関白の息子!

アイム

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燃える上海

出陣(エロ度☆☆☆☆☆)

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 今回陸上戦力は九州・四国から合わせて5万程度の兵力。
 陸上戦力移送用の輸送艦とは別に、海上戦力は安宅船が20隻にもおよび、関船が100隻と今までに類を見ない規模となっている。
 大体安宅船が1隻600人、関船には100人が搭乗するので合わせて2万2千人ほどの兵力ということになる。

 海上戦力の第一目標は陸上戦力の上海への護衛。
 次に上海港の海上戦力の掃討と陸上戦力の上陸支援、そして上海城の攻略支援。
 さらに、済州島での補給を行い二手に別れて青島、そして天津港の襲撃。

「で、いいな?」
「よろしいかと」
「兄上、このお船の名はなんというのですか?」

 いざ乗船という段階になってお千がその船の威容に感嘆しているようだ。
 日本丸が古くなってきたこともあり、また、棒火矢などの新兵器などからの防御を考え、福岡城に入城したころから建造させていた船。
 俺にとっても今日が初お目見えになるその船の名は・・・・・・。

「ふふ、これは真・日本丸という!」

 ババーン! という効果音が聞こえそうなほどに大見栄をきる。
 各所の棒火矢の武装や移動式の大鉄砲、更には新式銃の備えも完璧。
 そして、艦首に二門、艦尾に一門、両舷に五門ずつ取りつけた新式のライフリング付きの大砲。

 はっきり言ってこの時代では世界最強の船だろう。
 その巨大さは他の安宅船の数倍にも達し、おかげで福岡港に入ることが出来ずに名護屋からの出港になってしまったほどだ。

 ・・・・・・コホン。
 しかし、素晴らしい出来栄えだ!

「・・・・・・言い難いです」
「な、なに!?」

 お千からのまさかのダメ出しに素っ頓狂な声を上げてしまう。
 しかも何処かの物陰からプッ、クスクスと笑い声が聞こえる。
 桜め、後で突きまくってやる!

「良いかお千! 今までの俺の船だった日本丸は数々の戦において全戦全勝の素晴らしい船なんだ。それにあやかって――」
「真っていうのがちょっと・・・・・・」
「む、じゃ、じゃぁ、超?」
「もっとダメダメです」

 マジで!? どうしよう・・・・・・。

「あの、私が名前を決めても良いですか?」
「お千が? ・・・・・・まぁ、良いけどさ」

 とは言え、カッコ悪い名前だったらいくらお千のいうことでも採用しないだろう。
 俺が認めるくらいカッコいい名前じゃなきゃ・・・・・・。

「では、大和で!」
「・・・・・・お麟」
「・・・・・・い、良い名前ですね!」

 確かにこの艦はこの時代では有り得ないほど巨大で砲も装備し、更には各種の棒火矢まで装備する。
 この時代における大鑑巨砲主義の象徴のような船だ。

 ついでに俺の乗船というだけあって居住空間の設えが半端ではない。
 旅館と揶揄されても仕方ない程だ。

 だが、幾らなんでも大和はいかがなものか?
 真・日本丸だから大和というのは良い。
 それはむしろ思いつかなかった俺の方が悪い。
 だけど、船に大和と名付けるのはどうしても縁起が良くない気がする。

 いや、当然この時代に太平洋戦争で活躍・・・・・・出来なかった大和の事は一切関係ないのだけど。
 助けを求めるようにお麟を見ても、何とも言えない顔で返してくるだけだ。
 戦中・戦後を生きた記憶を持つお麟にとっては俺以上に特別な意味を持つ名前のはず。

「・・・・・・嫌、なのですか?」

 俺達の顔を見てお千が訝しむように聞いてくる。

「い、いやぁ、良いんじゃないか?」
「そ、そうです! とても素晴らしい名前だと思います!」

 真・日本丸、改め、大和。
 一応、念を押しておくが、安宅船・大和である。
 決して戦艦なんかじゃない。

「うん! 安宅船・大和!」
「そ、そうです! 安宅船・大和!」
「なんで安宅船を付けるんですか?」

 不思議そうな顔のお千の質問には笑ってごまかし、乗船を始める。
 既に俺達を待つばかりになっていて、遠くの海上には先発した船が見える。

「・・・・・・良し! 出航!」

 安宅船・大和がその巨体を西に進める。
 済州島に立ち寄った後は上海の状況を確かめた後に直ぐに俺達も上海に向かう。
 きっと長引くだろう戦への覚悟をもう一度固め直し、ギュッとお千を後ろから抱きしめた。

  
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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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