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第一章 終わり。そして、新たな道へ。
Ep.4.0-② 自分なりの“技能”。-②
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「で、一体俺には具体的にどんな“技能”候補があるんだ?」
どんなのがあるんだろう?
やっぱりチート系スキルがいいなあ。
かっこいいし、。
「じゃあ、はい、これ。」
と、ルアンメシアは笑顔で何処からともなく取り出した驚くほど分厚いファイルを手渡してきた。
?
なにこれ?
表紙には転生者G_332453 “技能”候補資料と書かれていた。
転生者G_332453とは、恐らく俺のことだろうか?
とりあえず開いてみる。
すると、中にはなんかよく分からないのが上から下までびっしり書いてあった。
そのえげつない量に驚きつつ、とりあえず一番上の項目から読んでみる。
なになに、SSランク“技能”候補その一、一次性能力、加速破壊。
効果、加速させた自分の体の一部ごと対象そのものを崩壊させる……。
SSランク“技能”候補その二、三次性能力、次元抹殺。
効果、対象の周りの一定範囲に、次元の歪みを発生させ、その範囲内の物質や概念全てを抹殺する。
副作用として、次元の制御は体への負荷が絶大であるため、死が早くなる……。
え?
何これ。
すっごくおっかなくないか?
対象そのものを崩壊させるとか、次元を歪めて抹殺するとかさ、怖すぎない?
というか自分の体の一部ごととか、死が早くなるって……。
え、普通に怖すぎるんですけど。
そこまでしてこんな力欲しくないんですけど。
しかもさ、何、この量、一体全体何ページ分あるの、これ?
いや、絶対これさ、読みきれないでしょ。
普通に考えて。
「この中から、D、C、B、A、Sランクの“技能”を一つずつと、SSランクの“技能”を二つ選んで?
あとは、火、水、光、闇、風、土の6つ中から好きな魔素因子を二つ選んでくれる?」
おいおいおい。
全部で何項目あるのかも分からないこの中から選べと?
無茶だ。
ねえ、あなた鬼かなんかなんですか?
ルアンメシアさん。
あとさ、これ絶対、魔素因子とか言うやつと、“技能”の相性とかもあるパターンでしょ?
下手に選んじゃったりしたら絶対にまずい事になりかねないやつじゃん。
一体どうすればいいんだよ、これ……。
その時、俺は閃いた。
あれ?
これってさ、ルアンメシアに選んで貰えばいいんじゃね?
コイツはポンコツなやつだが、一応結構な期間女神やってるだろうから、その経験からどの“技能”とどの魔素因子の相性が良いとか知っているのではないか。
思い立ったが吉日だ。
早速聞いてみることにした。
「なぁ、ルアンメシア。
お前、女神やってるんだから、その経験で、どの“技能”とどの魔素因子の組み合わせがいいのかってのをいくつか見繕ってくれたりしないか?」
いきなりの質問にルアンメシアは驚いた顔をしたが、
「え、ええ。
いいけど。」
と、即答してくれた。
うん、お前ってほんと有能なのかポンコツなのかよく分からない奴だな。
でも、本当にありがたい。
こんな量の候補からきちんと最適解を一人で導き出せるやつなんているわけがない。
「マジか。
ありがとう。」
「でもいいの?
私が選んで?
自分で選んだ方がいいんじゃない?」
いやいや、こんな量から選ぼうだなんて馬鹿げてるだろ。
「いいんだ。
お前に選んで欲しいんだ。」
ルアンメシアは顔を真っ赤にして、ん!とか変な声を上げたが、すぐに気を取り直したかのような顔をし、俺の持っていたファイルを指差して、
「じゃあ、それ貸して?」
と言ったので、手渡す。
受け取るとルアンメシア深く深呼吸をし、目を瞑り、手を顔の前で組んだ。
一体何をするのだろう。
するとルアンメシアの体全体が青く光り始めた。
『亜光速演算』
とルアンメシアが言った次の瞬間、ファイルが宙に浮き、とてつも無い速さで捲られ始めた。
「お、おい、ルアンメシア……!
これって!」
これが魔術というやつなのだろうか。
よく分からないが、何かすごいことやっていると言うことは分かる。
十秒ぐらい経っただろうか。
ファイルが最後のページまで捲られ、机の上に落ちた。
体から出ていた青い光が止まり、ルアンメシアが目を開けた。
「ふあ~。」
大きなあくびをしながら、ルアンメシアは大きく伸びをした。
「な、なあ。
今のって、もしかして……。」
「ん?
ああ今の?
そう、“技能”で魔術を使ったの。」
やっぱりか。
それにしても、すごくかっこよかったな、魔術。
そういえば、ルアンメシアも“技能”を持っていたのか。
一体どんなやつなのだろうか。
「ルアンメシア今の魔術を行使したお前の“技能”ってなんてやつなんだ?」
「ん、あー。
私のあの“技能”はねー、SSランク一次性能力の至高領域思考回路ってやつ。」
ルアンメシアは得意げに答えた。
SSランク。
やっぱりか。
でもさ、単純に考えて、あの量のファイルのデータをたった5秒で計算しきったって事だろ?
やっぱり“技能”って恐ろしいな……。
あれ?
でもこいつなんで“技能”を持ってるんだ?
***
おはようございます!カクヨムとアルファポリスでルビなどの記法が違い、その変更作業に追われている錦木れるむです。
今日も良い一日をお過ごしください!
ご気軽にコメントお願い致します。必ず返信させていただきます。応援、感想コメント頂けると嬉しいです。また、表現や、言葉などに間違えなどがあったら指摘してくださるとありがたいです。よろしければ、お気に入りもよろしくお願いいたします!
どんなのがあるんだろう?
やっぱりチート系スキルがいいなあ。
かっこいいし、。
「じゃあ、はい、これ。」
と、ルアンメシアは笑顔で何処からともなく取り出した驚くほど分厚いファイルを手渡してきた。
?
なにこれ?
表紙には転生者G_332453 “技能”候補資料と書かれていた。
転生者G_332453とは、恐らく俺のことだろうか?
とりあえず開いてみる。
すると、中にはなんかよく分からないのが上から下までびっしり書いてあった。
そのえげつない量に驚きつつ、とりあえず一番上の項目から読んでみる。
なになに、SSランク“技能”候補その一、一次性能力、加速破壊。
効果、加速させた自分の体の一部ごと対象そのものを崩壊させる……。
SSランク“技能”候補その二、三次性能力、次元抹殺。
効果、対象の周りの一定範囲に、次元の歪みを発生させ、その範囲内の物質や概念全てを抹殺する。
副作用として、次元の制御は体への負荷が絶大であるため、死が早くなる……。
え?
何これ。
すっごくおっかなくないか?
対象そのものを崩壊させるとか、次元を歪めて抹殺するとかさ、怖すぎない?
というか自分の体の一部ごととか、死が早くなるって……。
え、普通に怖すぎるんですけど。
そこまでしてこんな力欲しくないんですけど。
しかもさ、何、この量、一体全体何ページ分あるの、これ?
いや、絶対これさ、読みきれないでしょ。
普通に考えて。
「この中から、D、C、B、A、Sランクの“技能”を一つずつと、SSランクの“技能”を二つ選んで?
あとは、火、水、光、闇、風、土の6つ中から好きな魔素因子を二つ選んでくれる?」
おいおいおい。
全部で何項目あるのかも分からないこの中から選べと?
無茶だ。
ねえ、あなた鬼かなんかなんですか?
ルアンメシアさん。
あとさ、これ絶対、魔素因子とか言うやつと、“技能”の相性とかもあるパターンでしょ?
下手に選んじゃったりしたら絶対にまずい事になりかねないやつじゃん。
一体どうすればいいんだよ、これ……。
その時、俺は閃いた。
あれ?
これってさ、ルアンメシアに選んで貰えばいいんじゃね?
コイツはポンコツなやつだが、一応結構な期間女神やってるだろうから、その経験からどの“技能”とどの魔素因子の相性が良いとか知っているのではないか。
思い立ったが吉日だ。
早速聞いてみることにした。
「なぁ、ルアンメシア。
お前、女神やってるんだから、その経験で、どの“技能”とどの魔素因子の組み合わせがいいのかってのをいくつか見繕ってくれたりしないか?」
いきなりの質問にルアンメシアは驚いた顔をしたが、
「え、ええ。
いいけど。」
と、即答してくれた。
うん、お前ってほんと有能なのかポンコツなのかよく分からない奴だな。
でも、本当にありがたい。
こんな量の候補からきちんと最適解を一人で導き出せるやつなんているわけがない。
「マジか。
ありがとう。」
「でもいいの?
私が選んで?
自分で選んだ方がいいんじゃない?」
いやいや、こんな量から選ぼうだなんて馬鹿げてるだろ。
「いいんだ。
お前に選んで欲しいんだ。」
ルアンメシアは顔を真っ赤にして、ん!とか変な声を上げたが、すぐに気を取り直したかのような顔をし、俺の持っていたファイルを指差して、
「じゃあ、それ貸して?」
と言ったので、手渡す。
受け取るとルアンメシア深く深呼吸をし、目を瞑り、手を顔の前で組んだ。
一体何をするのだろう。
するとルアンメシアの体全体が青く光り始めた。
『亜光速演算』
とルアンメシアが言った次の瞬間、ファイルが宙に浮き、とてつも無い速さで捲られ始めた。
「お、おい、ルアンメシア……!
これって!」
これが魔術というやつなのだろうか。
よく分からないが、何かすごいことやっていると言うことは分かる。
十秒ぐらい経っただろうか。
ファイルが最後のページまで捲られ、机の上に落ちた。
体から出ていた青い光が止まり、ルアンメシアが目を開けた。
「ふあ~。」
大きなあくびをしながら、ルアンメシアは大きく伸びをした。
「な、なあ。
今のって、もしかして……。」
「ん?
ああ今の?
そう、“技能”で魔術を使ったの。」
やっぱりか。
それにしても、すごくかっこよかったな、魔術。
そういえば、ルアンメシアも“技能”を持っていたのか。
一体どんなやつなのだろうか。
「ルアンメシア今の魔術を行使したお前の“技能”ってなんてやつなんだ?」
「ん、あー。
私のあの“技能”はねー、SSランク一次性能力の至高領域思考回路ってやつ。」
ルアンメシアは得意げに答えた。
SSランク。
やっぱりか。
でもさ、単純に考えて、あの量のファイルのデータをたった5秒で計算しきったって事だろ?
やっぱり“技能”って恐ろしいな……。
あれ?
でもこいつなんで“技能”を持ってるんだ?
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