関白の息子!

アイム

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燃える上海

行け往け大和(エロ度☆☆☆☆☆)

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 夜の間だけ済州島に停泊し、朝方には上海に向けて出港する。

 お麟の進言通りにお麟のおねしょとして処理した布団の代わりにお麟の布団に3人で寝た。
 お千は申し訳なさそうにしていたが、お麟の方は別にどうってことないというような顔で澄ましていた。

「お麟、礼代わりに新しい本を買ってやろうか?」
「なっ!? ほ、本当ですか!? では、えと、え~っと、そうですね、う、い、一冊ですか?」

 と、凄い勢いで齧り付いて来た。

 相変わらずの知識欲求の高さに呆れるほどだ。

「あ、ああ、まぁ、じゃぁ、三冊にしといてやるよ」

 この時代の本はべらぼうに高い。
 少し大きめの家とその土地が買えるほどだ。
 とは言え、その程度の金は掃いて捨てるほどあるのが豊臣家なのだが。

「なっ!? 三冊! 三冊も良いんですか!?」
「あ、ああ。ていうか、今回の上海での戦利品の中にもきっと面白いのがあると思うしな。それらは基本的に俺の書斎行きだから、お麟も読み放題だろ」
「はぅっ!? い、いったいどれほどの書物があるのでしょう・・・・・・」

 うっとりとしだしたお麟に少し不安を感じてしまう。
 さて、一体お麟はどんな本を欲しがるのだろう。

「それとは別に三冊だ。決まったら俺か三成に言えよ。三成にも伝えておくからな」
「フフッ、三冊。本を三冊」

 上の空のお麟だが、名前だけしか知らない本を頭の中で選んでいるようだ。
 ブツブツと俺も知らない単語を呟き、ホゥッと時より溜め息を吐く。

「・・・・・・こんな五歳児がいてたまるか」

 俺もボソッと呟いた。





 さて、その後特に何もなく航海を続けた大和は、済州島を離れて一日半で上海近海に辿り着いた。
 そして、そこには既に真っ赤に燃える上海城が見える。
 市街地には今のところ目立った被害はないようだが、陸上部隊も既に内陸深くまで踏み込んでいるところを見るとここで海上戦力がすることはほとんど残っていない。

「もしかして本も焼けたんじゃ・・・・・・」
「う、嘘・・・・・・」

 今にも泣きだしそうな顔になってしまったお麟をお千が大丈夫だからと慰める。
 だが、あれはどう見ても・・・・・・。

「ま、まぁ、大丈夫だろ」

 ギィッ、ドドォッ

 遠くの方で楼閣が燃え落ちる音が聞こえる。
 ごめんお麟。きっと本は無理。

 泣きじゃくるお麟を見ながら今後は期待させすぎることはしない様にしようと心に誓った。

 と、とにかく!
 上海は制圧した!
 このまま上海港で補給し、青島・北京港の攻略戦だ!


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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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