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秀頼ルート 家康を求めて
手術
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「桜、今日は一緒に寝るぞ」
桜の手術は遂に明日に迫ってしまった。
この一週間、桜は出来る限り平常心で働こうとし、俺も仕事に専心することで誤魔化してきた。
だが、それももう終わり。
片腕を失おうが何しようが俺の想いが変わるわけではない。
それでも、最後になにかをしようと思うのはおかしい事だろうか?
それに、俺は――
「嫌です」
「・・・・・・は?」
「ですから、嫌です」
「何言っちゃってんのお前!?」
天下人の誘いをその側室が断るとか意味が分からない。
「いえ、出来れば三人で過ごしたいのです。駄目ですか?」
「ム、それは勿論いいが・・・・・・」
でも、少し残念。
いやいや、確かにそれはそうだお梅と三人でね。
そりゃぁそうだ。
と言うか、手術後でも回復すれば出来るしね。
「それと、明日以降しばらくは療養のために裏内の自室に篭ることになると思うのです」
「ん、当たり前だ。完全に快復するまで外に出ることは禁ずる」
この時代であれば感染症予防なども完全ではない。
傷口が塞がるまでは絶対に部屋を出ない方が良い。
「はい。同時に中に人を入れることも禁じてください。勿論、秀頼様も含めてです」
「んなっ!?」
「外に出る勇気が付くまで、お願いですから・・・・・・」
そう言って硬く目を閉じ、頭を下げてくる。
「ん、むぅ」
確かに人前に出るまでには少し勇気がいるのかもしれない。
この時代、様々な理由で不具になるとはいえ、女性としてそれを気にしないはずもない。
それに、桜の場合は忍びから女性に戻る時間も必要だ。
「だがな、俺はそんなもの気にしないからな! それだけは忘れるなよ!」
「フフ、はい。ありがとうございます」
そう言って穏やかに微笑む桜はとても可愛く、出来ないのが無性に苛立たしい。
だが、今だけはそう言った欲望を押しやり、桜の願いを優先する。
「お梅を呼んで来い。一緒に遊ぼう?」
「はい!」
その後は日が暮れるまで明日のことを忘れ三人で一緒に遊んだ。
桜の部屋がモクモクと香の煙が溢れ出る。
この香は魔を払うものだと徳本は言っていた。
おそらく殺菌効果が期待できると言う事なのだろう。
「坊主、本当にお主がやるのか?」
並んでその部屋へと向かえば、老人らしく腰の折れ曲がった徳本が心配そうな顔で聞いてくる。
それほど俺の顔は曇っているのだろう。
・・・・・・だが、
「俺が、決着をつけてやらないといけないんだ」
桜を俺の忍びにしたのは俺自身。
だから、俺がやらなければいけない。
「そうか。・・・・・・お前の嫁さんは二刻前に毒を飲んだ。そろそろ苦しんどる頃じゃ。そして一頻り苦しめば毒が毒を押しやってくれる。坊主、変色した部分は全て斬り取らねばならん。恐らくは左腕と、右の足」
そして、俺の腰に佩いた刀を見る。
「その刀、随分と切れ味が良さそうじゃ」
「ああ。何せこれは鬼を斬った刀だからな」
天下五剣の一つ鬼丸国綱。
刃こぼれ一つないこの名剣は、今日初めて人を斬る。
「ほっほ、それは良いのう」
すると、今までおどけた様子だった徳本は、スッと真面目な顔に直り背筋まで伸びた様に立ち上がる。
「・・・・・・坊主、その時が来たら迷うなよ。苦しみを長引かせるだけじゃ」
「分かった」
「坊主。行くぞ」
徳本が袖を捲し上げ、タスキで落ちない様に縛り上げる。
そして、二人で連れ出ち、裏内に入っていく。
俺の手には消毒用に度の強い焼酎や徳本に持たされたさらしや布。
準備は万端整っている。
「・・・・・・ああ!」
今回の手術を手伝うために部屋にはくのいち達が十人以上待機し、中央に敷かれた布団には桜が寝そべっている。
「ぐ、うぅ」
桜は時々苦しそうに呻き、滝の様に汗をかいている。
衣服は汗でぐっしょりと濡れ、歯を砕かない様にと布を丸めて噛み締め、俺が入ってきたことにも気づけないほどの状態。
「桜・・・・・・」
「今は新しい毒で苦しんどるだけじゃ。見てみぃ、坊主。左の腕の指先から肘の辺りまで変色しとるじゃろう?」
徳本に言われて左腕を見れば、確かに肘から先が青黒く変色している。
「毒が押しやられたと?」
「そうじゃ。じゃが、あと少し様子を見る」
そう言って徳本はその場に座り込む。
「な!? 苦しそうだぞ!?」
出来る限りこの苦しみを和らげてやりたい。
「この嬢ちゃんとの約束じゃ、見極めは儂がする。出来る限り残すと約束したんじゃ。あと四半刻(三〇分)待つ」
「なっ――
何を言っていると言おうとすると、桜に袴の裾を引かれる。
「秀頼様、お、お願いです」
苦しそうにしながらも、確かに強い意志を込めて。
「しかし、桜。苦しいんだろう? 早く終わらせて解毒を」
「だ、大丈、夫です、から」
「・・・・・・」
何をそんなに苦しんでまで、そう言おうとしても声が出てこない。
ただ早く終わらせてやってほしい、それしか考えられない。
「医者の言うことを聞け、坊主」
「徳本」
「隣に座るんじゃ、今のうちに伝えることがある」
有無を言わせぬその表情に素直に頷き座る。
此処に至ってはもう頼る相手は徳本しかいないのだから。
「坊主、儂が指示したらこの赤い布を巻いたところを斬れ。先ずは腕、次に足じゃ。患者が暴れぬように手伝いの者達にはしっかり押さえさせよ」
それ以降黙ってしまった徳本の指示を待ち、俺はずっと毒に苦しむ桜を見続けることになった。
その間、何度も徳本に声を掛けるが、まだ待てとだけ発し、硬く目を閉じ決して立ち上がろうとはしなかった。
そしてそのまま四半刻。
「・・・・・・刀を抜け坊主。酒で消毒するんじゃ」
「ああ!」
急いで鬼丸国綱を抜き、消毒をする。
その間に徳本の方は桜の左の二の腕をきつく縛り上げている。
一本は血止めのための白い縄、もう一本は俺に斬る場所を伝えるための赤い紐。
そして、くのいち達は桜が暴れて手元が狂わない様にと身体を固定する。
この時代、麻酔など有りはしない。
「坊主、やれ」
徳本に導かれ、刀を大上段に構える。
「・・・・・・桜」
「はい。お願い、します」
桜は目に一杯に涙を浮かべている。
それは、決して毒の苦しみによるものではないのだろう。
先程まで苦しみに悶えていたのに、今はそれも忘れてしまった様に左腕だけを見つめている。
出血を出来る限り抑えるために少し高い位置に持ち上げられた左腕を。
「っ!」
これ以上苦しめない様にと、一思いに刀を振り下ろす。
そして、狙い違わずに細い腕を斬り落とす。
ポトリと白い腕が畳に落ち、次いで真っ赤な血が吹き出す。
その桜の左腕の切り口から噴き出す血が、俺の行動の結果をまざまざと突き付けてくる。
「・・・・・・いや。やだぁ。うぅ」
桜が、その現実が堪えられないと言う様に、落ちた左腕に右腕を必死に伸ばしている。
「やだよぅ」
子供の様にいやいやと泣きじゃくるその姿を、俺は直視することも出来ないでいた。
無くなった左腕を求める桜に、
「すまない桜。ごめん、ごめんな」
と、ただ謝ることしかできなかった。
その後も、徳本の言うままに右足の指を小指から三本落とし、俺は部屋の外に出された。
桜の手術は遂に明日に迫ってしまった。
この一週間、桜は出来る限り平常心で働こうとし、俺も仕事に専心することで誤魔化してきた。
だが、それももう終わり。
片腕を失おうが何しようが俺の想いが変わるわけではない。
それでも、最後になにかをしようと思うのはおかしい事だろうか?
それに、俺は――
「嫌です」
「・・・・・・は?」
「ですから、嫌です」
「何言っちゃってんのお前!?」
天下人の誘いをその側室が断るとか意味が分からない。
「いえ、出来れば三人で過ごしたいのです。駄目ですか?」
「ム、それは勿論いいが・・・・・・」
でも、少し残念。
いやいや、確かにそれはそうだお梅と三人でね。
そりゃぁそうだ。
と言うか、手術後でも回復すれば出来るしね。
「それと、明日以降しばらくは療養のために裏内の自室に篭ることになると思うのです」
「ん、当たり前だ。完全に快復するまで外に出ることは禁ずる」
この時代であれば感染症予防なども完全ではない。
傷口が塞がるまでは絶対に部屋を出ない方が良い。
「はい。同時に中に人を入れることも禁じてください。勿論、秀頼様も含めてです」
「んなっ!?」
「外に出る勇気が付くまで、お願いですから・・・・・・」
そう言って硬く目を閉じ、頭を下げてくる。
「ん、むぅ」
確かに人前に出るまでには少し勇気がいるのかもしれない。
この時代、様々な理由で不具になるとはいえ、女性としてそれを気にしないはずもない。
それに、桜の場合は忍びから女性に戻る時間も必要だ。
「だがな、俺はそんなもの気にしないからな! それだけは忘れるなよ!」
「フフ、はい。ありがとうございます」
そう言って穏やかに微笑む桜はとても可愛く、出来ないのが無性に苛立たしい。
だが、今だけはそう言った欲望を押しやり、桜の願いを優先する。
「お梅を呼んで来い。一緒に遊ぼう?」
「はい!」
その後は日が暮れるまで明日のことを忘れ三人で一緒に遊んだ。
桜の部屋がモクモクと香の煙が溢れ出る。
この香は魔を払うものだと徳本は言っていた。
おそらく殺菌効果が期待できると言う事なのだろう。
「坊主、本当にお主がやるのか?」
並んでその部屋へと向かえば、老人らしく腰の折れ曲がった徳本が心配そうな顔で聞いてくる。
それほど俺の顔は曇っているのだろう。
・・・・・・だが、
「俺が、決着をつけてやらないといけないんだ」
桜を俺の忍びにしたのは俺自身。
だから、俺がやらなければいけない。
「そうか。・・・・・・お前の嫁さんは二刻前に毒を飲んだ。そろそろ苦しんどる頃じゃ。そして一頻り苦しめば毒が毒を押しやってくれる。坊主、変色した部分は全て斬り取らねばならん。恐らくは左腕と、右の足」
そして、俺の腰に佩いた刀を見る。
「その刀、随分と切れ味が良さそうじゃ」
「ああ。何せこれは鬼を斬った刀だからな」
天下五剣の一つ鬼丸国綱。
刃こぼれ一つないこの名剣は、今日初めて人を斬る。
「ほっほ、それは良いのう」
すると、今までおどけた様子だった徳本は、スッと真面目な顔に直り背筋まで伸びた様に立ち上がる。
「・・・・・・坊主、その時が来たら迷うなよ。苦しみを長引かせるだけじゃ」
「分かった」
「坊主。行くぞ」
徳本が袖を捲し上げ、タスキで落ちない様に縛り上げる。
そして、二人で連れ出ち、裏内に入っていく。
俺の手には消毒用に度の強い焼酎や徳本に持たされたさらしや布。
準備は万端整っている。
「・・・・・・ああ!」
今回の手術を手伝うために部屋にはくのいち達が十人以上待機し、中央に敷かれた布団には桜が寝そべっている。
「ぐ、うぅ」
桜は時々苦しそうに呻き、滝の様に汗をかいている。
衣服は汗でぐっしょりと濡れ、歯を砕かない様にと布を丸めて噛み締め、俺が入ってきたことにも気づけないほどの状態。
「桜・・・・・・」
「今は新しい毒で苦しんどるだけじゃ。見てみぃ、坊主。左の腕の指先から肘の辺りまで変色しとるじゃろう?」
徳本に言われて左腕を見れば、確かに肘から先が青黒く変色している。
「毒が押しやられたと?」
「そうじゃ。じゃが、あと少し様子を見る」
そう言って徳本はその場に座り込む。
「な!? 苦しそうだぞ!?」
出来る限りこの苦しみを和らげてやりたい。
「この嬢ちゃんとの約束じゃ、見極めは儂がする。出来る限り残すと約束したんじゃ。あと四半刻(三〇分)待つ」
「なっ――
何を言っていると言おうとすると、桜に袴の裾を引かれる。
「秀頼様、お、お願いです」
苦しそうにしながらも、確かに強い意志を込めて。
「しかし、桜。苦しいんだろう? 早く終わらせて解毒を」
「だ、大丈、夫です、から」
「・・・・・・」
何をそんなに苦しんでまで、そう言おうとしても声が出てこない。
ただ早く終わらせてやってほしい、それしか考えられない。
「医者の言うことを聞け、坊主」
「徳本」
「隣に座るんじゃ、今のうちに伝えることがある」
有無を言わせぬその表情に素直に頷き座る。
此処に至ってはもう頼る相手は徳本しかいないのだから。
「坊主、儂が指示したらこの赤い布を巻いたところを斬れ。先ずは腕、次に足じゃ。患者が暴れぬように手伝いの者達にはしっかり押さえさせよ」
それ以降黙ってしまった徳本の指示を待ち、俺はずっと毒に苦しむ桜を見続けることになった。
その間、何度も徳本に声を掛けるが、まだ待てとだけ発し、硬く目を閉じ決して立ち上がろうとはしなかった。
そしてそのまま四半刻。
「・・・・・・刀を抜け坊主。酒で消毒するんじゃ」
「ああ!」
急いで鬼丸国綱を抜き、消毒をする。
その間に徳本の方は桜の左の二の腕をきつく縛り上げている。
一本は血止めのための白い縄、もう一本は俺に斬る場所を伝えるための赤い紐。
そして、くのいち達は桜が暴れて手元が狂わない様にと身体を固定する。
この時代、麻酔など有りはしない。
「坊主、やれ」
徳本に導かれ、刀を大上段に構える。
「・・・・・・桜」
「はい。お願い、します」
桜は目に一杯に涙を浮かべている。
それは、決して毒の苦しみによるものではないのだろう。
先程まで苦しみに悶えていたのに、今はそれも忘れてしまった様に左腕だけを見つめている。
出血を出来る限り抑えるために少し高い位置に持ち上げられた左腕を。
「っ!」
これ以上苦しめない様にと、一思いに刀を振り下ろす。
そして、狙い違わずに細い腕を斬り落とす。
ポトリと白い腕が畳に落ち、次いで真っ赤な血が吹き出す。
その桜の左腕の切り口から噴き出す血が、俺の行動の結果をまざまざと突き付けてくる。
「・・・・・・いや。やだぁ。うぅ」
桜が、その現実が堪えられないと言う様に、落ちた左腕に右腕を必死に伸ばしている。
「やだよぅ」
子供の様にいやいやと泣きじゃくるその姿を、俺は直視することも出来ないでいた。
無くなった左腕を求める桜に、
「すまない桜。ごめん、ごめんな」
と、ただ謝ることしかできなかった。
その後も、徳本の言うままに右足の指を小指から三本落とし、俺は部屋の外に出された。
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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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