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黄海の戦い
黄海海上戦の終結(エロ度☆☆☆☆☆)
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「敵艦が味方艦に取りつきました!」
もっとも前面に出ていた安宅船に敵大型艦が突撃するようにして接舷する。
大量の弓が敵艦から放たれ、一気に敵が乗り移ろうとしているのが見える。
「近接してしまった船は今は見ないでください! それより敵後方のあの一際大きい船を狙います!」
お千は接近戦となった艦には目もくれずに敵の指揮艦と目される船への集中砲火を指揮した。
射線を開けるために展開した船に敵が接舷したことで、逆に邪魔な敵艦がいなくなり射線が通ったのだ。
既に右舷から持ち込まれている砲の準備も出来ている。
正面の戦闘はもう終えたのだろう、何時の間にやら井頼もこちらに近づいてきていた。
だが、お千の的確で美しい指示に何も言うことがないと言う風に呆けて見ている。
「・・・・・・井頼、こちらの右翼の船を敵の左翼に回せ」
「は、はい!」
この船でやることは無くても、艦隊としてはやることがある。
味方の硝煙で戦況を確認しきれていない右翼の艦を敵の包囲に動かすということが。
そうすることで敵艦隊を完膚なきまでに叩ける。
逆風なので人力の操船に時間はかかるだろうが、敵味方の煙幕のおかげである程度隠れて移動することが出来る。
それに西を目指すなら180度回頭しなければいけない明の船団よりも早いだろう。
つまり逃さないで済むということだ。
「ここで全滅させる。矢弾を惜しむな。全滅させろ!」
「ははっ!」
そう言っているうちに敵大型艦の特攻で味方の船の一つが沈む。
火器では圧倒しているため、射撃戦ではなく接近戦を選択したのだろう。
そうなってしまえばこちらの艦艇のもろさが出てしまう。
果たしてあの船には幾人の兵が乗っていたのだろうか?
どのような将が・・・・・・。
「一人も生かして返すな」
「撃ってください!」
指揮艦に向けての斉射。
これまでの五回近くの砲撃で大分特性を理解できたのだろう。
四発が命中し、敵指揮艦が斜めに傾き出す。
そして、味方右翼の船が敵左翼を攻撃し始める。
視界の悪さもあり、誤射を避けるためにも味方中央と左翼は足を止めて戦闘している。
左翼は敵の特攻による被害で既に安宅船が二艦、関船が五艦も沈められている。
だが――
「手痛い被害を受けましたが、敵のそれはこちらの数倍に達します」
「油断・・・・・・したわけじゃないと思うが、虚を突かれたのは確かだったな」
味方艦による包囲は既に完成し、弓や鉄砲による掃討戦に移っている。
こうなってしまえば味方中央に位置する大和に出来ることなどもうない。
「お千、良くやった」
「は、はい! 皆様もありがとうございました!」
礼儀正しくその場にいるもの一人ひとりにお千が頭を下げていく。
この戦いによる味方の被害は恐らく1000人を超える。
砲や艦船の被害も甚大と言うほどではなくても決して軽くはない。
なにより、砲弾や棒火矢を使い過ぎだ。
「・・・・・・残念だが」
「はい。撤退ですね。敵を殲滅した後、味方の救助を行い、済州島への帰還を指示してまいります」
お麟が俺の考えを読んで行動を始める。
だが、この戦いで明の海軍はしばらくはまともに動けなくなるはずだ。
あとはヌルハチの金軍の結果次第で戦略を練り直せばいい。
「戦いに勝って、勝負に負けたな。まぁ、弾薬の補給が済めばまた直ぐにでも出兵できる俺達と違い将兵と艦船の多くを失った明軍はそうもいかないだろうが」
「陛下、その、お願いが」
人前だからだろう。
俺の事を陛下と呼びながらお千が近づいてくる。
「なんだ? 今回の手柄になんでも聞いてあげるよ?」
「・・・・・・それよりお部屋に」
「ん?」
そして、お千の顔が少し熱っぽくなっていることに気付く。
「そ、その、お情けを」
戦の後に獣性が高まるのはなにも男だけではないということだ。
女から求めることに羞恥を覚えながらもお千も我慢できなくなったのだろう。
もっとも、俺だって我慢するつもりなど無いがw
もっとも前面に出ていた安宅船に敵大型艦が突撃するようにして接舷する。
大量の弓が敵艦から放たれ、一気に敵が乗り移ろうとしているのが見える。
「近接してしまった船は今は見ないでください! それより敵後方のあの一際大きい船を狙います!」
お千は接近戦となった艦には目もくれずに敵の指揮艦と目される船への集中砲火を指揮した。
射線を開けるために展開した船に敵が接舷したことで、逆に邪魔な敵艦がいなくなり射線が通ったのだ。
既に右舷から持ち込まれている砲の準備も出来ている。
正面の戦闘はもう終えたのだろう、何時の間にやら井頼もこちらに近づいてきていた。
だが、お千の的確で美しい指示に何も言うことがないと言う風に呆けて見ている。
「・・・・・・井頼、こちらの右翼の船を敵の左翼に回せ」
「は、はい!」
この船でやることは無くても、艦隊としてはやることがある。
味方の硝煙で戦況を確認しきれていない右翼の艦を敵の包囲に動かすということが。
そうすることで敵艦隊を完膚なきまでに叩ける。
逆風なので人力の操船に時間はかかるだろうが、敵味方の煙幕のおかげである程度隠れて移動することが出来る。
それに西を目指すなら180度回頭しなければいけない明の船団よりも早いだろう。
つまり逃さないで済むということだ。
「ここで全滅させる。矢弾を惜しむな。全滅させろ!」
「ははっ!」
そう言っているうちに敵大型艦の特攻で味方の船の一つが沈む。
火器では圧倒しているため、射撃戦ではなく接近戦を選択したのだろう。
そうなってしまえばこちらの艦艇のもろさが出てしまう。
果たしてあの船には幾人の兵が乗っていたのだろうか?
どのような将が・・・・・・。
「一人も生かして返すな」
「撃ってください!」
指揮艦に向けての斉射。
これまでの五回近くの砲撃で大分特性を理解できたのだろう。
四発が命中し、敵指揮艦が斜めに傾き出す。
そして、味方右翼の船が敵左翼を攻撃し始める。
視界の悪さもあり、誤射を避けるためにも味方中央と左翼は足を止めて戦闘している。
左翼は敵の特攻による被害で既に安宅船が二艦、関船が五艦も沈められている。
だが――
「手痛い被害を受けましたが、敵のそれはこちらの数倍に達します」
「油断・・・・・・したわけじゃないと思うが、虚を突かれたのは確かだったな」
味方艦による包囲は既に完成し、弓や鉄砲による掃討戦に移っている。
こうなってしまえば味方中央に位置する大和に出来ることなどもうない。
「お千、良くやった」
「は、はい! 皆様もありがとうございました!」
礼儀正しくその場にいるもの一人ひとりにお千が頭を下げていく。
この戦いによる味方の被害は恐らく1000人を超える。
砲や艦船の被害も甚大と言うほどではなくても決して軽くはない。
なにより、砲弾や棒火矢を使い過ぎだ。
「・・・・・・残念だが」
「はい。撤退ですね。敵を殲滅した後、味方の救助を行い、済州島への帰還を指示してまいります」
お麟が俺の考えを読んで行動を始める。
だが、この戦いで明の海軍はしばらくはまともに動けなくなるはずだ。
あとはヌルハチの金軍の結果次第で戦略を練り直せばいい。
「戦いに勝って、勝負に負けたな。まぁ、弾薬の補給が済めばまた直ぐにでも出兵できる俺達と違い将兵と艦船の多くを失った明軍はそうもいかないだろうが」
「陛下、その、お願いが」
人前だからだろう。
俺の事を陛下と呼びながらお千が近づいてくる。
「なんだ? 今回の手柄になんでも聞いてあげるよ?」
「・・・・・・それよりお部屋に」
「ん?」
そして、お千の顔が少し熱っぽくなっていることに気付く。
「そ、その、お情けを」
戦の後に獣性が高まるのはなにも男だけではないということだ。
女から求めることに羞恥を覚えながらもお千も我慢できなくなったのだろう。
もっとも、俺だって我慢するつもりなど無いがw
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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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