【どうにか必死で奮闘中!】前世ではコミュ症だった俺、漆黒剣聖に転生する。 ~陰キャだった俺とポンコツ元駄女神の異世界セカンドライフ~

錦木れるむ

文字の大きさ
上 下
2 / 59
第一章 終わり。そして、新たな道へ。

Ep.1.0-② 終わり。あるいは新たな始まり。-②(加筆修正版)

しおりを挟む
、俺は、入っていたえげつない量の午前中のシフトがどうにかひと段落し、休憩になっていた。
休みだからと言っても何処か行くあてもない為、校内の中庭にある池の前のベンチに座り、ボーッと池の中で泳ぐ鯉たちを眺めながら購買部のやっていた販売ブースで買った惣菜パンをかじっていた。 

横のベンチに座っていた同じクラスのクラスのデブとねずみ顔(名前がまだ分からないのである……)が話しているのを横目に見ながら、午後のシフトがいつ、どのくらい入っているのかを確認しようとスマホをポケットから引っ張り出した時だった。
聞くつもりなんて一切無かったのにそいつらが話している内容が、自然と耳に入ってしまった。

「おい、なぁ、お前聞いたか?
 さっき白洲の奴が話してたのを聞いちまったんだが、 
 榊原のやつ今日の文化祭終わったら、佐川さんに告白するつもりらしいぜ?」

は!?
今、なんて言ったんだ、コイツ?

「え、マジ?
 佐川さん?
 マジかよ?」

こ、告白する?
佐川さんに?
あの、榊原玄弥が?

「あぁ、らしいぜ。
 しっかし、まじアイツ勇気あるなぁ、あいつ。
 俺だったら絶対に無理だわ」

「俺もだわ~。
 まぁ、あいつならあのいくらガードのお堅い佐川さんでも受け入れそうではあるよな」

「あーあ、うらやましいなあ。
 俺も佐川さんみたいな彼女が欲しいわw」

「その体型でか?
 というかお前、二次元の嫁はどうしたんだよ?
 それと、お前はまず痩せろww、話はそこからだろw」

「うっせえよ、二次元と三次元は別なんだよ、現実を少しは見やがれ、このねずみ顔がww」

「ちょっと、おい、醜いからやめようぜw
 やっぱり現実ほど恐ろしいもんはねえな。
 話題変えようぜ?」

「だなww
 だったら……」

は?
まじかよ榊原って……。

たしか、この榊原ってやつは、同じクラスでサッカー部のキャプテンをやっていて、性格も関わりやすく、話してて面白い奴だと言われてるのを聞いた事があったような覚えがある。
その上、顔も運動神経もいいため、女子間での人気も凄まじく喧嘩やストーカー騒動が絶えないらしい。
それを聞いて俺は、人気がある奴は人気がある奴で苦労してるんだなぁとか考えたりしてたっけ。

一応、俺も、佐川さんのおかげで、この頃少しだけ喋る機会があったため、面識が全くないというわけではない。

そんな奴に、サッカー部に比べて全然目立たない剣道部で、それに加えて、クラスの中心の陽キャとは正反対のクラスどころかスクールカースト最底辺レベルの隠キャの俺なんかが、敵うはずがまず、ない。

その榊原がこの後佐川さんに告白しようとしている。
この事実は俺が佐川さんに告白することから逃げる理由にするのにはもはやお釣りが来るほど充分すぎる物だった。

だから、俺は逃げた。
佐川さんに対して自分が抱いている気持ちからも、


こんな形で、俺、霞ヶ浦佑介の人生最初の告白は不戦敗となってしまったのだった……。

ほんと、一体なんなんだろう?

まじで、タイミング被るとか流石に最悪すぎではないだろうか?

クソッ、謀ったのか○ャア!
いや、それをいうなら謀ったのか榊原!、か。

自分がそんなしょうもないことに頭を使ってしまっていることに気づき、思わず大きなため息が出る。

まあ、確かに今になって落ち着いてよく考えてみると文化祭というこのタイミングは、あまりにベタすぎだったのかも知れない。
被る事もはまあ、ありえることもなくないのかも知れない。

でもよ……!
よりにもよって、あの榊原玄弥だぜ!?
こんなことになるだなんて予想できる奴が何処かに誰かしらいるのだろうか? 
いや、いるわけがない。

うん、いないと信じる、というか信じたい。
ただの自分の考え足らずだったとか言わないでくれ。

そんなことよりも前に、いつも現実から目を背けて、知らん顔しながらボーっと生きていて絶望する。
そのせいで死んでるのかよく分からないような感じで無気力に過ごしてで、また現実から目を逸らすっていう悪循環を辿っているような人間なんだよなぁ、俺。

その上、かなり重度なレベルのコミュ症。
そのせいで、今でも急に話しかけられられたりするとあたふたしてしまうことも多かったりと割とマジの方でいい所がない。

いやね、もちろん治そうとは努力してるんだけどさ。
もはや染み付いちゃってる物だからそんな急に変われるわけでもねえし……。

だから、まあ、そもそも普通に考えてみると、仮に俺が告白することができていたとしてもまず、佐川さんからokなんてもらえるわけがなかったのだ。
今考えたら分かる。
多分あの時のあれはきっと、文化祭ムードとかいうやつにやられていたのだろう。
文化祭だったら自分にもワンチャンあるんじゃね?とか。
全く、恥ずかしい限りだ。

***
こんにちは!錦木れるむです。
こちらの、Ep.1.0-②も加筆修正しときました!
これからも引き続きよろしくお願いします!

ご気軽にコメントお願い致します。必ず返信させていただきます。応援、感想コメント頂けると嬉しいです。また、表現や、言葉などに間違えなどがあったら指摘してくださるとありがたいです。よろしければ、お気に入りももよろしくお願いいたします!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……

こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた

こばやん2号
ファンタジー
 とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。  気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。  しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。  そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。  ※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。

魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
小説家になろうでジャンル別日間ランキング入り!  世界最強の剣聖――エルフォ・エルドエルは戦場で死に、なんと赤子に転生してしまう。  美少女のように見える少年――アル・バーナモントに転生した彼の身体には、一切の魔力が宿っていなかった。  忌み子として家族からも見捨てられ、地元の有力貴族へ売られるアル。  そこでひどい仕打ちを受けることになる。  しかし自力で貴族の屋敷を脱出し、なんとか森へ逃れることに成功する。  魔力ゼロのアルであったが、剣聖として磨いた剣の腕だけは、転生しても健在であった。  彼はその剣の技術を駆使して、ゴブリンや盗賊を次々にやっつけ、とある村を救うことになる。  感謝されたアルは、ミュレットという少女とその母ミレーユと共に、新たな生活を手に入れる。  深く愛され、本当の家族を知ることになるのだ。  一方で、アルを追いだした実家の面々は、だんだんと歯車が狂い始める。  さらに、アルを捕えていた貴族、カイベルヘルト家も例外ではなかった。  彼らはどん底へと沈んでいく……。 フルタイトル《文字数の関係でアルファポリスでは略してます》 魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります~父が老弱して家が潰れそうなので戻ってこいと言われてももう遅い~新しい家族と幸せに暮らしてます こちらの作品は「小説家になろう」にて先行して公開された内容を転載したものです。 こちらの作品は「小説家になろう」さま「カクヨム」さま「アルファポリス」さまに同時掲載させていただいております。

婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです

かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。 強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。 これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

処理中です...