関白の息子!

アイム

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二頭政治

戴冠(エロ度☆☆☆☆☆)

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「では、これを持って、豊臣の秀頼を大日本帝国、初代皇帝として認めるものとする」

 陛下の宣言と共に大名衆が歓喜の声を上げる。
 彼等にしてみれば武家がついに名実ともに国を支配したと言う意味を持つからだ。
 もっとも俺の父上は農民出身だがなw

 厳かな雰囲気の中、各地の大名達が立ち合い、天皇陛下により大日本帝国皇帝として、俺を認めると言う宣言がなされた。
 これにより日本は本格的な二頭政治と対外侵略を行うことになる。

 ちなみに陛下の宣言も俺の上座からではなく、並列の立場からだ。
 公家達の中には歯がゆそうな者もいるが、どちらにしろ公家の兵力では到底反抗も出来ない。

 先ずは俺の臣である大名衆を見る。

「皆、良く集まってくれた。これより俺は大日本帝国皇帝として国土を拡げ、国を豊かにするために、他国を侵略する。皆の活躍には大いに期待しているぞ!」
「「「「「「ははっ!」」」」」」
「他国の特権階級の財を奪い去り持てるより良い技術の学び、我らの物とした上でそれらをより良い物にして民に還元するのだ。さすれば、他国の者達も我らを歓迎し、我が国の民として活躍してくれるだろう。しかし、それぞれの文化は残さねばならぬ。各地から優秀な者も登用していかねばならぬ。俺だけでは出来ぬことが多い。皆の力をどうか貸してほしい」
「「「「「「ははっ!」」」」」」

 次にその文化の伝道師となる公家衆を見る。

「公家の者達にも期待しているぞ。大日本帝国が成功するかどうか、つまり各国が己の文化を残したまま我が国の国民と成りえるかどうかは、一重にお前達の活動次第のところがあるからな。その内容を逐一精査し、残すべきものとそうでないものをしっかりと分けるのだ」
「「「「「「ははっ!」」」」」」

 公家衆の中にはその仕事のやりがいに目を輝かせている者も確実にいる。
 そう、これは実際には非常にやりがいのある仕事なのだ。
 この公家衆の活躍が不十分なら、恐らく占領した後も乱の芽が燻り、何時まで経っても安心して統治を現地の者に任せられない。

「「皆、大日本帝国のために尽力を願う!」」

 陛下と並んでの宣言で式を終える。

 と言っても、非常に簡略したのは否めない。
 何故なら俺はこういう堅苦しいのが大っ嫌いだからだ。

 三成の如何に大掛かりにするかという意見に対し、俺のコンパクトにまとめよと言う水掛け論をどれほど続けたことだろう。
 更に一人称は「朕」を使えと言うのに対し、俺は「俺」で良いという議論だけでも確か二刻は続けた。
 此処に関しては「新しい皇帝だから、今までの決まりに従わなくて良いんだ!」と押し切ったので、宣言でも俺を使った。

 逆に三成に押し切られたのが、この豪奢でごちゃごちゃした着物だ。
 着ているのか着られているのか・・・・・・。
 前世の記憶で言うならあれが一番近い。大晦日の小林幸子さん。

「兄上、カッコイイです」
「そ、そうか? これカッコイイか?」
「はい。この龍の刺繍も、虎の刺繍も、鳳凰の刺繍も凄い。まるで生きているようです」
「ハハ、いったいどれを信奉したいんだろうな」

 俺の服は赤地の絹のそこかしこに金で刺繍された幻獣や猛獣、神託の獣達が踊る服。
 豪華と言うより既に落ち着きのないとかそう言うレベルじゃないだろうか?
 何かサンタの衣装を着ながら初詣に行って七草粥を喰うような感じ?

「それよりお千の方が綺麗だよ。今すぐ食べたくなっちゃうくらい」
「むぅ、私は食べ物じゃありません!」
「はは、そうだねぇ」

 俺の正室として横に立っても映える様にと白地の絹に金で刺繍された服。
 他にも金製の装飾品が身を飾る。

 その後ろからやってきた母上は今日は紫系の着物だ。
 こちらは後ろに控える意図なんだろうなと一目で分かる。
 息子の晴れ舞台に悪目立ちはしたくないようだ。

「秀頼、いえ、陛下。立派ですよ。きっとお父上も草葉の陰で喜んでおられましょう」
「母上。母上はこれからも秀頼と呼び捨てにしてください。俺は母上との間柄が変わるのは嫌です」
「そうですね。私だけが秀頼を1人の息子として見てあげられるのですからその方がいいですね」

 恐らく義母上の進言だろう。
 昔言っていた一人の人間に戻れるところを大切にしなさいと言う奴だ。
 だけど、わりと俺は好き放題しているので、そう言った役割を演じるストレスとは無縁なのだが・・・・・・。

「陛下、おめでとうございます。側室を代表し私からお祝いを申し上げます」
「お、お駒ありがと。って言っても、別に駒たちとの関係は全然変わらないけどな」
「いえ、私どもの陛下への信愛は一層増しました」

 そう言って後ろに控えるたら・五郎八・お菊と共にひざを折って平伏す。
 因みに桜は何度も出席しろと言ったのに、これほどの人間が来るなら自分が警護しないわけにはいかないと言って側室席にはいない。
 そういった礼儀作法を習っていないせいで恥ずかしかっただけなのではないだろうか?
 全くもって我儘な側室だ。あとでヒンヒン言わせてやる。

「・・・・・・陛下?」
「今晩は全員一緒においで」
「「「「は、はい」」」」
「もちろん桜もね」

 何処にいるか分からないので、適当に振り向いて声をかける。
 返事は返ってこないが、何となく聞こえているのが雰囲気で分かる。
 クク、今日は側室祭りだなぁ。

「あ、あの、陛下。その、菊姫様もですか?」
「ん? ああ。お菊も今はもう尻は使えるんだよ。だから大丈夫」
「・・・・・・はぁ。では今日は皆で失礼させていただきます。もちろん桜姫様も共に」
「ああ、頼む!」

 皇帝にはなったけど、別にやることが変わるわけではない。
 ひたすら今生を愉しみ、楽しみ、笑って過ごす。
 そのために努力するだけだ。


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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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