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千姫ルート 上海要塞防衛戦2
邂逅(エロ度☆☆☆☆☆)
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南京を進発してより4週間。
途中の行為に目を瞑ることができるのならば、順調に辿り着いたと言っていい。
だが、居勝の目に写ったのは予想を上回る光景だった。
上海城から逃げてきた兵士の話では、倭軍の攻撃で城壁は崩壊して使い物にならなくなっていると聞いていた。
また、斥候からの報告で、要塞化に向けた動きがあることも知っていた。
とは言え、修理にしろ、再建にしろ、一月で終わる話ではない。
だが、実際に目にしたそれは明らかに完成していた。
そして、真っ先に見る者を引き付ける美しさを誇っていた。
殺人に酔い、浮かれていた兵士たちも圧倒されるほどに。
いや、明のモノとの造りの違いが理由なのだろう。
倭軍の城壁は底部に石を積み上げている。
そして、ゴロゴロとしたそれらの石の上には、真っ白な壁が屹立している。
その白さがより存在感を引き立てているのだ。
「・・・・・・ふむ。しかし、どうやら我々の壁より攻めるに易い、か」
明で用いられる城壁は、基本的に石を長方形に切り取り積み重ねることで造られる。
ただ真っすぐに上に伸び、その最上部に人が乗り、敵を撃つ。
それに対し、倭軍の城はどうやら壁の上部に人を乗せるところなどはないようである。
幾つか櫓のようなものが見えるが、その程度では軍に対して効果的な攻撃など出来ないだろう。
高さも、居勝の用意した梯子に対してさらに低く見える。
正直に言って、これなら上海に元々あった城壁の方が攻め難かっただろう。
居勝の初見での感想はこの程度のモノであった。
同じ城壁と言っても、その性質の違いは大きい。
いや、そもそもの城の概念からして異なるのだ。
だが、この城壁は、かつて太閤豊臣秀吉の大軍をもってすら一歩たりとも城の内側に入れなかったという小田原城を参考にして造られている。
遠くから見たのでは気付かないのも無理はないが、城壁の前には深い堀もあり、容易に攻められるものではない。
さらに外からでは分からないが、盛り土を積み地面も高くなっている。
そして、永らく国内での戦争がなかった明国の人間は、鉄砲を用いた守城というものを知らない。
ゆえに銃眼もせいぜい覗き窓程度にしか考えていなかったのだ。
大軍ゆえの慢心も手伝い、居勝ですら倭軍を甘く見ていたのである。
まして、南京を出てよりこれまで己の欲望のままにしてきた進安ならば・・・・・・。
「なんじゃ、あの貧相な壁は! グッふふふぅ、どうやら我らの進軍がそうとうに早く大した高さまで詰めなかったようじゃのう」
さも愉快そうにそう嘲笑するのみであった。
だが、それに対して居勝も否定はしない。
「・・・・・・しかし、もしやなにか仕掛けがあるやもしれません。明日の攻撃に備え、先ずは天幕の準備を――」
「そんなものは半数の者でやればよい! 半数は今の勢いを殺さずに攻めさせよ! あの程度の壁、下手をすれば今日中に越えられるであろうが!」
そう言った進安は、あろうことか進軍で疲れた兵を休ませもせずに、いきなり攻撃の号令を出す。
「第1軍と2軍は敵を攻めたてい!」
「なっ!? お、お待ちを!」
しかし、居勝の静止などは聞きもせず、進安は合図の銅鑼を鳴らさせる。
30万の兵の内、この場に既に辿り着いている兵は20万。
その半数の10万が上海要塞に向かい殺到していったのである。
此処に、上海要塞守城戦の幕が切って落とされた。
途中の行為に目を瞑ることができるのならば、順調に辿り着いたと言っていい。
だが、居勝の目に写ったのは予想を上回る光景だった。
上海城から逃げてきた兵士の話では、倭軍の攻撃で城壁は崩壊して使い物にならなくなっていると聞いていた。
また、斥候からの報告で、要塞化に向けた動きがあることも知っていた。
とは言え、修理にしろ、再建にしろ、一月で終わる話ではない。
だが、実際に目にしたそれは明らかに完成していた。
そして、真っ先に見る者を引き付ける美しさを誇っていた。
殺人に酔い、浮かれていた兵士たちも圧倒されるほどに。
いや、明のモノとの造りの違いが理由なのだろう。
倭軍の城壁は底部に石を積み上げている。
そして、ゴロゴロとしたそれらの石の上には、真っ白な壁が屹立している。
その白さがより存在感を引き立てているのだ。
「・・・・・・ふむ。しかし、どうやら我々の壁より攻めるに易い、か」
明で用いられる城壁は、基本的に石を長方形に切り取り積み重ねることで造られる。
ただ真っすぐに上に伸び、その最上部に人が乗り、敵を撃つ。
それに対し、倭軍の城はどうやら壁の上部に人を乗せるところなどはないようである。
幾つか櫓のようなものが見えるが、その程度では軍に対して効果的な攻撃など出来ないだろう。
高さも、居勝の用意した梯子に対してさらに低く見える。
正直に言って、これなら上海に元々あった城壁の方が攻め難かっただろう。
居勝の初見での感想はこの程度のモノであった。
同じ城壁と言っても、その性質の違いは大きい。
いや、そもそもの城の概念からして異なるのだ。
だが、この城壁は、かつて太閤豊臣秀吉の大軍をもってすら一歩たりとも城の内側に入れなかったという小田原城を参考にして造られている。
遠くから見たのでは気付かないのも無理はないが、城壁の前には深い堀もあり、容易に攻められるものではない。
さらに外からでは分からないが、盛り土を積み地面も高くなっている。
そして、永らく国内での戦争がなかった明国の人間は、鉄砲を用いた守城というものを知らない。
ゆえに銃眼もせいぜい覗き窓程度にしか考えていなかったのだ。
大軍ゆえの慢心も手伝い、居勝ですら倭軍を甘く見ていたのである。
まして、南京を出てよりこれまで己の欲望のままにしてきた進安ならば・・・・・・。
「なんじゃ、あの貧相な壁は! グッふふふぅ、どうやら我らの進軍がそうとうに早く大した高さまで詰めなかったようじゃのう」
さも愉快そうにそう嘲笑するのみであった。
だが、それに対して居勝も否定はしない。
「・・・・・・しかし、もしやなにか仕掛けがあるやもしれません。明日の攻撃に備え、先ずは天幕の準備を――」
「そんなものは半数の者でやればよい! 半数は今の勢いを殺さずに攻めさせよ! あの程度の壁、下手をすれば今日中に越えられるであろうが!」
そう言った進安は、あろうことか進軍で疲れた兵を休ませもせずに、いきなり攻撃の号令を出す。
「第1軍と2軍は敵を攻めたてい!」
「なっ!? お、お待ちを!」
しかし、居勝の静止などは聞きもせず、進安は合図の銅鑼を鳴らさせる。
30万の兵の内、この場に既に辿り着いている兵は20万。
その半数の10万が上海要塞に向かい殺到していったのである。
此処に、上海要塞守城戦の幕が切って落とされた。
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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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