関白の息子!

アイム

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黄海の戦い

小波(エロ度☆☆☆☆☆)

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 上空をかつてない程の量の棒火矢が飛び交う。
 この棒火矢を有効だと認識し、大量生産と改良にこぎつけたまでは良い。
 だが、有効な戦術を考案し熟練しきれていないのが現状。

 無暗に一つの船に多くの棒火矢が集まったり、稀に接近するまで対応が遅れたりする。

「陛下! あの船近づいてます」
「お麟、ここでなにを言っても始まらない。いざ戦が始まれば大将なんて黙って味方を信じて見ていることしか出来ないんだよ」

 珍しく狼狽えるお麟に落ち着けと頭をぽんぽん撫でながら伝える。

「きゅ、急に子供扱いですか!?」
「子供扱いもなにも子供だろう?」

 まごうこと無き5歳の少女が一体何を言うのだろう。

「さ、先ほどは陛下の方が狼狽えていました!」
「俺は人に見られるのが仕事だからな。こうして人前に立っている時は悠然と立つ。ほれ、指示なら井頼が出しているぞ?」

 大和の船首に備えた高台に遠眼鏡を持って指示を出す井頼の姿が見える。
 今回この艦隊の指示を一時的に預けてある。
 その指示は的確で全体に細かく指示が出来ないなら、指示を出せる大和から討ち漏らした敵を撃つという方法を取っているようだ。

「む、むぅ、どうやら私は実戦向きの軍師じゃないようです」
「まぁ、まだ5歳。あまり気に病む必要もないだろ。それにどんな人間にも得手不得手ってもんがある。気にする必要もないんじゃないか?」

 まぁ、前世と合わせれば36か、37だけど。
 前世の記憶がそう言うもんじゃないってのは俺も知っている。

「少しくらい子供らしい方が可愛くていいじゃないか」
「・・・・・・陛下、今は合戦中ですよ!」

 プリプリと怒られても可愛いとしか思えない。

「さて、前方の敵は井頼が対処する。こういう時もう一人の軍師がするべきことはなんだ?」
「・・・・・・敵援軍の可能性を探ります!」
「ああ、遠目の利く桜を連れて行っていい。桜、お麟の手伝いをしてやってくれ」
「はっ!」

 シュタッと現れた桜にお麟が驚く。
 俺にとっては何時もの事だが、慣れない人間にはこの忍びらしい現れ方は――

「す、凄い凄い凄い。どうやるんですか!? どうやって現れたんですか!?」
「・・・・・・お麟、それ後にしな」

 桜の周りを飛び跳ねながら質問しまくるお麟の頭をポカリと痛くない様に遠眼鏡で叩く。

「うぅ、すいません」

 遠眼鏡を受け取りお麟と桜が階下に降りて行く。

 遠目に戦の行方を見ると海上に揺蕩う既に炎上した明の小船達。
 あ、また一つ船が燃えた・・・・・・。
 あの船には・・・・・・だいたい10人くらいの兵か?

 それにしても、上海を攻められたからと言って明の方から海上戦を仕掛けてくると思わなかった。
 しかも大型艦同士による攻防ではなく小型艦による特攻。
 ・・・・・・破れかぶれの特攻ならいい。
 しかし、意図があるのなら・・・・・・。

「侮るな、か。しかし東は朝鮮、南は占領した上海、西は陸地。とても援軍の来る余地など・・・・・・」
「兄上、明には大きな川があると聞きました」
「お千、もう腰は大丈夫なの?」
「そ、そういうことを言わないでください!」

 二日前の激しい性交の後、身体を動かすごとに腰が(もとい膣が)痛むとなかなか起き上がれないでいた。
 そんなお千がちょこんと顔を出したので心配したのに、真っ赤になって怒られてしまった。

「しかし、川と言っても長江の出口には上海、黄河はまだまだ北だ。・・・・・・って、でかい川はそれだけじゃねえ!?」

 すっかり忘れていたけれど、敵が船を隠し、天津港に向かった日本軍を挟み撃ちにするなら、淮河の奥に船を隠すほうが良い。
 敵に視認されない様に明の陸地からは離れて動いているから、こちらも淮河から現れても直ぐには気付けない。

「チッ! 井頼! 西の淮河からの敵に気を付けろ!」

 俺が大声で怒鳴った時、左方の味方艦から敵接近を知らせる鐘が鳴った。

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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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