関白の息子!

アイム

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秀頼ルート 黒幕捜査1

忍びの宿命(エロ度☆☆☆☆☆)

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 何時もの様に桜を呼び出そうとして、今日はいないことを思い出す。
 まぁ、佐助と今の今まで会っていたのだから、思い出すも何もないが・・・・・・。

「うーん、せっかく天守まで上がったのに、また裏内に行かなきゃならんなぁ」

 頭をポリポリと掻きながらも、階段を降りようとして妙な気配に気づく。
 まったく、桜のおかげと言うべきか、忍びの気配が分かるようになってしまった。

「誰だ? 佐助、ではないな。んー、あ! 蛍か?」

「・・・・・・良く、お気づきで」

 最近は滅多に顔を見せないようになったが、蛍は桜も認めるほどの実力者。
 気配の消し方だって佐助のそれに近いものがある。

「いや、桜で慣れてるからさ。でもお前が俺に付くなんて久しぶりだな」

「ええ。何故か昨晩からお頭が戻りませんので、急遽代役となりました」

 サラッと無表情のままで嫌味を言ってくるあたり、少し変わったのかもしれない。

「・・・・・・いやぁ、久しぶりだけど元気してたか?」

 明るく挨拶をしながら近づき、久しぶりに大きめなおっぱいを遠慮なく揉む。
 ムニィッと指の間からこぼれる様なおっぱいは、以前よりもさらに大きくなっていると思う。

「ふむ。成長している?」

「・・・・・・子がおりますので」

「・・・・・・へ?」

 しばらく見ない間に子供を産んでたの?

「・・・・・俺の子?」

「違います」

 間髪空けずに答える辺り、質問を予想していたのだろう。

「蛍は服部家、伊賀の上忍の家筋だもんな。子を成すのも使命のうち、か?」

「はい。ですが、無事男児を産むことが出来ましたので、お仕事に復帰しようとした矢先に、お頭が失踪しまして」

 何処にいるか知っているだろうに、敢えて失踪と言う言葉を使うあたり、結構今回の行動はくノ一衆の反発を招いたのかもしれない。

「なぁ、桜がさ。忍びとして優秀なのは分かるんだけど、側室とか、母親とか、俺の忍びに豊臣の忍びの頭まで掛け持ちはちょっと無理があるんじゃないか?」

 もっとも、忍びの頭がどういうことをするのかはよく知らないが・・・・・・。

「そこに更に負担をかける方が言うことですか?」

 むぅ、無表情のままだと言うのに、怒っているのが分かるなぁ。

「それに、お頭はあなたの忍びのままでいたいと仰っていました。その意思を曲げてまでお頭の身体に固執するおつもりですか?」

 もともと無遠慮に話す娘ではあったが、今日は殊更攻めてくる。
 やはり母は強しということなのかもしれない。

「いや、忍びの頭を止めさせたいだけだ。俺の忍びは桜のままでね。蛍が復帰するなら、蛍がやればいいんじゃないか? 家柄的にも忍びを率いていてもおかしくないだろうし」

「無理です。私より忍びとして上の者はいくらでもいます。お頭は忍びとして飛びぬけているので皆従いますが、私ではそうはいきません」

 良いこと思いついた、と自分では思ったのだが・・・・・・。

「なんでさ。忍びの技の優劣だけでその価値が決まるわけじゃないだろ?」

「いいえ、私たちにとってはそれだけで決まるのです。考えてもみてください。産まれてよりずっと忍びの技を修練し、一定の技量に達しなければ一族の一員としてすら認められない。我々にとって、その者の人格や家柄、財貨の有無など2の次です」

 ・・・・・・たしかに、凄まじい競争社会の中で生きている彼女達にとって、唯一絶対に信じられるものは力なのかもしれない。
 義理や友情など、暗殺者でもある彼女達には無用のもの。
 下手な依頼があれば、親兄弟で殺し合わなければいけない宿命にあるのだから。

「じゃぁ、他に誰かいないのか?」

「いるにはいますが・・・・・・」

 珍しく言い難そうに蛍が口ごもる。

「誰だよ」

「・・・・・・お梅様です。現状ではお頭の方が上ですが、その才はお頭を上回るものと確信しており――」

「却下!」

 誰が好き好んで自分の娘を暗殺集団の頭にするか!
 だいたいにして、お梅はまだ10歳。

「こーんなちびっこいお梅に出来るわけがないだろう! てか、俺がやらせん! 忍びにもしたくないってのに!」

 臍のあたりに手を当て、今のお梅の身長を示す。
 まぁ、もうちょい上だが、そこら辺は強調しておいた。
 
「でも、先日1対1で私は負けました。今では上忍しかいないこの大阪の者達の中でも、お梅様に勝てるのはお頭とほんの数人だけ。お梅様なら、その潜在能力も合わせて誰もが従います」

「だからしないって!」

 実は、俺もお梅の忍びの適正については分かっていた。
 なにせ、気配を消すことに関しては桜よりも上手くなっている。
 この間などは天井に隠れた桜の背後に気配を消して近づき、後ろから抱きつくなどと言う離れ業もやってのけた。

 桜は一生の不覚と沈んでいたが、当人はただ母親に甘え、褒めてほしかっただけ。
 ・・・・・・まぁ、「気配を消して近づくなんて、間違って斬ってしまったらどうするの!」って天井裏で説教されていたけど。
 俺としてはいきなり頭の上で始まった桜の雷に、仕事が手に付かなくなって困ったのを覚えている。

「うーん、まぁ、しばらくは兼任してもらうしかないかぁ。でもさ、どちらにしたって何時までも出来るわけじゃないだろ?」

「・・・・・・まぁ、そうですね」

 ん? なぜ口ごもる?

「おい、今何か隠さなかったか?」

「・・・・・・陛下。我々くノ一は毒が効きにくい体質になっています」

「なんだいきなり?」

 蛍が聞いてもいないことを言いだす性格ではないことはよく知っている。
 だとすれば、なにか先程の話と関係あるのだろうか。

「それは、暗殺目標と同じ毒を飲み、油断させることがあるからです」

「・・・・・・いや、その手法はともかく、だからと言って毒が効きにくくなるわけが・・・・・・」

 違う、長い時間をかけて、効きにくくしてきたんだ!
 そのために有効な方法は・・・・・・。

「抵抗を付けるために少量ずつ毒を飲む」

「はい。ですが、その一瞬の抵抗を付けるためには、任務を確実に達成するためには、長年毒を飲み続けなければいけない。ですが、そのうちに毒は体に溜まっていきます。陛下は先ほど何時までも忍びは出来ないと仰いました。その通りです。大体が30まで生きてはいませんので」

 瞬間、頭にかっと血が昇るのを感じる。
 どうしてそんな大事なことを教えてくれなかったのか。
 30と言えば、桜はあと6年。
 いや、それも決まっていることではない。

「・・・・・・解毒は出来ないのか?」

「一時の毒ならしようもありましょう。ですが、我らは日常的に飲んでいたのです。もう、無理でしょう。私が子を産んできたのも、まだ大丈夫なうちに次の世代を、と言うだけの話です」

 そこまで言ってから、蛍が突然その場で土下座する。
 そんなことは初めてなので、俺も驚いてしまった。

「お願いでございます。どうか、お頭の意をくんでくださいますよう!」

 余命数年の桜の願いを叶えてやってほしい。
 蛍の真摯な願い、しかし、俺はその場で答えることが出来なかった。


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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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