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第一章 終わり。そして、新たな道へ。
Ep.3.0-① かわいい女神様と惚気話。-①
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ルアンメシアは涙目になりながら、顔を真っ赤にして頬を大きく膨らませている。
おいおいやっぱり絶対この人女神としては、絶対に大丈夫じゃないだろ。
え、でも何、なんかめっちゃ可愛いんですけど。
「ちょ、ちょっと待てよ。
一回落ち着こう。
え、何?
お前が?
俺の事を?」
ルアンメシアはぶんぶんと頭を縦に振る。
マジかよ。
さっきの佐川さんの事もそうなんだけどさ。
なんか色々急すぎない?
え、何俺もしかしてなんか騙されてるの?
踊らされてるの?
そもそもルアンメシアと俺って今日初めて会ったんだよね?
「あ、あのさ、ルアンメシア。
その、俺とお前が出会ったのって今日が初めてだよな?
なのになんで?」
思い切って尋ねてみる。
ルアンメシアは最初の時とは同じ人物とは思えないほど顔を真っ赤にしながらモジモジしている。
「……会ったのは……ずっと昔から……てた。」
ん?
なんて言った?
「あの、なんて?」
聞き返す。
「その……実際に会ったのは今日が初めてだけど……ずっと昔から貴方のこと見てたの……。
……ここから……。」
え?
ずっと見てたって?
俺の事を?
「で、最初はすっごくお人好しで、ばかみたいとか思ってたんだけど、なんか見てるうちにこう……。
なんかこう、どんなことでも絶対に諦めない所とか、、、かっこいいなーって思うようになっていて……。」
いやいや、何やってもうまくいかないようなダメダメコミュ症隠キャ野郎だったろ、俺。
ま、まあ今はそれより続きだ。
「それで?」
「で、そんなふうに思い始めてた矢先に、貴方が急に榊原玄弥に殺されちゃって……。
でも、貴方には幸せな人生歩んで欲しかったから、あんなことで死んでほしくなかったから、最高神審議会に貴方を転生させてあげて欲しいってお願いしたけどダメって言われちゃって。
だから私ね、言ったんだ。
女神をやめてもいいからせめてこの人を転生させてあげてくださいって。」
は?
女神をやめるって……。
じゃあお前は……。
「だからね、これが私の女神としての最後の仕事なの。
でもね、後悔は全くしてないわ。」
「……いいのかよ。
俺のためなんかに、そんな……。
続けたいんじゃないのかよ!」
「私はいいのよ。
むしろ幸せよ?
好きな人のためにこんな事ができたんだから。
それにこの女神の仕事にも飽き始めてたし。」
ルアンメシアは満足げにでもどこか寂しそうに、悲しそうに笑った。
やばい、また泣きそうだ。
さっきあれほど泣いたのに。
「だったら俺は転生なんてしなくていい。
お前から何かを奪ってまで転生なんて……。」
そう言った次の瞬間。
バチン!
右の頬に衝撃が走った。
痛って!
ルアンメシアに平手打ちされたんだと気づくのに少しだけ時間を要した。
「な、何すんだよ急に。」
「ばか!」
「は?」
「ばか!
ばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばか!」
「な、何だよ急に。」
「ばかって言ってるのよ!
私だって本当はこの仕事を率先してやめたいわけじゃないわよ!」
「だったら……。」
「でもね!
さっきも言ったけど私は貴方のことが好きなの!
……好きな人に尽くさせてよ……。」
ルアンメシアが下を向いて俯く。
今にも出て来そうな涙を堪え、俺は咄嗟にルアンメシアを抱きしめる。
さっきルアンメシアが俺にしてくれたように。
「ごめん、ルアンメシア。
でも、本当に本当にいいのか?
俺なんかのために。」
ルアンメシアは顔を上げて笑った。
はい、かわいい。
「いいの。
あなたのためだったら。
あと、俺なんかって使うの禁止!
どんだけ自己肯定感低いのよ。」
たまらずもう一度抱きしめる。
「じゃあせめて、俺に何かさせてくれよ。
俺にできることだったらなんでもいい。
……なんかないか?」
ルアンメシアは何か考えるような顔をした。
そしてしばらくして、
「んーじゃあ。」
と呟いた次の瞬間ルアンメシアは急に俺の頭を引き寄せ、俺に口づけをした。
驚きのあまり頭がフリーズする。
10秒ぐらい経っただろうか。
「これでいいよ。
ありがと。」
ルアンメシアは顔を赤らめ、恥ずかしそうに笑った。
もちろん俺にとってはファーストキスだった。
やばい、可愛すぎるだろ、女神様。
絶対俺今顔真っ赤だ。
二人の間に沈黙がながれる。
そして俺はとある事を思いついた。
「なあ、ルアンメシア。
転生のことなんだけど、異世界転生あるあるだけどさ、向こうになんか持って行けたりするのか?」
「う、うん。
まぁ、ある程度のものだったら。
何か持って行きたい物でもあるの?」
突然の話に驚きつつルアンメシアは答えてくれた。
だったら持って行くのは決まってる。
「ルアンメシア。
聞いて欲しい。」
「え、なになに?
急にかしこまっちゃって~。
で?」
「俺と一緒に異世界に来てくれ!」
「え!?
そ、それってどういう!?」
ルアンメシアはだいぶ混乱してるみたいだ。
「そのまんまの意味だ。
俺と一緒に異世界に来て欲しい。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こんばんは、錦木れるむです。本日の投稿分はこれで最後です。
明日はEp.3.0の終わりまで出します!
ご気軽にコメントお願い致します。必ず返信させていただきます。応援コメント頂けると嬉しいです。また、表現や、言葉などに間違えなどがあったら指摘してくださるとありがたいです。よろしければ、お気に入りもよろしくお願いいたします!
おいおいやっぱり絶対この人女神としては、絶対に大丈夫じゃないだろ。
え、でも何、なんかめっちゃ可愛いんですけど。
「ちょ、ちょっと待てよ。
一回落ち着こう。
え、何?
お前が?
俺の事を?」
ルアンメシアはぶんぶんと頭を縦に振る。
マジかよ。
さっきの佐川さんの事もそうなんだけどさ。
なんか色々急すぎない?
え、何俺もしかしてなんか騙されてるの?
踊らされてるの?
そもそもルアンメシアと俺って今日初めて会ったんだよね?
「あ、あのさ、ルアンメシア。
その、俺とお前が出会ったのって今日が初めてだよな?
なのになんで?」
思い切って尋ねてみる。
ルアンメシアは最初の時とは同じ人物とは思えないほど顔を真っ赤にしながらモジモジしている。
「……会ったのは……ずっと昔から……てた。」
ん?
なんて言った?
「あの、なんて?」
聞き返す。
「その……実際に会ったのは今日が初めてだけど……ずっと昔から貴方のこと見てたの……。
……ここから……。」
え?
ずっと見てたって?
俺の事を?
「で、最初はすっごくお人好しで、ばかみたいとか思ってたんだけど、なんか見てるうちにこう……。
なんかこう、どんなことでも絶対に諦めない所とか、、、かっこいいなーって思うようになっていて……。」
いやいや、何やってもうまくいかないようなダメダメコミュ症隠キャ野郎だったろ、俺。
ま、まあ今はそれより続きだ。
「それで?」
「で、そんなふうに思い始めてた矢先に、貴方が急に榊原玄弥に殺されちゃって……。
でも、貴方には幸せな人生歩んで欲しかったから、あんなことで死んでほしくなかったから、最高神審議会に貴方を転生させてあげて欲しいってお願いしたけどダメって言われちゃって。
だから私ね、言ったんだ。
女神をやめてもいいからせめてこの人を転生させてあげてくださいって。」
は?
女神をやめるって……。
じゃあお前は……。
「だからね、これが私の女神としての最後の仕事なの。
でもね、後悔は全くしてないわ。」
「……いいのかよ。
俺のためなんかに、そんな……。
続けたいんじゃないのかよ!」
「私はいいのよ。
むしろ幸せよ?
好きな人のためにこんな事ができたんだから。
それにこの女神の仕事にも飽き始めてたし。」
ルアンメシアは満足げにでもどこか寂しそうに、悲しそうに笑った。
やばい、また泣きそうだ。
さっきあれほど泣いたのに。
「だったら俺は転生なんてしなくていい。
お前から何かを奪ってまで転生なんて……。」
そう言った次の瞬間。
バチン!
右の頬に衝撃が走った。
痛って!
ルアンメシアに平手打ちされたんだと気づくのに少しだけ時間を要した。
「な、何すんだよ急に。」
「ばか!」
「は?」
「ばか!
ばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばか!」
「な、何だよ急に。」
「ばかって言ってるのよ!
私だって本当はこの仕事を率先してやめたいわけじゃないわよ!」
「だったら……。」
「でもね!
さっきも言ったけど私は貴方のことが好きなの!
……好きな人に尽くさせてよ……。」
ルアンメシアが下を向いて俯く。
今にも出て来そうな涙を堪え、俺は咄嗟にルアンメシアを抱きしめる。
さっきルアンメシアが俺にしてくれたように。
「ごめん、ルアンメシア。
でも、本当に本当にいいのか?
俺なんかのために。」
ルアンメシアは顔を上げて笑った。
はい、かわいい。
「いいの。
あなたのためだったら。
あと、俺なんかって使うの禁止!
どんだけ自己肯定感低いのよ。」
たまらずもう一度抱きしめる。
「じゃあせめて、俺に何かさせてくれよ。
俺にできることだったらなんでもいい。
……なんかないか?」
ルアンメシアは何か考えるような顔をした。
そしてしばらくして、
「んーじゃあ。」
と呟いた次の瞬間ルアンメシアは急に俺の頭を引き寄せ、俺に口づけをした。
驚きのあまり頭がフリーズする。
10秒ぐらい経っただろうか。
「これでいいよ。
ありがと。」
ルアンメシアは顔を赤らめ、恥ずかしそうに笑った。
もちろん俺にとってはファーストキスだった。
やばい、可愛すぎるだろ、女神様。
絶対俺今顔真っ赤だ。
二人の間に沈黙がながれる。
そして俺はとある事を思いついた。
「なあ、ルアンメシア。
転生のことなんだけど、異世界転生あるあるだけどさ、向こうになんか持って行けたりするのか?」
「う、うん。
まぁ、ある程度のものだったら。
何か持って行きたい物でもあるの?」
突然の話に驚きつつルアンメシアは答えてくれた。
だったら持って行くのは決まってる。
「ルアンメシア。
聞いて欲しい。」
「え、なになに?
急にかしこまっちゃって~。
で?」
「俺と一緒に異世界に来てくれ!」
「え!?
そ、それってどういう!?」
ルアンメシアはだいぶ混乱してるみたいだ。
「そのまんまの意味だ。
俺と一緒に異世界に来て欲しい。」
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