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千姫ルート 南京城攻略戦2
叛の朝(エロ度☆☆☆☆☆)
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進安の横暴と、それに反発した民衆や兵たちの感情の爆発。
これをどうにか宥め、居勝は千姫達の到着を待った。
自分達だけでも城の制圧が可能なほどの戦力になっているものの、兵力差がほとんどなく、多数の犠牲が出るだろう。
それに包囲されてからであれば、今は態度を濁している者達もこちらに付くはず。
どちらにしても援軍が無いのであれば、出来る限り条件の良い時に行うべきだ。
「張将軍、斥候からの報告で倭軍があと1日の距離まで迫っているそうです」
信頼する部下の一人の報告により、決起の日程は決まった。
・・・・・・が、その部下がどうにも気まずそうな顔をしている。
「どうした? 何かあるのか?」
「いえ、昨夜もこっぴどく殴られたのだな、と」
部下が見ているのが自分の顔だということにようやく気付き、居勝も苦笑する。
「仕方あるまい。これも中華一の美女を得るため、この程度であれば軽いものだ」
「ククッ、成る程、で、敵は落とせましたか?」
最初は部下たちも同行していたので、何があってそうなっているのかは知っている。
だが、最近では一人で行くようになったので、その結果を知らないのだ。
「まだだ。まるで上海要塞を相手にしているようだ」
そもそも自分が悪いのだから、それも仕方ない。
居勝はまだ痛む顔のことなど忘れ、次はどう言おうか迷っていた。
「援軍を待たれては?」
「駄目だ! これ以上季夏に心痛を与えられるか!」
居勝としては季夏を南京に迎え入れる前に商人を説得する予定だったのだ。
今悩んでいるのは、まさにその期限が迫っているから。
叛のことは既にどうとでもなると考えている。
もっとも、居勝も手痛い敗戦を経験したのだから、油断はせずに情報収集と更なる戦力の増加を行っている。
だが、進安は女郎どもを囲って遊びほうけている。
新しい情報が入っても居勝任せなので、どう考えても問題はない。
「・・・・・・援軍が無ければだがな」
逆に気がかりなのは進安が遊びほうけていることだ。
この状況で逃げることもせず、焦って防備を固めるでもない。
ただ脱走だけを戒め、城の門を閉ざしているのみ。
つまり、何かを待っている様に見えるのだ。
「援軍はない。確かにそう言ったはずだ。俺には知られずに援軍がいるのか?」
・・・・・・もしや!?
「正規の軍ではない!? 野党どもか!」
野党が報酬も無く動くわけはない。
だが、南京に金子など・・・・・・。
「まさか、報酬はこの南京自体、か?」
背後から日本軍を奇襲させ、やぶった後は城の門を開け放ち略奪放題にする。
南京の豪商たちを城の兵も気にせず襲えるのならば、軍と戦っても釣りがくるかもしれない。
「なんと言う策を」
隣で聞いていた部下も顔を真っ青にさせる。
彼も上海への道中での非道はその目で見ているのだ。
「将軍、直ぐに内偵に動きます!」
「頼む!」
その策が真実だとしても、恐らくまだ少しばかり時間がある。
野党どもも相手が城に集中し、背後の防御が薄くなった夜を狙うだろう。
だとすれば、昼の内に反乱を決行し、夜になる前に日本軍を城に招き入れてしまえば良い。
そして、再び門を閉ざせば野党程度に城は落とせなくなる。
「この南京は好きにはさせん!」
予定より多少反乱を早めるため、居勝は動き出す。
そして、翌明朝。
日の出とともに居勝達反乱軍は動き出す。
先ずは東門に居勝を含めた兵2000、そして、西・北・南の各門を確保する兵を1000ずつ差し向ける。
政庁の制圧のための兵を動かせなくなってしまったが、万が一にも野党どもを中に入れるわけにはいかない。
「だが、これで進安を閉じ込めることが出来る。政庁など皇后様がいらしてからで構わん」
進安が野党と通じていたことは内偵でわかった。
ただし、その野党がどれほどの規模かまでは分からなかったのだ。
そうであれば、城門の兵を少なくは出来ない。
「・・・・・・旗を掲げよ! これより我らは日本軍となる!」
城の4方の門で争いの音が響き始める。
これをどうにか宥め、居勝は千姫達の到着を待った。
自分達だけでも城の制圧が可能なほどの戦力になっているものの、兵力差がほとんどなく、多数の犠牲が出るだろう。
それに包囲されてからであれば、今は態度を濁している者達もこちらに付くはず。
どちらにしても援軍が無いのであれば、出来る限り条件の良い時に行うべきだ。
「張将軍、斥候からの報告で倭軍があと1日の距離まで迫っているそうです」
信頼する部下の一人の報告により、決起の日程は決まった。
・・・・・・が、その部下がどうにも気まずそうな顔をしている。
「どうした? 何かあるのか?」
「いえ、昨夜もこっぴどく殴られたのだな、と」
部下が見ているのが自分の顔だということにようやく気付き、居勝も苦笑する。
「仕方あるまい。これも中華一の美女を得るため、この程度であれば軽いものだ」
「ククッ、成る程、で、敵は落とせましたか?」
最初は部下たちも同行していたので、何があってそうなっているのかは知っている。
だが、最近では一人で行くようになったので、その結果を知らないのだ。
「まだだ。まるで上海要塞を相手にしているようだ」
そもそも自分が悪いのだから、それも仕方ない。
居勝はまだ痛む顔のことなど忘れ、次はどう言おうか迷っていた。
「援軍を待たれては?」
「駄目だ! これ以上季夏に心痛を与えられるか!」
居勝としては季夏を南京に迎え入れる前に商人を説得する予定だったのだ。
今悩んでいるのは、まさにその期限が迫っているから。
叛のことは既にどうとでもなると考えている。
もっとも、居勝も手痛い敗戦を経験したのだから、油断はせずに情報収集と更なる戦力の増加を行っている。
だが、進安は女郎どもを囲って遊びほうけている。
新しい情報が入っても居勝任せなので、どう考えても問題はない。
「・・・・・・援軍が無ければだがな」
逆に気がかりなのは進安が遊びほうけていることだ。
この状況で逃げることもせず、焦って防備を固めるでもない。
ただ脱走だけを戒め、城の門を閉ざしているのみ。
つまり、何かを待っている様に見えるのだ。
「援軍はない。確かにそう言ったはずだ。俺には知られずに援軍がいるのか?」
・・・・・・もしや!?
「正規の軍ではない!? 野党どもか!」
野党が報酬も無く動くわけはない。
だが、南京に金子など・・・・・・。
「まさか、報酬はこの南京自体、か?」
背後から日本軍を奇襲させ、やぶった後は城の門を開け放ち略奪放題にする。
南京の豪商たちを城の兵も気にせず襲えるのならば、軍と戦っても釣りがくるかもしれない。
「なんと言う策を」
隣で聞いていた部下も顔を真っ青にさせる。
彼も上海への道中での非道はその目で見ているのだ。
「将軍、直ぐに内偵に動きます!」
「頼む!」
その策が真実だとしても、恐らくまだ少しばかり時間がある。
野党どもも相手が城に集中し、背後の防御が薄くなった夜を狙うだろう。
だとすれば、昼の内に反乱を決行し、夜になる前に日本軍を城に招き入れてしまえば良い。
そして、再び門を閉ざせば野党程度に城は落とせなくなる。
「この南京は好きにはさせん!」
予定より多少反乱を早めるため、居勝は動き出す。
そして、翌明朝。
日の出とともに居勝達反乱軍は動き出す。
先ずは東門に居勝を含めた兵2000、そして、西・北・南の各門を確保する兵を1000ずつ差し向ける。
政庁の制圧のための兵を動かせなくなってしまったが、万が一にも野党どもを中に入れるわけにはいかない。
「だが、これで進安を閉じ込めることが出来る。政庁など皇后様がいらしてからで構わん」
進安が野党と通じていたことは内偵でわかった。
ただし、その野党がどれほどの規模かまでは分からなかったのだ。
そうであれば、城門の兵を少なくは出来ない。
「・・・・・・旗を掲げよ! これより我らは日本軍となる!」
城の4方の門で争いの音が響き始める。
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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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