。-②

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ーーー
なんだ……?
何か、眩しい。

恐る恐る、重たい瞼を上げる。

俺は、小さな赤ちゃん用のベッドらしき物の上に寝かされていた。

本当に転生したんだな、体も縮んでるみたいだし。

そこで初めて気づいた。
目の前に、こちらを覗き込む、知らない男の人と、女の人がいることに。

でも、二人の表情を見て、なんとなく分かった。
ああ、きっとこの人達が俺とルアンメシアのお父さんとお母さんになる人なのだろうな、と。

お母さんと思われる女性の方は、優しそうな若い女性で、お父さんらしき男性の方はいかにも騎士って言葉が似合いそうな感じの若い男性だった。

少なくともここ、アリシス王国の言語は、日本語ではないみたいだ。
なんて言っているのか全く持ってちんぷんかんぷんで分からないが、二人とも、すごく嬉しそうにしながらこちらに何か話しかけていた。


あれ?
そういえば、ルアンメシアは?

アイツは俺の二卵性双生児、つまり、双子として生まれるはずだからきっと近くにいるはずだ。

「ん、んん」

左の方から、唸り声がしたので、そちらの方を見る。

もう一人寝かされていた。

小さい子供が。

たぶんルアンメシアだろう。
なんとなくその面影がある。

まじまじ見つめていたら、急にルアンメシアは、目をパチっと開けこっちの方を見た。

『あ、おはよ』

ん?
なんか脳内でコイツの声が聞こえたような気が……。
まあ、気のせいだよな、たぶん。

『ねえ、ちょっと!
 聞こえてる?
 おはようってば!』

あれ?
これって、もしかして、聞き間違いじゃないの?

頭の中でおはようというワードを強く念じてみる。

『お、おはよう?』
  
『あーよかった、やっと通じた~。
 ほんと、なんでもっと早く反応しないのよ、全くもう。
 不安になったじゃない!』

どうやら通じたみたいだ。
って!
おい、それは俺悪くないだろ。
俺、これについてなんも説明受けてないんですけど!

また、脳内で強く念じてみる。

『いや、怒んなよ。
 ていうかこれなんなんだよ。
 俺、全く聞いてねえんだけど』

『あ、そういえばごめん説明忘れてたね。
 ごめんごめん。
 てへっ』

おい、またかよ、お前……。
いい加減自分がポンコツだと認めた方がいいんじゃないか、お前?

『おい、「てへっ」じゃねえだろ!
 全くお前は……。
 で、なんなんだ?
 これ』

そう、一体なんだよこれ。

『これはね、所謂、念話ってやつ。
 貴方も名前だけならなんとなく分かるでしょ?
 私の“技能 スキル”の一つの、Sランク一次性能力:意思操作 マインドコントロールで行使できる魔術の一種よ。
 便利だし、貴方がこっちの世界の言語を習得するようになるまで暇かなって思って習得しといたの』

実にありがたい。
でも、うん、何度目かもう分からないけど言わせてくれ。

ルアンメシア、お前はただのポンコツ脳内お花畑元駄女神なのか、それとも、超有能なのかどっちかはっきりしてくれ!
こちらとしても毎度毎度反応に困るんだよ!

『お前そういう大事な事は、先に言えよ……。
 というか、って事はお前まさかこの人たちが喋ってる言葉分かるのか?』

『え?
 うん、分かるけど。
 まあ、なんて言ったって、一応元女神ですから!』

なんかムカつく。

え、ずるくない?
俺も知りたいよ、この人たちが何話してるのかとか。

『おい、なあ、教えてくれよ。
 この人たち、なんて言ってるんだ?
 めっちゃ気になるんだけど』

『え~。
 どうしよっかな~
 まーあー、もし仮に貴方が、

 「ルアンメシア、愛してるぜ。
  だからどうか、無知で無力なか弱い子羊な俺に、この人達がなんて言っているのか教えておくれ」

 って言うのであればまあ、考えてあげないこともないけど?』

……コイツなんか調子乗ってね?

『馬鹿か。
 誰が言うかよ。
 そんなこと』

当然、従わない。
従う訳がない。

『あれれ~?
 知りたくないんですか~?
 まーあー貴方がどーしても言いたくないのであればこの交渉は決裂ですね~」

クソッ。
コイツ。
いい気になりやがって。

まあでもなー。
そんなこと言うぐらいだったら別にいいか、しょうがない、減るもんでもないし。
第一、すっごく気になるし。

『はいはい、分かりました。
 言いますよ!
 言えばいいんでしょう?
 ルアンメシア、愛してるぜ。
 だからどうか、無知で無力なか弱い子羊な俺に、この人達がなんて言っているのか教えておくれ。
 これでいいだろ?』

『んー。
 なんか言わされてる感が凄いけどまあいっか。
 しょうがないなー、もう///。
 私が特別に引き受けてあげますよ、子羊君♡』

いちいちなんか反応が腹たつけどしょうがない。
こう言うところは妥協が大事なんだ。

まあ、可愛いか、可愛くないかで言ったら可愛いし……。

『は、早くしろよ。
 時は金なりなんだぞ』

『はいはい~』

***

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