関白の息子!

アイム

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秀頼ルート 徳川家存続作戦

お駒とたら(エロ度☆☆☆☆☆)

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「秀頼。そう言えばまだ萬吉の顔も見ていないのではないですか?」

 尋問室にご飯を届けに来てくれた母上が、第一声で呆れたように言い放つ。
 確かに、生後4カ月になる次男・萬吉の顔を大阪に戻ってからまだ見ていない。
 父親失格と言われても仕方のない所業である。

「・・・・・・たら、怒ってますかね?」

「大変な時なのは皆分かっていますので、怒りはしないと思いますが・・・・・・。その分覚悟はした方が良いでしょうね」

 たらに会うのに覚悟と言えば・・・・・・。
 いやぁ、どんだけ吸われるかだよなぁ。

「まだ疲れが・・・・・・」

「そう、でしょうね。でも、駒姫もですが、貴方の帰りをずっと待ちわびていたのです。江の尋問は私が代わりますので、会って来ておあげなさい」

「いえ、流石に母上では周りから見ても尋問にならないでしょう」

 とは言ったものの、逢いに行きたいのもまた事実。
 今の時点で出来ることは全て指示してあることだし・・・・・・。

「いや、やっぱりお言葉に甘えさせていただきます。私のいない間にお千が何歳までおねしょしていたかを聞き出しといてください」

 軽い冗談のつもりでそう言ってみる。

 二人とも苦笑いしていたが、叔母上に聞きたいことなんてお千の大阪にいなかった時の秘密くらい。
 どうせ時間の引き延ばしをしたいだけで、ここで得られるものがあるわけではない。
 
「じゃぁ行ってきます」

 そう言えばどちらから行こう。

 お駒のとこで白寿の成長を見るのも良い。
 たらのとこで産まれたての萬吉を見るのも良い。
 まぁ、どちらを先に呼んだとかで喧嘩になっても嫌だから二人ともを部屋に呼ぶことにするか。




「「陛下、お久しゅうございます」」

 部屋に呼ぶように侍女に伝えると、俺が座敷牢から移動するまでにすでに4人が俺の部屋に待機していた。
 お駒、たら、白寿、そして、眠っている萬吉。

「おお、これが萬吉か?」

「はい。4カ月になります」

 流石に初対面の赤子が優先されるのは仕方ない。
 この子もいずれ細川家の跡取りとして立派に育ってほしいものだ。

「たらの性質は継いでませんように」

「ちょっ!? へ、陛下!」

 パンパンと柏手を打ってお祈りすると、たらが文句を言いたげに怒鳴ってくる。
 だがその口に人差し指を立て黙らせる。

「こら、萬吉が寝ているのに大声を出すな」

「うぅ、はい」

 桜やお駒の時も思ったが、(普段は)引っ込み思案だったたらが少し前に出ようと成長したような気がする。
 やはりこれは母になったが故なのだろうか?

「お駒、白寿、留守を守ってくれてありがとうな」

「いえ、もったいないお言葉でございます」

「・・・・・・父上」

 しとやかに返答してきたお駒と違い、白寿の方は頭も下げず、なにか言いたげに挨拶の途中で声を上げる。

「なんだ、白寿?」

「某は天下人にはなれないのでしょうか?」

「は?」

 お駒が慌てて白寿の口をふさぐ。
 一体なにを・・・・・・。

「お駒、白寿に最後まで喋らせてやれ」

 タイミングがタイミングだけに白寿の口から出た言葉は重い。
 まぁ、幼いがゆえに分かっていないのだろうけど。

 そして、お駒が手を離したことで白寿の口が自由になる。

「父上、某は天下人になりとうございます」

「・・・・・・まぁ、男児たるものってやつだな。天下一を目指すと言うのも悪いことじゃない」

 そのために家康を連れ去りお千を正室から落とす。
 うん、そう言う風に連想されかねない。
 いくら賢くてもそこら辺まで頭が回らない。
 まぁ、歳を考えれば当然かもしれないな。

「ですが、某に用意された道は天下人への道ではありません」

 天下人の子として産まれておきながらということだろう。
 もちろん、今後お千との間に男子が産まれなければ白寿が世継ぎの筆頭になる。

「まぁ、そうだな。では白寿、天下人とはなんだ?」

「天下人とはこの日の本の大地を全て統べる者のことです」

「じゃ、日の本って?」

「それは・・・・・・あれ?」

 一昔前までの状況なら白寿は迷いなく答えられただろう。
 なんてことはない天皇陛下が納める国とでも言えば良い。
 白寿の優秀さなら理解していただろう。
 此処で戸惑うのが逆にその証拠だ。

「白寿、お前は天下人と言ったが、俺の後を継いで天下人になるということは皇帝になるということだ。それは将軍になるわけでも、関白になるわけでも、天皇になるわけでもない。ま、後は自分で考えてみな。だけどまだ小っちゃいんだから、これって決める必要もないだろ。そうだな、今は駒たちの言うことをよく聞いて・・・・・・」

 我が子の成長を見て気を良くし、調子良く言っていると、不意に白寿の顔が陰ったことを感じる。
 なにか気にかかることでもあっただろうか?

「どした? そんなに皇帝になりたかったのか?」

「・・・・・・いえ、母上の言うことを聞くのはちょっと・・・・・・」

 ところが、白寿の気にしていたのはお駒の言うことを聞けと言う部分だった。
 何時の時代にも子育ての常套句として使われる言葉だと思うのだが?

「は? なんで? そんなにガミガミ煩いのか?」

「なっ!? へ、陛下!」

 毎日こんな感じで怒られているのだろうか?
 そういや、お駒は教育ママっぽいもんなぁ。

 前に白寿が寝ている横で抱いてやった時など声を漏らさぬように必死に口を閉ざしていた。
 あれは楽しかった。

「そうじゃないです、けど。・・・・・・女子を追いかけちゃダメだって」

 なに? 女子?

「なに言ってんの?」

 あれ、白寿って、今五歳だよね?

 説明を求める様にお駒の方を見れば、苦々しい顔で頭を下げる。

「・・・・・・申し訳ございません。陛下に白寿の教育を任せていただいておき――」

「お駒が悪い!」

 何故女子を追いかけてはいけないのだろう?
 それは天下も何も関係ない。
 男の性だ。

「・・・・・・は?」

「駒、お前白寿が女で遊ぶの邪魔したんだろ? ダメだぞ? これからの標語は産めよ増やせよ豊臣家だ」

 冗談でも無く本気で考えている。
 そのためには英才教育もやむなし、だ!


 
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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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